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マーケットビュー

月曜 野村雅道の今週注目!の経済指標 マーケットが注目する指標を大胆解析

今週のマーケット
「ユーロ圏財務相会合、米国財政の崖、日銀政策決定会合」

更新日:2012年11月19日

11月19日(月)−11月23日(金)

今朝のシドニー市場ではドル円が若干上昇し、クロス円も連れ安でスタートした。今週は22日(木)がNY市場、23日(金)が東京市場が休日なので仲値での決済は前半3日間だけである。仲値での外貨需要はややタイトとなろう。

さて海外の株式市場は下落を続けている。今年は中国市場を除けば全般的に好調であったが年末を控え調整売りも出ているが、欧米の経済指標がここのところ悪化していることもある。ユーロ圏は3QGDPがマイナスとなりリセッションとなった。米国も先週出た指標(失業保険、NY連銀製造業景気指数、フィラデルフィア連銀景況指数、鉱工業生産など)はハリケーンの影響もあり冴えないものとなった。企業決算も不冴えである。欧州はギリシャとスペインの債務問題に不透明感が残る。ただスムーズに行くならもともと問題とはなってなかった筈であり、こういうペースで進んでいくのだろう。今週はギリシャへトロイカが支援するかどうかに影響するEU財務相会合が明日20日に開催される。IMFラガルド専務理事はASEAN首脳会議を早めに退出してEU財務相会合へ急ぐ。欧州はPMI、独はPMIとIFO景況指数の発表がある。米国はクリスマス前に「財政の崖」問題を解決するよう議論が白熱するだろう。ただ先週は民主・共和で歩み寄りを見せ始めた。米共和党の議会指導部は、減税失効と歳出の自動削減開始が重なる「財政の崖」の回避に向け、歳出削減の実施を条件に歳入増に同意する用意があると表明した。

心配なのは中国である。新体制となり「GDP倍増計画」が打ち出されたが、株価指数への影響はなく弱い動きが続いている。中国が回復の道を歩まないと資源国だけでなく、先進国の回復の道が閉ざされてしまう。中国は今週製造業PMIの発表がある。安部自民党総裁が「無制限量的緩和、外債購入、マイナス金利」を打ち出した日本は別として世界ではリスク回避の流れでドル高となっている。それでもクロスが強いのは、如何にこれまでドル円に上昇するエネルギー(鬱憤)がたまっていたからだろう。
スイスは依然中銀がユーロスイスの下限の2.0(スイスの上限)を守る決意を示している。それゆえにユーロとパラレルに動くこととなる。

豪やNZ、特にNZの景気指標が弱い。今朝の3QPPIも大幅低下した。いまだ両国とも利下げ論が消えないが通貨は他国比強い。さらに対ドルで下げても、対円では円がさらに下がるので豪ドル円、NZドル円は上昇している。今週の南アは雇用が弱いがCPIが下げ止まったことで政策金利決定は5.0%に据え置きとなろう。鉱山ストは収まってきている。

【今週の注目経済指標】

11/19
(月)

(NZ)生産者物価
(日)景気動向指数改訂値
(ユーロ圏)建設支出
(米)NAHB住宅市場指数、中古住宅販売件数

11/20
(火)

(豪)RBA議事録
(日)日銀金融政策決定会合
(独)生産者物価指数
(スイス)貿易収支
(加)卸売売上高
(米)住宅着工、建設許可件数

11/21
(水)

(日)金融経済月報、通関ベース貿易収支
(南ア)消費者物価指数
(英)BOE議事録
(米)新規失業保険申請件数、ミシガン大消費者信頼感指数・確報、景気先行指数

11/22
(木)

(香港)消費者物価指数
(中)中国製造業PMI
(独)PMI製造業速報、PMIサービス業
(ユーロ圏)PMI製造業、PMIサービス業、消費者信頼感速報
(米)NY休場(感謝祭)
(加)小売売上、SARBオフィシャルキャッシュレート

11/23
(金)

(日)東京休場(勤労感謝の日)
(独)GDP確報、個人消費、IFO景況指数
(加)消費者物価指数

先週の「注目通貨ペア!」の振り返り※チャートはクリックで拡大できます

前回の「注目通貨ペア!」

ドル円
NZドル円

【ドル円】 予想レンジ:77-82、日本のGDPマイナス予想、他の指標も悪化
衆院解散、安部自民党総裁の「無制限金融緩和」、「マイナス金利」発言をきっかけに79円台から81円台まで上昇した。

(先週の予想は以下の通り)
今週は日本の3Q・GDPが発表される。予想は前期比-0.9%。最近の指標では景気動向指数、景気ウォッチャー調査、鉱工業生産、機械受注も悪化した。デフレ傾向も続く。これで短期には円安だが長期には続いている円高傾向を放置していては、尖閣諸島問題で日本から中国への特需がなくなった以上さらに日本は衰退していく。OECDが予測するように 世界全体のGDPに占める日本の割合も現在7%の日本は、高齢化が原因で2060年には3%まで低下する道を歩んでゆくのだろう。今週は日銀総裁の講演や邦銀の決算発表がある。

日本の景気減速やデフレ問題、財政赤字問題は根深い。今までは国内景気が減速すれば輸出ドライブをかけたり、海外資産を取り崩したりして「不況の円高」が進んでいたが、これまでの円高で輸出業者が大きな打撃を受け貿易赤字にもなっていることから需給面で円高となることはないだろう。それは今年の主要9通貨番付で円が8番目の位置にいることがよくあらわしている。今後もこの傾向は変わらないだろう。季節的に日本の会計年度前半が円高、後半が円安になる傾向はあっても、円高部分が小さく、円安部分が大きくなっていく。

さて中国の10月の貿易収支は320億ドルの黒字となった。9月は+277億ドル、8月は+267億ドルと黒字基調は続く。10月は輸出が+11.6%、輸入+2.4%と、尖閣諸島問題で打撃を受けると見られた中国の輸出は東南アジアや米国向け輸出の伸びで補う以上のものがあった。日本は相変わらず輸出の減少に歯止めがかからない。かなり深刻であるが対策は講じられていないのが心配だ。

(テクニカル)
10月30日-31日の上昇ラインを下に切ってそのまま下落。ただ先週金曜はほぼ寄り引き同時で下ヒゲが長くなった。日本のマイナス予想のGDP前に買い戻しも入ったか。11月7日-8日の下降ラインが上値抵抗となる。5日線は下向き、ボリバンではまだ中位。雲はかなり下にある。9月28日-10月11日の上昇ラインはかろうじて残った。その下は9月13日-28日の上昇ラインでボリバン下限あたりとなる。週足は10月15日週-22日週の上昇ラインを下抜く。9月24日週-10月1日週や9月10日週-24日週の上昇ラインが支える。ボリバン上位。月足は3月-4月の下降ラインを上抜けたままで9月-10月の上昇ラインができつつある。年足は陽線。

【NZドル円】 62-67、失業率悪化で12月6日の政策金利決定へ向かう
失業率悪化、小売売上悪化と続き、NZドルは対ドルで下落したがドル円の急騰でNZドル円は64円台から66円台へ上昇した。

(先週の予想は以下の通り)
(ポイント)
先週はNZドルが大きく下げたが年間通貨番付は依然首位
CPIはインフレターゲットを下回る
ウィーラーNZ中銀新総裁、イングリッシュ財務相は利下げ余地ありと発言
介入については「中銀総裁は準備している」、イングリッシュ財務相は「行わない」と発言
求人広告数は減少していたが3Q失業率が悪化した。利下げ思惑も出ている。一方住宅関連指標は強い
NZに影響を与える中国市場はやや持ち直している(製造業PMI、景気先行指数、小売、工業生産が改善)
欧州債務問題と米国「財政の崖」がリスク回避要因
中国は「2020年までにGDP倍増計画」を打ち出した

(国内要因)
3Q失業率は2Qの6.8%、予想の6.7%から7.3%へと大幅悪化した。事前の求人広告数の減少を反映した。失業率は13年半ぶりの高水準となった。景気回復が依然まだら模様であることが鮮明になり、金利が来年まで過去最低水準に据え置かれるとの見方が強まった。3Qの就業者数は前期比8000人(0.4%)減。フルタイム雇用者が減少した。労働参加率は68.4%で変わらず。これを受けて市場では追加緩和観測が後退し、銀行間先物は来月の3.0%への政策金利引き下げの確率を48%織り込んだ。雇用統計発表前は利下げを64%織り込んでいた。

(海外要因)
欧州はギリシャの新規融資実行決定が先送りされた。米国はオバマ大統領再選後、「財政の崖」問題がクロ−ズアップされ、リスク回避の動きとなった。注目されていた最近景気指標が改善している中国は小売売上、工業生産、輸出など重要指標が先週改善した。現在行われている共産党大会では「2020年までにGDPを倍増する」ことが表明されたが、今のところ中国株式市場には大きく影響していない。 

(NZの対外債務)
NZ中銀は、高水準となっている対外債務によって国内経済は衝撃にさらされやすくなっていると警告した。 スペンサー副総裁は議会の委員会で、GDPの70-80%に相当する対外債務はNZをリスクにさらしていると指摘。「国際的な基準からすると高水準だ。対外債務がこの水準にとどまる限り、NZは影響を受けやすく、危機後ではなおさらそうだ」と語った。 また、中銀のウィーラー総裁は同委員会に対し、GDP比4.5%となっている経常赤字は高水準だと指摘した。 ただ現在の環境においてNZドルの大幅な下落を見込むことは難しいとも述べた(結果的にこの発言後NZドルは急落した)

(NZ中銀半期金融安定性報告)
NZ中銀は、半期に一度の金融安定性報告を公表し、自国通貨高と住宅価格の過大評価が一因となり、景気回復は緩慢なペースにとどまっているとの認識を示した。ウィーラー新総裁はその中で、中国を含む世界経済の活動は引き続き弱いものの、市場の地合いはこのところ改善していると指摘。「これが国内銀行の海外での資金調達を支援しており、またNZドルを押し上げている」と述べた。「NZの相対的な成長見通しが引き続き好ましいと受け止められた場合、交易条件が悪化しても、とりわけ一段高となる公算が大きい」とした報告書ではまた、住宅市場のリスクにも言及。「家計債務は依然として比較的高水準にあり、借り手の多くはとりわけ住宅価格の調整に対しぜい弱」とした。

(テクニカル)
11月2日、5日、6日で高値止まりした後、米大統領選後の「財政の崖」で下げ、さらに3Q失業率悪化で下げた。10月30日−31日の上昇ラインを下に切って雲下限近くまで下げた。ボリバンは中位よりやや下。5日線は下向いた。急激な下げで損切売りも少なくなったことで少し落ち着くだろう。先週金曜は下ヒゲも長くなり下げ止まった。11月7日-8日の急な下降ラインは上抜けた。週足は10月15日週-22日週の上昇ラインを下抜いた。月足は9月、10月は陽線であったが、今月は陰線スタート。年足は陽線。

今週のワタシの「注目通貨ペア!」※チャートはクリックで拡大できます

今週の「注目通貨ペア!」

ドル円
豪ドル円

【ドル円】 予想レンジ:79-84、金融緩和と季節的需給で上昇
「自民党為替関連マニフェスト」では「デフレ・円高からの脱却に最優先で取り組む」、「2%の物価目標。目標達成に向け日銀法の改正も含め政府・日銀の連携強化の仕組みを作る」、「名目3%の経済成長をする」、「官民協調外債ファンドの創設と外債購入による円高是正も検討課題である」 となっている。
衆院解散発言、安部自民党総裁の「金融緩和」発言でドル円は79円半ばから81円半ばまで2円上昇、クロス円も上昇した。日経平均株価は8600円から9000円へ上昇した。いかにこれまで市場が抑えつけられ、また何を望んでいたかがよくわかった相場展開であった。

こういう円安の動きは一時的で、また自民党が政権をとったわけでもないのでまた円高に戻るという意見も多いが、そういうことはないだろう。このような動きがなくとも今年は円安推移している。円より弱い通貨は南アランドだけだ。貿易の赤字化や経常黒字の減少が円相場に表れている。さらに晩秋から初冬は輸出のドル売りが減少し、輸入のドル買いが増える時期でもある。機関投資家はいまひとつ元気がなく海外投資に踏み切る気配はないが、株、為替がリスク選好の流れとなると、持たざる不安が出てきてあらたな外貨投資に走ることもあろう。彼らは団体行動が多いので一気に円安が強まることもある。今週は日銀政策決定会合があるが、すでに政府は4カ月連続景気判断を下方修正している。その流れに出遅れがちで批判されている日銀が最近の動きに水を差すようなことはないだろう。日本は他に貿易統計の発表もある。

(テクニカル)
11月7日-8日の下降ライン、11月2日-5日の下降ラインを上抜いた。5日線は上向き。11月14日-15日の上昇ラインは急であったが先週金曜の16日も下抜けなかった。ボリバン上限を上抜けていたので一層の上伸はなかった。晩秋の需給もあり崩れにくいだろう。 11月9日-13日の上昇ラインがサポートする。週足は10月15日週-22日週の上昇ラインを下抜いたがそのラインまで戻す強さがある。9月24日週-10月1日週や9月10日週-24日週の上昇ラインが支える。ボリバン上位。月足は3月-4月の下降ラインを上抜けたままで9月-10月の上昇ラインができつつある。年足は陽線。

【豪ドル円】 予想レンジ:81-86、豪ドルの強さでなく円の弱さで強い
(ポイント)
豪ドルは対ドルでは下落、対円では衆院解散と日本の金融緩和期待で急騰した
政策金利据え置かれた。中銀声明やRBA四半期金融報告は内外の景況判断を若干改善方向へ
雇用統計はまずまずだが小売売上は悪化
3Q・CPIは予想を上回った
欧州情勢はスペイン、ギリシャ問題がくすぶる
中国は貿易を含む景気指標が改善する。ただ新政権になってGDP倍増計画が打ち出されたが株価は低迷している
米国財政の崖問題ではドル買い豪ドル売りが出ている
RBAは豪ドル高に懸念を示している
相対的に強い通貨であることは変わらない

(国内要因)
10月失業率は前回5.4%、予想5.5%のところ5.4%であった。新規雇用者数は前回+1.45万人、予想+0.05万人のところ今回は+1.07万人となった。予想を上回ったことで豪ドルは買い戻された。
10月NAB信頼感指数は-1、景況感指数は-5といずれも前月(それぞれ0、-5)を下回った。

(海外要因)
欧州はギリシャの新規融資実行決定が先送りされた。米国はオバマ大統領再選後、「財政の崖」問題がクロ−ズアップされ、リスク回避の動きとなった。注目されていた最近景気指標が改善している中国は小売売上、工業生産、輸出など重要指標が先週改善した。現在行われている共産党大会では「2020年までにGDPを倍増する」ことが表明されたが、今のところ中国株式市場には大きく影響していない。

(トピックス)
「政策金利は」
政策金利は据え置きとなった。素直に上昇した。ただその後、オバマ大統領が再選された報道で、「財政の崖」問題がクローズアップされリスク回避の流れとなりドル高が進み豪ドルは対ドルで下落している。欧州債務問題の不透明感も豪ドルが対ドルで売られる要因となっている。RBAの政策金利の据え置き発表後の声明は以下の通り。
物価統計は、予想よりも若干高い
最近の中国の統計は、経済成長の安定を示唆
世界経済のデータは、若干より良好に
金融政策のスタンスは当面適切
豪の主要商品価格は、依然として今年初めの前半を大きく下回っている。
交易条件は昨年のピークから約13%悪化したが、今後も歴史的な高水準にとどまる公算が大きい。
2012年上期の一部の消費の強さは一時的なものだが、拡大を続けている兆候がある。しかし、消費が非常に力強い拡大に戻る可能性は低い。
住宅投資はこのところ抑制されているが、過去数カ月間に今後の改善を示す指標が見られた。非居住向け建物の投資は引き続き弱い。公共投資も抑制されると予想されている。

「RBA四半期金融政策報告も上記RBA声明とほぼ同じ内容」
2013年のGDP見通しを引き下げ−鉱業部門成長鈍化と財政引き締めが理由
  2013年は2.25%から3.25%、前回の2.75%から3.25%から下方修正
インフレ予想は8月予想と大部分変わらず 今後2年でターゲット内で推移
資源価格は徐々に下落するだろう
現行の金融政策が当面適切である
世界経済のリスクは下向きだが、改善されつつある
雇用の伸びは緩やか、失業率は少し上昇するだろう

(テクニカル)
11月7日-8日の下降ラインは上抜いて上昇。5日線は上向き。ボリバンでは上限に近い。11月13日-14日の上昇ライン、11月9日-13日の上昇ラインがサポートとなっている。世界の流れはリスク回避でドル買い豪ドル売りだが、日本の金融緩和期待で円が急落し豪ドル円が強調推移している。豪ドル自身の強さではない。週足は10月8日週-10月15日週の上昇ラインがサポート。ただ10月15日週-22日週の上昇ラインは下抜きそのラインが上値抵抗となろう。月足は6月-7月の上昇ラインを下抜いたまま。年足は陽線。

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