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マーケットビュー

月曜 野村雅道の今週注目!の経済指標 マーケットが注目する指標を大胆解析

月末週、注目は黒田総裁、米GDP改定値、中国製造業PMI、日本の貿易統計、CPI、欧 CPI、南アGDPなど

更新日:2013年5月27日

5月27(月)−5月31日(金)

黒田日銀総裁が金利と株について言及した。
黒田日銀総裁は昨日(日曜日)、上昇傾向にある長期金利について、「1-3%上昇しても経済や物価情勢の改善を伴うものであれば、貸し出しの増加などで収益にプラスの影響が及ぶ」と述べた。 一方、「経済状況が改善しないなかで財政懸念が強まることを背景に金利が上昇する場合は、金融機関には保有する国債などの評価損という負の影響が強く出る」と述べ、金利の上昇が経済に悪い影響を及ぼさないようにするためには、政府が財政再建を着実に進めていくことが重要だという考えを強調した。

乱高下する株価については、「現時点では資産市場などで人々の期待が行き過ぎて強気になっていることを示す動きは見られていない」と述べ、株式などの資産価格の上昇が経済の改善などを反映したものであるかぎりは、実体経済にプラスの影響を及ぼすという考えを示した。

さて米国は景気回復による量的緩和の縮小観測、貿易赤字の縮小、財政赤字の縮小でドルが強い。ドルが上げて他の通貨が安くなっているので日本だけに集中していた通貨安競争の批判が和らぐのは好ましい。 今週の米国はGDP・改定値がある。米国は改定値でもブレることがあるので注意したい。その他ケース・シラー住宅価格指数、消費者信頼感指数、シカゴ購買部協会景気指数、ミシガン大消費者信頼感指数・確報値などがある。

中国は6月1日に5月製造業PMIの発表がある。資源国通貨に影響する指標だ。

欧州は小幅ながらもPMIなど景気指標が改善している。GDPは減速しているので利下げ予想も出てきているが、南欧債務国の金利が大幅低下しているなど債務問題は改善している。格付け引き上げもあり、長期金利が一時8%台まで低下したギリシャにはIMFが6月初旬に調査団を派遣しEU、ECB、ギリシャ当局者と支援プログラムの進ちょくについて協議する。また欧州はCPIを発表するので来週の政策金利決定の手掛かりとなろう。

5月は豪ドルを中心に大きく値を下げている資源国通貨だが、豪は住宅建設許可や民間設備投資の発表がある。資源ブームのピーク論があり指標も弱く、財政黒字化が遅れ、政権支持率も低下している。6月の利下げ論が高まるかどうか。その豪よりは震災復興や住宅ブームで景気が底堅く、財政黒字化も間近のNZは住宅建設許可の発表がある。新NZ中銀総裁は常に通貨高懸念を示し、介入も実施した。通貨番付では米ドルに続き、ユーロにも抜かれ3位となった。カナダは政策金利(据え置き予想)、経常収支、GDPの発表がある。資源国通貨であるが、好調な米国景気に影響されて豪ドルほどの下落はない。先週政策金利を据え置いた南アは1Q・GDP(4Qより減速の前期比+1.7%の予想)やPPI、貿易収支の発表がある。

今週は来週のRBA、BOE、ECBの政策金利決定、米雇用統計への前哨戦ともなる。

【今週の注目経済指標】

5/27
(月)

(日)日銀議事要旨(4月26日分)
(米) NY休場(メモリアル・デー)
(英)ロンドン休場(レイト・バンクホリデー)
(香港)貿易収支

5/28
(火)

(日)企業向けサービス価格指数、地域経済動向
(スイス)貿易収支
(南ア)GDP
(米)ケース・シラー住宅価格指数、リッチモンド連銀製造業指数 消費者信頼感指数

5/29
(水)

(日)商業販売統計
(独)雇用統計、消費者物価指数・速報
(ユーロ圏)マネーサプライM3
(加)中銀政策金利発表
(ブラジル)政策金利、GDP

5/30
(木)

(NZ)住宅建設許可
(豪)住宅建設許可件数、民間設備投資
(日)5月上旬貿易統計
(スイス)GDP
(香港)小売売上
(ユーロ圏)消費者信頼感・確報
(南ア)生産者物価指数
(米)GDP・改定値、個人消費・改定値 新規失業保険申請件数
(加)経常収支

5/31
(金)

(日)CPI、失業率、有効求人倍率、家計調査、鉱工業生産、自動車生産・輸出実績、住宅着工戸数、建設工事受注、外国為替平衡操作実施状況
(英)GFK消費者信頼感調査、マネーサプライM4、消費者信用残高
(仏)生産者物価指数
(スイス)KOF先行指数
(ユーロ圏)失業率、消費者物価指数・速報
(南ア)貿易収支
(加)GDP
(米)PCEデレーター、個人支出所得、シカゴ購買部協会景気指数、ミシガン大消費者信頼感指数・確報値、OPEC総会

6/1
(土)

(中国)製造業PMI

先週の「注目通貨ペア!」の振り返り ※チャートはクリックで拡大できます

前回の「注目通貨ペア!」

ドル円
南アランド円

【ドル円】 予想レンジ:100-105、甘利大臣発言などに注意
米量的緩和縮小観測、中国製造業PMI悪化で日経平均が急落するのにつれてドル円もサポートラインを切り、103円から一時101円を割り込んだ。

(先週の予想は以下の通り)
日本の円安は長続きしている。貿易赤字が背景にある。また日経平均も下落し始めると日銀のETF購入が入るようで底堅い。さらに安倍首相が成長戦略の第2弾を発表したことも株価を支えるだろう。「農地集積などの構造改革で、農業・農村の所得倍増目標を掲げたい、今後3年間を民間企業の集中設備促進期間とし、あらゆる施策を総動員して設備投資を年間70兆円規模に回復したい、インフラシステムの輸出を2020年までに30兆円に拡大したい。アベノミクスは国際的にも理解を得られた」などと発言した。今週の日本は日銀政策決定会合、黒田総裁は政策決定会合後の会見の他に講演もある。また4月貿易統計や生保決算の発表も注目したい。

円安・株価上昇が続く。きっかけは「CPIの2%以上を目指す」というアベノミクスのスタート時点での発言であったが、それ以来日本の経済は好転し、日本全体の資産が増加し、その水の流れがいろいろな場所へ流れ潤い始めている。まだ物価は上昇していない。そのところを批判する方も出てくるだろうがそれは問題ではないだろう。国民の可処分所得が増えていけばいい。円高デフレで陰鬱な雰囲気に戻らなければいい。日本の物価は上げやすい公共料金は上昇するが、世界と競争する民間の値上げは難しい。デフレといっても世界一の物価高である。規制が邪魔をしている。もっと下げなければいけない価格もある。CPIの2%より現在の政策・基調を続けることだろう。

米が「シェールガス」の日本向けの輸出を認可、米は輸出増加のドル高要因に

米エネルギー省は、「シェールガス」の開発によって生産量が飛躍的に増加している天然ガスの日本向けの輸出を初めて認可した。4年後の2017年から価格の安い天然ガスの輸出が始まる見通しで、東日本大震災のあと、発電用の天然ガスの需要が急増している日本にとっては追い風になる。 シェールガスの増産で価格が下がった米国産の天然ガスは輸送の費用を考えても、ほかの国のガスよりも30%程度安いとされている。これまで日本などFTA=自由貿易協定を結んでいない国への天然ガスの輸出は原則として認めていなかった。

(テクニカル)
小刻みな上昇が続く。5月10日-14日の上昇ラインが支持。ボリバンは上限。5月2日-9日のなだらかな上昇ラインがサポート。その下は5月1日-2日の上昇ラインがある。5日線上向き。5月9日-14日の上昇ラインが上値抵抗となろう。週足はもみ合いから上抜け。4月22日週-29日週の下降ラインを上抜けた。11月12日週-12月10日週の上昇ラインが支持。月足は7か月連続陽線。今月は8ヶ月目。年足は07年-08年の下降ラインを上抜いて上昇中。

【南アランド円】 予想レンジ:10.40-11.40、CPIと政策金利決定、ストは回避か
米量的緩和縮小観測、中国製造業PMI悪化で日経を中心に世界の株価が下落、リスク回避の流れで南アランドも売られた。

(先週の予想は以下の通り)
(ポイント)
白金鉱山で大規模ストは回避されそうだ
4月小売売上は予想を上回る
4月通貨番付では最強であったが、5月は対ドルで下落、対円で上昇
1Q失業率は25.2%と依然高い
4月CPIは+5.7%の予想
今週は政策金利決定あり
インフレ懸念と景気減速のジレンマ
中国の景気減速の影響はある
格下げの可能性は残っている
マーカス中銀総裁、ゴーダン財務相はランド安を懸念(この発言からランドは強い)
消費者信頼感指数は9年間で最低へ

(国内要因)
3月小売売上は2月の+3.8%から下回るも予想の+2.4%を上回る2.8%となった
今週は4月CPIと政策金利の決定がある。
CPIは+5.7%でインフレターゲット上限の6.0%からわずかに低下する予想
政策金利は雇用不安などあるが、インフレ懸念もあるため据え置きの予想

(海外要因)
米国雇用統計は改善した。財政収支の改善、貿易赤字の縮小で米ドルは強く、ドルランドの上昇にもつながっている。米ドルはついに通貨番付でNZを抜き首位に立った。ユーロ圏の1Q・GDP成長率は、2年連続マイナス成長となった。ただユーロドルは貿易黒字があり底堅い一面もある。EUは緊縮政策のみならず財政出動も示唆し始めた。欧州の金利は全体的に低下している。G-7では日本の大胆な金融政策が容認された。中国は4月貿易収支で輸出の伸びが確認された。4月CPIは2.4%で予想の2.3%、3月の2.1%を上回った。他の指標はマチマチ。上海株式市場も強さはない。

(トピックス)

「スト回避か」
プラチナ生産世界最大手アングロ・アメリカン・プラチナム(アムプラッツ)は5月17日に一部労組指導者によるストの呼び掛けにもかかわらず、鉱山労働者が出勤したことを明らかにした。 「トラブルは起きていない。今朝のアムプラッツではすべてが平常通りだ。労働者は地下に行き、衝突は起きていない」と話した。労組などが人員削減計画に反対し、17日にストを実施すると警告していた。16日の市場ではアムプラッツ株が8年ぶり安値の286ランドに下落していた。

「資源価格」
米景気の回復でのドル上昇で金価格は下落しているが、その他の工業資源の銀、白金、パラジウムは景気回復の影響で底堅い。白金価格が金価格を上回る状態が続いている。世界の景気が回復している証拠でもあるだろう

「産業政策」
デイビス貿易産業大臣は経済の活性化、技術革新、貧困の削減に重点が置かれた産業政策行動計画(IPAP)第五改正版を公表した。「これらの目標を達成するためには、鉱業分野における高付加価値化の向上やBRICS加盟の機会を活用した新輸出市場の開拓が必要である。IPAPは南アにおける消費主導型経済成長を転換する行動計画である」と述べた。

(テクニカル)
5月6日-7日の下降ラインを上に抜け上昇するも、5月8日-9日の上昇ラインを下抜いた。5月9日、10日、13日と上ヒゲがあり下落した。ボリバン上限から中位へ下げる。5日線下向く。4月16日-5月2日の上昇ラインも下抜く。週足では4月1日週-15日週の上昇ラインを下抜いた。月足は10月-12月の上昇ラインが生きている。年足は07年-8年の下降ラインを上抜いている。

今週のワタシの「注目通貨ペア!」※チャートはクリックで拡大できます

今週の「注目通貨ペア!」

ドル円
NZドル円

【ドル円】 予想レンジ:98-103、月末輸出、月末投信、黒田総裁など政府当局発言あり

上半期で輸出も出やすい地合いなので円高に振れる場面は初秋までたまに起こりうるだろう。輸出玉もあり輸入玉もあり資本玉もあり売買が偏る時がある。為替は株より行ったり来たりする市場である。ただ基調は貿易収支が決めるのだろう。  
今週は月末週となる。先週に続き、月末週の輸出が出るだろう。逆に外貨投信の設定も多い。外貨投信は午前の仲値設定時に、月末の輸出は後場に出るだろう。需給の材料では今週は5月上旬の貿易統計の発表がある。既に1-4月で去年より約1.6兆円赤字が拡大している。

日銀黒田総裁は、29日(水曜)に講演する。またESIR国際コンファレンスがあり、政府関係者、金融当局者の多くが講演、発言を行う。月末週なので日本の指標も多く、日銀議事要旨(4月26日分)、 企業向けサービス価格指数、 地域経済動向 商業販売統計 CPI 失業率、有効求人倍率、家計調査、鉱工業生産、自動車生産・輸出実績、住宅着工戸数、建設工事受注などがある。ほぼいい数字が出るのだろう。夏のボーナスも増加するようでいい方向へ向かっているのは間違いない。ただ為替は一方向に動くものではないので短期売買は様々な需給やヘッドラインニュースにも気をつけたい。

日本株下落の要因として米量的緩和縮小観測、中国の製造業PMI悪化などが上げられたが、米中株より日経の下落率が高いのは、いつも通りで海外がくしゃみをすれば日本は熱が出る外部要因にデリケートな市場だ。

日本の当局はリーマンショック前のドル円レベルをメドにしているようだ。108円-110円なので近いと言えば近い。

(テクニカル)
5月17日-20日の下降ラインを上抜くが5月21日-22日の上昇ラインを下抜き下落。ボリバンは上限から中位へ。5月2日-9日のなだらかな上昇ラインも下抜いた。その下は5月1日-2日の上昇ラインがある。5月23日-24日の下降ラインに沿う。5日線下向き。週足は4月22日週-29日週の下降ラインを上抜けた。4月29日-5月6日の上昇ラインを下抜く。11月12日週-12月10日週の上昇ラインが支持。月足は7か月連続陽線。今月は8ヶ月目。年足は07年-08年の下降ラインを上抜いて上昇中。

【NZドル円】 予想レンジ:79-84、米ドル高で下げるも、NZ景況感はしっかり

(ポイント)
次の焦点は6月13日の政策金利決定
NZは介入公表で下げていたが米ドルの強さがさらに押し下げた
ファンダメンタルズは悪くはないが中銀は通貨高懸念を持つ
予算案で財政黒字化、景気見通し上方修正
IMFは政策金利の引き上げを示唆
1Q雇用は改善した
住宅投資は依然底堅い。個人消費も強い
今年の通貨番付の首位の座を米国に明け渡し、ユーロにも抜かれる
1Q・CPIは依然インフレターゲット以下である
NZの輸出先は豪に代わって中国が首位に

(国内要因)
4月貿易収支は3月 +7.18億NZD、予想 +4.80億NZDのところ+1.57億NZDとなった。また輸出は3月の44.1億NZDから39.5億NZDと減少した。輸入は36.8億NZDから38億NZDへ増加した。
輸出の約4分の1を占める乳製品が+2.2%、食肉+11.4%、木材+4.1%、果物-11.0%減など。輸入は変動の大きい石油製品が+45.5%、自動車・同部品+16.0%などであった。

(海外要因)
FRBバーナンキ議長、FOMCでの議事録でも量的緩和(QE3)の縮小を示唆し始めていることもあり、米ドルが強含んでいたが、昨日5月23日、日経が7%下落したことを受け今度はドル安が進んだ。5月全体ではここまでドルがやや強く、資源国通貨の下落を誘った。また中国の5月製造業PMIが50を割ったことも資源国通貨を弱くした。欧州はユーロ債務問題が落ち着いてきている。景気指標はまだ力強さはないが、貿易黒字がユーロを支えている。

(消費者信頼感指数改善)
マイナーな指標だが、The ANZ-Roy Morganの5月 消費者信頼感指数が4.5ポイント上昇した。雇用の改善、金融環境の改善、住宅投資の活況化などによる。

(豪ドルに差をつける)
NZと豪は同じように資源国、財政状況の良好な国、中国経済に依存する国と見られている。ただ今年はNZドルは豪ドルに対して4.5%上昇している。豪ドルNZドル相場は年初の1.25台から1.19台へ下落している。豪経済のほうがより資源経済であるので中国の減速を受けている、財政黒字化について豪はNZに遅れている、NZは漸く震災復興が景気に好影響を与え始めている、豪は政局不安がある、などからである。

(NZ介入について)
ウィーラー中銀総裁は議会で昨年12月と今年4月にNZドル売りを実施したことを公にした。ただ、どれくらいの規模の介入を行ったかは公表していない。中銀の外貨準備総計の数字をみると、昨年12月の外貨準備が214.3億NZドルで今年3月が238.3億NZドルとなっている。24億NZドルの増加だ。この数字の中に介入(NZドル売り米ドル買い)の金額が入っている。ただその間NZドルは上昇していたので、介入効果はなかったと言える。

(テクニカル)
5月17日-20日の上昇ラインを下抜いて急落した。ただ下ヒゲが長く一旦戻すも先週末は再び陰線。雲の下限まで落ちたが現在は雲中。5日線は下向き。5月22日-24日の下降ラインに沿う。ボリバンは狭いが下限を下抜く。週足は4月8日週の長い上ヒゲで下落も4月15日週は下押し後、下ヒゲで対抗し横ばい推移。4月15日週-29日週の上昇ラインを下抜ける。11月12日週-2月25日週の上昇ラインも下抜いた。週のボリバンの上限から小反落。月足は昨年6月-9月のなだらかな上昇ラインあり。まだボリバン上限越え。年足陽線。

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