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マーケットビュー

月曜 野村雅道の今週注目!の経済指標 マーケットが注目する指標を大胆解析

今週のマーケット
「ユーロ首脳、バーナンキ議長発言、中国CPI、
豪とNZ指標、日銀」

更新日:2012年8月6日

8月6(月)−8月10日(金)

米雇用改善、ECB緩和期待再燃を受けて今朝のシドニー市場も先週末NY終値比やや円安 で始まっている。

先週はFOMCの量的緩和やECBの国債買い入れ期待などの金融緩和策が期待されたが、具体策の即時実施はなく市場は失望した。しかし、米国雇用統計が改善したことや、ECBもいずれはスペインとイタリアの国債利回り引き下げに向け介入するとの観測が出てきたことで週末はリスク選好の流れとなり、ドル安円安が進んだ。週全体でもポンドを除き、ドル安円安となった。

さて資源国通貨は南アランドを除き、年初から底堅い。NZドルは年初来の主要9通貨番付で首位、豪ドル、カナダドルが追う。南アランドは欧州信用不安による景気減速を受けてやや弱いが円よりは強い。信用不安や中国景気減速でリスク回避の流れとなると資源通貨が売られ円が一番買われるとされているが、今年はそうでもない。資源国通貨が強い。

理由としては資源国の景気指標はそれほど強いものではないが、まずまずの数字が出ていること。また資源国通貨の買いの要因は高金利だが、いずれの国も急低下している。豪やNZ長期金利は3%台となっている。ただ他の先進国に比べればやはり高い。また欧州信用不安で世界の投資家はリスクをとることに慎重となっているので、比較的財政状況の良い、2014年あたりには財政が黒字化する見通しの豪やNZに資金をシフトしているからだ。リスク回避で買われる通貨の代名詞であった円を凌駕することにもなっている。日本の貿易収支の赤字化はもちろん対資源国通貨の円安推移に影響している。

今週の米国は大きな指標は貿易収支、また二度バーナンキFRB議長が講演する。まだFOMCの声明通り、「QE3への準備はしている」という内容にとどまるだろう。 ECBは今週も国債買い取りやESMへの銀行免許付与について当局首脳からの様々な意見が出るだろう。ただ反対派の独も市場を崩壊させようとはしていないことは確かである。紆余曲折しながら何らかの妥協点を見つけ出すのが「ユーロ流」だ。大きくユーロ相場が下落しているわけでもないし、欧州株価は日本株より上昇している国も多い。一方向に何でも下落していないことを踏まえて取引したい。ユーロ崩壊論には与しない。

日本は後述するが、政策金利決定、7月上中旬貿易統計、野党の不信任案提出などに注目したい。

資源国では豪が政策金利決定と雇用統計、NZも雇用統計の発表がある。雇用が悪化すれば上昇にも勢いがなくなる。カナダも雇用、貿易収支、住宅関連など重要指標がある。

さて中国も景気減速が騒がれているが、減速しても目標の7.5%は達成する見込みなのでそれほど悲観的になる必要はない。先週は週後半株価が上昇し、リスク選好の流れを支えたところがあった。胡錦濤主席が「下期に財政・金融政策面で支援策を強化。輸出市場の多様化や投資環境の改善に努める」と発言したことや、証券当局が来月からA株市場での株式取引手数料を引き下げを発表したことからだ。

【今週の注目経済指標】

8/6
(月)

(日)景気動向指数・速報値
(豪) シドニー休場
(加)トロント休場

8/7
(火)

(豪)RBAキャッシュターゲット
(スイス)失業率、消費者物価指数
(英)鉱工業生産、製造業生産高
(独)製造業受注
(加)住宅建設許可、Ivey購買部協会指数
(米)消費者信用残高

8/8
(水)

(日)国際収支、7月上中旬貿易統計、景気ウォッチャー調査
(NZ)住宅建設許可
(独)国際収支
(仏)貿易収支
(英)BOE四半期インフレレポート
(独)鉱工業生産
(米)米非農業部門労働生産性、単位労働費用

8/9
(木)

(日)マネーストックM2+CD、機械受注、日銀金融政策決定会合
(中国)CPI,PPI、工業生産、小売売上、固定資産投資
(南ア)休場
(NZ)失業率
(豪)新規雇用者数、失業率
(ユーロ圏)ECB月例報告
(英)商品貿易収支
(加)住宅着工件数、新築住宅価格指数、国際商品貿易
(米)貿易収支、新規失業保険申請件数、卸売在庫

8/10
(金)

(日)鉱工業生産・確報、金融経済月報・基本的見解
(豪)RBA四半期金融政策報告
(中国)貿易収支
(独)消費者物価指数・確報
(仏)鉱工業生産
(英)生産者物価指数
(香港)GDP
(米)輸入物価指数
(加)失業率、雇用ネット変化
(米)月次財政収支

先週の「注目通貨ペア!」の振り返り※チャートはクリックで拡大できます

前回の「注目通貨ペア!」

ドル円
NZドル円

【ドル円】 予想レンジ:76-81 リスク選好期待上値狙い
FOMC、ECBともに、即座の金融緩和策は出なかったものの、米2QGDPや雇用統計が改善したこと、また週末にはECBが今具体策に向け動くのではないかと言う観測も出てリスク選好の流れでドル円は6週間ぶりに週足が僅かながら陽線となった

(先週の予想は以下の通り)
今週の日本は7月上旬貿易統計、鉱工業生産・速報、外国為替取引高サーベイ、その他、雇用など一連の月末指標の発表がある。一応月末なので以下のように外貨投信払込は多いが、なにぶん、ボーナス減少、可処分所得減少の日本の個人なので、なかなか外債投資へ回す余裕がなく、円安要因とならない。さらに増税や東電値上げで余裕資金が減少する。
日銀は景気持ち直し、インフレ率上昇を表明したが、直近の鉱工業生産、景気ウオッチャー指数は弱く、CPIも低下していて、日銀の思う方向へは向かっていない。

外部要因ではFOMC、BOE、ECBが金融緩和に踏み切れば高金利通貨が買われ、円は対価で売られよう。ただ週末の米雇用統計には気をつけたい。

(月末外貨投信)
30(月)大和住銀投信投資顧問オーストラリア高配当株プレミアム)
31(火)大和投信 豪州ハイインカム・ストックオープン、新光投信ワールド・インフラ好配当株式F(成長)「世界のかけ橋」、損保ジャパン日本興亜AM ジャパン・バンクHB証券、三井住友AMトルコ債券・プレミアム・ファンド、大和投信 りそな毎月払出し・豪ドル債ファ ンドC「愛称:サザンクロス」

(テクニカル)
前回7月26日に触れた7月12日-18日の下降ラインの上抜け相場が続く。ボリバン下限から小反発した。7月26日-27日の上昇ラインが継続できるか。5日線は下降から横ばいへ。週足は5週連続陰線だが先週はほぼ寄り引き同時で下ヒゲを残し、7月9日週-16日週の下降ラインを今週は上抜いて始まりそうだ。6月25日週-7月9日週の下降ラインに迫るだろう。月足は4月-5月の下降ラインを上抜いている。年足は2007年−8年の下降ラインを上抜いたままである。

【NZドル円】 予想レンジ:61-66、米英欧中銀の緩和期待でこじっかり
FOMC、ECBの即座の金融緩和策は出なかったが、今後に含みを持たせたこと、また米雇用統計の改善でこじっかり推移した。

(先週の予想は以下の通り)
(ポイント)
政策金利は予想通り据え置かれた
CPIはインフレターゲット下限までの低下
貿易には欧州、中国景気減速の影響は大きくない(中銀)
年初来では通貨番付で依然首位を走っている
長期金利は3%前半へ低下している
世界的なリスク回避の流れでは円よりも買われている
今週米英欧が金融緩和すればNZドルに買いが入ろう

(推移)
NZドルはここ1週間で対円、対ドルで上昇した。株価は上昇した。

(国内)
NZ中銀は7月26日、政策金利のオフィシャル・キャッシュレートを2.5%に据え置くと発表した。ボラード総裁は「ニュージーランド経済の見通しは6月の声明で示した状況から変化していない」、「欧州の状況が大幅に悪化する可能性があることから、状況を注視していく」、「今後数年の経済活動は緩やかに拡大すると引き続き予想している」と述べた。2Q/CPIは前年比+1.0%と約13年ぶりの低水準、インフレターゲットの下限となったが据え置かれた。据え置き後NZドルは上昇したが、一部利下げ予想があったこと、また最近の国際情勢からは金融緩和が一般的なので据え置きでも買い要因となったようだ。次の動きは利上げになる可能性が高いと予想する人が多いが、インフレが落ち着いていることや、まだら模様の景気、世界経済の先行き不透明感を踏まえると、利上げ時期は後ずれする可能性があるとみられている。

(海外)
スペイン信用不安問題でリスク回避の動きが強くなりNZドルも下げていたが、昨日ECBドラギ総裁は「ECBは責務の範囲内でユーロを守るために出来ることはすべて行う用意がある、ユーロ圏は皆が考えているよりも遥かに強固である、加盟国のユーロ圏離脱の可能性は予想できず、ユーロ圏の銀行の監督が可能な中央機関をもつことは重要」などと述べたことで市場は一気にリスク選好の流れとなりNZドルが買い戻された。今週は米英欧と政策金利決定があり、追加緩和策がとられればさらにリスク選好の流れが強まろう。中国の7月HSBC製造業PMIは前月を上回った。

(政策金利は) 
6月貿易収支は5月+3.01億NZD、予想 +200万NZDのところ、+3.31億NZDと黒字が予想を上回った。 輸出が5月、予想ともに上回った。輸入は、予想は上回ったが5月を下回った。また2Q全体としては前期比-1.6%、輸入も-1.9%と縮小している。

(テクニカル)
ボリバン上位から下落し一時雲下、ボリバン下限下抜けしたが、7月20日-23日の下降ラインを上抜け日連続陽線。7月25日-26日の上昇ラインが築けるか。5日線は上向く。雲の上に出る。ボリバン上位へ向かう。週足は急な6月4日週-18日週の上昇ラインを下抜き5月28日週-6月4日週の上昇ラインも下抜くが先週は長いヒゲで戻している。月足は4月-5月の下降ラインを上抜いたまま。年足は陽線。

今週のワタシの「注目通貨ペア!」※チャートはクリックで拡大できます

今週の「注目通貨ペア!」

ドル円
豪ドル円

【ドル円】 予想レンジ:76-81、政経に不安要因
ドル円は夏の円高の流れもあって5週連続陰線が続いていたが、先週は漸く僅かながらも陽線となった。実体は短いが下ヒゲがそれよりも長いローソク足が2週続き底堅さを示した。

日銀は短観発表以来、景気持ち直し、インフレの上昇を表明しているが、先週も6月鉱工業生産は弱かった。インフレも上昇の兆しは見せていない。ただ今週の政策決定会合では日銀は政策を現状維持とすると見られている。やや実態と異なると思うが緩やかに回復していくとのシナリオを維持する見通しだ。資産買入基金による長期国債買入オペの下限金利撤廃や、買入金額の増額、延長などが一部予想されているが、日銀が動かなければ一時的に円高が進もう。

その他6月国際収支と7月上中旬の貿易統計の発表がある。7月上旬は3689億円の赤字であった。輸出が前年同期比11.1%減少していた。シャープの業績悪化で、資本提携で合意した台湾の鴻海が「契約通りの価格で株を引き受ける義務がなくなったことにシャープは同意した」と報道(シャープは否定)したことで株価が急落している。シャープだけでなく日本の輸出業者の先行きが懸念される。
また今週は野党が内閣不信任案を提出する動きが見られるだろう。消費増税廃案にまで追い込まれれば海外では懸念要因と見られるので、政府の対応が焦点だ。

【豪ドル円】 予想レンジ:81-86、CPI低下なるも政策金利は据え置きか
(ポイント)
先週の2Q住宅価格指数、6月住宅建設許可、6月貿易収支、小売売上はそれぞれ予想を上回り改善した。
今週は政策金利決定があるが据え置きの予想、また7月雇用統計の発表(予想は失業率が5.3%、新規雇用者数が1万人の増加
リスク回避でも大きく下げないのが今年の豪ドルの特徴
RBAは経済に強気の見方
中国は景気減速を示す指標が続き追加緩和策が期待されている
ユーロ圏は依然紆余曲折だが漸く金融緩和や国債買い取り動きだす期待あり

(推移)
豪ドルは対ドルで4週連続、対円で3週連続陽線。株価も底堅い

(国内)
2Q・CPIは前年比で+1.2%と、1Qの+1.6%から鈍化し、1999年以来の低水準となった。中銀の長期目標2から3%を依然下回っている。CPIが小幅な上昇にとどまり、コアインフレ率も過去10年以上で最も低い水準となったことで、豪中銀は海外からの逆風を阻止するために必要となれば、追加利下げを実施する余地が十分に得られた。ただ豪ドルが小幅上昇したのは、8月の利下げを促すほど弱い内容とは受け止められなかったからだ。
先週発表された2Q住宅価格指数、6月住宅建設許可、6月貿易収支、小売売上はそれぞれ予想を上回り改善した。

(海外)
金融緩和策が期待されたFOMC、ECBともに即座の具体策が出なかったが、米国は雇用統計の改善、ECBは今後の緩和期待が再び高まったこともあり週末はリスク選好の流れとなった。
今週は中国のCPIや小売売上と手数料引き下げが打ち出された上海株の動きにも注目したい。

(トピックス) 「強気なRBA総裁&副総裁発言」
スティーブンス総裁=豪経済は変化を遂げつつあり、中国の景気減速や欧州危機の深刻化など、世界的なショックへの抵抗力を強めている。豪経済を楽観視している理由について、家計貯蓄の増加、債務に対する慎重な姿勢、銀行による国内の資金調達源への切り替え、住宅価格の安定を列挙した。世界的な経済環境が著しく悪化しても、インフレが懸念要因とならない限り、必要が生じた場合にマクロ経済政策を用いる余地がある
ロウ副総裁=高水準の交易条件が豪ドル高の主因で、豪ドルが過大評価されているとの見方は理にかなっていない

(テクニカル)5月後半からの力強さ維持
7月20日-23日の下降ラインを上抜け3日連続陽線後は横ばい推移していたが先週末の米雇用統計改善によるリスク選好の買いでボリバン上限に達した。7月25日-26日の上昇ラインは下抜いた。5日線は上向き。雲の上。週足は5月28日週-6月4日週の上昇ラインを一旦下抜いたが再び抜き返す強さが見られ。先々週の下ヒゲは長さが効いての上昇。週足のボリバンでは中位。月足は4月-5月の下降ラインを上抜いている。

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