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マーケットビュー

月曜 野村雅道の今週注目!の経済指標 マーケットが注目する指標を大胆解析

今週のマーケット
「中国GDP、EU首脳会議、CPI週間、米企業決算」

更新日:2012年10月15日

10月15(月)−10月19日(金)

早朝のシドニー市場(午前6時半)では若干の円安、また豪ドルとNZドルが先週NY終値比やや高く推移していたが東京オープンではほぼNY終値レベルに戻っていた。週末に出たニュースではバーナンキFRB議長が、米国の力強い経済成長は世界経済の見通し改善にもつながるとして、積極的な金融緩和策が新興国経済に悪影響を与えているとの見方を否定した。

また独ショイブレ財務相はギリシャがデフォルトに陥ることはないとしながらも、ギリシャがユーロ圏から離脱すればユーロ圏全体ばかりでなくギリシャ自身にも深刻な打撃を与えることになる、と警告した。 ギリシャは10月18日のEU首脳会議までに、債務削減方法に関するEU、IMFとの見解の相違を埋め、国際社会との間で新たな緊縮策について合意できると考えていると指摘した。

今月は日経平均が弱い。既に3.79%安となっている。政府も10月の月例経済報告で景気判断を3カ月連続で下方修正した。日中関係の悪化を新たなリスクとして織り込んだ。一方中国の上海株では今月は小幅上昇し、9月の輸出も増加している。日本だけの景気減速となりそうだ。

今週はIMF世銀の世界経済成長見通しや米企業の決算不安などのリスク回避要因と中国上海株上昇を導く中国の金融緩和期待と景気刺激策期待、米指標改善などのリスク選好要因でもみ合うだろう。今月の円は対欧州通貨と対ドルでは円安、対資源国通貨では円高推移となっている。

さて先週もスペインのEUへの資金援助要請などで揺れるなど、紆余曲折ありながら先週も南欧長期金利は低下した。スペインは5.63%へ、ポルトガルは8%割れ、イタリアは5%割れとなった。アイルランドも5%前半で推移、ギリシャは18%を割り込んだ。まだまだ欧州債務問題には不安要素はあるが、7月末のドラギ総裁の「何でもやる発言」より着実に前に向かっている。以前はギリシャに対して非常に厳しい発言をしていたドイツもバイトマン独連銀総裁は依然厳しいが、メルケル首相やショイブレ財務相はギリシャの努力も認め温和な発言に変わっている。

数々の批判はありながらノーベル平和賞を受賞したEUは今週首脳会議を開催する。景気指標ではZEW景況感調査の発表がある。いわゆる専門家の意見より長期金利の動きが欧州の実態をよく表している。曖昧な言葉より数字を把握することが大事である。

米国はCPIや住宅指標の他、主要企業の決算発表がある。決算発表は不冴えな内容のアルコアの決算でスタートし株価上昇にも力強さがない。ただ指標は雇用やミシガン大消費動向調査などで改善している。大統領選挙前でのオバマ大統領とロムニー氏の舌戦が激しくなってきた。ただ米国は政治はどうあろうと民間企業の強さがあり、長い間株価を支えてきている。

資源国では利下げを行った豪RBAは総裁がさらなる利下げを示唆している。ただ雇用状況は改善している。今年一番強い通貨をもつNZは今週のCPIを経て来週政策金利決定となる。大地震での緊急避難的利下げが長期間続きさらなる利下げ論も出ている。今朝の9月サービス業指数は49.6と8月の50.0から悪化した。

南アは、ムーディーズの格下げで下げた相場がトラック運転手のスト終結で一服したところに、今度はS&Pが格下げし再び頭を押さえている。12月には与党ANCの党首選を控えておりズマ現大統領の再選も危ぶまれている。資源国では指標が良好なカナダドルが堅調だ。またリスク選好の流れになっても買われる通貨は資源通貨でなく欧州通貨となっているのが最近の特徴だ。

【今週の注目経済指標】

10/15
(月)

(日)鉱工業生産確報
(中国)消費者物価指数
(米)ニューヨーク連銀製造業景気指数、小売売上、企業在庫

10/16
(火)

(NZ)消費者物価
(豪)RBA議事録
(英)生産者物価指数、消費者物価指数、小売物価指数
(ユーロ圏)消費者物価指数確報、貿易収支、ZEW景況感調査
(独)ZEW景況感調査
(米)消費者物価指数、対米証券投資、鉱工業生産、設備稼働率、NAHB住宅市場指数

10/17
(水)

(英)BOE議事録、失業率、失業保険申請件数
(ユーロ圏)建設支出
(南ア)小売売上
(米)住宅着工件数、建設許可件数

10/18
(木)

(中国)国内総生産、鉱工業生産、小売売上高
(スイス)貿易収支
(香港)失業率
(英)小売売上
(加)卸売売上高
(米)新規失業保険申請件数、フィラデルフィア連銀景況指数、景気先行指数

10/19
(金)

(日)景気動向指数改訂値
(独)生産者物価指数
(ユーロ圏)経常収支
(加)消費者物価指数
(米)中古住宅販売件数

先週の「注目通貨ペア!」の振り返り※チャートはクリックで拡大できます

前回の「注目通貨ペア!」

ドル円
豪ドル円

【ドル円】 予想レンジ:75-80、10月は晩秋の円安への過渡期
IMFの世界経済成長見通し下方修正でリスク回避で円が買われるも週後半は上海株の上昇や米景気指標改善でやや戻す(週足は陰線)

(先週の予想は以下の通り)
日本の貿易統計では9月中旬までで既に5兆円の赤字に迫る勢いだ。一方今朝発表された8月所得収支は1.39兆円の黒字となり年間では10兆円超の黒字となった。今年は円が主要通貨番付で8位と後塵を拝しているが、対ドルで円安が進みにくいのは絶対値で貿易赤字の倍以上の所得黒字がありこれが円買いとなっているからだ。
しかし晩秋になれば、前回申し上げたように輸出の売りが季節的にはげ落ちてくるのでもう少し円安方向へ向かうだろう。今月はその過渡期だ。

今週は国慶節の休暇を終え中国市場が再開した。昨日世銀は中国の成長見通しを引き下げた。中国景気減速と日本との尖閣諸島問題があり、中国経済の影響を受け易い資源国通貨が弱くなった。その対価として円が一時的に買われる場面があった。

さて日銀資金循環統計(2012年6月)によれば日本の投資家は米国と比べ国内株価投資の比率が低い。投資配分では投信が(債券19.3%、株16.1%、対外証券38.3%)、年金が(債券31%、株9%、対外証券20.0%)、保険が(債券61.1%、株5.2%、対外証券11.6)%だ。米国は同じ3機関投資家では株価投資の割合がかなり高い。日本の投資家は国債運用が中心だ。これでは株価が上がる気がしない。証券会社=投信も日本株には積極的には投資していない。日本国債への投資が主だ。株や外貨投資に積極的でないことが明白にわかる資料である。円安を本格的に加速するには株や外貨投資というリスク選好の流れにならないといけない。

(テクニカル)
先週から続いていた10月1日-2日の上昇ラインを昨日下抜けた。ボリバン上限(78.94)に近づいての反落であった。まだ雲の下。5日線はまだ上向き。10月になれば中間期末の円買いもはげ落ちてくるだろう。また10月後半あたりからは輸出のドル売りも年度後半ということで収まってくる。逆に輸入勢がドル買いを入れ始める。今暫く待ちたい。週足はここ先々週の下ヒゲで上昇。9月24日週-10月1日週の上昇ラインが維持できるか。そこを下抜ければ週のボリバン下限の77.44がサポートとなる。月足は3月-4月の下降ラインを上抜いている。

【豪ドル円】 78-83、やや意外な3.25%への利下げ、年末までにもう一度引き下げ3.0%か
先々週の利下げやIMFの世界経済成長見通しで下方修正で下落するも、豪雇用統計改善や上海株上昇で週後半戻し週足は陽線で終わる。

(先週の予想は以下の通り)
(ポイント)
政策金利決定を3.25%へ引き下げ
国内要因は弱い
資源ブーム終えん議論あり。鉄鉱石価格は続落
欧州情勢は一服している
中国成長見通し引き下げ(世銀)
RBAは豪ドル高に懸念を示している

(推移)
豪ドルはここ1週間で対ドル、対円で下落、株価は上昇した。

(国内要因)弱い指標が続く、今週は雇用統計あり
8月貿易収支は予想の6.85億豪ドルの赤字、前月の15.3億豪ドルの赤字より20.27億豪ドルの赤字に拡大した。輸出の減少が影響している
8月小売売上は予想の前月比+0.4%を下回る+0.2%(前月は-0.8%)となった
TDセキュリティーズとメルボルン研究所が発表した9月の豪インフレ率は前月比0.2%の小幅上昇。8月は0.6%上昇だった。前年同月比では2.4%の上昇となり、8月の2.2%上昇から加速。ただ、インフレの長期目標(2-3%)のレンジ内にとどまっている
AiG 9月製造業インデックスは 44.1となり8月の 45.3を下回った
今週は9月雇用統計の発表があり予想は失業率が5.3%、新に雇用者数が+0.5万人である

(海外要因)
ECB国債買い入れ、FOMCでのQE3決定から一転、リスク回避の流れとなっていたがまたスペインやギリシャの緊縮財政決定(国民は不満のデモ)で小休止している。ただ中国国慶節休暇前の金融緩和、株価テコ入れ策はなかったので失望感が出ている。

(トピックス)豪中銀RBA利下げ時の声明
世界経済の成長率見通しは過去数カ月間でやや減速し、見通しへのリスクは依然下方にある。
欧州の経済活動は縮小しており、米国の成長は小幅にとどまっている。中国の経済成長も減速し、目先の見通しに関する不透明感は数カ月前よりも増している
アジア地域全般では、中国経済の減速と欧州の低迷によって成長が抑制されている
豪にとって重要な一部の商品価格は、過去数週間は若干の持ち直しもみられるものの、年初来で依然大幅に下落している
株式市場は過去数カ月で全般に上昇した

(テクニカル)
8連続陰線後に9月25日-26日の下降ライン、9月19日-21日の下降ラインを上抜けた。ただ上昇続かず9月26日-27日の上昇ラインを政策金利決定前に下抜いた。5日線は下向き。ただボリンジャーバンド下限の79円前半からは反発している。 週足は9月17日-24週の下降ラインに沿って下落してきたが、そのラインに接するところまで戻してきている。ボリバン中位。月足は6月-7月の上昇ラインを下抜いたまま。年足は陽線。

今週のワタシの「注目通貨ペア!」※チャートはクリックで拡大できます

今週の「注目通貨ペア!」

ドル円
ランド円

【ドル円】 予想レンジ:75-80、晩秋の円安需給となるか
10月13日に発表された中国9月の貿易収支は総額で前年同月比6.3%拡大した。日本との貿易額は減少したが中国全体では輸出が9.9%、輸入が2.4%増加した。尖閣諸島問題は日中双方に経済的打撃を与えるとされていたが、その政治的判断はどうあれ経済的には日本により悪影響を与えている。さらに日本は米軍とともに離島奪還訓練をするという。もし実施されれば中国の反発はさらに強まり経済的な打撃が大きくなる。

今週の日本は大きな指標はないが引き続き円高デフレで株安が続く中、日銀が「外債購入は日銀の仕事ではない。金融政策には限界がある」だけで済ませるなら前には進まないだろう。週後半に白川総裁の講演がある。景気刺激策も打ち出し始めた中国はGDP、CPIなどの重要指標を発表する。

IMF世銀総会関連では日本も引き続きEMS債購入を検討することを伝えたようだ。またソフトバンクは米携帯電話3位のスプリント・ネクステルと5位のメトロPCSコミュニケーションズの買収を検討している。買収が実現すれば、買収額は計2兆円規模になるとみられている。この資金が円で調達されドルに転換されれば巨額のドル買い円売りが市場で起きるが、ドルで現地調達すれば為替は起きない。

また日本生命は20億ドルの劣後債を発行する。払込日は10月18日。30年満期で当初5年は5%の固定金利。投資家は海外となるらしくこれは、為替は起きない。日本の投資家なら喜んで買うような条件だが残念だ。

(テクニカル)
10月8日からの3連続陰線の下降ラインを先週後半上抜いた。先週、金曜日は木曜日の陽線を上抜けず伸び悩み。さらなる上昇には78.58を超えないといけない。まだ雲の下。5日線はまだ下向き。ボリバンは中位よりやや上。ボリバンは77.46から78.85。10月後半あたりからは輸出のドル売りも年度後半ということで収まってくる。逆に輸入勢がドル買いを入れ始める。週足は先週は陰線なるも下ヒゲ長く買い圧力あり。月足は3月-4月の下降ラインを上抜いている。年足は陽線。

【ランド円】 予想レンジ:8.4-9.4、S&Pも格下げ、今週は小売売上
(ポイント)
「平和と和解の国」BYマンデラ氏が揺れている
ゴーダン財務相は、世界経済について「先進国の政策当局者は、合意した政策と改革の実行を加速させる必要がある」との考えを示した。
ムーディーズに続きS&Pも南アの格付けを引き下げた
10月1日から南国債がシティ世界国債インデックスに採用されたが既に春から債券と為替のロングがあり取り崩しが出てランドが下げている
国内要因は強くはない。インフレは落ち着いている。貿易は赤字拡大、今週は小売売上
マリカナ鉱山のストは終結するも、他の鉱山へストは拡大、トラック運転手のストは終結した
主要9通貨番付では最下位

(推移)
対円で下げるも、対ドルでは上昇。株価は下落。主要9通貨番付では最下位。

(国内要因)
先週は大きな指標はなかった。今週は17日に8月小売売上の発表がある。7月は前年比+4.2%、予想は+4.6%。来週は低下傾向にあるCPIの発表がある。
8月PPIは予想の5.4%、7月の5.4%を下回り5.1%となった。低下しているCPIもありインフレ懸念はなくさらなる利下げも予測される。9月CPI発表は10月25日。 8月貿易収支は欧州や中国景気の減速で輸出が減少し赤字が拡大した。 

(海外要因)
IMF世界経済見通し下方修正でリスク回避の流れとなっている。欧州債務問題の改善で南欧長期金利が低下するも南アなど資源国通貨は上昇せず、欧州通貨だけの上昇となった。低迷していた中国上海株だが先週は金融緩和と景気刺激策期待で上昇、今週は注目の3Q・GDPと9月CPIの発表がある。

(トピックス)「S&Pも格下げ」
S&Pは10月12日、南アの格付けを「BBBプラス」から「BBB」に1段階引き下げた。見通しは「ネガティブ」としている。多発している鉱山ストライキや社会的な緊張の高まりを受けて、財政の柔軟性が低下し、成長を阻害する恐れがあるためと説明した。「社会的な緊張で支出への圧力が高まり、財政政策の柔軟性を低下させる可能性がある」としている。
また見通しの「ネガティブ」については「社会的緊張による政治、経済、財政面への中期的影響が想定以上に悪化する」と指摘した。

(BRICSが独自の安全網)
先進国経済の低迷の影響を受けた成長鈍化が鮮明となる中、ブラジル、ロシア、インド、中国、南アの新興5カ国(BRICS)が、新興国間で資金を融通し合う独自の安全網構築など「脱先進国依存」を目指す動きを加速させている。先進国の経済情勢や金融政策が変更するたびに激しい資金流出入に見舞われる状況への危機感が背景にあるとみられるが、運用次第では先進国との新たな対立要因となる危険性もある。

(テクニカル)
ムーディーズによる南ア格下げで下落していたが、トラック運転手のスト終結でジリ高。ただ週末はS&Pの格下げで陰線に終わった。10月8日-9日の上昇ラインは下に切った。ボリバン下位でバンドは8.82-9.76.バン下限は9.1。5日線はまだ上向き。先週の週足は短い陽線で終わる。月足では6月-7月の上昇ラインを下抜く。年足は陰転。

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