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マーケットビュー

月曜 野村雅道の今週注目!の経済指標 マーケットが注目する指標を大胆解析

今週のマーケット
「政策金利週間、豪指標週間と米雇用統計、
週末に中国重要指標」

更新日:2012年9月3日

9月3(月)−9月7日(金)

今朝のシドニーは豪ドル安、NZドル安で始まった。9月1日(土曜日)に発表された中国政府版8月製造業PMIが49.2と予想の50.0、7月の50.1を下回ったからだ。本日は既に低下したHSBC版製造業PMIの改定値や8月非製造業PMIの発表がある。年初来、主要国株式市場でマイナス圏にある上海株式市場も注視したい。
9月9日(日)には8月CPI、PPI、小売、固定資産、工業生産などがある。依然景気減速が続き、これといった景気刺激策が打ち出されないことも世界経済の低迷の一つの要因だ。不動産価格抑制策は続けられている。また9日のCPIは食料品価格の高騰で再び2%以上になる見込みだ。

今週は注目の米雇用統計の他に、政策金利決定週間、豪指標週間でもある。米8月雇用については、失業率が8.3%、非農業部門雇用者数が12万人増加の予想だ。バーナンキ議長講演でやや金融緩和期待が広がったので、発表前までは、その流れ(ドル売り)で進み、発表後はでたとこ勝負となり、9月13日のFOMC待ちとなる。

欧州はECB理事会があるが南欧が欲する具体的な国債購入計画は、9月12日の独連邦憲法裁判所による欧州安定メカニズム(ESM)の合憲判断を待ってからとなる。政策金利は0.75%から0.25%引き下げ0.5%とする予想であるがユーロ圏の7月CPIが2.6%へ6月の2.5%から上昇したのが気になるところだ。ドラギ総裁の「なんでもやる」精神からは利下げもしかるべしと思われる。低下してきたスペインなど重債務国金利も先週は再び上昇し始めてきているのでECBが何らかのメッセージを出すことが必要だろう。ただいつも言うように紆余曲折ではあるが、遅々ながら欧州問題改善へと進んでいる。

政策金利は豪、加、英でも決定される。豪は3.5%据え置きの予想。豪RBAは国内経済は強いと言っているが、ここ2週間の国内指標は6月先行指数ではWESTPAC版が5月の0.9%から0.5%へ低下、CB(コンファレンスボード版)が0.3%から0.2%へ低下した。7月技術職求人は6月の-2.5%から-3.1%へ低下、7月住宅建設許可も6月の-1.0%から-17.3%と低下している。今週は政策金利の他、小売売上、経常収支、GDP、雇用、貿易と重要指標が続く。小売、GDP、雇用は前回より低下する予想だ。

カナダの政策金利は1%で据え置きの予想。2QGDPは年率+1.8%増となり、予想の+1.6%を上回った。 設備投資、鉱工業生産が好調であった。年間通貨レースではカナダドルがNZドルを抜き首位に立った。

英国は、2QGDPは前期比-0.5%と落ち込んだ。ただ個人消費は下支えされている兆しがある。昨年10月以降3回資産買い取り枠を拡大していることもあり今回は様子見か。

加以外の資源国通貨は中国減速の影響もあり弱含んでいる。豪、NZ、南ア当局は通貨高懸念も表明している。通貨高に繋がりかねない米国のQE3には批判的だ。豪はたくさん発表される今週の指標次第だが、NZは雇用の悪化、南アはプラチナ鉱山労働者のストから政局不安が材料だ(意外な展開をしているストへの発砲事件だが詳細は後述)。

【今週の注目経済指標】

9/3
(月)

(豪)小売売上
(日)四半期法人企業統計調査
(中)HSBC製造業PMI改定値
(スイス)小売売上、SVME購買部協会景気指数
(ユーロ圏) EU 製造業PMI改定値
(英)製造業PMI
(米)レーバー・デーの祝日で米の全市場休場
(ブラジル)貿易収支

9/4
(火)

(豪)経常収支、政策金利
(日)マネタリーベース、毎月勤労統計
(スイス)GDP
(ユーロ圏)PPI
(米)ISM製造業景況指数、建設支出

9/5
(水)

(豪)GDP
(中)サービス部門PMI
(スイス)CPI
(ユーロ圏)サービス部門PMI、小売売上
(英)サービス部門PMI
(南ア)企業信頼感指数
(米)非農業部門労働生産性・改定値
(加)政策金利

9/6
(木)

(豪)失業率、新規雇用者数
(日)対外対内証券売買契約等の状況
(ユーロ圏)GDP改定値、ECB政策金利
(独)製造業新規受注
(英)BOE政策金利
(米)ADP雇用統計、新規失業保険申請件数、 ISM非製造業景況指数、チャレンジャー人員削減数

9/7
(金)

(豪)貿易収支
(日)8月上中旬貿易統計、景気先行指数
(スイス)失業率
(独)貿易収支、 経常収支
(仏)貿易収支、 財政収支
(英)PPI、製造業生産指数、鉱工業生産指数
(米)非農業部門雇用者数、失業率
(加)住宅建設許可件数、新規雇用者数、 労働生産性指数  IVEY購買部協会指数

9/9
(日)

(中)CPI、PPI、小売売上高、鉱工業生産、固定資産投資

先週の「注目通貨ペア!」の振り返り※チャートはクリックで拡大できます

前回の「注目通貨ペア!」

ドル円
豪ドル円

【ドル円】 予想レンジ:76-81、月末輸出VS外貨投信
月末の輸出、米国追加金融緩和観測で2週連続のドル下げとなった。

(先週の予想は以下の通り)
今週は雇用、CPIなどの一連の月末指標と月例経済報告がある。政府は8月は基調判断を10カ月ぶりに引き下げる方針。海外経済の減速感が強まり、輸出の減少を通じて企業の生産活動に下押し圧力が強まっているためだ。ただ日銀はまだ回復の予想、CPIの1%への上昇見通し を変えていない。自律回復ではなく、穀物価格の上昇や消費増税で上がったCPIは全く景気回復のためにならないのだが。また今週は後述するように外貨投信払込も多い。
領土問題、首相問責など政治、政局は不安要因。

 (テクニカル)
ドル円=8月14日-15日の上昇ラインを下抜き陰線3日目は大陰線。8月22日-23日のなだらかな上昇ラインと8月20日-21日の下降ラインで挟まれる。急激な8月22日-23日の下降ラインは上抜ける。5日線は下向き。ボリバンの中位(77.73-79.39)。週足は7月30日週-8月13日週の上昇ラインに沿う。月足は4月-5月の下降ラインを上抜いているが横ばい4ヶ月。

・27(月)
岡三AM アジアハイ・イールド・プラス
・30(木)
野村AM 米国ハイ・イールド・ファンド、キャピタルAM 世界シェールガス株ファンド、野村AM エマージング・ソブリン円投資型、イタリア国債入札、米財務省7年債入札
・31(金)
T&Dアセットマネジメント 豪州高配当株ツインαファンド、米国リート・プレミアム、損保ジャパン日本興亜AM 好利回りグロバルCB、アムンディ・ジャパン アムンディ CBファンド

【豪ドル円】 予想レンジ:79-84、小安い
弱い国内景気指標、RBA当局の豪ドル高懸念、中国景気減速、チャートなどから2週連続の弱含み推移となった。

(先週の予想は以下の通り)
(ポイント)
ここ最近の国内景気指標は改善
RBAとNBAは2012年成長率を上方修正
RBAは経済に強気の見方
懸念は中国の景気減速(日本の減速も懸念材料)
ただRBAは豪ドル高に懸念を示している

(推移)
豪ドルは前回より対ドル、対円で下落。株価も下落。

(国内要因)
経済指標が改善していることで9月4日の政策金利決定会合では再び据え置きとなりそうだ。銀行の昨年度収益はCBAが過去最高となったが、NABは予想を下回った。豪でもエルニーニョの影響で干ばつが進む可能性があり、そうなれば小麦価格の急騰に繋がるだろう。 豪ドル高についてはRBAも懸念を表明しているが、介入はここまで実施していないとのコメントを出した。

(海外要因)
ドラギ総裁の「ユーロを守るためになんでもやる」発言、米雇用統計の改善で上昇していたが、中国景気減速、欧州債務問題改善への疑義などで反落した。ただ先週はメルケル独首相がすべてではないがECBドラギ総裁の政策の方向性は一致していると発言したことからやや反発している。米景気指標も持ち直し気味でのリスク選好の買いが入るが、米金利上昇で豪ドルとの金利差縮小ということでは重しとなる。中国景気減速(先週はHSBC製造業PMIが悪化)も豪ドル売りに繋がっている。 

(トピックス)「RBA議総裁発言」
金融市場は幾分か改善している
資源ブームのピークは1年から2年後になろう
借入金利は中期的平均より低い
RBAは状況の変化に対応できる
豪ドルは高い
金融政策は適切
インフレは目標に近く、成長もトレンドに沿っている
豪ドル売り介入はしていない
豪ドルの強さは海外からの豪国債の需要

(テクニカル)
8月3日に83円にのってから横ばい推移していたが。7月25日-8月3日の上昇ラインを下抜き、今度は8月14日-15日の上昇ラインを下抜いた。8月21日の上ヒゲで下落加速。8月21日-22日の下降ラインに沿う。ボリバン中位より下へ。5日線は下向く。週足は5月28日週-6月4日週の上昇ラインを下抜いたまま。7月23日週の下ヒゲでの上昇も一服。ボリバン中位。月足は4月-5月の下降ラインを上抜いたまま。年足は陽線。

今週のワタシの「注目通貨ペア!」※チャートはクリックで拡大できます

今週の「注目通貨ペア!」

ドル円
南アランド円

【ドル円】 予想レンジ:75-80小安い
8月の円はユーロ、スイス、カナダなどに弱く、豪ドル、NZドル、南アランドに強かった、ドル円は小幅円安だが、月足では上ヒゲを残し、78円割れでは損切りを残した形で終わった。まだ円でのドル売り圧力は続こう。

日本は8月上中旬貿易統計がある。貿易収支は赤字となってきているので、円高の勢いは今年は止まっている(通貨レース7位)が円安にすんなりと進まないのは所得黒字が貿易赤字を相殺し経常黒字となっているからだろう。長期的な円高水準は是正されず、第二のエルピーダ、第二のシャープが生まれるだろう。

外交はいうまでもなく、経済、G-7での為替の影響力でも日本の地位はマイナーになっていく。円高だけでもスイス中銀のように是正すれば明りが見えるが政府にはその気がないようで自滅を模索しているようだ。白川総裁の講演があるが日銀は景気回復、インフレ上昇を表明しているが、何らかの手立てがあるわけではない。政府は月例経済報告で景気判断を下方修正しているので日銀と見方は違っている。季節的には晩秋の円安需給にはまだ時間があり、需給的には上に述べたように円ではドル売りが多い(ただ対ユーロでは買いが多い)。

 (テクニカル)
8月14日-15日の上昇ラインを下抜き、8月22日-23日のなだらかな上昇ラインも下抜いた。5日線は下向く。雲に入れず、ボリバン下位へ下げる。ボリバン下限は77.82で遠くはない。週足は7月30日週-8月13日週の上昇ラインを下抜く。月足は4月-5月の下降ラインを上抜いているが横ばい4ヶ月。8月は上ヒゲ残す。年足はかろうじて陽線。

【南アランド円】 予想レンジ:8.7-9.5、小安い
(ポイント)
2QGDPや7月PPIは予想通りであった
7月CPIは5%を割り込み追加利下げ期待も出ている(次回の金利決定は9月20日)
プラチナ鉱山ストへの発砲は意外な展開となっている(下記参照)
中国景気の減速は懸念材料
小売売上は改善
世銀は成長見通しを下方修正

(推移)
ランドは先週は対円で下落するも、対ドルで上昇。株価は下落。資源価格はプラチナとパラジムは下落、金、銀は上昇した。主要9通貨番付ではユーロに抜かれ最下位となった。

(国内要因)
今週は2QGDPの発表、予想通り+3.2%となった。7月PPIもほぼ予想通りの+5.4%となった。7月CPIは+4.9%と低下している。次回政策金利決定は9月20日。
株は意外と強い(先週は下げたが8月は底堅かった)。南ア鉱山ストで死者を出し、さらに騒動が大きくなっているが、下げているのは通貨ランドであり、ランド安で輸出企業にメリットがあるとされ買われている。
また景気は欧州や中国の減速で伸び悩んでいるが、企業のマネジメントの良さが評価されている。

(海外要因)
バーナンキ議長が「雇用は重大な懸念であり、必要なら追加金融緩和を実施する」と発言し弱含んでいた南アランドも先週末に強含んだ。今週の米国は雇用統計待ち。欧州はECB理事会があるが具体的な国債購入計画は、9月12日の独連邦憲法裁判所による欧州安定メカニズム(ESM)の合憲判断を待ってからとなる。政策金利は0.75%から0.25%引き下げる予想であるがユーロ圏の7月CPIが2.6%へ6月の2.5%から上昇したのが気になるところだ。ドラギ総裁の「なんでもやる」精神からは利下げもしかるべしと思われる。低下してきたスペインなど重債務国金利も先週は再び上昇し始めてきているのでECBが何らかのメッセージを出すことが必要だろう。中国の景気減速も気になる。 

(トピックス)「労働者ストへの警官発砲死亡事件で労働者側が逮捕される」
南アプラチナ鉱山でストライキ中の労働者と警官隊が衝突した事件で、検察当局は8月30日、同僚34人を殺害した罪で、鉱山労働者270人を起訴した。検察は「共同目的法」を適用し労働者を起訴、労働者が現場で逮捕された際に武装しており、殺害に加担したことは明らかだと主張している。一方ケープタウン大学の法律専門家は、「起訴は不思議な行動であり衝撃的だ。警察や政治家を守るために司法制度を悪用している」と批判した。警察は、犠牲者の一部は背中に銃弾があり、現場から武器が回収されたと説明している。同鉱山では国内で強い影響力を持つ労組同士の対立を背景として緊張が高まっており、これ以前にも警察官2人が死亡していた。

(テクニカル)
3週連続陰線と弱い。8月2日-3日の上昇ラインを下抜いてから弱い。雲の上に出ることが出来ずに下げた。8月21日-22日の下降ラインに沿う。ただボリバン下限に到達しているのでこれ以上の深追いは気をつけたい。5日線は下向き。週足は7月23日週-30日週の上昇ラインを下抜いて3連続陰線。月足では6月-7月の上昇ラインを下抜く。年足は僅かに陰線。

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