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マーケットビュー

月曜 野村雅道の今週注目!の経済指標 マーケットが注目する指標を大胆解析

今週のマーケット「未知の危機」

更新日:2011年4月4日

3月28日(月)−4月1日(金)

日本のトリプル安が進むかどうかが焦点だ。円安となったが、いつもと違い株価は上昇しない。日本国債は徐々に売られてきている。世界が日本回避を始めるかどうか。円売り、株売り、債券売り、IMMの投機ポジションの円売り、さらに日本を回避する外国人が出てきているように、日本からの輸入品に厳しい検査を課したり、輸出のための生産工場が再び東日本に戻ってくるかの不安もある。リーマンショックは100年に一度の金融危機と言われたが、東日本大地震は解決のメドがたたない原発事故といまだ行方不明1万5千人の津波災害が大きく絡んでいるだけに未知の危機かもしれない。

今週はまだ日本の原発不安が世界中の注目するところでもある。また地震の被害額と復興資金や復興財源のメドが立たないうちは日本不安は続く。日本はバブル崩壊以降、いくら景気が悪くとも円高推移してきた。それは貿易黒字を背景とした円買いが支えてきた。今回の地震での生産設備の破壊で輸出が減少するかが今後のキーポイントだろう。日本は今週は政策金利の決定がある。NZは減税と利下げで地震の復興策とした。日本は増税と財政規律による国債発行への慎重さが語られている。NZと真逆の政策で景気が回復するだろうか。削るものは他にあるのではないだろうか。外貨投信は年度末程ではないが今週は2件ある。また震災後も勘案した第2次短観が本日4月4日に発表されるが悪いのが当然で材料にはならないだろう。

日銀の他にECB、BOE、RBAも政策金利決定を行う。米国はFOMC議事録を公表する。欧米は大なり小なりインフレ懸念が台頭し、遅かれ早かれ出口戦略や利上げへと向かっていくだろう。今週はECBが0.25%の利上げ予想で他は据置予想だ。G-7協調介入で世界の株価の下落を避け、欧米諸国は自国の政策に集中できる。英国はインフレ懸念が強いが成長率見通しが下方修正されECBに一歩遅れをとっている。今週はPPIの発表がある。豪は政策金利より雇用統計の発表に注目したい。去年までは雇用の逼迫感が金融を引き締めさせていたが最近はやや雇用情勢も落ち着いてきているので据置が予想されている。

米国はダドリー米ニューヨーク連銀総裁が金融引き締めに対して慎重な姿勢を示したが6月でQE2を終了させる意見が多くなってきている。バーナンキ議長の講演がある。

中国は3月のCPIが再び5%台にのせる予想が出ている。ただ金融引き締めが続いても株価は底堅い。中国株価の堅調さが資源国通貨を支えている。今週初は清明節で休場だ。南アはPPIが上昇している。中銀サイドからは徐々にインフレ懸念の声が強くなってきている。

ドル円だけでなくクロス円も、またユーロドル、豪ドルドルなども3月17日のボリバン下限を大きく下抜いた相場から、一気にボリバン上限へ達したすさまじい相場であったと言えよう。薄商いで無理があったドル円の下げからの反発、その後のG-7円売り協調介入、欧米利上げ 思惑、リスク選好への流れへの転換がドル円を押し上げた。漸くボリンジャーバンドの上限に達して落ち着きを見せるかどうか。

【今週の注目指標】

4/4
(月)

(中国)上海市場・(台湾)清明節(5日まで)
(日)日銀2次短観、マネタリーベース
(ユーロ圏)生産者物価指数

4/5
(火)

(香港)休場(清明節)
(豪)貿易収支、RBAキャッシュターゲット
(ユーロ圏)小売売上高
(米)ISM非製造業景況指数、FOMC議事録

4/6
(水)

(日)景気動向指数・速報
(英)鉱工業生産、製造業生産高
(ユーロ圏)第4四半期GDP・確報値
(独)製造業受注
(加)Ivey購買部協会指数

4/7
(木)

(日)日銀金融政策決定会合、外貨準備、東京都心オフィス空室率
(豪)新規雇用者数、失業率
(仏)貿易収支
(独)鉱工業生産
(ユーロ圏)欧州中銀金融政策発表
(英)BOE政策金利発表
(加)住宅建設許可
(米)新規失業保険申請件数、消費者信用残高

4/8
(金)

(日)国際収支、対外・対内証券売買契約、景気ウオッチャー調査、企業倒産金融経済月報・基本的見解
(スイス)失業率
(独)貿易収支、経常収支
(英)生産者物価指数
(加)失業率、雇用ネット変化、住宅着工件数
(米)卸売在庫

先週の「注目通貨ペア!」の振り返り※チャートはクリックで拡大できます

前回の「注目通貨ペア!」

ドル円
NZドル円

【ドル円】 予想レンジ:79-84
G-7協調円売り介入、本邦の外貨投信での円売り、原発不安、欧米の出口戦略の進展思惑で円が売られ84台のせとなった。

(先週の予想は以下の通り)
ドル円は3月17日のシドニー早朝での76円台へ突っ込んでからの長い下ヒゲの陰線、3月18日のG-7協調円売り介入で大陽線が出た。21日は介入後の高値を越えず終値を下回らず「行き詰まり線」(上伸力無し)となった。その通り22日、23日と2日間下押すも底堅く4日間横ばい推移していると自然と3月11日-18日の下降トレンドラインを上抜き、81.40台へ上伸した。5日移動平均線は3月22日に上向いている。ボリンジャーバンド(79半ばから83半ば)はまだ中位にあり、一目均衡表の雲の下限(82.72あたり)は遠いので上昇余地は出てきた。83あたりまでの上昇も見えてきている。今週、3月31日の年度末決算仲値設定では乱高下もあるので注意したい。地震・原発事故で当初は薄商いでリパトリ思惑での円買いが出たが、事態はまだ被害状況が把握できないほど深刻で次第に円買いは薄れよう。月末には外貨投信払い込みが数件ある。80.50は日銀からの円売りの買い注文があったという噂もあった(介入は守秘義務があるので確認は出来ない)。

【NZドル円】 予想レンジ:59-64
予想通りこじっかり推移し、やや行き過ぎの64後半のボリンジャーバンド上限超えとなった。

(先週の予想は以下の通り)
NZ中銀は10年4QのGDP予想を横ばいとしていたが、ほぼその通りの前期比+0.2となった。しかしながら事前の、民間予想が+0.1%であったので若干の改善であったが市場は好感しNZドルは昨日、対ドルで1.18%、対円で1.27%上昇した。ただ今年の主要通貨年間通貨番付では依然最下位で弱い。NZドル円は日本の東北大震災で61.0から54.79まで下げ、日銀の資金供給や協調円売り介入で61.49まで戻す荒い相場であった。4QGDPの改善はあったがほぼ日本の材料で上下した。

4QGDPがかろうじてプラスとなったことでリッセションは免れた。これで2010年の年間成長率は+1.5%となった。9月の地震の影響はまだ4QGDPに完全に現れていない味方もあり油断できない。

NZ経済研究所は昨年からNZ経済成長の弱さに警鐘を鳴らし利上げに反対していたが、2度のカンタベリー地方の地震で2012年の成長率見通しを3.5%から2.0%へ引き下げている。 財政赤字も拡大する。ただ復興景気で2013年は3.9%成長と当初の2.6%から上方修正している。インフレは今年は4%台だがそれ以降は2%台へ低下するとしている。雇用の弱さは継続する。

いい材料を取り上げれば商品価格の上昇だがこれは雇用の増加に結び付かないのが弱いところ。秋のラグビーワールドカップ開催にかけたい。ただ一般的な観光は地震の影響で落ち込むことが予想されている。日本地震復興への木材需要は増加する。

これ以上地震がなければ被害金額や復興のための財政出動も確定し、見通しが描けてくるだろう。最悪期からの脱出でNZがこじっかりしてくる。短期的には最近は日本の地震で騒がれたがNZでも地震での海外の再保険会社への保険金請求でNZに資金が流入してくる強さもある。

テクニカルでは大きくボリンジャーバンドを下抜いた行き過ぎの相場から戻しが続いている。現在のボリンジャーバンドの高値の63円が上のメドだろう。63は2月のNZカンタベリー地方の地震直前のレベルでもある。59-64のレンジで推移か。

来週のワタシの「注目通貨ペア!」※チャートはクリックで拡大できます

来週の「注目通貨ペア!」

ドル円
豪ドル円

【ドル円】 予想レンジ:82-87
過去17年間の4月、5月のドル円の騰落を見ると、4月が8回上げの9回下げ、5月が9回下げの8回上げと需給上の歪みはない。4月は新年度で輸出予約が出始める。歴史的には円高傾向なので年度前半に輸出業者は予約のかなりの部分をとる。年度後半は少なくなるのでドル円が晩秋あたりから底堅くなるのは昨年から述べている通りだ。輸入は歴史的に円高傾向なので年度初めに一気に輸入予約を入れることはない。また資本筋だが年金・かんぽ・郵貯など民間も含め、年度初めは若干他の月より外貨投資を増やす。以上、輸出・輸入・資本を合わせると需給が拮抗しやすいのだろう。

ただ今年は東日本大地震で輸出が影響を受けて減少するだろう。やや長い目の輸出予約をとろうとしても輸出金額が生産停止もあることから確定しないのでそれは出来ない。輸出予約が減少すればその分ドルが底堅くなろう。3月地震以降の貿易統計を注目したい。

76.25から84.73とボリバン下限大きく下抜きからボリバン上限上抜きとすさまじい相場であった3月後半。ただボリバン下限を下抜いた日の長い下ヒゲほどではないが、漸くやや長い上ヒゲを残し先週金曜は終わった。ややドル円相場も落ち着きを見せただろう。センチメントが弱い時はボリバン下限であり絶好の買い場であり、ボリバン上限超えは絶好の売り場となることが多い。ただそれを実行するのはセンチメントの逆をやることとなるので難しいかもしれない。ボリバンは先週末で79.48-84.00、移動平均5日線は上向き、一目均衡表の雲は82.66−68と狭い。3月25日-29日の上昇ラインがサポートしている。ボリバン上限が拡大すればさらなる上伸もあるが、さらなるドル買いにはやや気をつけたいボリバンの位置である。日本の原発不安と輸出が減少するかがポイントだろう。

【豪ドル円】 予想レンジ:85-90
今週は豪ドルにとって重要週だ、2月貿易収支(予想12億豪ドル)、政策金利(予想据置)、2月雇用統計(予想失業率5.0%、新規雇用者数+2.4万人)が発表される。その他にもインフレ指標のTDインフレ指数や外貨準備も発表される。

豪ドル円は3月17日の74.25から先週金曜の87.59と13円以上昇した。実に11日連続陽線だ。ボリバン下限下抜けから上限へ一気に上昇した。バンドは現在78.43-87.17である。5日移動平均線は上向き、3月21日-23日の上昇ラインがサポートしている。

また豪ドルは米ドルに対し3月17日に0.9683まで下げたが先週金曜は1.0395のボリンジャーバンド上限まで上昇し日本の震災前の水準や1983年からの変動相場制導入後の高値を更新した(ちなみに変動相場制導入前は1.0から1.5の管理相場。対円では150円から400円台もあった)。

乱高下した理由(ただ結局は元通り)は下げは日本の震災でのリスク回避行動、ドル円が80円を割り大量の損切りを執行する時に丁度薄商いのシドニーにあたりプライスがなく下値、下値を叩いていった。

上げは3月17日の東京市場に入り通常の需給で市場も厚くなり下げ止まり、損切りを執行された人、実需筋から買いが入った。日銀の資金供給、G-7協調円売り介入も効果があった。28日英バークレー銀行の豪マクワリー銀行買収の噂で買いが出たが、実際にその取引が出るわけでもなく思惑買いの売り戻しも早かった(買収には為替が伴わないものが多い)。昨年12月洪水災害の再保険金請求での豪へのリパトリの買いはあっただろう。これは雰囲気だけだが、豪もNZも原発導入を行わない方針を好感などによる。

以上、豪ドルは乱高下したが、終わってみれば地震前戻りさらに上昇となった。

長期的には豪は資源国であり中国を始めとする新興国からの需要で景気が良いということもあるが、最近の経済指標はあまり良いものがない。強みであった雇用も伸び悩み、住宅指標も弱い。洪水災害でGDPを押し下げることもある。企業業績、株価も弱い。金利は据え置かれている。ただそれもほぼ数字が把握され想定内のものとなってきたのだろう。

豪は元々は経常赤字国で通貨が弱含みしやすい国だが、2000年からの中国の高度成長での資源需要で経常収支も黒字になる年も出てきている。高金利での資金流入は売り戻しもあるので気をつけたい。

また3月26日に行われたNSW州総選挙では与党労働党が大敗し野党自由党が躍進した。内部的には良い材料がないが、外部要因(特にG-7の協調介入でのリスク選好)で支えられた。

内部要因のチェックは政策金利、雇用統計を待ちたい。雇用が改善すればさらに豪ドル上昇の可能性もあろう。85-90か。

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