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マーケットビュー

月曜 野村雅道の今週注目!の経済指標 マーケットが注目する指標を大胆解析

今週のマーケット「介入効果薄れる」

更新日:2011年4月18日

4月18日(月)−4月22日(金)

週末に出た欧州のニュースだが債務問題がくすぶるがギリシアは週末500億ユーロの国営企業民営化を発表したが効果が出るかどうか。アイルランドも欧州当局やIMFに財政削減策を認証されている。中国はまたしても休日に預金準備率を0.5%引き上げ20.5%(大手銀行向け)とした。

さてG-20中央銀行・財務相会議が終了したが同時に開催されていたBRICS会議がより重要さを増してきたように思う。経済パワーをバックに発言力を強めた中国が、新興国を束ねることで先進国への対抗軸を鮮明にしたといえる。G-20では米日中と英独仏インドなどのG-20全体の5%以上の国について対外収支や財政などの経済指標を使って、不均衡が過度に膨らんでいないかを判定し経済モデルが示す理論値からかけ離れている場合や、過去のデータと比べ偏った数値を示している場合、国際的に突出している場合などが相互監視の対象となると表明した。ただ世はグローバル時代、特定の国の経済に人為的に影響を与えることがいいことなのだろうか。G-20でのG-7各国とBRICS諸国が対立した時はBRICSがより独自の動きをとる布石となったような気がする。

介入が息切れしてきた。3月18日の78円から85円半ばまで綺麗な上昇ラインで引き上げてきたが、日本だけで6000億円、おそらく海外を含めても1兆円には満たない金額ではコンスタントに出る輸出のドル売りに時間がたてば勝てなくなる。資本為替では3月下旬、4月上旬は外貨投信の払い込みもあったが先週は1件のみにとどまったことも円買いを勢いづかせた。85円以上で売りが増加しそれが83円後半まで下げてきている。野田財務大臣の発言から見ると、円売り介入はG-7の承認を得ないと行われない気もする。今後が心配だ。3月18日の介入が功を奏し日本以外の国の株価は上昇している。通貨も円より強く資源価格も底堅い。日本以外の国の危機感は減じているだろう。5月GW近辺は下記に書いたようにドル円に売り圧力がかかりやすいので気をつけたい。

米国は今週、決算ラッシュである。財政赤字問題はあるが、民間は順調に回復し株価を押し上げている。先週はオバマ大統領の財政赤字削減策表明やCPIコア指数が落ち着いたことで金利が低下したが、CRBは上昇した。企業収益回復が続けば再び出口政策議論が高まろう。また米国は住宅関連指標の発表も多い。

今週はNYでモーターショーが開催されるが上海でも開催される。金融を引き締めても引き締めても成長し、インフレ懸念も強まってきたことを先週の一連の中国経済指標は示したが、株価も底堅くリスク選好の流れの礎となっている。日本は20日に3月貿易統計が発表される。

3月中旬まではまだ震災の影響が出ずに輸出入、また黒字ともに拡大している。その他グリアOECD事務総長が対日経済審査報告を行う。

独はIFO景況感指数を発表する。欧州は米国よりもインフレ懸念が強いがその中でスウェーデンとアイスランドが金融政策決定会合を開催する。英国はBOE議事録と小売売上を発表する。 債務問題はありながらも米国より欧州が出口政策へ向かっていることは間違いない。 

比較的な堅調な豪はギラード首相が来日して会見を行う。先週最強通貨であったNZは本日1QのCPIを発表する。南アも中銀のインフレ懸念強い中CPIと小売売上を発表する。

【今週の注目指標】

4/18
(月)

(NZ)第1四半期消費者物価
(日)参院予算委員会集中審議
(ユーロ圏)消費者信頼感・速報
(米)NAHB住宅市場指数

4/19
(火)

(日)消費動向調査
(豪)RBA議事録
(中)上海国際自動車ショー
(香港)失業率
(ユーロ圏)経常収支、消費者信頼感指数 建設支出
(加)消費者物価指数、景気先行指数、卸売売上高
(米)建設許可件数、住宅着工件数

4/20
(水)

(日)貿易統計、第3次産業活動指数、鉄鋼生産
(豪)第1四半期輸入物価指数
(タイ)中銀金融政策決定会合
(独)生産者物価指数
(英)BOE議事録
(南ア)実質小売売上、消費者物価指数
(スウェーデン)中銀政策会合
(アイスランド)金融政策会合
(米)MBA住宅ローン申請指数、中古住宅販売件数
(ブラジル)中銀金融政策決定会合
(その他)ニューヨーク国際自動車ショー

4/21
(木)

(日)景気動向指数・改訂値、グリアOECD事務総長会見・対日経済審査報告発表
(豪)第1四半期生産者物価指数
(香港)消費者物価指数
(独)IFO景況指数
(英)小売売上
(加)小売売上
(米)新規失業保険申請件数、住宅価格指数、景気先行指数、フィラデルフィア連銀景況指数
※聖金曜日前日で米債券市場は短縮取引

4/22
(金)

・ウェリントン、シドニー、香港、シンガポール、フランクフルト、パリ、チューリッヒ、ロンドン、トロント、南ア休場(グッドフライデー)
・聖金曜日で米株式、債券、商品市場が休場

先週の「注目通貨ペア!」の振り返り※チャートはクリックで拡大できます

前回の「注目通貨ペア!」

ドル円
ランド円

【ドル円】 予想レンジ:82-87
先週触れた3月25日-29日の上昇ラインを下抜いた。また外貨投信の買いは乏しく、利食いや損切りの売りが出てドル円は下落した。

(先週の予想は以下の通り)
3月末から先週までは外貨投信の発行が多く、外貨債券の販売もあったが、今週は外貨投信は1件のみだ。円売り圧力は減少する。ただ月末の2週間とゴールデンウィークは発行が多くなっている。ちょっと今週は凪の週間かもしれない。また輸出業者も4月初旬は様子を見ても少しは先の予約の売りを入れ始めるだろう。3月上中旬の貿易統計は地震で生産設備が破壊されたことがあったが輸出・輸入ともに増加し黒字幅も増加した。まだ地震の影響が数字に表れていないかもしれない。また被災地の貿易港である仙台塩釜、八戸、日立港の日本全体の貿易額は小さい。被災地からの輸出部品の海外出荷は他の港からなされるかもしれないが、今後とも貿易動向は追っていきたい。ということで貿易需給はまだ円売りに傾かず、資本の需給ではやや円売りが落ち着いてきた。円債や株が売られていることからの円売りがあるが、ドル買いも一服感か。 

ドル円の2本の上昇ラインのうち3月29日-4月1日の上昇ラインは下抜いた。3月25日-29日の上昇ラインはまだ生きている。後者をブレイクするポイントは84.20-30あたりだろう。需給状況では先週金曜あたりから利食いと損切りの売りの金額が買いを上回っている。地震被害での円売り思惑でのポジション取りはかなり進んでいるといったところだろう。これ以上他の誰かがドル買い円売りをしないと、自律的な下げとなる。ただ東京の午前中は仲値のドル需要があるので、もし下がるとしたら午後になることが多いだろう。

5日移動平均線はまだ上向きである。ボリンジャーバンド上限の85.70からはやや離れた(ボリバン下限は78.89)。連続陰線で先週金曜日はやや長い上ヒゲを出しているので気をつけたい。米予算で政府閉鎖は回避できたが、今後の予算作成も政府債務上限が近いので難航が予想される。今朝のシドニー(11日)での早急なドル売りは避けられるだろうが、テクニカルではこれまでの3月17日からの上昇のリズムを変えている。もう一度ドル買いの流れをつくるのは新たなニュースが必要だ。

【ランド円】 予想レンジ:12.20−13.20
先週触れた3月29日-4月1日の上昇ラインを下抜いた。ただ週末に上昇続けていたドルランドが上げ止まり(ドル高ランド安が止まった)、ランド円は12円を割ることはなかった。

(先週の予想は以下の通り)
3月17日から上昇を続けてきたが先週木曜、金曜は横ばいに終わり3月29日-4月1日の上昇ラインに接するようになった。ここを下抜ければ3月24日-29日の上昇ラインの12円半ばがサポートとなる。ボリンジャーバンドは11.07-12.89で若干上限から下へ少し離れた。5日移動平均線はまだ上向きだ。ランド上昇に一服感が出ている。週足はまだ勢いがあり、ボリンジャーバンドの上限を超えている。月足は10年6月からの11.0-12.0の揉み合いを上抜けたようだ。3月の長い下ヒゲが効いている。年足は陽線に転換している。

今年の資源価格は銀が最強である。金がそれに次ぐが白金やパラジウムは伸び悩んでいる。南アは金・銀・白金・パラジウムのすべてを量産するので白金、パラジウムが伸び悩んでも恩恵は受けている。株価も好調でJSE指数は3万2千台後半となっている。年初は3万2千前半であったがその後はリビア問題で一旦3万1千台へ下落していた。経済指標はまずまずだ。小売売上、製造業生産が強い。貿易赤字も減少している。投資も活発で鉄道の開発投資に970億ランドを新たに投資する。また外国資本の投資も歓迎の意を表しており、米国ウオルマートは20億から30億米ドル、日本の関西ペイントは2億6千万ドルの投資を行う。

インフレについてはまだCPIは3.7%でターゲット(3%から6%)の下限に近いがマーカス中銀総裁の今後のインフレ高騰懸念は強い。米国CRB指数は上昇基調にあり、欧州のCPIの上昇も次第に南アへ影響してくると思っている。世界中が出口戦略へ向かい始めているということはリスク選好となり南アランドや資源価格の上昇に繋がるのだろう。5月12日の政策金利決定へ今月下旬にCPIとPPIを注視したい。通貨についてはマーカス中銀総裁に続きムミネル副総裁も外貨準備を増やすが、ランドは強くも弱くもしないと発言している。ランド高抑制のスムージングオペレーション程度の介入は行うということだろう。

今週は14日に中国でBRICS会議が開催され南ア・ズマ大統領も初めて招待される。勢いのある国同士の会合だけに南アもその相乗効果を享受できるだろう。南アの問題点は20%を超える失業率とそれによる黒人の不満である。12.20-13.20のレンジか。

来週のワタシの「注目通貨ペア!」※チャートはクリックで拡大できます

来週の「注目通貨ペア!」

ドル円
NZドル円

【ドル円】 予想レンジ:81-86
昨年GW中の5月4日にドル円は94.99をつけたが、5月6日には93.98から87.94へと6.04の円高となった。昨年の5月4日の94.99からは7.05の円高だ。これは今年の3.17の79.78から76.25への3.53の円高より激しかった。ただ昨年のドル円の下げは米国株価市場での誤発注がありNYダウが急落してそれがドル円に波及した。

それ以前のドル円のGW明けをチェック(GWから5月半ばまで)したところ、09年は99から93、08年は105から102、07年は119で横ばい、06年は113から107、05年は105から104であった。やや円高か横ばいで円安とはなっていない。5月連休明けで輸出が始動すること、5月半ばの米国債券利金払いなどがドル下げの要因である。

先週は3月25日-29日の上昇ラインを下抜け、今度は4月11日-12日の下降ラインに沿って下落している。ともに波乱なく上昇、下降を続ける秩序正しい動きである。その下降ラインを下方に平行移動して4月12日の安値に合わせたラインを引き、その二本の下降ラインのバンドの中で推移しよう。5日移動平均線は4月12日に終値83.55で下向きとなっている。短期のトレンドは5日移動平均線などを見ればいいだろう。細かく取りたい時はローソク足、トレンドラインの上抜け、下抜け、さらに細かくとりたい時はP&Fを利用したい。現在一目均衡表の雲は82.44-48で極めて狭くいつでも簡単に抜けてしまうだろう。ボリンジャーバンドは78.92-86.14でまだ中位(82.53)より上にある。いつも行っていることだがドル円はトレンドラインに素直に、またボリンジャーバンドの中で秩序正しく動いている。3月17日の76円をつけたボリンジャーバンドの下抜けなどは行き過ぎを示唆している。薄商いで実需の取引のないシドニーで起こった珍時である。 

【NZドル円】 予想レンジ:64-69
NZドル、NZ株は堅調継続。NZドルは対ドル、対円に加え最近の経済指標ではNZよりも強い豪ドルに対しても強い。株価も底堅い。豪ドルドルは4月11日、12日に調整の下げで4月8日の高値1.0581を現在まだ上抜けないが、NZドルは対ドルで4月8日高値の0.7832を抜け0.7996となり0.8に迫ろうとしている。

相変わらず経済指標に強いものはない。というか経済指標があまり発表されない。これがNZスタイル。何も発表されないから判断もつきにくい。沈黙は金なのだろうか。3月製造業景況感が発表されたが50.1とこれは前回50.2を下回った。NZ経済研究所(NZIER)は依然、先行きの見通しには悲観的だ。3月調査の景況感調査では、国内ビジネス環境が「悪化する」と回答した企業は「向上する」と回答した企業より11%多い結果となった。昨年の12月四半期調査では1%多くの企業が「悪化する」と回答しており、今回、悲観的な企業が増えた。 

需給面ではNZ中銀は昨年、「円キャリー取引はリーマンショック以降行われていない(私個人的には2003年頃から継続であるが)」というリポートを発表した。ただ最近のリスク選好の流れで5%後半のNZ国債に資金は流れているだろう。また昨年9月、今年2月のクライスチャーチの大地震での再保険の国内流入による NZドル買いはNZ現地紙でも報道されているところだ。また乳製品価格の上昇はもちろん購入金額を上げてNZ買いを増加させている。

日本と同じように地震の被害にあったNZだが日本と違って既に被害総額、復興プランが出来ている。さらに中銀ではなく財務相がもう金利を下げる必要はないといったこともサポートとなった。復興プランは以下の通りである。「政府は85億ドルの地震費用が必要だ。地震費用から財政黒字への回帰は難しくなるがやがて財政黒字を達成できる。地震の影響による歳入減少は30億ドルに満たない。2011年財政赤字は160億ドルを上回る可能性がある。企業減税は行わない。クライストチャーチは復興への活動を始めている」

今朝は1QCPIが発表され、ほぼ予想通りの前年比+4.5%(予想+4.6%)となった。10年4Qは前年比+4.0%であった。28日には政策金利決定となる。まだ地震被災もあり据置となろうが、会合後のコメントでインフレに言及するかどうか。インフレターゲットは2%から3%なので上限を超えている。ただ雇用に力強さが見えないのが弱点だ。

地震関連では国内第2大手のAMI保険会社に対し、政府は救済のために5億ドルを提供する事を発表した。大地震の影響で被災請求に対する費用の支払いが不可能であると政府に救済を求めていたからだ。今後の保険請求額が未定なことから最悪の状況になった場合、10億ドルの救済もありえる、つまり納税者がそれだけ負担することの可能性もイングリッシュ財務相は示唆している。 

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