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マーケットビュー

月曜 野村雅道の今週注目!の経済指標 マーケットが注目する指標を大胆解析

今週のマーケット
「日本貿易統計、バーナンキ議長、欧州PMI」

更新日:2012年3月19日

3月19日(月)−3月23日(金)

朝方のシドニー市場は先週末のNY終値と変わらずスタートしたが、その後ユーロ円の110円丁度に入っていた損切の買いが執行されユーロ円が110.12をつけている(午前7時50分)。ラガルドIMF専務理事の欧州景気の楽観的な見方、ECB月報でのインフレ懸念からの欧州金利の上昇などもユーロ買い戻しの背景にあろう。

週末には中国の2月の70都市住宅価格指数が発表され45都市が1月より下落した。ただ温家宝首相は不動産価格抑制の手綱を緩めていない。

欧米長期金利がジワジワと上昇している。米国はFRBが景気判断を上方修正したことで金融緩和期待が後退、ドルが上昇していたが、先週15日(木)にECB月例報告の「インフレは上振れリスクが優位、インフレ率は年内に2%を超える状況が継続する見込み」で欧州金利が上昇し週後半はユーロが上昇した。金利面だけでいうと日本はデフレ抑制途上なので円売りが続いた。出口戦略ほどおおげさなものではないが、ギリシャ債務問題が一旦落ち着いたこともあり、各国金融政策に調整色が出てきた。日欧米の3中銀の動向を注目したい。

今週はバーナンキ議長が2度大学生向けに講義を行う。景気指標改善でも「苛立たしい程遅い回復」を強調するバーナンキ議長に注目が集まる。学生の素朴な質問も興味深い。また米国は今週、全日、住宅関連指標の発表がある。

欧州は製造業、サービス業PMIや消費者信頼感指数の発表があるが年初から続いている回復の兆しが途切れるか継続かを見たい。

心配は中国である。政局とも見られる温首相の「文化大革命示唆」発言や重慶市書記解任、さらには不動産引き締め策継続発言で上海株式市場は他国が上昇しているにも関わらず先週は大きく下落した。それが一時資源国通貨の対ドルでの下落も招いた。今週も要注意の上海株である。

英国はBOE議事録と財務相の予算に関する演説がある。スイスは先週、予想通り政策金利を据え置き、またユーロスイスの下限を1.20に設定することを確認した。ただ成長率見通しを引き上げたことで再びスイスが買われ、一旦1.21にのせたユーロスイスが1.20後半に下落している。介入も想定しておきたい。

資源国通貨は中国景気見通しの下方修正で一旦下落するも、欧米景気指標はそれほど弱くもないことからリスク選好の流れとなり週後半は持ち直している。資源国通貨は年初来、円に対し10%以上上昇している。今週RBAは議事録、NZは4QGDP(予想は前期比では若干低下の+0.6%)、南アは来週の政策金利決定のヒントとなるCPIを発表する。 

【今週の注目指標】

3/19
(月)

(日)全国百貨店売上高
(香港)失業率
(南ア)経常収支
(ユーロ圏)経常収支、建設支出
(加)卸売売上高
(米)NAHB住宅市場指数

3/20
(火)

(豪)RBA議事録
(日)東京休場(春分の日)
(独)生産者物価指数
(スイス)鉱工業生産
(英)消費者物価指数、小売物価指数
(米)住宅着工件数、建設許可件数

3/21
(水)

(NZ)経常収支
(日)月例経済報告、コンビニエンスストア売上高
(南ア)ヨハネスブルク休場(人権の日)
(英)BOE議事録
(加)景気先行指数
(米)中古住宅販売件数

3/22
(木)

(NZ)GDP (日)貿易統計、全国スーパー売上高、公示地価
(香港)消費者物価指数
(スイス)貿易収支
(南ア)消費者物価指数
(独)PMI製造業・速報、PMIサービス業・速報
(ユーロ圏)PMI製造業・速報、PMIサービス業・速報
(英)小売売上高指数
(加)小売売上高
(米)新規失業保険申請件数、住宅価格指数、景気先行指数
(ユーロ圏)消費者信頼感・速報

3/23
(金)

(日)資金循環統計
(スイス)中銀四半期金融政策リポート
(加)消費者物価指数
(米)新築住宅販売件数

先週の「注目通貨ペア!」の振り返り※チャートはクリックで拡大できます

前回の「注目通貨ペア!」

ドル円
豪ドル円

【ドル円】 予想レンジ:80-85
ドル円は続伸した。米国景気判断の上方修正、欧州でのインフレ懸念があり、欧米金利上昇で円が売られた。ただ週後半はテクニカル(カブセ線)でやや下げた。

(先週の予想は以下の通り)
円は年初来独歩安となっている。貿易の赤字化と日銀の金融緩和強化という大きな変化がその要因だ。今週の日銀政策決定会合では2月の金融緩和政策強化をより具現化するかどうか。米国FOMCで雇用など景気指標の改善があり、慎重ながらもさらなる金融緩和策は取らずに現状の緩和策を維持するといったことになればさらにドル買いが進むかもしれない。日本は日銀政策決定会合の他に、法人企業景気予測調査がある。日銀短観と同内容の調査なので注目したい。景況感が改善すれば、さらに株価が上昇しリスク選好の円安ともなろう。

例年、2月の外債の金利支払い、3月のリパトリで円買い要因もあるなかでの円安推移となっている。「円高にはメリットがある」、「実質実効相場は円安」など誤ったエコノミストの意見で引き起こされた輸出業者の倒産も含めた苦難を取り除かないといけない。為替ディーラーにとってはどうでもいいことだろうが、人災といっていいほどの円高促進という同じ間違いは日本のためには二度としてはいけないだろう。

(テクニカル)
3月5日-6日の下降ラインを上抜き3月7日-8日の上昇ラインに沿って上昇している。大きくは2月3日-7日の上昇ラインと2月14日-17日の上昇ラインの間で推移。ボリバンは上限近いがまだ余地あり(76.19-83.14)。雲上。5日線上向きのまま。週足は2月6日週-13日週の 上昇ラインに沿っている。下押ししても長いヒゲを出して戻ってくる。月足は昨年11月-12月の下降ラインを上抜いた。今年は07年、08年の下降ラインから上抜いて始まっている(1996年、2000年、2005年のドル高年と同様である)。

【豪ドル円】 予想レンジ:84-89
中国温家宝首相の不動産価格抑制政策継続発言で下押しする場面もあったが、日本の金融緩和継続、米国景気判断の上方修正、ECB月報ではインフレ懸念で円売りが継続し上昇した。豪ドル円の上昇は円安が支えた。

(先週の予想は以下の通り)
豪国内指標の悪化、外部要因では中国経済の減速懸念がある。RBAは需要が減少すれば利下げ余地もあると示唆した。豪ドルは対ドルでは弱くなったが、対円でこじっかり推移したのは、円が対ドルでさらに弱いからだ。豪景気が弱くても豪ドル円が強いのは昨年までとは違う現象だ。 今週は大きな指標はない。住宅貸付、NAB企業信頼感指数、WESTPAC消費者信頼感指数、インフレ期待指数、自動車販売、RBAの為替取引実績がある。これらも弱くなれば利下げ予想も出てくるだろう。

(推移)
引き続き豪ドルは対円では上昇したが、対ドルでは下落した。株価は小幅安となった。資源価格も金は伸び悩み工業資源も小幅安となっている。

(国内要因)
2月AIGサービス業は前回より低下、2月インフレ指数も2.0%と前回より低下、2月求人広告は増加するも1月より伸び悩む。4Q企業利益は3Qから減少した。力強さはないとお伝えしたがその後AIG建設業指数も悪化。4QGDP、雇用統計も予想を下回った。貿易収支は黒字予想が赤字に転じた。政策金利は予想通り据え置かれたが、需要が減少した時は利下げ余地もあるとされた。その需要減少に繋がってきているかもしれない。

(海外要因)
中国が2012年の成長目標を7.5%、インフレ目標を4%とした。先週の中国指標ではCPIが予想より弱く、小売売上、工業生産も弱かった。ただギリシャ債務減免問題が進展したことからリスク選好で豪ドルは対円で買われた。ドル円の上昇が大きかった。米国雇用指標改善は豪ドルを対ドルで弱含ませた。

(トピックス)「野村豪ドル債買い付け一時停止」
「野村投信豪ドル債オープンプレミアム」は3月19日以降、お買付けお申し込みを一時停止させて頂くこととなりましたとお知らせがあった。2月17日設定以来2200億円集まったようだ。売れすぎてしまい、適正な運用規模を保つためのようだ。ブームになりすぎると反動も怖い。

(テクニカル)
豪ドル円=1月16日-1月30日の上昇ラインがサポートする息の長い相場。先週もこのラインで下げ止まった(84.80)。3月5日-6日の下降ラインを上抜き3月7日-8日の上昇ラインが出来ている。このラインの下切りには気をつけたい。ボリバン上限からも反落も上位に踏みとどまる。まだまだ雲の上。5日線一旦下向いている。ボリバン上限(88.65)が抵抗か。週足は10月3日週-11月21日週の上昇ラインは生きている。さらに角度を上げて1月9日週-16日週の上昇ラインとなっている。8週続いた陽線は終わり、9週目は陰線。ただ下ヒゲは長い。月足では11月-12月の下降ラインを上抜き10月-1月の上昇ラインが出来ている。

今週のワタシの「注目通貨ペア!」※チャートはクリックで拡大できます

今週の「注目通貨ペア!」

ドル円
ランド円

【ドル円】 予想レンジ:81-86
いよいよ2011年度決算直前となった。企業や銀行は取引を手控えるだろう。決算をぶらせたくないからだ。銀行のディーラーの収益が決算をぶらせるほど大きいと思えないが、顧客のカバー以外は出来るだけ取引を控えろということとなる。顧客はもう少しリパトリがあるだろ う。もちろん大きなリパトリは3月30日金曜日の仲値に集中する。30日も仲値はリパトリ、保険金支払い、M&Aの資金送金、通常の輸入決済などを中心とした展開となる。為替は3月29日から、証券投資では3月28日から新年度渡しとなるので、そこから活発化する顧客もでてくるだろう。このまま新年度も円安株高が続くとする投資家が増えればさらなる円安が続くだろう。新年度の機関投資家の動向はチェックしたい。だいたい横並びとなるので動き出せば大きい。

日本は2月貿易統計の発表がある。貿易の赤字化が円安の需給的背景だが、1月の1.4兆円という大幅赤字からどれだけ縮小できるか。予想は1200億円程度の赤字である。また資本の需給は週末に発表される資金循環統計を参考にしたい。月例経済報告もある。また消費税引き上げ法案について民主党や閣内で合意が出来るかどうか。

(テクニカル)
先週後半は連続陰線であった。15日(木)はカブセであり金曜は下げそうであったが、アジア市場では下がらず、NYで下げて結局はカブセが勝ち陰線となった。ドル売りサインが出ても東京の実需のドル買いですんなりとは下げなかったが終わってみれば陰線。 連続陰線であったが3月7日-8日の上昇ラインはまだ生きている。このラインを下に切って一度ロングを整理してもいいと思う。ボリバンではまだ上位にいる。雲上。5日線上向きのまま。週足は2月6日週-13日週の上昇ラインに沿っている。下押ししても長いヒゲを出して戻って くるが先週は上ヒゲも出し売り圧力も示している。月足は昨年11月-12月の下降ラインを上抜いたまま。今年は07年、08年の下降ラインから上抜いて始まっている(1996年、2000年、2005年のドル高年と同様である)。

【ランド円】 予想レンジ:10.60-11.40
(ポイント)
CPIが予想を上回るかどうか。来週の政策金利決定に繋がる。中国の景気見通し下方修正よりも欧州のインフレやPMI指標に注目したい。

(推移)
ランドは対円で上昇、一時11.05をつけた。対ドルでも小幅上昇した。依然年初来の通貨番付では首位だ。株価は上昇した。金、銀、パラジウムが下落、プラチナは上昇した。

(国内要因)
年初来、経済指標は概ね改善していたが先週の1月小売売上は予想の前年比+6.7%、前月+8.7%であったが、+3.9%となった。ランドはこれを受けて、対ドル、対円でも下落したが、週後半は欧州のインフレ懸念が出てユーロが上昇するに連れて元に戻した。

(海外要因)
中国温家宝首相が全人代終了後の記者会見で「不動産引き締め策の継続」を示唆し上海株の下落となり南アランドなど資源国通貨の下落となったが、週後半は欧州のインフレ懸念が出てきて(ECB月報)、ユーロは強含み、南アランドも上昇した。

(今後)
今週は3月22日の2月CPIに注目したい。予想は前年比+6.3%でインフレターゲットの上限の6.0%を超えている。今月末の政策金利は他国情勢を考慮して据え置きとなっても声明では将来の利上げを示唆する可能性があるかどうか。また19日には4Q経常収支の発表があり、予想は1320億の赤字である。

(テクニカル)
3月5日-6日の下降ラインを上抜いて上昇しているが10.80-11.0で横ばい状態となって先週を終えた。3月14日-16日の上昇ラインに乗って、ボリバン上限を目指すか(ボリバンは9.98-11.20)。5日線は上向きとなっている。雲のはるか上と強い。1月16日-2月1日の上昇ラインも支えた。週足は1月16日週-1月30日週の上昇ラインが支えた。月足では10月から横ばい推移から11月-1月の上昇ラインが出来、まだ有効だ。

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