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マーケットビュー

月曜 野村雅道の今週注目!の経済指標 マーケットが注目する指標を大胆解析

今週のマーケット
「材料盛りだくさん、政策金利・貿易週間、中国CPI、米雇用

更新日:2012年3月5日

3月5日(月)−3月9日(金)

今朝は前週末比変わらずで、寄りついた。ムーディーズがギリシャ格付けを「CA」からデフォルト格付けの「C」に引き下げたが影響はなかった。既に同様の格下げをS&Pが行っていること、債務減免は既に実質デフォルトと言えることはユーロ相場に織り込み済みだからだ。

他の二つのニュースのほうが気がかりだ。週末に発表された中国2月非製造業PMIは48.4と1月の52.9より低下した。今週の全人代での2012年成長見通しやCPIなどを勘案しさらなる金融緩和に向かう可能性は高い。気がかり二つ目のイラン議会選挙は、最高指導者ハメネイ師を後ろ盾とする超保守派が圧勝したこと。より対米強硬派の力が強くなり原油価格にも影響しよう。また相場には影響がないがロシア大統領選挙ではプーチン氏が勝利した。任期が6年に延長され政権、経済安定化に繋がるだろう。

今週は材料盛りだくさんだ。政策金利では豪、NZ、ECB、BOE、カナダ、ブラジルが決定する。貿易収支は日米中、欧州、豪などが発表する。中国はその他CPIなど一連の経済指標を発表する。また全人代も開催される。米国は雇用統計にスーパー・チューズデー、豪は政策金利の他、GDP、雇用、などが発表される。

年初からここまでの円はすべての通貨に対して6%以上円安推移している。一番、円安の度合いが小さいのが対米ドルで6.36%円安、南アランド、NZドル、豪ドルには10%超の円安、弱いと言われているユーロにも8%の円安となっている全面円安状態である。世界的にリスク選好になっている表れで好ましいと言える。

さて 注目の政策金利週間だがそれぞれ据え置きと見られている。豪は雇用統計などが改善したこともあり据え置かれよう。NZも雇用、住宅など改善しているがインフレも低下していることで据え置きか。ECB、BOEは景気指標も若干改善しているが利上げ出来るほど強くはない。カナダは、4QGDPは予想通り前期比年率+1.8%であった。資源価格上昇で通貨は強含み推移しているが景気には過熱感なく据え置きとなろう。

中国は全人代で今年の成長率の確認がなされる。預金準備率引き下げに続き、政策金利引き下げ観測も出ているが今週のCPIがカギを握ろう。
米国は2月雇用統計があり予想は失業率8.3%、非農業部門雇用者数は+21万増である。前哨戦のADP雇用者数、チャレンジャー社人員削減数、新規失業保険申請者数もチェックしたい。雇用統計への織り込み期間としてはドル買いか。1月貿易収支の予想は-490億ドル。

ギリシャの問題はS&Pに続き、ムーディーズがデフォルト格付けとしたが、事実追認のようなものである。いつも通り紆余曲折ありながら前に進んでいくのがギリシャ問題なのでユーロ売りも適度に利食い深追いしないほうが良い。

豪はスーパーウィークと言っていいほど重要指標が出る。政策金利の他に4QGDP、雇用、貿易収支も発表される。

【今週の注目指標】

3/5
(月)

(中国)全国人民代表大会
(スイス)小売売上高
(英)PMIサービス業
(ユーロ圏)小売売上高
(米)ISM非製造業景況指数、製造業受注指数

3/6
(火)

(日)毎月勤労統計速報
(豪)経常収支、RBAキャッシュターゲット
(ユーロ圏)GDP・改定値
(加)Ivey購買部協会指数
(米)スーパー・チューズデー(米共和党、11州で大統領候補予備選)、EIA短期エネルギー見通し

3/7
(水)

(日)景気動向指数・速報値、ESPフォーキャスト調査、外貨準備高
(豪)GDP
(スイス)失業率
(独)製造業受注
(米)ADP全国雇用者数、非農業部門労働生産性・確報 、消費者信用残高
(加)住宅建設許可
(ブラジル)中銀政策金利

3/8
(木)

(NZ)中銀政策金利、製造業売上高
(日)4QGDP・二次速報、経常収支、貿易収支、貸出・資金吸収動向、2月上中旬の貿易統計、景気ウォッチャー調査
(豪)雇用統計
(仏)非農業部門雇用者・確報、貿易収支
(スイス)消費者物価指数
(独)鉱工業生産
(英)BOE政策金利
(ユーロ圏)欧州中銀金融政策
(加)住宅着工件数、新築住宅価格指数、中銀政策金利
(米)企業人員削減数、新規失業保険申請件数
(韓国)中銀金融通貨委員会
(インドネシア)中銀金融政策決定会合

3/9
(金)

(日)マネーストック
(豪)貿易収支
(中国)CPI、PPI、固定資産投資、工業生産高、小売売上高
(独)消費者物価指数・確報、経常収支、貿易収支
(仏)鉱工業生産
(英)鉱工業生産、製造業生産高、生産者物価指数
(加)雇用統計、労働生産率、国際商品貿易
(米)貿易収支、雇用統計、卸売在庫

3/10
(土)

(中国)貿易統計

先週の「注目通貨ペア!」の振り返り※チャートはクリックで拡大できます

前回の「注目通貨ペア!」

ドル円
ランド円

【ドル円】 予想レンジ:78-83
長い下ヒゲを残しドル円は続伸した。外貨投信の払込も円売りとなった。日経が上昇したこともリスク選好の流れとなり円売りを誘った。

(先週の予想は以下の通り)
日本は、今週は2月上旬の貿易統計が発表される。1月は既に昨年の6割程度の1.46兆円の赤字となっている。民主党は円高対策チームを結成して対処しようとしている。政府の介入、日銀の金融緩和強化、インフレ目途という具体的な対策が出ている。これまでもいろいろと裏切られていることも多いが、日本企業の海外移転、製造業の収益悪化などから、漸く円高デフレ対策を取り始めたのだろうか。

原油価格はイラン核開発問題での緊張、イランの欧州への原油禁止政策で上昇している。これは円相場へのネガティブな要因だろう。

今週の外貨投信払込は先週(上述)の本覧でお知らせしたように多くなっている。株高となり投資マインドも回復しているので外貨投信にも資金流入はあるだろう。

(テクニカル)
2月3日-7日の上昇ラインからさらに角度をあげて2月14日-17日の上昇ラインで上昇していたが一旦このラインを下に切る。その後再びその2月14日ラインまで戻している。このラインは上値抵抗となる。ボリバンは上限越えで強い。2000年、2005年同様の上昇の強さだからだろう。雲上。5日線上向き。週足は1月23日週-30日週の下降ラインを上抜いて1月30日週-2月6日週の上昇ラインに沿っている。月足は昨年11月-12月の下降ラインを上抜いた。今年は07年、08年の下降ラインから上抜いて始まっている(2000年、2005年と同様)。

【ランド円】 予想レンジ:10.30-11.10
南アランドは年初来の通貨番付で最強となった。4QGDPが予想を上回ったことを好感した。

(先週の予想は以下の通り)
(ポイント)
外部要因(日銀緩和強化、ギリシャ問題進展、中国金融緩和)は改善している。国内も雇用、小売売上、製造業PMIが改善している。ランドが強含みする材料が揃ってきた。

(推移)
ランドは対円で上昇、対ドルでは下落するも先々週木曜に長い上ヒゲを出してからは、ランドは強含み推移した。株価は上昇した。日銀金融緩和、ギリシャ問題進展で週末はリスク選好の流れでランドが買われた。

(国内要因)
1月CPIは依然インフレターゲット上限を超える6.3%となった。12月小売売上、2011年4Qの失業率、製造業PMIの改善もあり、景気回復への兆しは出てきている。もう少し欧州情勢を様子見後に中銀は利上げを模索するだろう。

(海外要因)欧州に影響される
紆余曲折しているギリシャ支援問題だが20日のユーロ圏財務相会議で支援決定した。今朝発表のG20声明でも欧州を支える流れとなっていることは、日銀の金融緩和強化、中国人民銀行の預金準備率引き下げなどとともにリスク選好の流れなりランド買いが続くだろう。

(トピックス)
南アの象徴でもあるマンデラ元大統領の容体が悪化していたが、昨日退院が許可された。マンデラ大統領後は強いリーダーシップをとる人材が不足している。最大与党であるANCの支持率も少しずつ低下している。若年貧困層では反政府的運動を起こすものも出てきている。

(今後)
今週は昨年4QのGDPが発表される。3Qは前期比年率+1.6%、4Qは+2.9%の予想だ。 南アの成長率はBRICS諸国としては低成長だと言われている。成長途上国の勢いはない。 1月貿易収支も発表されるが予想は15億ランドの赤字である。また今週は南ア経済に影響する中国の2月製造業、非製造業PMIにも注目したい。

(テクニカル)
2月16日-22日の上昇ラインに沿って上昇している。昨年9月26日以来、高値を更新した。ボリバン上限を上抜いている。雲の上と強い。1月16日-2月1日の上昇ラインも支えた。5日移動平均線は上向き。週足は1月16日週-1月23日週の上昇ラインが支えた。月足では10月から横ばい推移から11月-1月の上昇ラインが出来、まだ有効だ。

今週のワタシの「注目通貨ペア!」※チャートはクリックで拡大できます

今週の「注目通貨ペア!」

ドル円
NZドル円

【ドル円】 予想レンジ:79-84
日本は今週国際収支が発表されるが、やはり所得収支の数字をみたい。貿易赤字を相殺して経常黒字になるのは所得黒字次第だからだ。また2月上中旬貿易統計でより最新の貿易動向をチェックしたい。2月上旬は黒字となったが、輸出よりも輸入の減少幅が大きかった。質の悪い黒字化である。輸出は減少するも、輸入出来る購買力も弱くなっている。エルピーダの倒産、主要輸出企業の決算悪化、海外移転表明などもある。政府も本気で円安是正しないと日本は衰退してしまうだろう。

年初から今年は景気回復の兆しが出ていることで、ギリシャ問題にかかわらず円安推移するリスク選好の流れを予想していたが、その通り推移してきた。今月が第一関門である。日本は3月年度末ということで特殊需給であるリパトリがある。昨年も一旦ドル円は大きく下落し、協調介入でなんとか下ヒゲの長い陽線で終わったことは記憶に新しい。11年度末の主要250社の経常利益は10年度比12%減が見込まれているので、乱暴な推定だが例年よりはリパトリの金額は小さいだろう。さらにタイ洪水への本邦損害保険会社から再保険の支払いで小さくな るだろう。その他はM&Aなどの資金流出がある。この特殊月の3月を乗り越えれば後は輸出と輸入のリーズ&ラグズだけを4月からは考えていけばいいだろう。貿易収支では大きな黒字とはならないので4月以降の新年度は輸出がやや活発化しても年を通じれば安定から円安方向へ進んでいくと見たい。

(テクニカル)
2月3日-7日の上昇ラインと2月14日-17日の上昇ラインの間で推移。2月28日-29日の上昇ラインもサポート。ボリバンは上限近い。雲上。5日線上向きのまま。週足は2月6日週-13日週の上昇ラインに沿っている。先週は下ヒゲの長い週となった。月足は昨年11月-12月の下降ラインを上抜いた。今年は07年、08年の下降ラインから上抜いて始まっている(1996年、2000年、2005年のドル高年と同様である)。

【NZドル円】 予想レンジ:65-70
ポイント=NZドル円は8週連続陽線であったが、9週目の先週は陰線となった。ただ対ドルでは横ばい推移であり、先週はやや上ヒゲの長い陰線で下押しを示唆している。政策金利は据え置き予想。国内指標が改善してきたので、欧州債務問題からそろそろ離れて正常化(3%への戻し)への示唆はあるだろう。長期金利は既に上昇し始めている。インフレは落ち着いている。

(推移)
NZドル円は8週連続陽線、先週は僅かだか陰線となった。ただ対ドルでは横ばい推移。株価はこじっかり。

(国内)
1月住宅建設許可は前月比で予想+3.4%、前月+2.1%のところ+8.3%と強かった。2月NBNZ企業信頼感指数は1月の16.9から28.0へ上昇した。雇用の改善、小売売上の増加、かつインフレの低下で好ましい方向へ向かっている。NZ長期金利は4%台を維持している。

(海外)
欧州のLTRO(3年物資金供給)が予想を上回ったことはNZ買いに、バーナンキ議長がQE3に触れなかったことで米長期金利が上昇していることはNZ売りとなった。今週は中国CPIなど一連の指標が出てNZにも影響しよう。

(トピックス)*NZ航空収益悪化で雇用削減へ
NZ航空が2月24日発表した2011/12年度上半期(11年7〜12月)決算は、税引き後利益が前年同期比71%減の3,300万NZドルだった。業績悪化を受け、ファイフ最高経営責任者は、すでに利益率向上のための戦略を実行に移しており、雇用削減も行うと明らかにしている。
コスト圧縮策の一環として、本年度中に従業員441人を削減する計画を進める。
CEOによると、国際線の見直しも行っており、数週間内に正式発表する見通し。環太平洋地域に集中した内容になる見込みという。コスト削減と効率化、収益底上げなどにより、15年度までに税引き後利益を1億9,500万NZドルに引き上げることを目標に掲げている。

(今後)
今後の焦点は3月8日の政策金利決定だろう。2011年3月にカンタベリー大地震を受けて3.0%から2.5%へ緊急利下げして以来2.5%に据え置かれたままだ。昨年は欧州金融危機もあり外部要因もあって据え置きを継続した。ギリシャ問題も一旦落ち着き、NZ国内指標も雇用や小売売上が改善してきている。ただCPI、PPIは低下してきているので今回も据え置きだろうが、将来の利上げについては示唆するだろう。その度合いが強ければNZドルは買われるが、当局は為替が強いことには幾分懸念を発するだろう。 また豪も政策金利を始めGDP、雇用など多くの重要指標が発表される。NZが豪ドルに連れることもある。ただ豪ドルNZドルクロスはファンダメンタルズに素直に動くだろう。

(テクニカル)
一服したが、高値圏にいることは変わらない。
2月20日-21日の下降ラインを上抜きボリバン上限へ。現在は2月23日-27日の上昇ラインに沿っていたが今週はこの上昇ラインを下抜けることもあろう。1月31日-2月1日の上昇ラインは崩れていない。雲上。5日移動平均線は上向きから横ばいへ。週足は8週連続陽線、9週目の先週は陰線となった。1月21日週-12月12日週の上昇ラインからさらに角度を上げて、1月9日週-16日週で上昇は変わらない。8月-11月の下降ラインを上抜く。ただ先週まで維持してきた年初来の通貨番付首位は南アランドに譲った。対ドルでの伸び悩みが効いた。

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