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マーケットビュー

月曜 野村雅道の今週注目!の経済指標 マーケットが注目する指標を大胆解析

今週のマーケット「世界の機関車出現と円相場」

更新日:2011年12月19日

12月19日(月)−12月23日(金)

(本日ユーロ圏財務相が電話会合を開催する。IMFへの2000億ユーロの融資や財政協定について協議する)

クリスマス前の一週間となった。今週大きな指標はない。先週もEU諸国の国債や銀行債務の格下げがあったが、それよりも重要なのは景気指標だろう。今年は中国の金融引き締めによって中国経済の減速が世界中に波及して投資リスク後退の流れとなった。それが株安金利低下(除く欧州重債務国)資源安(工業資源の白金やパラジウム)に繋がっている。景気が回復基調に戻らないと欧州債務問題も改善しない。来年はどの国も成長見通しを下方修正している。どこからか回復の兆しが見えてこないとリスク回避の流れは続く。

中国は漸く12月に預金準備率を引き下げて金融引き締めからの転換を示唆した。先週行われた中央経済工作会議では「穏健な」金融政策と「積極的な」財政政策の維持を決定した。ただリーマンショック後の4兆元の景気対策と比べると大胆さはない。さらに不動産価格の抑制策の堅持も揺るがない。住宅購入規制の効果で不動産の値下がりは加速しているが、規制の継続で「住宅価格の合理的な水準への回帰を促す」とした。先週はHSBC12月製造業PMIが49となり11月の47.7から改善したり、政府系機関の銀行株買い増しや中国国内への投資の規制緩和の観測があり週末は中国株は戻した。今週も持続するかどうかがカギだ。

中国の次は米国に期待したい。先週はFOMC声明でQE3に言及しなかったように景気の持ち直しを考慮した。雇用など景気指標は改善している。NYやフィラデルフィアの景気指数も改善した。それが今週の住宅関連指標、耐久財受注、個人所得などに繋がるかどうか。

欧州はあまり期待できないが先週はユーロ圏の製造業、サービス業ともにPMIが改善した。今週は独のIFO景況感指数やユーロ圏消費者信頼感指数に注目したい。

英はEU首脳会議でEU条約改正に反対したが、その後はポンドがユーロに強含み推移している。市場は英国の行動を評価しているようだ。スイスは政策金利を据え置きまた、スイスの対ユーロ相場の上限(ユーロスイス1.20)維持を決定した。デフレリスクを見極めるため、一段のフラン高抑制策を求める輸出業者からの圧力に抵抗した形となった。スイスは若干強含み推移した。

豪、NZともに来年以降の成長率及びインフレ見通しを下方修正している。豪はそれが利下げにつながり、NZは利上げを先送りする形となっている。中国経済と欧州経済の減速の影響だ。両国ともに中国への輸出依存度が極めて高い。今週、豪は利下げ決定時の理事会の議事録、NZは3Q・GDPを公表する。3QGDPは2Q比改善の予想だ。

南アは苦しい立場にある。南アも輸出入とも中国に大きく依存しているだけに成長率は減速してきているが、インフレ懸念も強く、現在インフレはターゲット上限の6%を超える6.1%となっており、景気減速・インフレ懸念のジレンマがある。今後の金融の舵取りは難しい。

今年の投資リスク後退(すなわち円高)基調を覆すのは中国か米国か。それが来年の焦点でもある。欧州債務問題よりこちらを重視したい。世界経済を引っ張る機関車が現れるか。

【今週の注目指標】

12/19
(月)

(日)月例経済報告
(香港)失業率
(ユーロ圏)経常収支、建設支出
(加)卸売売上高
(米)NAHB住宅市場指数

12/20
(火)

(豪)RBA議事録
(日)景気動向指数・改訂値
(香港)消費者物価指数
(スイス)貿易収支
(独)IFO景況指数、生産者物価指数、GFK消費者信頼感調査
(英)GFK消費者信頼感調査
(加)消費者物価指数
(米)住宅着工件数、建設許可件数

12/21
(水)

(NZ)経常収支
(日)日銀金融政策決定会合、貿易統計、資金循環統計
(英)BOE議事録
(ユーロ圏)消費者信頼感速報
(加)小売売上高
(米)中古住宅販売件数

12/22
(木)

(NZ)GDP
(日)金融経済月報基本的見解
(香港)経常収支
(英)GDP確報値、経常収支
(米)GDP・確報値、新規失業保険申請件数、ミシガン大消費者信頼感指数・確報値、景気先行指数、住宅価格指数

12/23
(金)

(日)東京休場(天皇誕生日)
(仏)GDP・確報値、生産者物価指数
(加)GDP
(米)耐久財受注、個人所得、個人支出、PCEデフレーター、新築住宅販売件数

先週の「注目通貨ペア!」の振り返り※チャートはクリックで拡大できます

前回の「注目通貨ペア!」

ドル円
NZドル円

【ドル円】 予想レンジ:75-80
殆ど動意なく終わった。米国指標改善やFOMC声明でリスク選好で円が売られるも、欧州債務問題懸念でリスク回避の円買いとなり拮抗。

(先週の予想は以下の通り)
日本は今週短観があるが先週の法人企業景気予測調査で既に景況感の悪化は示されておりその通りの結果となるだろう。注目の大王製紙やオリンパスの決算がある。11月投信概況で外貨投信残高も発表されるが今年の残高減少は円高の要因だ。悪いことがあれば需給面から円は強くなるのが特徴である(海外へ投資する余裕がなくなるから)。また自動車重量税軽減が円高対策となるようだが、自動車業界を救っても円安には転じない対策となるだろう。むしろ輸出が伸びて円高を加速してしまう「円高にする対策」となる。増税も国民の可処分所得を減少させ消費が弱まり円高につながる。12月9日には為替を担当する財務官が首相と会談しているようだが介入に踏み込めるかどうか。冬場なので輸出予約ははげ落ちて円買い圧力が弱まっているのが輸出業者にとっては救いだろう。

(テクニカル)
年足陰線。9月、10月は連続陽線。11月陰線。今月はほぼ動かず。週足は2週連続陰線の下降ラインを上抜き2週連続陽線へ。先週はまたその上昇ラインを下抜いた。行ったり来たり。日足はボリバン中位。バンドは76.71-78.24。雲に絡む(雲は77.55-77.55)。11月29日-30日の下降ライン上抜いているがまた下降ラインに近づく。ただ12月8日はそのラインで止まり下ヒゲを出し戻った。11月18日-25日の上昇ラインは下に切っている。5日線は下向く。11月29日-30日の下降ラインと11月18日-25日の逆三角持ち合い。

【NZドル円】 予想レンジ:58-63
欧州債務問題懸念からリスク回避のNZ売りとなるが週後半は中国株の持ち直しや米指標の改善でリスク選好のNZ買いも入り下げ幅を縮小した。

(先週の予想は以下の通り)
NZドルはやや弱い。株価も下落している。中国預金準備率引き下げ、日米欧中銀の協調資金供給、雇用統計など米指標の改善で投資リスク選好となったが、肝心の中国株が上昇せず、ECBドラギ総裁の「国債買い入れは拡大せず」「成長率見通しの引き下げ」でリスク回避に転じNZドルは下落となった。EU首脳会議で一定の前進がさったので小戻しはした。ただEU債務問題解決には相当の時間がかかる。じっくり取り組みたい。
さてNZ政策金利は据え置かれた。中銀の声明は以下の通りであった。

・内需はゆっくりとしたペースで拡大
・世界情勢は悪化している
・世界および国内見通しは9月の時よりも悪化
・政策はしばらくの間、引き続き景気支援
・世界景気鈍化のNZへの影響は限定的

前回までの声明に盛り込んでいた利上げを示唆する文言は外した。
ボラード総裁は声明で「世界的な状況の異例の不透明性と、内需の緩やかなペースを踏まえれば、据え置くのが現在のところ賢明」と述べた。中銀は期間90日の銀行短期証券金利が来年3月には2.8%、6月には3.0%、12月には3.6%になると見込んでいる。9月の見通しは3.1%、3.7%、4.3%だったので下方修正となった。またロイター調査ではエコノミスト12人が来年前半の利上げを、残りは下期かそれ以降の利上げを予想している。

中銀はまた、国内銀行の資金調達に問題はなく国内預金も増加しているが、新規に調達する場合に欧州債務危機の影響を感じるだろうと指摘した。「これが政策金利と比べて国内のリテール金利上昇圧力につながる可能性がある。金融政策はこの圧力を考慮に入れる必要がある」とした。中銀は当面は緩やかな成長を見込んでいるが、200億NZドルの震災復興が来年後半には需要を急速に押し上げると見込んでいる。2012・1Qの成長率は1.1%から0.7%に下方修正したが、それ以降は上方修正した。

(テクニカル)
NZドル円=年足陰線。年初始値は62.97なので大きな下落ではない。月足は10月は陽線。10月末に介入があったが11月は陰線で10月分の上げをかなり失っている。今月も陰線スタート。週足は10月31日週の波高し線をきっかけに3週連続下落も先週はその下降ラインを上抜いて陽線。先週は続かず陰線。日足は11月25日-28日の上昇ラインを下抜く。ボリバン中位。雲上に出られず。5日移動平均線は下向く。11月24日からの高値安値の半値は59.04。
NZドル米ドル=年足はほぼ寄り引き同時。月足は10月の上昇分を11月は半分ほど相殺。10月の安値も一時割り込んだが月末に戻した。今月は陰線スタート。週足は4連続陰線後下降ラインを上抜け上昇も先週は陰線。日足は11月25日-29日の上昇ラインを下抜く。ボリバンでは中位。まだ。雲の下。5日移動平均線は下向く。11月25日からの高値安値の半値は0.7623。

今週のワタシの「注目通貨ペア!」※チャートはクリックで拡大できます

今週の「注目通貨ペア!」

ドル円
豪ドル円

【ドル円】 予想レンジ:75-80
日本は日銀政策決定会合があるが政策も行き詰まり期待は出来ない。11月貿易統計の発表がある。予想は4500億円の赤字。1月-10月では1兆5800億円の赤字なので予想通りの赤字となれば今年の赤字は2兆円に達する。年間で赤字となるのは間違いないだろう。貿易は赤字だが所得収支が月間平均で1兆円を超えており経常収支は年間では10兆円を超える。また機関投資家、個人投資家の外貨債券や外貨投信の売却もあり円買い要因は強い。

また資金循環統計の発表がある。資金循環統計では外貨預金や外貨債券、外国株の投資状況を知ることができる。今年は海外資産の処分も円高の一因となっている。

(テクニカル)
年足は陰線。月足は8月から77円を中心にほぼ横ばいである。週足は11月14日週-21日週の上昇ラインに沿っている。日足はボリバン上位。バンドは76.73-78.33。雲上(雲は77.55-77.78)。11月29日-30日の下降ライン、11月29日-12月5日の下降ラインを上抜いている。先週金曜下げたがそのラインで止まった。12月8日-12日の上昇ラインは下抜いた。逆三角持ち合いとなっている。

【豪ドル円】 予想レンジ:75-80
豪ドルは下落、株価指数も下落した。フィッチが外貨建て債務を最上級のAAAに引き上げたこと、中国が預金準備率を引き下げたこと、日米欧中銀の協調資金供給表明、米景気指標の改善などで投資リスク選好となり豪ドルが買われた場面もあったが、EU首脳会議での決定が不十分と見られたこと、豪景気指標の悪化で11月25日-28日の上昇ラインを下抜くとともに豪ドルドル、豪ドル円は下落した。
豪政策金利は大方の予想通り0.25%引き下げられ4.25%となった。国内のインフレが落ち着いていることから、欧州債務危機に対応する政策緩和余地が得られた。豪中銀のスティーブンス総裁は、「インフレ見通しが政策金利を小幅に引き下げる余地を提供していると判断した」と語った。また欧州問題について「世界的な成長が今後さらに大幅減速する可能性が高まった」と警告した。さらに豪中銀はまた、中国に関して成長が鈍化しているとの見解を示した。 注目の3QGDPは前期比+1.0%、前年比+2.5%となった。予想は前期比+0.8%、前年比+2.1%。政府の歳出削減や、在庫減少にもかかわらず、資源セクターの投資拡大と予想外に好調だった家計消費に支援され、堅調な伸びとなった。しかし11月の雇用統計では就業者数は前月比6300人減少、失業率は5.3%で、前月の5.2%から上昇した。
また10月の貿易収支は15.95億豪ドルの黒字となり、黒字幅は9月の22.49億豪ドルから縮小し、予想の19億豪ドルも下回った。輸入が2.4%増加する一方、輸出は0.2%減少した。鉄鉱石価格の下落で輸出金額ベースで伸び悩み、豪ドル高で資本財輸入が増えたことが原因だ。
3Q住宅着工は前期比-6.8%となり、予想の-1.0%、前期の-4.7%より悪化した。 成長率見通しが下方修正されている。外部要因も弱く豪ドルの勢いもなくなっている。上述したように輸出入とも中国が貿易相手国1位となっているだけに中国は金融引き締め策から転換し財政出動するかどうかが豪ドル相場に大きく影響する。
次回、豪の政策金利決定会合は2月となり、暫くは国内景気指標の精査と外部要因に振らされる展開となる。

(テクニカル)
豪ドル円は年足陰線。月足5カ月連続陰線から10月は大陽線となった。11月は陰線。今月もここまで陰線。週足は介入があった10月31日週が「波高し線」で終わりその後3週連続下げその下降ラインを上抜くも1週で終わり連続陰線。今度は11月21日-28日週の上昇ラインを下抜いた。日足はボリバン上限に達せず雲の下へ。11月25日-28日の上昇ラインから下抜け。5日線下向く。ただ先週金曜は陽線となり12月13日-14日の下降ラインを上抜いて越週した。
(ドル円が小動きなため、豪ドルドルのチャートも豪ドル円とほぼ同じ形である)

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