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マーケットビュー

月曜 野村雅道の今週注目!の経済指標 マーケットが注目する指標を大胆解析

今週のマーケット 「米英欧の金融緩和期待と米雇用統計」

更新日:2012年7月30日

7月30(月)−8月3日(金)

今朝のシドニーは波乱なく始まった。ユーロドルが僅かに先週終値比安い程度。独与党幹部が「ギリシャは救済出来ない。それは簡単な算数の問題だ」と発言している。今日からガイトナー米財務長官が欧州幹部との会談を行う。

チャート的にはクロス円が先週半ばから上昇相場となった。当面の下降トレンドラインをオーストリア中銀のノボトニー総裁のESMへ銀行免許付与との発言やドラギ総裁の「何でもやる」発言で上抜けた。ドル円もクロス円の上昇につれ高となった。また上昇ラインを下抜ける時には気をつけたい。今週は材料的にはFOMC、ECB、BOEの政策金利決定と米国7月雇用統計の発表がある。

米英欧の3中銀ともに金融緩和の具体策を出すか、方向性を打ち出すだろう。特にドラギ総裁は先週「ユーロ圏を守るために責務の範囲内で何でもする用意がある」と述べていることから、証券市場プログラム(SMP)の再開、第3弾長期資金供給オペ(LTRO)、中銀預金金利のマイナス金、預金上限の設定などの対策をとる可能性がある。「何でもやる」と発言したからには具体策が出ないと市場の失望は大きくなる。
BOE(英中銀)も3四半期連続のマイナス成長となっただけに利下げや量的緩和が議論されよう。
米国は政府が成長見通しを引き下げた。FOMCは異例な低金利政策の時間軸を2014年後半から2015年以降へ延長することや、「オペレーション・ツイスト」の購入対象に「住宅ローン担保証券(MBS)を加えるなどの緩和観測がある。いずれの中銀も緩和策を打ち出せば株価が上昇しリスク選好の流れとなるだろう。

週末の米雇用統計はそれらの結果が出てからの勝負と考えれば良い。来週にずれ込む相場要因だ。雇用統計の予想は失業率が8.2%、NFPが+10万人である。

その他ではスペインが2QGDP成長率発表と国債入札を行う。また週初はガイトナー財務長官とショイブレ独財務相、ドラギECB総裁の会談や伊仏首脳会談があり、夏休みにも関わらず首脳は動く。

中国は景気減速で預金準備率引き下げ期待はあるが同時に不動産抑制策が維持されていることから株価には力強さが見られない。今週は製造業、サービス業PMIの発表がある。

今年比較的底堅い、通貨レースで上位に位置する資源国通貨も米英欧の中銀が緩和策を打ち出せば、金利差が拡大しリスク選好の買いが出るだろう。今年はリスク回避といっても円より資源国通貨が買われる場面が多い。

【今週の注目経済指標】

7/30
(月)

(NZ)住宅建設許可
(日)鉱工業生産・速報、貿易統計、外国為替取引高サーベイ
(ユーロ圏)消費者信頼感・確報
(英)消費者信用残高、マネーサプライM4
(スペイン)2Q・GDP速報値

7/31
(火)

(豪)住宅建設許可件数
(日)失業率、有効求人倍率、家計調査、住宅着工、建設工事受注、外国為替平衡操作実施状況、金融政策決定会合議事録
(香港)月次政府財政収支
(仏)生産者物価指数
(独)雇用統計
(ユーロ圏)消費者物価指数・速報、失業率
(南ア)貿易収支
(英)GFK消費者信頼感調査
(加)GDP
(米)個人所得 個人支出、PCEデフレーター、S&P/ケース・シラー住宅価格指数、雇用コスト指数、シカゴ購買部協会景気指数、消費者信頼感指数
(その他)インド中銀金融政策決定会合

8/1
(水)

(中国)中国物流協会製造業PMI、HSBC製造業PMI改定値 (ユーロ圏)製造業PMI改定値 (英)製造業PMI (米)MBA住宅ローン申請指数、ADP雇用統計、ISM製造業景況指数、建設支出、FOMC

8/2
(木)

(日)マネタリーベース
(豪)小売売上、貿易収支
(スイス)小売売上、SVME購買部景気指数
(ユーロ圏)PPI 、ECB政策金利
(英)BOE政策金利
(米)チャレンジャー人員削減数、新規失業保険申請件数、 製造業新規受注 

8/3
(金)

(中国)サービス部門PMI
(ユーロ圏)サービス部門PMI改定値、小売売上
(英)サービス部門PMI
(米)非農業部門雇用者数、失業率、ISM非製造業景況指数

先週の「注目通貨ペア!」の振り返り※チャートはクリックで拡大できます

前回の「注目通貨ペア!」

ドル円
南アランド円

【ドル円】 予想レンジ:75-80
5週連続陰線となったが、週後半のドラギ総裁発言により、リスク選好の流れとなり下げ幅を縮小した。日足では7月18日-20日の下降ラインを上抜いた。

(先週の予想は以下の通り)
夏の円高が続く。8月はドル円よりもクロス円の円高確率が高い。欧米指標悪化、欧州信用不安問題、中国景気減速などリスク回避での円買いもある。ただ例年通りの円高の需給によるところが多い。外債の利金の払いや中間決算へ向けたリパトリの円買いだ。

日本は貿易赤字だが、資本収支面では海外へ投資する元気がなく、過去の投資のリターンである金利収入の円買いで、なかなか円安展開とならない。増税、東電電気料金値上げでは、日銀の望む物価高は達成されても、残るのは可処分所得が減って元気のない日本経済だけだろう。円高には介入警戒感が出てくるが昨年も3度ほぼ同じ76円レベルで円売り介入を行ったが、円安へ持っていって景気を浮揚させようとする気概は政府にはない。

今週は、6月貿易統計は赤字が1400億円程度に縮小する予想だ。

さて昨年、日本は3度円売り介入している。東日本大震災後の3月18日に6925億円、8月4日に4兆5129億円、10月31日から11月4日に9兆916億円。介入水準は3月が76円から、8月も76円から、10月は75円から、ほぼ同じレベルが介入スタート点だ。

(テクニカル)
前回予想通りジリ安推移しボリバン下限へ下落した。6月1日-20日の上昇ラインも下に切り7月12日-18日の下降ラインに沿っている。雲下に落ちる。5日線は下向きのまま。ボリバンは下限を拡大しているのでまだ下げる可能性はある。週足は4連続陰線、6月25日週-7月9日週の下降ラインに沿っている。週足のボリバン下限の76.79には下げ余地がある。月足は4月-5月の下降ラインを上抜いている。年足は2007年−8年の下降ラインを上抜いたままである。

【南アランド円】 予想レンジ:9.0-10.0
週後半のドラギ総裁発言でリスク選好の流れとなり7月20日-23日の下降ラインを上抜いて上昇した。

(先週の予想は以下の通り)
(ポイント)
予想外の政策金利引下げは欧州債務問題など外部要因が大きく国内への波及を避けたい
株価は利下げで上昇
南ア国債利回りは5.38%まで低下
国内要因からの利下げではないのでランドの下落も限定的だろう
6月CPIは前月からさらに低下、5月小売売上は予想を上回った
中国は景気減速とインフレ低下。追加金融緩和策が打ち出されるか

(推移)
ランドは対円、対ドルで下落した。長期金利は6%割れ継続。株価は上昇した。資源価格は小幅下落した。主要9通貨の強さでは円に抜かれ一つ順位を下げ7位へ。

(国内)
政策金利は先週、5.5%から5.0%へ引き下げられた。インフレが漸くインフレターゲット内に入ってくるまで低下してきたので年末までに利下げがあるというのが市場予想であったが、前倒しでの引き下げとなった。マーカス中銀総裁は声明で利下げに踏み切った背景として、「前回会合以来、世界経済の見通しが悪化している。ユーロ圏では金融危機の解決に向けて有意義な進展が欠如し、依然としてグローバルな金融経済の不安定要因であり続け、南ア経済の下振れリスクとして今後も脅威となっていく懸念がある」と指摘した。 5月小売売上は予想前年比+5.2%のところ+6.4%、6月CPIは予想+5.5%のところ+5.5%となった。

(海外)
中国でCPI、PPIが発表されたがいずれも予想を下回ってインフレが低下した。中国は輸入減少、2QGDP減速で、追加金融緩和策の期待が出てきているが、まだ具体策は出ていない。米国も景気減速で金融緩和観測期待がある。欧州信用不安問題では先週末スペインの成長率見通し引き下げや国債利回りの上昇でリスク回避の流れとなっている。

(トピックス)アフリカへ融資
中国の胡錦濤主席は7月19日、北京でのアフリカ協力フォーラム閣僚級会議で、向こう3年間でアフリカ諸国に対し200億米ドルの融資を実行する方針を明らかにした。資金はインフラ建設や農業、製造業などの分野に充てられる。中国側の狙いはアフリカの資源獲得とみられている。会議には、南アフリカのズマ大統領ら約50カ国の首脳や閣僚、国連の潘基文事務総長らが出席した。ここ10年で中国とアフリカとの貿易額は約16倍に拡大した。ただ中国企業が現地で多くの中国人を雇用するため、現地労働者は失職の不安を抱えている。劣悪な待遇が原因で労働争議も起きている。環境汚染も顕在化している。

(テクニカル)
7月4日-5日の下降ラインを上抜いたが先週末下落し、またそのラインまで下落した。ボリバン(9.35-9.86)下位へ。前回上下動く余地があると書いたが上に行って下に落ちた。6月1日-26日の長い上昇ラインは上値抵抗となろう。5日線は下向き。週足はボリバン下限に達してから5月28日週-6月4日週の上昇ラインに沿って上げていたが3週連続陰線でそのラインを下に切った。ボリバン下限は8.93。月足では4月-5月の下降ラインを上抜いて7月入りしたが、7月はここまで陰線。年足はわずかに陰線。円とデッドヒートである。

今週のワタシの「注目通貨ペア!」※チャートはクリックで拡大できます

今週の「注目通貨ペア!」

ドル円
NZドル円

【ドル円】 予想レンジ:76-81 リスク選好期待上値狙い
今週の日本は7月上旬貿易統計、鉱工業生産・速報、外国為替取引高サーベイ、その他、雇用など一連の月末指標の発表がある。一応月末なので以下のように外貨投信払込は多いが、なにぶん、ボーナス減少、可処分所得減少の日本の個人なので、なかなか外債投資へ回す余裕がなく、円安要因とならない。さらに増税や東電値上げで余裕資金が減少する。
日銀は景気持ち直し、インフレ率上昇を表明したが、直近の鉱工業生産、景気ウオッチャー指数は弱く、CPIも低下していて、日銀の思う方向へは向かっていない。

外部要因ではFOMC、BOE、ECBが金融緩和に踏み切れば高金利通貨が買われ、円は対価で売られよう。ただ週末の米雇用統計には気をつけたい。

(月末外貨投信)
30(月)大和住銀投信投資顧問オーストラリア高配当株プレミアム)
31(火)大和投信 豪州ハイインカム・ストックオープン、新光投信ワールド・インフラ好配当株式F(成長)「世界のかけ橋」、損保ジャパン日本興亜AM ジャパン・バンクHB証券、三井住友AMトルコ債券・プレミアム・ファンド、大和投信 りそな毎月払出し・豪ドル債ファ ンドC「愛称:サザンクロス」

(テクニカル)
前回7月26日に触れた7月12日-18日の下降ラインの上抜け相場が続く。ボリバン下限から小反発した。7月26日-27日の上昇ラインが継続できるか。5日線は下降から横ばいへ。週足は5週連続陰線だが先週はほぼ寄り引き同時で下ヒゲを残し、7月9日週-16日週の下降ラインを今週は上抜いて始まりそうだ。6月25日週-7月9日週の下降ラインに迫るだろう。月足は4月-5月の下降ラインを上抜いている。年足は2007年−8年の下降ラインを上抜いたままである。

【NZドル円】 予想レンジ:61-66、米英欧中銀の緩和期待でこじっかり
(ポイント)
政策金利は予想通り据え置かれた
CPIはインフレターゲット下限までの低下
貿易には欧州、中国景気減速の影響は大きくない(中銀)
年初来では通貨番付で依然首位を走っている
長期金利は3%前半へ低下している
世界的なリスク回避の流れでは円よりも買われている
今週米英欧が金融緩和すればNZドルに買いが入ろう

(推移)
NZドルはここ1週間で対円、対ドルで上昇した。株価は上昇した。

(国内)
NZ中銀は7月26日、政策金利のオフィシャル・キャッシュレートを2.5%に据え置くと発表した。ボラード総裁は「ニュージーランド経済の見通しは6月の声明で示した状況から変化していない」、「欧州の状況が大幅に悪化する可能性があることから、状況を注視していく」、「今後数年の経済活動は緩やかに拡大すると引き続き予想している」と述べた。2Q/CPIは前年比+1.0%と約13年ぶりの低水準、インフレターゲットの下限となったが据え置かれた。据え置き後NZドルは上昇したが、一部利下げ予想があったこと、また最近の国際情勢からは金融緩和が一般的なので据え置きでも買い要因となったようだ。次の動きは利上げになる可能性が高いと予想する人が多いが、インフレが落ち着いていることや、まだら模様の景気、世界経済の先行き不透明感を踏まえると、利上げ時期は後ずれする可能性があるとみられている。

(海外)
スペイン信用不安問題でリスク回避の動きが強くなりNZドルも下げていたが、昨日ECBドラギ総裁は「ECBは責務の範囲内でユーロを守るために出来ることはすべて行う用意がある、ユーロ圏は皆が考えているよりも遥かに強固である、加盟国のユーロ圏離脱の可能性は予想できず、ユーロ圏の銀行の監督が可能な中央機関をもつことは重要」などと述べたことで市場は一気にリスク選好の流れとなりNZドルが買い戻された。今週は米英欧と政策金利決定があり、追加緩和策がとられればさらにリスク選好の流れが強まろう。中国の7月HSBC製造業PMIは前月を上回った。

(政策金利は) 
6月貿易収支は5月+3.01億NZD、予想 +200万NZDのところ、+3.31億NZDと黒字が予想を上回った。 輸出が5月、予想ともに上回った。輸入は、予想は上回ったが5月を下回った。また2Q全体としては前期比-1.6%、輸入も-1.9%と縮小している。

(テクニカル)
ボリバン上位から下落し一時雲下、ボリバン下限下抜けしたが、7月20日-23日の下降ラインを上抜け日連続陽線。7月25日-26日の上昇ラインが築けるか。5日線は上向く。雲の上に出る。ボリバン上位へ向かう。週足は急な6月4日週-18日週の上昇ラインを下抜き5月28日週-6月4日週の上昇ラインも下抜くが先週は長いヒゲで戻している。月足は4月-5月の下降ラインを上抜いたまま。年足は陽線。

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