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マーケットビュー

月曜 野村雅道の今週注目!の経済指標 マーケットが注目する指標を大胆解析

今週のマーケット
「G-8声明の具体化は、日銀政策決定会合、中国内需拡大策」

更新日:2012年5月21日

5月21日(月)−5月25日(金)

今朝のシドニー市場ではG-8の成長と緊縮政策の両立、ギリシャをユーロに残留させることを共有などの声明を評価し、若干リスク選好の円安が進んだ。ユーロも一旦上昇したが先週末のレベルに戻している。

東京市場は休み明けゴトビ要因で円売りとなり、日経や上海株も上昇するだろう。欧州金利や株の動きをみつつギリシャ要人などがどう発言するかが焦点。好反応すればNYまでリスク選好の流れが続くが、急進左派連合ツイプラス党首が再び過激発言を行うと危うい。

G-8サミットは成長と緊縮の両立で合意したが具体的な手法や財源について今後事務方が触れていかないと、G-8効果も短期で薄れるだろう。

先週金曜日はユーロがやや戻して引けた。G-8期待ではなく、ギリシャの最新の世論調査で緊縮策を支持する政権与党が過半数を獲得する見通しを示したことであった。引き続き6月17日の総選挙までのギリシャの政局を重視したい。 急進左派連合ツィプラス党首もユーロからの離脱は示唆していない。

いつも今回のギリシャ危機と同じような規模のアルゼンチン危機と比較するが、異なるのは時間のかけ方でアルゼンチンはリスケまで3年かかった。ギリシャは急ぎすぎの感じがする。またアルゼンチンは国債を世界の個人が保有していたが、ギリシャは金融機関が保有している。大きな声を上げることのできない個人と異なり、金融機関は大声で税金投入での救済を求める。大きな組織であればあるほど自ら身を切らず税金投入を訴える。日本の原子力問題と似ている。だからちょっと騒ぎすぎの感はする。個人が保有なら自己責任で終わるが、大きな組織だと世界の一大事で救済を求められてしまう。大きな組織の方ほど自己責任の意識は薄くなるのは洋の東西を問わない。

さて世界経済減速のもう一つの要因である中国景気減速だが、先週ついに環境関連での内需拡大策を具体的に打ち出したが株価上昇は1日で終わった。今週の中国はHSBC版の製造業PMIを注目したい。また中国は先週に引き続き欧州支援を表明しているが具体策は出るだろうか。

日本は日銀が金融政策決定会合と4月貿易統計を軸に動く。詳しくは後述したい。

米国は雇用の拡大はやや減速しているが他の指標はマチマチ。心配なのはオバマ大統領の支持率が低下していること、JPモルガンの損失で他の金融株も下落していることなどだ。Facebookの上場効果もなかった。ただ地区連銀総裁からは市場が望むほどQE3への示唆はない。

欧州はG-8を受けて今週は首脳会合などがある。独のIFOやスペイン国債入札、ユーロ圏消費者信頼感速報などがある。通貨番付首位の英はインフレ見通し、景気見通し下方修正で対ユーロで売られている。しかしまだ首位である。

資源国通貨は総じて弱い。中国景気減速、欧州信用不安、米国雇用悪化でリスク回避の流れとなり、自国の雇用もNZや南アで悪化している。インフレも低下しているので金融緩和予測も出てきている(除くカナダ)。

【今週の注目経済指標】

5/21
(月)

(日)景気動向指数・改訂値
(加)トロント休場(ビクトリアデー)
(ユーロ圏)建設支出

5/22
(火)

(香港)消費者物価指数
(英)消費者物価指数、小売物価指数
(ユーロ圏)消費者信頼感速報
(米)リッチモンド連銀製造業指数、中古住宅販売件数

5/23
(水)

(日)通関ベース貿易収支、日銀金融政策決定会合
(ユーロ圏)経常収支
(南ア)消費者物価指数
(英)BOE議事録、小売売上高指数
(加)景気先行指数、小売売上高
(米)住宅価格指数、新築住宅販売件数

5/24
(木)

(日)金融経済月報・基本的見解
(NZ)貿易収支
(独)GDP・確報、IFO景況指数
(スイス)貿易収支
(ユーロ圏)PMI製造業・速報、PMIサービス業・速報
(英)GDP・改定値
(香港)貿易収支
(米)耐久財受注、新規失業保険申請件数
(南ア)政策金利発表

5/25
(金)

(日)消費者物価指数
(独)GFK消費者信頼感調査
(米)ミシガン大消費者信頼感指数・確報値

先週の「注目通貨ペア!」の振り返り※チャートはクリックで拡大できます

前回の「注目通貨ペア!」

ドル円
豪ドル円

【ドル円】 予想レンジ:77-82、若干強めか
5月9日-14日の上昇ラインが崩れると一気にボリバン下限まで下落した。ギリシャ政権設立失敗で再び6月17日に総選挙となりリスク回避の流れで円が買われた。

(先週の予想は以下の通り)
例年通り新年度からGWにかけての輸出業者のドル売り先行で下落していたが、先週はそれも一服し、横ばいから若干ドル強めの推移となった。先週は7日(月曜)と10日(木曜)だけドル円とクロス円の日足は陽線であった。週を通じれば陰線であったが、その両日は陽線。7日はGW明けで実質ゴトビ、10日もゴトビ。仲値は東京市場だけの需給要因でいつもゴトビの日足が陽線となるわけではないが、GW明けの先週は、GW中に溜まっていた外貨需要が出たので終日、ロンドン、NYを含めて陽線となったのであろう。

17日には日本の1QGDP成長率の発表がある。前期比年率で+3.5%の予想で強い。エコカー補助金の復活などを追い風に個人消費が好調に推移し、東日本大震災の復興需要の本格化で公共投資が伸びたことが主因だ。景気回復の兆しがないと外貨投資の余裕も生まれず円安とならないのが円相場の特徴なので注目したい。

(テクニカル)
週足では僅かに陽線。これがGW明けのいつもの相場だろう。4月27日−30日の下降ラインを上抜けるも5月2日、3日と80.20以上では上ヒゲが出ていた。ただボリバン下限を下抜くほどでもなかった。細かいが5月8日-9日の下降ラインを上抜き、5月9日-10日の上昇ラインが出来ている。ボリバン下限の79.31と雲の下限の80.10に挟まれている。5日線は先週金曜に上向いた。ドル円の急落はなさそうだ。週足では先週は4月23日週-30日週の下降ラインを上抜いて落ち着きを見せている。月足は4月は2月-3月の上昇ラインを下抜いたが今月は若干だが陽線スタート。年足は2007年−8年の下降ラインを上抜いたままである。下向きの要素が多いが、輸出も一服していることもあり、陽線、下ヒゲ、下降ライン上抜けも出る可能性は高いだろう。

【豪ドル円】 予想レンジ:77-82、若干弱め
0.5%大幅利下げの後も追加利下げ観測があったが雇用が3月、4月と連続改善したので落ち着いた。その後の下落は欧州信用不安や中国景気減速による。

(先週の予想は以下の通り)
(ポイント)
雇用統計は3月、4月と連続改善したが、CPIがインフレターゲットを下回っていることで金利は低下継続、豪ドル売りに繋がっている。

外部要因も弱い。中国指標の悪化、仏大統領選、ギリシャ総選挙での既存政権は敗北で欧州債務問題が再燃している。

(推移)
豪ドルは対円、対ドルで下落、株価も下げるリスク回避の流れとなった。豪長期金利は低下継続で3.5%割れとなっている。 

(国内要因)
3月に続き4月雇用統計も大きく改善した。また3月小売売上、住宅建設許可、NAB信頼感指数が改善した。ただ3月貿易収支は15.87億豪ドルの赤字となり予想の13億の赤字、2月の4.8億の赤字から拡大した。いい指標も出てきたが、やはり政策金利0.5%引き下げに繋がった1QCPIがインフレターゲットの下限を下回ったことで豪ドルが上伸しない。

(海外要因)
米雇用統計悪化、仏大統領選挙とギリシャ総選挙で与党の財政緊縮派が敗北し再び欧州債務問題が懸念されている。これらはリスク回避要因。中国は4月の製造業PMIが改善したが工業生産、小売売上が予想を下回り豪ドル売りに繋がった。

(トピックス) 「豪中銀0.5%利下げ時の声明のポイント」
ここ数カ月に入手した情報は、経済情勢が予想よりやや弱くインフレが穏やかになったことを示している。
中国の経済成長は意図した通りに緩やかになっている。
豪ドル相場は依然高水準にあるが、交易条件は幾分低下した。

(テクニカル)
5月1日の大幅0.5%の利下げで出来た4月30日-5月2日の下降ラインが出来ている。拡大しつつあるボリバン下限に張り付きながら下落している。5日線は下向き継続とまだ反発の兆しがない。
週足は雲の上限にあり。まだボリバンの中位であり下げ余地もある。月足は3月、4月と連続陰線、今月もまだ陰線である。年足はかろうじて陽線。

今週のワタシの「注目通貨ペア!」※チャートはクリックで拡大できます

今週の「注目通貨ペア!」

ドル円
南アランド円

【ドル円】 予想レンジ:77-82 横ばい
日銀が金融政策決定会合を開く。金融政策は現状維持となる見込み。2月と4月に相次いで打ち出した計20兆円にのぼる長期国債の買い入れ増を軸にした緩和措置の効果を見極めることになるが、現状維持でも何か的を得た声明を出さなければ会合をきっかけに日経下落、リスク回避の動きがでるかもしれない。

また日本は4月貿易統計を発表する。予想は4700億円の赤字である。赤字でも年度初めは輸出が先行するので円買いが進んでいた。また個人や機関投資家の外貨投資が冷え込んでいるのも円安が加速しない原因である。外へ投資する元気がなく、外へ行くのは為替が起きないIMFへの600億ドル出資だけだ。生保の決算もあるが、その外貨投資動向もチェックしたい。

日本の機関投資家の外貨投資残高は減少している。これも円高要因の一つ。「かんぽ」は2012年3月期では1年前と比べると1000億円程度減少して7237億円から6186億円に、民間の生保では日本生命は同期間で10兆1094億円から10兆4528億円へ3434億円増加している。公的年金では年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)はまだ2012年3月の数字は出ていないが、2011年12月は20兆117億円で2011年3月の22兆円5202億円から2兆5085億円減少している。2011年3月から3大機関投資家で約2兆円減少となっている。

(テクニカル)
5月9日-14日の上昇ラインを5月17日に下に切り再びボリバン下限に下落(下限は78.93)。雲下へ下落。5日線は5月17日に下向きに転じた。ボリバン下限だが、若干上ヒゲで、下にはヒゲがない坊主状態は気になる。週足では先週は4月23日週-30日週の下降ラインを上抜いたが、またそのラインに近づきつつある。週のボリバン下限の75までは余地がある。月足もボリバン下限の73.76まで余地がある。4月は2月-3月の上昇ラインを下抜き今月は陰線に転じた。年足は2007年−8年の下降ラインを上抜いたままである。

【南アランド円】 予想レンジ:9.1-9.8 弱含みだがユーロが上がれば追随も
(ポイント)
政策金利(24日)は据え置き予定、前日にCPI発表
中銀の声明は利下げも示唆するか
外部要因(米雇用悪化、中国景気減速、欧州政局混乱)が悪化継続
国内も雇用が悪化

(推移)
先週も引き続きランドは対円、対ドルで下落した。長期金利は低下継続。株価も大幅下落。資源価格も金を除いて下落している。

(国内要因)
1Q失業率は昨年4Qから悪化した。先週の3月小売売上は予想の6.6%を僅かだが上回った。 3月CPIは6.0%でインフレターゲトの上限となったが、今週の4月CPI予想は6.2%と前回を上回る。欧州信用不安問題が南ア経済にも影響しているだけに、24日の政策金利決定は据え置きの予想が多いが、声明では国内外の景気の弱さも示唆し利下げの可能性にも触れるだろう。

(海外要因)
減速している中国が内需拡大策を発表して上海株は上昇したが持続性がない。ギリシャ、スペインで預金流出の報道があり欧州信用不安問題は残る。米もJPモルガン金融損失などで金融株弱い。リスク回避の流れ変わらず。

(トピックス) 「通貨番付」
2月、3月は主要9通貨番付の首位にいたが、4月に3位に落ち、その後 米ドル、円にも抜かれ5月18日現在ではブービーの8位である。最下位は豪ドルでカナダを除き、豪ドル、NZドル、南アランドの資源国通貨が弱い。中国景気減速、欧州債務問題でリスク回避の流れとなっている。

(テクニカル)
ギリシャ総選挙後は下げがきつい。5月4日-8日の下降ラインに沿ってまだ下落している。ボリバンも下限を拡大しているが、それに絡んで下落している。5日線は下向いている。雲の下。週足は4月16日週-4月23日週の上昇ラインを下抜いた。週のボリバン下限(9.0)までまだ余地がある。月足では10月から横ばい推移から11月-1月の上昇ラインを下抜いた。月足のボリバン下限は9.10.年足も陰線に転じる。

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