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マーケットビュー

月曜 野村雅道の今週注目!の経済指標 マーケットが注目する指標を大胆解析

今週のマーケット
「オバマ大統領の一般教書演説とFOMC後のバーナンキ議長」

更新日:2012年1月23日

1月23日(火)−1月27日(金)

今週はオバマ大統領の一般教書演説とFOMC後のバーナンキ議長の会見に注目したい。昨年末からの雇用統計を中心として景気回復を示唆する指標が出ていることで大統領の演説は米国の自信を強める内容でアピールするだろう。一方、バーナンキ議長は景気回復にもかかわらずまだ失業率が目指す水準まで低下していないこともあり慎重な言い回しとなるだろう。他のFRB理事、地区連銀総裁と同じように金融緩和姿勢を維持するものとなれば株価にも好影響を与え年初から続いているリスク選好の流れが継続する。

先週の今頃はS&Pの欧州各国格下げで悲観的な記事が多かったが、一週間過ぎてみれば、欧州株価は上昇、重債務国の金利は低下、世界の株価、資源、金利は上昇した。まるで格上げした結果のようだ。過去の数字で判断した結果(S&P)だが、欧州は困難でも改善しようとしている途中だ。市場も織り込んで処分するものは処分している。

またエコノミストもギリシャデフォルトになると混乱すると予想している。「債務削減=ヘアーカット」は一種のデフォルトだ。その過程は進んでいる。銀行は引当金を積み上げてきているので時間が経てば経つほど不良債権への備えが出来てくる。遅々としているが債務問題は改善している。

このリスク選好の流れが継続するかは成長見通し下方修正の中で、今週から発表される欧米の昨年4QGDPがハードルとなる。既に発表した中国4QGDPは予想より強いものとなった。今週は英国、米国が4QGDPを発表する。テクニカルでは先週末、陰線で終わったユーロのチャートが気になるところだ。今朝はその流れでユーロが下落している。 

注目の中国は予測された春節前の預金準備率引き下げは行われなかった。ただ4QGDPが減速したといえども予想の上限となり他の小売売上や鉱工業生産もまずまずで上海株価指数は上昇を続けた。

上海が好調なら良い連鎖反応で資源価格や資源国通貨も上昇、まだ始まったばかりだが、年初来の主要通貨番付上位はNZを筆頭に資源国通貨が上位を独占した。昨年弱かった工業資源価格や自動車株も上昇している。ただ豪、NZ、南アも景気指標はそれほど強くなく、ファン ダメンタルズの強さが伴わずに通貨が上昇すると各当局から実弾介入はなくとも口先介入は出てくるだろう。資源国では今週はNZ中銀が金利を決定する。CPIの大幅低下もあり据え置きとなるだろう。 

欧州はギリシャと民間債権団との債務減免交渉が続く。独のIFO景況感指数を注目したい。PMI指数は改善してきた。すべてが悪いわけでもない。

年初来のリスク選好の流れが続くかどうかは投資家のペントアップディマンド(昨年まで冷え込んでいた投資意欲の蘇り)が出てくるかどうかにもかかっている。

【今週の注目指標】

1/23
(月)

(豪)生産者物価指数
(日)全国スーパー売上高
(中国・香港)上海香港休場(春節)
(加)景気先行指数
(ユーロ圏)消費者信頼感速報、ユーロ圏財務相会合

1/24
(火)

(日)日銀金融政策決定会合、展望リポート中間評価発表、通常国会召集
(中国・香港)上海香港休場(春節)
(インド)インド中銀の金融政策決定会合
(ユーロ圏)EU財務相理事会
(米)リッチモンド連銀製造業指数、米大統領一般教書演説
(加)小売売上

1/25
(水)

(豪)消費者物価
(日)通関ベース貿易収支、金融経済月報・基本的見解、 全国財務局長会議
(中国・上海)上海香港休場(春節)
(タイ)タイ中銀金融政策委員会
(独)IFO景況指数
(英)BOE議事録、GDP速報値
(米)住宅価格指数、中古住宅販売成約、FOMC政策金利発表
(その他)世界経済フォーラム年次総会

1/26
(木)

(豪)シドニー休場(オーストラリアデ―)、RBNZオフィシャルキャッシュレート
(日)企業向けサービス価格指数
(韓国)韓国GDP速報値
(中国)上海休場(春節)
(独)GFK消費者信頼感調査
(米)耐久財受注、製造業受注指数、新規失業保険申請件数、景気先行指数、新築住宅販売件数

1/27
(金)

(NZ)貿易収支
(日)全国消費者物価指数、日銀金融政策決定会合議事録要旨(12月20日・21日分)、商業販売統計速報
(中国)上海休場(春節)
(スイス)KOF先行指数
(ユーロ圏)マネーサプライM3・季調済
(米)GDP速報値、ミシガン大消費者信頼感指数・確報

先週の「注目通貨ペア!」の振り返り※チャートはクリックで拡大できます

前回の「注目通貨ペア!」

ドル円
南アランド円

【ドル円】 予想レンジ:74-79
S&Pの欧州格下げでも世界的な株高、金利上昇、資源高のリスク選好となり円安ドル安が進んだ。ドル円はドル安での円買いとクロス円での円売りで引きあい小動きとなった。

(先週の予想は以下の通り)
依然ドル円は動かない。月足はここまで寄り引き同時である。1月はまだリパトリの円買いは出ない。輸出も一服している。かといって日本の投資家には余裕がないのか海外投資する姿勢も見せていない。今週は外貨投信の払い込みはない。資本、貿易為替ともに活気がない。増税論議などされるとより投資マインドは冷え込むだろう。

さて今週は日銀支店長会議があり、白川総裁や主要支店長が会見する。いつも通り先行きの景気回復を謳い、円高デフレ傾向を抑制する政策には言及しないだろう。そろそろ震災復興で経済指標も改善する見込みということだが、まだ実現していない。株価も先週漸く日経平均が他国に追いつきプラス圏となったが、欧州ショックと言いながら日本の株価の低迷は耐えられないほど長い。今週は機械受注、企業物価指数、消費動向調査、第3次産業活動指数、月例経済報告などがある。

成長戦略といかないまでも市場の規制緩和、税制優遇などがないと投資リスク選好にはならず悪い円高から抜けだせない。

(テクニカル)
今年は07年、08年の下降ラインから上抜いて始まっている。月足は昨年8月から77円あたりで横ばい。下げ渋り。ただ週足は10月31日週-12月5日週の上昇ラインを下抜いているので力強さはない。日足はボリバン上位から急落でボリバン下限を下抜いていたがバンド内へ戻した。雲下。12月30日-1月3日、12月29日-30日の急激な下降ラインは上抜いた。ただ1月4日-5日の上昇ラインを維持できなかった。5日線下向きでこれも力がない。先々週金曜日の上ヒゲがまだ重し。

【南アランド円】 予想レンジ:9.00-10.00
堅調であった。小売など国内指標は弱かったが、世界的な株高、金利上昇、資源高のリスク選好の流れにのって上昇した。政策金利はCPIがインフレ上限の6.0%を超えた6.1%となったこともあり据え置かれた。

(先週の予想は以下の通り)
さて年初2週を終わって南アランドは対円で0.42%安、対ドルで0.49%安となっている。ただ株価は上昇、金・銀・白金も上昇、パラジウムは下落。主要9通貨番付では昨年は断トツの最下位であったが、今年は6位と強くはないが改善した。欧州債務問題懸念でユーロ、ポンド、スイスが弱いことや上海株や資源価格がやや上昇しているので順位を上げているのだろう。

ただ先週末は格付け会社フィッチが南アの格付けを安定的からネガティブに引き下げたのでドルランドは陽線(ランド安)で終わった。先週は金曜を除けばドルランドは陰線であった。

さて政府の成長見通しでは11年のGDP成長率は3.1%となる見込みだ。12年は低金利を背景に民間部門で投資の伸びが期待されるものの、世界経済の見通しに不安が残ることや、家計消費支出の伸びの鈍化を背景に、3.4%と緩やかな成長になる予想としている。

13年、14年の予想はそれぞれ4.1%、4.3%である。CPIは上昇率は2010年の4.3%から11年、12年にはそれぞれ5.0%、5.4%と上昇するものの、インフレ目標圏の3?6%に収まる見込みだ。食料品価格、国際原油価格、電力料金の高騰をインフレ圧力として挙げている。

輸出入はともにプラスで推移するものの、設備投資の拡大に伴って資本財の輸入が増え、輸入の伸びが輸出の伸びを上回るため、貿易赤字は拡大する。この結果、経常収支の赤字は11年のGDP比3.4%から12年には3.8%、13年には4.0%に拡大するとみられる。

今週は18日に12月CPI(予想+6.3%)、11月小売売上(予想+7.9%)が発表される。翌日には政策金利が決定される。南ア準備銀行は2010年11月以降、政策金利を過去30年間で最低の5.5%に据え置いている。CPIはインフレターゲットを上回っているが、欧州債務問題による景気減速の影響や将来のインフレ低下見通しで据え置きか。

(停電警戒)
電力大手のエスコム社は、電力不足により計画停電を実施する可能性があると警告した。2008年にも深刻な電力不足に陥り、全国的な計画停電が頻繁に行われた。エスコムは計画停電を回避するため、大口顧客などに使用電力の削減を呼び掛けている。

(テクニカル)
昨年は年足大陰線。今年は小動きでスタート若干弱い。月足は10月から横ばい推移。9.5中心の展開が続く。先週週足は短い陽線。日足は12月23日-27日の下降ラインを一旦上抜いたが雲の上に出られずに下押し。1月5日-10日の上昇ラインを下抜いた。雲下限に絡む。雲は9.44-9.54。ボリバンは中位へ。バンドは9.23-9.62。5日移動平均線横ばい。

今週のワタシの「注目通貨ペア!」※チャートはクリックで拡大できます

今週の「注目通貨ペア!」

ドル円
NZドル円

【ドル円】 予想レンジ:74-79
年初来から株、金利、資源価格が上昇している。景気回復を示唆する指標が世界で出ているのでリスク選好の流れとなり円売りが出ている。日本株も上昇した。日本は好況にならないと円安にならない。その点では政治混迷はともかく良い方向へ向かっている。今週は日銀政策決定会合がある。特にないが、日銀が保有株の売却を中止したことは当然だがいいことだろう。以前は下げを加速するかのように保有株を売却していたことがあった。

2009年1月はリーマンショックからの景気回復対策が中国や米国中心にとられ、景況感指数も回復し始めた。今年は財政赤字もありどの国も財政出動は難しいが金融緩和策はとられている。2009年1月からの株高金利上昇資源高と同じような動きとなる兆しはある。当時は野村証券が大型外貨投信を販売し円安に拍車をかけた(特にクロス円)。今月も以下のように少々外貨投信の販売はある。増税観測で余裕資金のない個人からの買いが集まるどうか。

円の1月需給は2月、3月ほどリパトリの円買いや輸出に円買いもないのでクロス円が円安方向へ向かっているのだろう。リパトリの円買いは心配だが、円高で日本企業の海外企業買収の円売りどれだけ相殺できるか。

 1月23日 SBIAM  セレブライフ・ストーリー
 1月24日 ITCインベストメント・パートナーズ コモディティ・インデックスα
 1月25日 損保ジャパン日本興亜AM アジア・ハイ・イールド債券、
       SBIAM マレーシア・タイ・シンガポール投資ファンド
 1月26日 野村AM  アジアハイ・イールド債券
 1月30日 日興AM インデックスファンド新興国債券
 1月31日 明治安田AM 米国中小型成長株式ファンド、アムンディ・ジャパン TCW・新興国債券ファンド、三菱UFJ投信 通選CTAマルチ・マネジャー

(テクニカル)
今年は07年、08年の下降ラインから上抜いて始まっている。月足は昨年8月から77円あたりで横ばい。下げ渋り。ただ週足は10月31週-12月26日週の上昇ラインを下抜いているので力強さはない。その上昇ラインが頭を抑えているようだ。日足はパっとみると鍋底形成へ向かっているように見える。ボリバン下限から離れ少しは雲に近づいてきている。1月6日-1月16日の下降ラインは上抜いた。1月17日-19日の上昇ラインを維持できるか。5日線上向き。

【NZドル円】 予想レンジ:60-65
年初来首位を走るNZドルだ。NZ株価も小高い。3QGDPの改善とムーディーズの「Aaa」格付け維持(S&Pは2段階下のAA格付け)も背景にあるが年初来の指標は貿易収支、住宅建設許可と強くない。

それでも強かったのは世界景気減速、欧州債務問題懸念、ギリシャデフォルト観測という一般論にもかかわらず、昨年と違って、主要株式市場は全面高、米国長期金利が上昇、工業資源価格も上昇している投資リスク選好の流れが出ているからだろう。先週終値時点で主要通貨番付ではNZドル、豪ドル、南アランド、カナダドルが上位を独占している。NZの唯一の工業資源であるアルミ需要の強さもNZドルを支えた。

先週発表された4QCPIは大幅低下が予想されたが、その予想からさらに大幅低下したものとなった。大幅低下の要因は野菜価格の下落やIT関連通信コストの低下によるものだ。

 4Q-消費者物価(前期比)=前回:+0.4%、予想:+0.4%、今回:-0.3%
 4Q-消費者物価(前年比)=前回:+4.6%、予想:+2.6%、今回:+1.8%

これでCPIはインフレターゲット(1%から3%)の枠外から枠内へ入った。それも下限の方が近いところへ低下した。

今週の政策金利は元々欧州債務問題による世界経済の低迷を理由の2.5%を据え置くことが予想されていたが、CPI大幅低下という国内要因でその予想はさらに強まった。

また為替相場については過去唯一の介入水準の0.76を超え0.8台へ突入したこともあり、今後は当局からNZドル高値懸念の発言が聞こえてくるだろう。ただ実力行使(売り介入)の可能性は低いだろう。何しろ、これまで1回しか介入した実績しかなくそれも失敗に終わっているからだ。策を講じるとすれば利下げだろう。

日本同様に震災からの復興景気が本格化すると言われながらまだその兆しはない。ただ投資リスク選好の流れがNZドルを押し上げる展開が続く。またいまだ余震が続く地震リスクも頭に入れて置きたい。

(テクニカル)
NZドル円=2012年は陽線スタート。11月、12月は陰線。今月陽線。昨年8月-10月の下降ラインを上抜いた。年週足は10月31日週の波高し線(高値64.56)をきっかけに57まで下げたが半値の60.78を上抜いて61のせ、62のせとなった。11月21日週-12月12日週の上昇ラインにのる。日足は1月9日-1月17日の上昇ラインが生きている。ボリバン上限まで上昇したのでちょっと警戒したい。CPI低下で一旦下落するもまた上限へ。5日移動平均線は上向き。

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