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マーケットビュー

月曜 野村雅道の今週注目!の経済指標 マーケットが注目する指標を大胆解析

今週のマーケット
「ユーロ圏財務相会合、ユーロ首脳会議、バーナンキ議長、
日本貿易統計と月末指標、生保決算、米ケース・シラー、
GDP改定値、中国PMIなど」

更新日:2012年11月26日

11月26日(月)−11月30日(金)

今朝のシドニー市場では、スペインで最も豊かなカタルーニャ州の総選挙が行われ、独立派が過半数を維持したことで今後の債務問題への混乱も予想され若干ユーロ安で始まった。先週から報道されている北朝鮮のミサイル準備行動のニュースもある。野田首相は安倍自民党総裁のインフレ政策を批判し、デフレ容認ともとれる発言を行った。これまで民主党もデフレ脱却を目指していたが、今日発表される民主党のマニフェストはどうなってしまうのだろう。

さて最近の円安株高をリードしてきた安倍自民党総裁の前回首相時の為替相場はどうだったのだろう。前回の任期は2006年9月26日 - 2007年9月26日であった。ドル円は1円円高となったが、ユーロ円は1年で9.9%高、豪ドル円は15.4%高と円安が進んだ。

欧米はクリスマスを前に議論が進み始めている。ギリシャ支援問題で26日にEU財務相会合が開催される。支援条件でIMFが譲歩を見せたとギリシャ首相は発言してユーロ買いを誘った。欧州製造業PMIや独IFOの改善もユーロ買いに寄与した。EU首脳会合では長期予算で物分かれとなったが大きく相場には影響しないだろう。むしろスペインからの独立を望むカタルーニャ選挙の結果が心配である。今週の欧州はCPIの発表がある。

米国もまだ具体的な話は出てこないが「財政の崖」問題での議論を進めようとする動きが出ている。いずれ何らかの妥協をせざるを得ない問題である。今週はバーナンキ議長の講演や耐久財受注、S&Pケース・シラー住宅価格指数、ベージュブック、GDP・改定値などに注目したい。

中国は多くの経済指標が改善しているが株価は先週末こそ景気対策期待で上昇したがまだ弱い。中国頼みの国は多いが、日本は尖閣諸島問題で参入が難しくなり、輸出も大幅減少しているのは残念だ。

今週はスイス、カナダ、南アが3QGDPを発表する。スイスは前期から若干の上昇、カナダ、南アは前期比減速する予想だ。資源国もけっしてファンダメンタルズが良好ではないが、世界的に投資リスクに慎重な中、比較的財政状況の良好な豪やNZへ海外からの投資資金が流入し通貨が底堅くなっている。

【今週の注目経済指標】

11/26
(月)

(日)日銀金融政策決定会合議事要旨
(独)GFK消費者信頼感調査
(米)シカゴ連銀全米活動指数

11/27
(火)

(NZ)貿易収支
(香港)貿易収支
(日)企業向けサービス価格指数
(英)GDP・改定値
(米)耐久財受注、S&P/ケース・シラー住宅価格指数、消費者信頼感指数、リッチモンド連銀製造業指数、住宅価格指数

11/28
(水)

(ユーロ圏)マネーサプライM3
(独)消費者物価指数速報
(米)新築住宅販売件数、地区連銀経済報告(ベージュブック)

11/29
(木)

(豪)民間設備投資
(日)11月上旬貿易統計
(スイス)GDP
(独)雇用統計
(ユーロ圏)消費者信頼感・確報
(南ア)生産者物価指数
(英)消費者信用残高、マネーサプライM4
(加)経常収支
(米)GDP・改定値、新規失業保険申請件数、中古住宅販売成約 

11/30
(金)

(NZ)住宅建設許可
(日)失業率、有効求人倍率、全国消費者物価指数、鉱工業生産・速報、外国為替平衡操作の実施状況
(香港)月次政府財政収支
(仏)生産者物価指数
(スイス)KOF先行指数、鉱工業生産
(南ア)GDP、貿易収支
(ユーロ圏)消費者物価指数・速報、失業率
(英)GFK消費者信頼感調査
(加)GDP
(米)個人所得、個人支出、PCEデフレータ、シカゴ購買部協会景気指数

12/1
(土)

(中国)製造業PMI

先週の「注目通貨ペア!」の振り返り※チャートはクリックで拡大できます

前回の「注目通貨ペア!」

ドル円
豪ドル円

【ドル円】 予想レンジ:79-84、金融緩和と季節的需給で上昇
先週後半こそ伸び悩んだが、総じて晩秋の円安需給と新政権への金融緩和期待で上昇した。

(先週の予想は以下の通り)
「自民党為替関連マニフェスト」では「デフレ・円高からの脱却に最優先で取り組む」、「2%の物価目標。目標達成に向け日銀法の改正も含め政府・日銀の連携強化の仕組みを作る」、「名目3%の経済成長をする」、「官民協調外債ファンドの創設と外債購入による円高是正も検討課題である」 となっている。
衆院解散発言、安部自民党総裁の「金融緩和」発言でドル円は79円半ばから81円半ばまで2円上昇、クロス円も上昇した。日経平均株価は8600円から9000円へ上昇した。いかにこれまで市場が抑えつけられ、また何を望んでいたかがよくわかった相場展開であった。

こういう円安の動きは一時的で、また自民党が政権をとったわけでもないのでまた円高に戻るという意見も多いが、そういうことはないだろう。このような動きがなくとも今年は円安推移している。円より弱い通貨は南アランドだけだ。貿易の赤字化や経常黒字の減少が円相場に表れている。さらに晩秋から初冬は輸出のドル売りが減少し、輸入のドル買いが増える時期でもある。機関投資家はいまひとつ元気がなく海外投資に踏み切る気配はないが、株、為替がリスク選好の流れとなると、持たざる不安が出てきてあらたな外貨投資に走ることもあろう。彼らは団体行動が多いので一気に円安が強まることもある。今週は日銀政策決定会合があるが、すでに政府は4カ月連続景気判断を下方修正している。その流れに出遅れがちで批判されている日銀が最近の動きに水を差すようなことはないだろう。日本は他に貿易統計の発表もある。

(テクニカル)
11月7日-8日の下降ライン、11月2日-5日の下降ラインを上抜いた。5日線は上向き。11月14日-15日の上昇ラインは急であったが先週金曜の16日も下抜けなかった。ボリバン上限を上抜けていたので一層の上伸はなかった。晩秋の需給もあり崩れにくいだろう。 11月9日-13日の上昇ラインがサポートする。週足は10月15日週-22日週の上昇ラインを下抜いたがそのラインまで戻す強さがある。9月24日週-10月1日週や9月10日週-24日週の上昇ラインが支える。ボリバン上位。月足は3月-4月の下降ラインを上抜けたままで9月-10月の上昇ラインができつつある。年足は陽線。

【豪ドル円】 予想レンジ:81-86、豪ドルの強さでなく円の弱さで強い
豪の経済指標はなかったが、中国経済指標の改善、ギリシャ債務問題の進展期待、米国財政の崖交渉進展期待、日本の金融緩和期待で上昇した。

(先週の予想は以下の通り)
(ポイント)
豪ドルは対ドルでは下落、対円では衆院解散と日本の金融緩和期待で急騰した
政策金利据え置かれた。中銀声明やRBA四半期金融報告は内外の景況判断を若干改善方向へ
雇用統計はまずまずだが小売売上は悪化
3Q・CPIは予想を上回った
欧州情勢はスペイン、ギリシャ問題がくすぶる
中国は貿易を含む景気指標が改善する。ただ新政権になってGDP倍増計画が打ち出されたが株価は低迷している
米国財政の崖問題ではドル買い豪ドル売りが出ている
RBAは豪ドル高に懸念を示している
相対的に強い通貨であることは変わらない

(国内要因)
10月失業率は前回5.4%、予想5.5%のところ5.4%であった。新規雇用者数は前回+1.45万人、予想+0.05万人のところ今回は+1.07万人となった。予想を上回ったことで豪ドルは買い戻された。
10月NAB信頼感指数は-1、景況感指数は-5といずれも前月(それぞれ0、-5)を下回った。

(海外要因)
欧州はギリシャの新規融資実行決定が先送りされた。米国はオバマ大統領再選後、「財政の崖」問題がクロ−ズアップされ、リスク回避の動きとなった。注目されていた最近景気指標が改善している中国は小売売上、工業生産、輸出など重要指標が先週改善した。現在行われている共産党大会では「2020年までにGDPを倍増する」ことが表明されたが、今のところ中国株式市場には大きく影響していない。

(トピックス)
「政策金利は」
政策金利は据え置きとなった。素直に上昇した。ただその後、オバマ大統領が再選された報道で、「財政の崖」問題がクローズアップされリスク回避の流れとなりドル高が進み豪ドルは対ドルで下落している。欧州債務問題の不透明感も豪ドルが対ドルで売られる要因となっている。RBAの政策金利の据え置き発表後の声明は以下の通り。
物価統計は、予想よりも若干高い
最近の中国の統計は、経済成長の安定を示唆
世界経済のデータは、若干より良好に
金融政策のスタンスは当面適切
豪の主要商品価格は、依然として今年初めの前半を大きく下回っている。
交易条件は昨年のピークから約13%悪化したが、今後も歴史的な高水準にとどまる公算が大きい。
2012年上期の一部の消費の強さは一時的なものだが、拡大を続けている兆候がある。しかし、消費が非常に力強い拡大に戻る可能性は低い。
住宅投資はこのところ抑制されているが、過去数カ月間に今後の改善を示す指標が見られた。非居住向け建物の投資は引き続き弱い。公共投資も抑制されると予想されている。

「RBA四半期金融政策報告も上記RBA声明とほぼ同じ内容」
2013年のGDP見通しを引き下げ−鉱業部門成長鈍化と財政引き締めが理由
  2013年は2.25%から3.25%、前回の2.75%から3.25%から下方修正
インフレ予想は8月予想と大部分変わらず 今後2年でターゲット内で推移
資源価格は徐々に下落するだろう
現行の金融政策が当面適切である
世界経済のリスクは下向きだが、改善されつつある
雇用の伸びは緩やか、失業率は少し上昇するだろう

(テクニカル)
11月7日-8日の下降ラインは上抜いて上昇。5日線は上向き。ボリバンでは上限に近い。11月13日-14日の上昇ライン、11月9日-13日の上昇ラインがサポートとなっている。世界の流れはリスク回避でドル買い豪ドル売りだが、日本の金融緩和期待で円が急落し豪ドル円が強調推移している。豪ドル自身の強さではない。週足は10月8日週-10月15日週の上昇ラインがサポート。ただ10月15日週-22日週の上昇ラインは下抜きそのラインが上値抵抗となろう。月足は6月-7月の上昇ラインを下抜いたまま。年足は陽線。

今週のワタシの「注目通貨ペア!」※チャートはクリックで拡大できます

今週の「注目通貨ペア!」

ドル円
南アランド円

【ドル円】 予想レンジ:80-85、円安継続
さて晩秋の円安はほぼ完成した。10月16日の始値(ドル円78.64、ユーロ円101.82、豪ドル円80.62)からそれぞれ円安推移してきた。基本は晩秋になれば輸出のドル売り(外貨売り)が減少し、輸入の買いが目立ってくることだ。日本の貿易赤字拡大も寄与。もちろん結果的に円高デフレを推し進めてきた民主党に対し、安倍自民党総裁の金融緩和論も効果を上げた。

初冬の貿易需給もほぼ同じだろう。輸出のドル売りが出ない以上、一見円高材料が出てもドル下げの度合いは小さいので押し目買いのチャンスとなる。それが晩秋から冬の需給だ。資本需給においては、やはりデフレ下で投資資金がないのか、機関投資家も個人投資家も元気がない。証券会社はボーナス資金を目当てに外貨投信など品ぞろえするがお金が集まるかどうか。他にソフトバンクの米国携帯会社スプリント買収の200億ドルが出るかどうかなども注目したい。今週の日本は11月上旬貿易統計、日銀総裁講演と雇用などの月末指標がある。生保決算で外貨投資の状況も確認したい。新政権期待でのリスク選好の円安期待は実際に具体策が出るまで続くだろう。

ここ数年の11月下旬の相場つきは以下の通り、また11月下旬の外貨投信払込スケジュールは以下の通り。下旬は10月の下旬ほど月末輸出による円高相場ではない

(11月下旬 )
2011 上げ
2010 上げ
2009 下げ
2008 横ばい
2007 上げ
2006 下げ

(今週の外貨投信)
*11/29
三菱UFJ投信  G好利回りCB、野村AM エマージング・ソブリン円投資型、ドイチェAM ハイ・イールド債
*11/30
三井住友トラストAM ブラジル高配当株オープン、岡三AM中国A株オープン、大和住銀投信投資顧問 スマート・ストラテジー・ファンド、ブラックロック・ジャパン サイエンティフィック・エクイティF、 みずほ投信投資顧問 中国グロースフォーカスファンド、みずほ投信投資顧問 新興国ハイ・イールド債券F、 三井住友トラストAM 新興国社債ファンド 損保ジャパン日本興亜AM 日本金融ハイブリッド証券ファンド

(テクニカル)
82.83をつけた11月22日がカブセとなり、23日のドル円下押しに繋がった。82.06まで下押し陰線ながらも下ヒゲを残し買い圧力も示した。11月20日-21日の上昇ラインは下抜くも、11月16日-20日の上昇ラインは維持している。11月9日-13日の上昇ライン程度のなだらかなものでいいのだが、やはり人気は集中し加熱する。ただ需給的に円買いが強くなる季節ではないのでドル円の下押しも急激ではないだろう。5日線は上向き。ボリバン上限を上抜けからは戻し上限に絡む。週足はボリバン上限超えで先週は終わる強さ。10月15日週-22日週の上昇ラインを下抜いたがそのラインまで戻す強さがある。9月24日週-10月1日週や9月10日週-24日週の上昇ラインが支える。月足は3月-4月の下降ラインを上抜けたまま(ここがポイントであった)9月-10月の上昇ラインができつつある。年足は陽線。

【南アランド円】 8.7-9.7、景気減速とインフレ懸念。3Q・GDP待ち
(ポイント)
成長鈍化とインフレ懸念
CPIが上昇し政策金利決定は据え置かれた
3Q失業率悪化、9月貿易赤字の拡大に続き9月小売売上も予想を下回った
ムーディーズとS&Pが南アの格付けを引き下げ
再発したプラチナ鉱山のストは終了
株価や資源価格は総じて上昇
ギリシャの債務延長問題再議論は26日。米国財政の崖問題では交渉進展の気配あり
主要9通貨番付では依然最下位

(推移)
南アランドはここ1週間では対円で上昇、対ドルでは小幅下落。株価は上昇。年間主要9通貨番付では最下位の弱さ。

(国内要因)
10月CPIは9月5.5%、予想5.4%のところ5.6%と上昇した。これを受け景気指標悪化にも拘わらず政策金利は5.0%に据え置かれた。今週は10月PPI、3QGDP、貿易収支と重要指標の発表がある。3QGDPは2Qの前年同期比+3.2%から1.5%へ減速する予想だ。

(海外要因)
欧州はギリシャの新規融資実行決定が先送りされるも、ギリシャ金利が低下し、合意期待は強い。ただあらたにEU予算協議が英国などの反対でまた揉めている。米国の「財政の崖」問題も交渉が進展している。日本は3QGDPマイナス成長、衆院解散、安部自民党総裁の無制限の金融緩和、マイナス金利もあるとの発言で円が急落している。中国新政権は「2020年までにGDPを倍増する」ことを掲げたが、不動産抑制策も継続観測あり中国株式市場は弱い。中国HSBC11月製造業PMIは改善し50を超えた(10月49.5、11月50.4)。

(トピックス)
「インフレ懸念で政策金利据え置き」
南ア中銀は、政策金利を5.0%に据え置いた。景気減速だがランド下落でインフレ見通しが悪化したことも一つの要因だろう。マーカス中銀総裁は、2013年のインフレ率見通しが悪化しているとし、2012年4Qも前回予想の平均5.3%から5.6%に修正した。「ランド相場は引き続き不安定な見通しで、ランド安はインフレ見通しの上振れリスクとなる」と発言した。

「経済成長率予想」
鉱山部門における労働問題の他産業部門への拡大は、下半期における南ア経済成長を急激に抑制することが懸念される。同ストライキは鉱山部門で数十億ランドの損失となり、数千人分もの失業を生み出す見通し。エコノミストの予測には、2011年に3.1%であった。

経済成長率が、2012年には2.3%、2013年には2.7%となるとの見方もある。労働市場における問題は、ビジネス界の自信を損傷し、投資へ悪影響を及ぼしている。エコノミストの間では、鉱山部門における労働争議による他経済分野への波及、及び世界経済成長の停滞という状況下で、南ア経済は第3四半期にも鈍化する予想だ。

「12月ANC選挙」
12月のANC党首選ではズマ大統領の再選が濃厚である。しかし、ズマ大統領の政策運営には批判の声が上がっており、汚職などの報道も多い。また格付け会社は、ズマ政権がアフリカ最大の経済規模を持つ南アフリカに長期的リスクをもたらしているとみている。重要な資源産業で労働争議が続き、投資家の信頼感は低下しているからだ。

(テクニカル)
11月12日-13日、11月7日-8日の二つの下降ラインを上抜いた。ドル円の上昇がランド円を引き上げた。11月15日-16日の上昇ラインを維持できなかったが11月19日-20日の上昇ラインがサポート。5日線は上向く。ボリバン上位へ、雲の上に出る。週足は格下げとストから立ち直った。11月12日週の下ヒゲで先週は上昇。月足では6月-7月の上昇ラインを下抜いたままだ。年足は陰線。

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