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マーケットビュー

月曜 野村雅道の今週注目!の経済指標 マーケットが注目する指標を大胆解析

今週のマーケット「円安ドル安の流れは消えていない」

更新日:2010年12月6日

12月6日(月)−12月10日(金)

円高にはメリットがあるという。よくわからない。円高でこれまで日本の雇用悪化、給与減少、株価下落を招いてきた。また円高不況を救うために財政支出を行い900兆円とどうしようもない赤字を生みだした。円安不況という言葉は聞いたことはない。円高メリットは円高デメリットを覆せるものなのだろうか。

さて実際の相場に戻る。先週の金曜の米雇用統計が予想より失業率、非農業部門雇用者数ともに悪化、さらには長期失業者数も増加した。このショックの余韻はまだ続き全体としてのドル安が続くだろう。常々オバマ米大統領は「失業率は依然として容認できないほど高い。雇用拡大の要として海外市場の開放が必要」、またバーナンキFRB議長は「現在の失業率の水準は明らかに非常に深刻な経済的かつ社会的な結果を伴うことになる」と発言しているので政府当局者は想定内かもしれない。ただ次から次へ対策は取り続けないといけない。早速バーナンキ議長は6000億ドルを超える国債買入れを否定せず」と報じた。そのせいか、株価はなんとか持ちこたえ、長期金利もそれを見ながら上昇した。今週の米国債入札もあって金利は低下しない。

景気全体では米指標も良くなっているが、雇用と住宅は不安定だ(米国には一人で1000人分の給与をとるCEOが多すぎる)。雇用回復を狙いさらに米国は海外に積極的攻勢をかけるだろう。韓国とのFTAもそうだが人民元にも切り上げ圧力をかけてくるだろう。今週は金曜に米中の貿易収支の発表がある。 

相場は全面円高とはならず、週単位では豪ドル、NZドル、ランドに対しては円安だ。また週後半はユーロやスイスに対しても円安となった。欧州ではアイルランドへの資金支援が決定し、欧州債券市場も落ち着いてきたこともある。また独の指標が改善してきている。資源価格も金が1400ドルののせたことや、工業資源の白金・パラジウムが急騰し資源通貨を支えている。株価も中国株が金融引き締め観測で不安定な動きをしているが、他国は比較的安定している。全体として景気回復途上にあるので慌てて円を買う必要もないのだろう。円安ドル安の流れは消えていない。

日本の指標も多い。3QGDP二次速報は改善が予想されている。金曜日の法人企業景気予測調査で先行きの景気見通しをチェックしたい。8日には11月上中旬の貿易統計が発表される。 

豪、NZ、加の政策金利の発表があるが英国ともにそれぞれ据置となろう。豪は指標がやや冴えなくなっているが気になるインフレ指数や雇用統計の発表もある。

【今週の注目指標】

12/6
(月)

(豪)AIG建設業指数、TDインフレ指数
(加)住宅建設許可、Ivey購買部協会指数

12/7
(火)

(NZ)住宅価格
(日)外貨準備高、景気動向指数・速報、豪政策金利
(スイス)失業率
(独)製造業受注
(アイルランド) 2011年度予算案を議会提出
(英)鉱工業生産、製造業生産高
(加)中銀政策金利
(米)消費者信用残高

12/8
(水)

(NZ)3Q製造業売上高
(豪)貸付指数
(日)11月上中旬貿易統計、マネーストックM2+CD、経常収支、貿易収支、機械受注、景気ウォッチャー調査、企業倒産
(独)経常収支、貿易収支、鉱工業生産
(仏)財政収支、貿易収支
(加)住宅着工件数
(米)MBA住宅ローン申請指数
(ブラジル)中銀政策金利

12/9
(木)

(NZ)RBNZオフィシャル・キャッシュレート、カード消費
(豪)新規雇用者数、失業率
(日)第3四半期GDP・二次速報、オフィス空室状況、工作機械受注
(韓国)中銀金融政策決定会合
(仏)3Q非農業部門雇用者・確報
(独)消費者物価指数・確報
(南ア)3Q経常収支
(ユーロ圏)ECB月例報告
(英)商品貿易収支、BOE政策金利
(加)新築住宅価格指数
(米)新規失業保険申請件数、卸売在庫
(ブラジル)3QGDP

12/10
(金)

(豪)外貨準備
(日)SQ、企業物価指数、法人企業景気予測調査、消費動向調査
(中国)不動産価格、貿易収支
(仏)鉱工業生産、製造業生産指数
(英)生産者物価指数
(加)国際商品貿易
(米)貿易収支、輸入物価指数、ミシガン大消費者信頼感指数・速報値、月次財政収支

先週の「注目通貨ペア!」の振り返り※チャートはクリックで拡大できます

前回の「注目通貨ペア!」

ドル円
ランド円

【ドル円】 予想レンジ:82-87
84円以上に売りが多くなった後、1カ月続いた上昇ラインが米雇用統計悪化でついに下抜けた。

(先週の予想は以下の通り)
ドル円の年足は陰線のままである。月足は5月-6月の下降ラインを上抜いた。陽線で終われば7か月ぶりとなる。週足は11月1日から上昇ラインにのっている。日足は6月には一時的に出たこともあったが、5月以来完全に雲の上に出ることとなった。11月1日-5日の上昇ラインが効いている。ボリンジャーバンドは若干上限までの余地がある。バンドは先週金曜引けで79.80-84.54である。一目均衡表の雲は82.49-83.61であった。5日移動平均線は上向いている。本日はボリンジャーバンド上限が85.0近くへ拡大するので、そこが上値抵抗となろう。下値サポートは一目の雲の上限で83.50から83.0あたりと今週はなるだろう。当面は11月23日-24日の上昇ラインがサポートする。83.70あたりがサポートとなる。

先週は上海株が下落しても株安にならず円安をともなったリスク選好型となった。今週は法人企業統計があるが、景気対策で3Qは力強い成長となったが、それが剥げ落ちる4Qの景況感見通しに注目したい。

【ランド円】 予想レンジ:11.20-12.20
アイルランド支援決定にユーロ安に歯止めがかかり資源価格も上昇しランド円は12円にのせている。

(先週の予想は以下の通り)
年足は陰線。月足は6月から横ばい。10月までは円高であったが、ランドも強調推移しランド円は安定していた。週足は陰線、日足は3QGDPで下げ10月CPIで上昇するも先週末は欧州信用不安でユーロ下落を見ながら下げた。

11月は日本では輸出一服で輸入の円売りが浮き彫りとなり海外では12月決算前のリパトリの自国通貨買いとなる。ただ欧州信用不安でユーロが売られランドも連れ安になったり、中国の金融引き締めで資源価格が下落、リスク回避でランドも売られる場面もあったが、月単位では基本需給をもとに若干円安ランド高で推移している。

先週は3QGDPが予想の前期比年率3.3%を下回る2.6%なりランドが売られたが、10月CPIは予想の前年比3.3%を上回る3.4%であったので買われた。3QGDPは2Qのワールドカップ効果がはげ落ちたため減速したのだろう。インフレは自動車価格、燃料価格の上昇があった。

今年は全体で2.8%、2011年は3.0%の成長、インフレは2011年は4.0%へ上昇する見通しだ。緩やかな成長となりランドも横ばいから緩やかに高くなっていくだろう。

11月18日には南ア中銀はレポレートを6.0%から5.5%へ利下げをしたがマーカス総裁は「今回の利下げは全会一致だが、容易な決定ではなかった。景気刺激策の余地はある。更なる引下げの視点は限定的だ。決定はデータに基づくもの。我々は目の前にあるデータを精査している。一つの状況に固執し続ける事は出来ない。データに基づくと、我々は今が”底”だと見ている。利下げは全ての金融機関に転嫁されていない」とした。

中銀からの声明では為替についても多く触れている。「通貨を押し下げるために利下げしたわけではない。為替レートに、短期的な解決方法は存在しない。為替レートの変動、先進国の経済次第だ。米国のQE2のインパクトがどの程度か判断するのは困難だ。我々は、米国のQE2がランドの動向に影響与えると見ている。」。ランド高には強い懸念を持っているが為替介入は避けたい模様だ。

来週のワタシの「注目通貨ペア!」※チャートはクリックで拡大できます

来週の「注目通貨ペア!」

ドル円
ユーロドル

【ドル円】 予想レンジ:80-85
ドル円では、米国雇用統計前は84円10-40銭にまとまった売りがあったが執行されずじまいである。一部は雇用統計後に損切りで消化されただろうが、まだ潜在的な売りは残る。それは市場にはまだ現れていないが82円からみで損切りの売りとして入ってきている。

値ごろ感で、82円半ばで少し買いが入っているが、やはり1円以上下落した後遺症はもう少し続くだろう。もしそれが立ち直るとすればクロス円の上昇でドル円が引き上げられる時だろう。

年足は陰線のまま。月足は11月に6月-9月の下降ラインを上抜けたが、先週金曜の下落で今月は陰線となっている。月足下降ラインのサポートは80.0あたりとなる。週足では11月8日-15日の上昇ラインを下抜いた。11月1日-8日の週のサポートが81.50あたり、上は85.20が抵抗する。日足では11月1日-5日の長い上昇ラインを下に切った。上値抵抗はそのラインで83.20となる。下は一目均衡表の下限の81.70となる。雲の上限は暫く83.17となる。やや下げ気味の指標が多い。5日移動平均線は先週金曜に下げに転じた。ボリンジャーバンドは80.32-85.06で現在は中間あたりにいる。上値は12月2日−3日の下降ラインであり83.20-30が抵抗となる。下値はそのラインを平行に下方移動した82がサポートする。 

【ユーロドル】 予想レンジ:1.32-37
ユーロ債券市場はやや落ち着いてきた。12%のギリシア金利は11%後半へ、7%のポルトガル金利は6%前半へ、ただ9%半ばであったアイルランド金利はまだ9%台だ(先週金曜終値)

IMF・EUと英国のアイルランド向け融資が決定したからだ。ギリシアショックで、IMF・EUの支援が決定したのは5月3日であったが、ユーロが上昇し始めたのは1カ月後の6月であったのに比べると反応は速い。もちろん米雇用統計の悪化があったのだが。一旦融資が決定すると債務国の国民生活は緊縮財政で厳しくなる。その為にストや暴動が起きる。また格付け会社が格下げをするのも協調融資の後の今頃となってくる。ただ事態は改善方向へ進んでいるのでそれらが相場を再下落させることはないだろう。

ユーロドルは年足陰線、月足は6月-9月の長い上昇ラインがあったが下抜いた。現在その上昇ラインまでリバウンドしてきている。週足では下ヒゲでしぶとい。日足はボリンジャーバンド下限から3連続陽線、上昇ラインに沿っている。5日移動平均線も上昇に転じた。一目均衡表の雲に入ってきた。雲のレンジは1.3374-1.3806。暫くユーロ戻し相場が続くだろう。

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