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マーケットビュー

月曜 野村雅道の今週注目!の経済指標 マーケットが注目する指標を大胆解析

今週のマーケット「円が弱くないと日本は回復できない」

更新日:2011年3月22日

3月22日(火)−3月25日(金)

地震の被害に加え急激な円高に対してもG-7の了承を得ないと介入出来ない政府に不安を感じるがなんとか80円台、81円台にのせた。まだ日本には地震、津波、原発、物流不安がある。日本は先週短観の前哨戦となる法人企業景気予測が出たが、これは地震前の調査であったために改善している。これまでの「円高・株安・雇用減少・給与減少」政策を断ち切れるかどうかが震災からの復興のカギだ。出来なければ震災復興で資金不足が問題となる中、税収も減少するジレンマに陥るだろう。円高は90年来、日本の体力を弱めてきた政策だ。これをやめないとさらに中国を始めとするアジア各国に追いつき追いぬかれるだろう。そういう政権を選んだ国民の責任と言われればそれはそれで仕方がない。国民は我慢すべきかもしれないが私も含めて反省もすべきだろう。

海外は地震災害にあった日本を応援援助してくれるがそれとは関係なく世界の政治経済は動いていく。日本のことで立ち止まってはくれない。

欧州、英国も経済指標は強いものが多く、中銀もインフレ懸念は強く、利上げ方向へ向かっている。債務国への格下げは何度も行われているがIMF・EUの支援が続く限り格下げを無視してユーロは上昇していくだろう。今週、独はIFO景況指数がある。英国は2月CPIとBOE議事録がある。

中国は先週末に預金準備率を引き上げた。2月CPIが予想を若干上回り、既定路線の金融引き締めは継続のようだ。ただ上海株は意外としっかりしている。

豪はこれから12月末の洪水の悪影響が経済指標に出てくるだろう。豪は週末にNSW州の総選挙があり与党労働の敗北が予想されている。NZも昨年9月、今年2月の大地震の悪影響が今後出てくる。NZは今週4QGDPの発表がある。豪、NZも復興景気の話もあるがそれはまだだろう。NZは日本の地震復興で木材需要が増える予想も遠くにはある。

さらに資源国の南アだが今週は2月CPIと政策金利の発表がある。CPIがジリジリと上昇傾向を辿っている。まだインフレターゲットの3%から6%のなかで3.7%なので利上げはまだだろう。

さて米国は相変わらず住宅は弱く、雇用も改善したといえども失業率は高水準だ。CPIもCRB指数も上昇しインフレ懸念も出てきたが、FRBは物価だけでなく雇用にも責任を負う為、出口戦略へまだ進まないだろう。今週はバーナンキ議長の講演と4QGDP確報がある。

リビア問題では国連軍がついに「オデッセイの夜明け作戦」のもとリビアへ空爆を始めた。リビア以外にもバーレーン、イエメン、シリアも内乱が続いているだけに引き続き原油相場への上昇圧力は続くだろう。

【今週の注目指標】

3/21
(月)

(日)春分の日
(米)中古住宅販売件数

3/22
(火)

(日)全産業活動指数、首都圏・近畿圏マンション市場動向、コンビニ売上高
(香港)第四半期経常収支、消費者物価指数
(スイス)貿易収支
(英)消費者物価指数、小売物価指数
(加)景気先行指数、小売売上高
(米)住宅価格指数、リッチモンド連銀製造業指数

3/23
(水)

(NZ)第4四半期経常収支
(日)資金循環統計
(ユーロ圏)消費者信頼感・速報
(南ア)消費者物価指数
(英)BOE議事録
(米)新築住宅販売件数

3/24
(木)

(日)貿易統計
(NZ)第4四半期GDP
(フィリピン)中銀金融政策決定会合
(香港)貿易収支
(南ア)第4四半期経常収支、SARB政策金利発表
(英)小売売上
(米)耐久財受注、新規失業保険申請件数

3/25
(金)

(日)消費者物価指数、企業向けサービス価格指数、自動車生産・販売実績、スーパー売上
(ユーロ圏)マネーサプライM3・季調済
(仏)第4四半期DP・改定値
(独)IFO景況指数、小売売上、GFK消費者信頼感調査
(米)第4四半期GDP・確報値、第4四半期個人消費・確報値、ミシガン大消費者信頼感指数・確報値

先週の「注目通貨ペア!」の振り返り※チャートはクリックで拡大できます

前回の「注目通貨ペア!」

ドル円
豪ドル円

【ドル円】 予想レンジ:79-84
3月17日早朝の薄商いのシドニー市場で損切りの売りが殺到し76円台まで下落したが前回触れた為替介入、それもG-7協調介入という形となってドル円を押し上げた。ただまだ日本を回復させる円安レベルには程遠いだろう。

(先週の予想は以下の通り)
WSJによると地震が発生してから数時間以内には、保険業界のアナリストが、精密な計算に基づくものではないとしながらも、保険金支払い請求額が100億ドルから250億ドルに上る可能性があるとの試算を出していた。中には最大で500億ドルになるとの見方を示したアナリストもいる。

1995年の阪神大震災後のドル円の相場は1995年1月17日、阪神大震災が起きた日は東京始値99.01でNY終値99.53であった。1月23日には一旦100.23まで戻すもその後は3月の年度末へ向けてのリパトリもあり、円売り介入にもかかわらず4月19日に79.75をつけた。その後はさらなる大規模介入と協調介入で8月に90円を回復、9月に100円を回復した。1995年後半は100円挟みで推移するも1996年に100円にのせても介入が続き1996年終値は115.70となる。97年は10月まで110円から120円を超えたところで推移するが、97年後半からドル円はアジア通貨危機も加わり、アジア通貨が軒並み暴落すするのに伴い98年8月11日の147.66まで上昇した。

今回も当初はリパトリの円買い思惑が出ようがその需給が落ち着けば景気次第となるが財政赤字もあり、無限に財政出動出来ない中で円高を放置すれば、元気でリードすべき企業も傷んでしまうだろう。危急存亡時なので介入を含め当局の対策が必要だがやや管理能力に劣る現体制が大胆な政策をとれるかどうかは疑問である。

ドル円は3月2日-3日の上昇ラインを大きく下抜き、ボリンジャーバンド下限も今朝下抜いた(上限は83.85でバンドは比較的狭い)。5日移動平均線は先週金曜に下向いている。

まだ地震の被害の概要もつかめず原発事故の不安、被ばく問題も残っている。薄商いでの取引は普段より大きく動くので小さなポジションで対応したい。79-84あたりの推移か。

【豪ドル円】 予想レンジ:80-85
3月17日に上述のドル円急落で74.25まで下落したがG-7協調円売り介入で80円台復活も早かった。 

(先週の予想は以下の通り)
豪ドル円は先週前半持ち直し83円で推移していたが、中国CPI上昇による金融引き締め懸念、日本の大地震によるリスク回避で円買い豪ドル売りが進み一時81.96をつけた。ただNY市場では米国株が戻すのに連れ再度83円台にのせる場面もあった。上伸する力強さはないが急落すると買いが入ってくる展開が続いている。2月24日に続き先週3月11日も長い下ヒゲを出して買い圧力も示している。ただ需給では83.20あたりから本邦個人の売りが集まってくる。80-85あたりで推移しよう。一目均衡表の雲の上にいるが、5日移動平均線は下向いている。ボリンジャーバンドは82.49-84.27で先週は一時下限を下抜いて戻してきた。

豪指標は強みであった雇用統計でも2月は新規雇用者数が減少した。住宅・小売などは以前から弱い。4QGDPはまずまずであったがインフレもかろうじてターゲット上限の下で推移しているので早々の利上げはないだろう。昨年12月の大洪水の影響はこれからGDPを下押しするだろう。また豪株価指数も年足では陰線となって弱い。資源価格も昨年までの力強さはない。原油価格は上昇しているが、豪はあまり知られていないが原油輸入国であまりメリットはない。

最近は豪ドルのダイナミックさが失われている。リーマンショックまでの長期間での上昇、リーマンショックでの急落、09年、10年の上昇と比べると小動きが続いている。特に豪ドル円は10年、11年と落ち着いている。

来週のワタシの「注目通貨ペア!」※チャートはクリックで拡大できます

来週の「注目通貨ペア!」

ドル円
豪ドル円

【ドル円】 予想レンジ:79-84
年初来の主要9通貨番付で円は乱高下した。地震前は3月の決算へのリパトリで順位を7位から6位に上げていたが、3月17日の早朝シドニー市場で一気に首位にたった(16日NY終値ベース)。その後は17日の日本の実需での外貨買い円売り、18日の協調円売り介入で5位まで落ち込んだ。3月11日に一目均衡表の雲の下に一気に落ちてから3月11日-14日の下降トレンドラインに沿って下落した。17日の長い下ヒゲで大きく戻し、18日は陽線で終えた。但し欧米市場での協調介入は金額が少なく利食い売りに押され上ヒゲも残した。11日-14日の下降ラインは上に切ったままなので79.50あたりがサポートとなる。17日-18日の急な上昇ラインは昨日下に切った。その上昇ラインが上値抵抗となるがそれは一目の雲の下限と同じく82.40あたりだ。ボリンジャーバンドでは中位に戻っている。やはりボリバン下限以下は買いである。5日移動平均線は昨日上向いた。
3月で実需が出にくく薄い商いなので介入が支えることは大きいが、今回もG-7の許可を得て漸く行った介入で日本の独自性がないのが心細いところだ。

【南アランド円】 予想レンジ:11.0-12.0
今週は22日-24日で政策金利決定会合がある。23日には2月CPIの発表があり予想は3.7%である。インフレ懸念が生じて来ているが、成長率は雇用を生み出すために必要と言われている7%からはるか下(10年4Qは前年比4.4%)なので利上げも難しいところである。原油、食品価格は上昇してきている。2010年のインフレ率は4.3%であった。2009年からランドがドルに対して28%上昇しているのでインフレを抑えている。2011年は4.3%、2012年は5.3%のインフレ見通しだ。また7%を目指したい成長率だが、今後のGDP見通しも11年は3.4%、12年4.1%、13年4.4%と低い。1月のインフレ率は3.7%であった。今回もまだ据置か。

さて資源価格はやはり伸び悩んでいる。特に白金、パラジウムが弱い。金は横ばいで銀が高い。白金、パラジウムが弱いのは先週末に行われた中国の預金準備率0.5%引き上げに見られるように中国もインフレ懸念が強くなかなか金融引き締め打ち止め感が出ない。北京市などは自動車購入制限策まで打ち出しているので自動車触媒に使われる白金、パラジウム価格が伸びないのだろう。

リビア情勢は国連決議で連合軍の空爆が始まった。南ア経済へも悪影響が出ると思われがちだがそれほどリビアとの経済の結びつきは深くないのでランドの下落は限定的だろう。むしろ上昇トレンドを続けるユーロの動向や本邦の個人からに11円以下の買い、12円以上の売りで挟まれている需給状況がより影響しよう。

テクニカルではランド円はほぼドル円の動きに連れて上下した。2月24日-3月2日の上昇ラインと2月4日-2月24日の上昇ラインの両方を下抜いたあと3月17日の早朝のドル円76円の急落に連れランド円もボリンジャーバンド下限を大きく下抜け10.50まで下落した。その後は日本の本邦の実需の円売りと協調介入での円売りで再びバンドの中位まで上昇した。 サポートはボリンジャーバンド下限の11.21(22日)あたりだろう。上は一目均衡表の雲の上限の11.76や2月4日-24日の上昇ラインの11.95(22日)となる。週足は長い下ヒゲとなり買い圧力を示している。年足は陰線のままだ。 

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