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マーケットビュー

月曜 野村雅道の今週注目!の経済指標 マーケットが注目する指標を大胆解析

今週のマーケット
「QE3、ECB国債買い入れから次の材料探し、中間期末週」

更新日:2012年9月24日

9月24(月)−9月28日(金)

日中、日韓国境問題は短期で解決しないようだ。日本国内ではこの問題には鈍感だが、海外では敏感に反応する場面もあるだろう。この問題を中国、韓国の国内問題として理解しようとする日本の専門家と言う人の意見が多いのは危険だ。余計に相手の感情を害するかもしれない。 こういうことで円安になる展開も予想しておきたい。

さて7月下旬のドラギECB総裁の「やれることは何でもやる」でユーロ中心にリスク選好の流れが出ていたが、漸く先々週にECB国債買い入れ決定と独憲法裁判所の国債買い入れの合憲判断で材料は出尽くしとなった。債務問題の枠組みは改善された。今後は借り手側のスペインが借入を申請する、ギリシャが緊縮政策を履行して滞りなく返済実行するかなどに焦点が移る。スペインはさらなる格下げの可能性の問題も出てきている。

ただこれもいつも述べているように欧州風の「紆余曲折遅々前進」のペースでありいたずらに悲観的になることはないだろう。日本のように2国間交渉(対中、韓、米、露)でも上手くいかない国もあるが、欧州は17カ国でも進んでいく。昨日は独メルケル首相と仏オランド大統領は、第2次世界大戦後の両国の和解から50年を祝う式典にそろって出席し、欧州信用不安の克服に向けて協力して取り組んでいく姿勢を強調した。

今週の欧州は、独がIFO、雇用など多くの指標を発表する。独は「ユーロ崩壊」と騒がれつつも年間株価が世界主要市場でトップの上昇率となっている。為替相場も今年は円よりユーロにほうが強い。日本の世論は実際の市場とかけ離れているところもある。欧州全体では経常黒字なのでユーロは需給的に崩れにくい。

OMCでのQE3の決定や中国景気刺激策の政府決定などの材料もはげ落ちしている。米国は今後は大統領選挙や財政の崖問題で不安になる。今週の米国は2QGDP確定値や住宅中心の指標と大統領選キャンペーンがある。

中国は製造業PMI確報(HSBC)を注目したい。

資源国の焦点では豪に利下げ議論がある。NZは貿易収支、住宅建設許可の発表がある。南アは死者を出したマリカナ白金鉱山ストは妥結したが、他の白金鉱山ストやあらたな金鉱山ストは続く。いずれも、さらにブラジルを含め米国QE3による自国通貨の上昇を懸念している。いずれG-20で資源国通貨高の問題は議論されるだろう。

【今週の注目経済指標】

9/24
(月)

(日)日銀金融政策決定会合議事要旨
(香港)経常収支
(南ア)休場(伝統文化継承の日)
(独)IFO景況指数

9/25
(火)

(香港)貿易収支
(独)GFK消費者信頼感調査
(加)小売売上高
(米)S&P/ケース・シラー住宅価格指数、消費者信頼感指数、リッチモンド連銀製造業指数、住宅価格指数

9/26
(水)

(NZ)貿易収支
(独)消費者物価指数速報
(米)新築住宅販売件数

9/27
(木)

(ユーロ圏)マネーサプライM3、消費者信頼感・確報
(独)雇用統計
(英)GDP・確報値
(米)GDP・確報値、耐久財受注個人消費・確報値、新規失業保険申請件数、中古住宅販売成約

9/28
(金)

(NZ)住宅建設許可
(日)失業率、有効求人倍率、全国消費者物価指数、鉱工業生産、外国為替平衡操作の実施状況
(英)GFK消費者信頼感調査
(仏)GDP・確報値、生産者物価指数
(スイス)KOF先行指数
(ユーロ圏)消費者物価指数・速報
(加)GDP
(米)個人所得、個人支出、PCEデフレーター、シカゴ購買部協会景気指数、ミシガン大消費者信頼感指数・確報値

先週の「注目通貨ペア!」の振り返り※チャートはクリックで拡大できます

前回の「注目通貨ペア!」

ドル円
豪ドル円

【ドル円】 予想レンジ:76-81、日中領土問題
日銀は遅ればせながら景気判断を下方修正し量的緩和を行ったが、世界の流れがリスク回避となった週でもあったので円は買われた。

(先週の予想は以下の通り)
円は今年ここまでの年間通貨番付では最下位である。「崩壊」と言われるユーロや「スト暴動」の南アランドよりも弱い。スイス売り介入を続けるスイスフランよりも弱い。それは日本経済のメリットとなり評価したいが、ドル円が戦後の歴史的円高の水準を抜けだせず、かつ日本の貿易は輸出で49.2%もドルを使っているので経済への影響は大きい。アジア貿易では50.2%、欧州貿易でも14.8%ドルを使用しているので、ドルでの長期的円高推移がエルピーダ、シャープなどの苦境を招いている。個人は2000年以降、分散投資をしているので影響は小さいというか、円安メリットもあるが、昔からドル投資一辺倒の機関投資家や輸出企業は苦しくそれは我々の年金にも響いてくる。

オスプレイ、竹島、尖閣諸島、北方四島などで対外的に何も言えないのと同じように、為替でも米国に対して何も言えないことが輸出企業の今後の破たんを招く。

さて今週は日銀が政策決定会合を開催する。政府は後述するように2回連続景気判断を下方修正しているが日銀が「景気回復」の判断が続けば円高になりかねない。ECBの国債買い入れ、FOMCのQE3などのように市場の民意を汲み取らないといけない。日本の投資家では投信概況や今週の資金循環統計でも見られるように円高で外貨投資への積極的姿勢は見られなくなり、外貨資産の取り崩しで円高となる。せっかくECBやFRBがリスク選好の流れを作ってくれているのに、水を差してはいけない。

政府は今月の月例経済報告で、世界経済の減速を背景に企業の生産や個人消費が伸び悩んでいることなどから「景気回復の動きに足踏みがみられる」として、景気判断を2か月連続で下方修正した。政府が2か月連続で景気判断を引き下げるのは、いわゆるリーマンショックで景気が悪化した2008年10月から2009年2月にかけて、5か月連続で下方修正して以来。先行きについては「当面は弱めの動きが見込まれる」としており、信用不安が続く欧州だけでなく米国や中国などの景気の減速が、日本経済に悪影響をもたらすおそれがあるとして懸念を示している。

 (テクニカル)
9月7日-11日の下降ライン上を上抜いた。ボリバン下限下抜けから、一気に中位へ戻す。ただまだ雲の中に入れない。5日線は上向く。週足ではボリバン下限から反発した。長い下ヒゲでさらなる反発を狙う。週足は8月20日-27日週の下降ラインを上抜く。月足は4月-5月の下降ラインを上抜いているが横ばい4ヶ月。8月は上ヒゲ残す。年足はかろうじて陽線。

【豪ドル円】 予想レンジ:80-85、利下げ観測あり
先週はリスク回避の動きとなり豪ドル円は全日陰線となった。既にお伝えしているように利下げ観測も出てきている。

(先週の予想は以下の通り)
(ポイント)
国内要因は弱い
資源ブーム終焉議論あり
ECB国債買い入れと独憲法裁判所の国債買い入れの合憲判断、FOMCでのQE3決定、中国の景気刺激策期待で上昇。ただいずれも中期的な景気押し上げには疑問が残る
RBAは豪ドル高に懸念を示している
利下げ観測あり

(推移)
豪ドルは前回より対ドル対円で上昇、株価も上昇

(国内要因)
7月小売売上、2QGDP、8月新規雇用者数も弱かった。国内指標に力強さなし。銀行貸し出し、NAB企業信頼感も弱かったが、WESTPAC消費者信頼感指数、住宅着工、自動車販売は強かった。今日は9月4日の政策金利据え置き分の議事録の発表がある。他にWESTPACとコンファレンスボードの景気先行指数がある。豪ドルの上昇は国内要因でなく海外要因によるものだ。

(海外要因)
ECB国債買い入れと独憲法裁判所の国債買い入れの合憲判断、FOMCでのQE3決定、中国の景気刺激策期待で上昇している。ただ今週の中国株価は弱い。日中領土問題での抗議行動が経済活動に支障をきたせば豪ドル売りに繋がるという発想からだ。欧州ではギリシャの緊縮財政延長問題を注視したい。

(トピックス) 利下げ議論も出てきている
FOMCでQE3が決定し、異例の低金利を維持する時間軸を延長したことを受けて豪ドルが対米ドルで上昇している。豪RBAにも利下げ圧力が強まってきている。豪ドル高は資源ブーム終焉の議論の中で輸出にも打撃を与えるからだ。豪では資源が輸出の半分以上を占めている。歴史的には豪ドルは、商品価格の動向に追随する傾向があり、これが経済の緩衝材になってきたが最近はこの相関性が崩れ、鉄鉱石や石炭など主要輸出品目の価格が大幅下落しても豪ドルは高止まりしている。それは世界の投資家が比較的高い利回りを提供する財政状況の良い豪ドル債の購入に動いているからだ。

(テクニカル)
豪ドル円=8月21日-22日、8月29日-30日の下降ラインを連続して上抜け上昇。ボリバン上位まで上昇(ボリバン79.76-83.69)。9月5日-6日の上昇ラインがサポート。5日線は上向き。雲の上へ。週足は8月20日週-27日週の下降ラインは上抜き、9月3日-10日の上昇ラインを形成。ボリバン中位。月足は6月-7月の上昇ラインを下抜く。年足は陽線。

今週のワタシの「注目通貨ペア!」※チャートはクリックで拡大できます

今週の「注目通貨ペア!」

ドル円
南アランド円

【ドル円】 予想レンジ:75-80、期末で双方向の需要あり
日銀は量的緩和したが景気判断下方修正が政府に遅れること2カ月であったのであまり為替相場に影響はなかった。7月末のドラギ総裁の「何でもやる」発言から先々週のECB国債買い入れまでドル円は小康状態を保っていたが先週は材料出尽くしでやや下げた。今週は中間決算週、月末外貨投信、一連の日本の月末指標がある。

日本の会計年度は4月から始まり翌年3月に終わるので、ほぼ春・秋のお彼岸がポイントとなる。上半期(4月-9月)、下半期(10月-3月)で上半期は円高になりやすく、下半期は円安になりやすい。上半期は戦後の円高のトラウマで輸出企業が外貨売りを出しやすく、輸入は円高になるなら逆に出来るだけ年度後半に予約を入れようとして下半期に外貨買いを出しやすい。そういうことで大雑把であるが、春の彼岸から秋の彼岸までは円高になりがちで、秋の彼岸から春の彼岸までは円安になりやすい。主に対ドルである。上半期の円高で政府も秋に介 入を期待される事も一つの要因だ。「晩秋の円安」も私の造語である。

ただ期末週は以下のようにそれほど大きく動いていない。月末輸出と若干のリパトリの円買い。月末外貨投信の円売りか。

・2011年=
9月26日-30日、陽線、始値76.54、高値77.19、安値76.22 終値77.13
・2010年=
9月27日-10月1日、陰線、始値84.32、高値 84.39、安値83.15 終値83.25
・2009年=
9月28日-10月2日、陽線、始値89.63、高値 90.40、安値88.23 終値89.72
・2008年=
9月29日-30日、陰線、始値106.24、高値 106.94、安値 103.49 終値 105.24
・2007年=
9月24日-28日、陰線、始値115.34、高値 115.87、安値 114.0 終値 114.83

 (テクニカル)
先週はリスク回避の流れで豪ドルドルが月曜、ユーロドルが火曜下落したのに続き、ドル円も水曜から下落し始めた。9月13日-14日の上昇ラインを下に切った。火曜日には「陽の陽はらみ線」が出て上伸力のなさを表していた。先週金曜は19日-20日の下降ラインを上抜いているので円高へのスピードは弱めるが、上ヒゲつきの陰線で終わったこともあり、ボリバン下限の77.60あたりまでの下落も想定したい。5日線は下向いた。週足は先々週は下ヒゲを出し、先週初めの上昇に繋がったが、先週末は上ヒゲで折り返し、今週の下げ圧力となる。

【南アランド円】 予想レンジ:9.1-9.8、鉱山スト続く
(ポイント)
ランド下げは一服したがまだ不安
ECB理事会での国債買い入れと独憲法裁判所が国債買い入れを合憲としたこと、中国の公共事業認可、FOMCでのQE3決定でリスク選好の相場から材料出尽くしでリスク回避の流れに
国内要因は強くはない。CPIは下げ止まる。小売売上は予想を下回った
マリカナ鉱山のストは終結するも、他の鉱山へストは拡大
政策金利は据え置き、マーカス中銀総裁はさらなる利下げは今回は不要とした。次回は11月
今週はPPIと貿易収支の発表がある
主要9通貨番付では円に抜かれ再び最下位へ

(推移)
先週は対円、対ドルでやや下げた。株価も下落。主要9通貨番付では円に抜かれ再び最下位となった。

(国内要因)今週はPPIと貿易収支、金利は11月へ
8月CPIは前年比で+5%となり7月の+4.9%から上昇、低下が一服した。7月小売売上は予想の+6.9%、6月の+8.3%から低下し+4.2%となった。政策金利は7月に0.5%引き下げており、今回は据え置きとなった。マーカス中銀総裁は今回は7月利下げを様子見の時期で、さらなる利下げは不要とした。次回は11月となる。
今週は8月PPIと貿易収支の発表がある。

(海外要因)
先々週のFOMCのQE3決定、ECB理事会の国債買い入れ、独憲法裁判所の国債買い入れ合憲判断、中国の景気刺激策で海外要因はリスク選好となったが先週は材料出尽くしで豪ドル、ユーロドルが先んじて下げた。南アランドもやや弱含んだ。まだ欧州ではスペインの救済申請問題、ギリシャの緊縮財政延長の問題がくすぶっている。

(トピックス)「今度は金鉱山でスト」
南アの産金企業アングロゴールド・アシャンティは9月21日、コバナン金山で労働者がストに突入したことを明らかにした。夜間シフトの労働者が違法なストを決行し、早朝シフトも追随した。労働者は会社側に対して、まだ要求を伝えていないという。労働者組合のNUMのスポークスマンによると、労働者は他の鉱山労働者と同じ水準の1カ月当たり1万2500ランドの賃金を要求している。これは、賃金水準下限の3倍になる。

米FOMCでのQE3決定で9月13日下ヒゲを残し上昇、4連続陽線となるも9月18日には陽の陽はらみとなり下落、9月13日-14日の上昇ラインを下抜いた。また雲の上から下へ。5日線下向きへ。ボリバンは9.21-9.63。ただ9月19日-20日の下降ラインを上抜いて21日は陽線で上昇余力は残す。週足は8月20日週-27日週の下降ラインを上抜いたまま。月足では6月-7月の上昇ラインを下抜く。年足は再び陰転。

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