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マーケットビュー

月曜 野村雅道の今週注目!の経済指標 マーケットが注目する指標を大胆解析

今週のマーケット「米雇用、アフリカ政変、ECB&豪理事会」

更新日:2011年1月31日

1月31日(月)−2月4日(金)

今週も材料盛りだくさんだ。メインイベントは米雇用統計である。ここのところ新規失業保険申請者数は大幅減少・増加とぶれているので予想しがたい。前哨戦となるADP雇用者数、チャレンジャー社人員削減数も注目したい。雇用の先行きはQE2、法人税減税、中国の大型商談もあり改善すると言われているが今回への影響はないだろう。何か問題点があれば行動を起こす米国のバイタリティーは健在だ。バーナンキ議長の講演もある。

さてアフリカがざわついている。エジプトを始め各国(コートジボアール、チュニジア、他にスーダン、ソマリアなど多数)で政変が続き、先週末は株安・資源高となり、リスク回避の円買いも出てきている。エジプトは今年夏以降に大統領選挙を控えている。それを前に野党や若者が政権交代を訴え続けている。ただエジプトはチュニジアより発言の自由は認められている国ではある。マンデラ元大統領の健康状況も気になるところだ。その南アランドは11円前半にまだ売りの損切りが多い。

さて意外かもしれないが1月は4QGDPが予想より大幅低下した英ポンドが最強であった。次いでユーロ、米ドル、カナダと欧米勢が強い。スイスも巻き戻してきている。中国金融引き締めの影響もあり、資源国通貨は弱い。円は欧米通貨が交互に買われるのでやや売られ気味であった。

ECB理事会がある。独中心の景気指標は改善しているが、まだ問題債務国の債券市場は不安定で金利は高止まりしている、アフリカ情勢緊迫もあり慎重な対応をとるだろう。

豪も政策金利決定があるが4Qインフレの落ち着きと洪水被害への配慮で据置となろう。ただ1QのCPIは洪水の影響で食品価格の高騰が予想される。また先週は81円後半に買いが入っていた豪ドル円だが、今週は81.0円に損切りの売りがあるので注意したい。

さて日本を詳述したい。

2,3月はリパトリ玉(円買い)もあるので今後は要注意だ。中国は春節となる。その直前に利上げをする噂が出ている。これまでの金融引き締めで株価は下落しているが、最近は低所得者層向けの1000万戸の住宅を用意するなどアメとムチを使い分けている。春節の個人消費の盛 り上がりも見逃がせない。また中国は製造業と非製造業のPMIが発表される。

日本は日銀が先行きの景気回復、デフレの収束を示唆した。ただこれはあくまで慎重に行かないといけない。歴史的に日銀の先走りの金融引き締め策はことごとくその後の景気後退・デフレ深刻化に繋がっている三重野総裁、速水総裁、福井総裁などだ。奇しくも速水総裁時代の議事録が発表され政府や国会議員が反対する中で2000年に日銀がゼロ金利政策を解除してその後の景気後退・デフレ進行に繋がった議事録が公表された。4度目の日銀発不況にならぬように願うばかりである。

さて最近の需給だがドル円は先週一時82円前半に買いがあり、それが引き金となって83円台(日本格下げ)となった。ただその後エジプト政変によるNYダウの下落時においては82円前半の買いが減少していたので支えはなくなってきていることは注意したい。

日本格下げでも国債金利低下、円高で影響がないという「疎い」人もいるが、日本ソブリン格付けが引き下げられれば、同時に格下げされた銘柄も多い。「国より上にいてはならぬ、頭が高い」で地方債、民間債も引き下げられ資金調達コストは上昇する。石原都知事がご立腹なのも当然だ。S&Pは東京都、愛知県、政府系金融機関、政策投資銀行、預金保険機構、生保損保、電力、ガスも同時に格下げした。NTTやトヨタは格下げを免れた。ムーディーズであったか昔は「カントリーシーリング」というものがあって国債が格下げされればその格付けが天井(シーリング)になっていたのではないだろうか。国の財政難のために調達が難しくなるのだ。

【今週の注目指標】

1/31
(月)

(日)鉱工業生産・速報、住宅着工、建設工事受注、自動車生産・輸出、介入実績
(NZ)貿易収支、
(英)GFK消費者信頼感調査
(南ア)貿易収支
(加)GDP、鉱工業製品価格
(米)PCEデフレータ、個人所得、個人支出、シカゴ購買部協会指数

2/1
(火)

(中国)PMI
(豪)中銀理事会
(ユーロ圏)製造業PMI、失業率、インフレ率
(独)失業率
(米)週間チェーンストア売上、週間レッドブック大規模小売店売上、米建設支出、ISM製造業景気指数

2/2
(水)

(日)マネタリーベース
(中国)春節
(ユーロ圏)生産者物価指数
(アイスランド)中銀政策金利
(米)住宅ローン・借換え申請指数、企業人員削減数、全米雇用報告

2/3
(木)

(日)景気動向調査
(ユーロ圏)サービス部門PMI改定値、小売売上、ECB理事会
(米)新規失業保険申請件数、4Q米労働生産性・単位労働コスト速報値、耐久財受注改定値、製造業新規受注、ISM非製造業景気指数

2/4
(金)

(米)雇用統計
(ユーロ圏)EU首脳会議

先週の「注目通貨ペア!」の振り返り※チャートはクリックで拡大できます

前回の「注目通貨ペア!」

ドル円
ランド円

【ドル円】 予想レンジ:80-85
S&P社による日本国債格下げで一旦ドル円は上昇するも、エジプト情勢緊迫化でリスク回避の円買いで元に戻した。

(先週の予想は以下の通り)
欧米の強さの中でドル円はどっちつかずにいる。年足はまだ陽線でドル高である。月足は昨年5月-6月の下降ラインを上抜いたまま、但し勢いはない。週足では新年第一週はドル高、2、3週はユーロ高に連れてややドル安となっている。日足では1月7日-11日の下降ラインまで下げてきている。ボリンジャーバンドは81.33-84.05で現在はその真ん中に位置している。5日は先週金曜に下向いた。一目均衡表では雲中にある。

1月は特に需給的には特殊要因なく、ドル円相場も米ドルに引っ張られたり、ユーロ上昇で下げたり、同じユーロ上昇でもリスク選好で買われたりした。2月、3月の特殊要因はリパトリの円買いである。4月、5月は新年度の輸出の先物予約でこれも円買いである。ただ「一つ覚 え」で円買いとするのではなく、リパトリの原資となる海外での収益はどうであるとか、需要のない日本へ利益を戻すより海外で投資するかどうかもポイント。4月以降の輸出予約活発も10日毎に発表される貿易統計の数字を追っていきたい。 

【ランド円】 予想レンジ:11.20-12.00
コートジボアール、チュニジア、エジプトなどの政変、92歳になるマンデラ元大統領入院報道で売られた。まだ11円前半には損切りの売りがある。

(先週の予想は以下の通り)
年足は他の資源通貨(カナダ円を除く)同様に陰線である。年初の南アランドは弱く主要通貨では最弱となっている。年初から米ドルが強かったこと、また中国の金融引き締めで資源価格が下落したことも影響している。先週はユーロドルが回復したがそれには連れることはなかった。ただ大きく下げている資源は金・銀であり、パラジウムは小幅下げ、プラチナは上昇している(年初来)。パラジウムやプラチナが下げていないのは工業資源の需要は強いからでそれは世界の景気がまだ回復過程にあることを示している。また南ア株価も上昇している。それほど悲観的になる必要はないが、下げの流れにあることは豪ドルと同じだ。 政策金利は5.5%に据え置かれたが、12月CPIは前年比+3.6%の予想のところ3.5%となりインフレ懸念は見られないことも下げを誘った。なお11月小売売上は予想の前年比+7.4%より強く7.8%となった。

日足は連続陰線が続いたが11.65以下はヒゲで買い圧力をしめした。ボリンジャーバンドの下限を下抜いていることからの反発もあった。ただ昨年後半から堅調であったのでロングも造成されており損切りの売りが11.50以下にある。5日移動平均線は下向き。ドルランドに7月1日-6日の高値を結んだ長い下降ラインがあるがそこまで戻っている(ドル高ランド安)。ドルランドの次の動き(下降ラインをブレイクするか反転するかで)からはかなり重要週となる。

中国の金融引き締めに達成感が来たり、また上海株が上昇基調を確認出来るまでランド高はこないだろう。

来週のワタシの「注目通貨ペア!」※チャートはクリックで拡大できます

来週の「注目通貨ペア!」

ドル円
豪ドル円

【ドル円】 予想レンジ:79-84
年初1月は今日1日を残すが陽線となりそうだ。主要9通貨の中では円は7番目に位置している。2009年は最下位、昨年は1位、今年は7位スタートだ。年初は米国景気指標の強さで上昇したが、その後はユーロ、ポンドの上昇に円高推移、月末になって中東アフリカ情勢の緊迫でやや円が買われドルが売られている。

一目均衡表の雲の下に僅かに出ている。ボリンジャーバンドでは81.34-83.65で中位よりやや下に位置している。5日移動平均線で下向きとなっている。2月半ばになればリパトリの円買いの動きも出てくるだろう。2月は外債の利金払いもやや多い。また日銀がやや景気の先行き見通しを上方修正したのも円買いに繋がるかもしれない。円買いの多い需給を覆すには、強かった米国4QGDPに続き、QE2、法人減税、中国との大型商談の効果が米雇用に現れる時だろう。春節での中国の個人消費の盛り上がりも注目したい。上海株が上向けばリスク選好の円売りも出てくる。円買いは国内需給、円安となれば海外要因だろう。

【豪ドル円】 予想レンジ:79-84
豪ドル円は10月末のセントラル短資FXセミナーで申し上げた通り伸び悩んでいる。その時はさして理由はなかったが、あまりにも資源景気に人気が偏っている割には景気指標に力強さがなくなっていたからだ。その後は横ばい推移を続け、12月末の洪水より83円から81円へ下落した。

洪水の被害も把握出来たようで漸く下げ止まっている。洪水の被害で1QGDPを0.6%から1%を押し下げる。洪水復興税を課すことも示唆している。ただ洪水で野菜など食品価格は高騰するなどである。事態が把握すれば市場は落ち着き下げ止まってきた。これはユーロが昨年5月にギリシアなど債務国支援のスキームを設立したのと同じ理由だ。原因と状況が把握されれば改善していくしかない。政策金利決定があるが4Qインフレの落ち着きと洪水被害への配慮で据置となろう。

もちろん2月の日本のリパトリで円買いも出るが中東アフリカ情勢緊迫、上海株落ち着きで資源高での買い圧力も出てくるだろう。一目均衡表では雲中、ボリンジャーバンドは81.46-80.92で下限に近い。下限の下抜きでは売りで深追いしないようにしたい。5日線は下げとなっているがなだらかである。暫し苦渋の時が続くが春を過ぎれば明るくなってくるだろう。

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