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マーケットビュー

月曜 野村雅道の今週注目!の経済指標 マーケットが注目する指標を大胆解析

今週のマーケット「介入以外の円高対策では不十分」

更新日:2010年8月16日

8月16日(月)−8月20日(金)

昨日はニクソンショック39周年の日であった。@1971年8月15日、米国のニクソン大統領は自国のドル流失を防ぐため、ドルと金の交換停止を発表した。Aそれを受け、1971年12月通貨の多国間調整(金1オンス=35ドル→38ドル、1ドル=360円→308円に切り上げ)と固定相場制の維持が行われた。Bこのスミソニアン体制は長続きせず、1973年2〜3月に日本を含む先進各国は相次いで変動相場制に切り替えた。

ただいくらドルを安くしても米国の貿易赤字は縮小するどころか拡大するばかりだ。それを今度は中国に求めるようだが、中国は日本の通貨高デフレ不況を見ているだけに対応は慎重である。日本はいまだ蛇(米国)ににらまれたカエル状態で為替政策は独自に行わない。ただこれだけ円高デフレの影響が出ているので今週は菅首相と日銀総裁の会談があるとされている。一方自見金融相は訪米しバーナンキ議長と会談するので、為替の話も出てくるだろう。

円高の影響は輸出業者の収益減となるが、輸出業者は海外へ移転する逃げ道がある。逃げ道がないのは円高デフレで下落し続ける日本の資産価格だろう。それが日本の年金の財務状態も悪化させる。さてその中で本日は日本の2QGDPが発表された。予想は前期比 +0.6% 、前期比年率+2.3%であったが、結果は前期比+0.1%(前回は+1.2%)、前年同期比+0.4%(前回は+5.0%)と減速傾向を示した。

米国景気指標は弱いものが多く、欧州は2QGDPなど改善しているものは多いが先週はドルが強く、欧州通貨やオセアニア通貨が弱くなった。6月からの上昇のテクニカルな調整の売りが入っていることや、スロバキア議会がギリシアへの2国間融資を実施しないことを決定したことも影響している。ただ大きな問題が出ているのではなく約2ヶ月半続いたドル安欧州通貨高の調整だろう。

中国の輸入が減少したことや、鉱工業生産の伸びが縮小したことが世界経済の減速に繋がり、資源価格の下落にも繋がっていることから豪ドルも弱含み推移している。ただ中国は巧みであり、適度な金融緩和策の継続や地域振興策を表明し株価は他国比下落していない。より心配なのは海外経済の減速と円高で失速する日本株であろう。

欧米ともに大きな指標はないが住宅、景況感指数、CPIなどの中程度の指標が発表される。前半は日本のGDPと当局の円高懸念発言、さらに自見金融相−バーナンキ会談を軸に展開するだろう。またやや勢いが衰えた豪ドルだが火曜にはスティーブンス中銀総裁の講演がある。


【注目指標】

8/16
(月)

(日)第3次産業活動指数、第2四半期GDP・一次速報、
首都圏・近畿圏マンション市場動向、自見金融相訪米
(豪)新車販売
(ユーロ圏)消費者物価指数
(英)ライトムーブ住宅価格
(米)ニューヨーク連銀製造業景気指数、対米証券投資、NAHB住宅価格指数

8/17
(火)

(豪)RBA議事録、豪中銀総裁講演
(香港)失業率
(独)ZEW景況感調査
(ユーロ圏)ZEW景況感調査、経常収支
(英)消費者物価指数、小売物価指数
(米)ゴールドマン・サックス・チェーンストア売上高、レッドブック大規模小売店売上、生産者物価指数、住宅着工件数、建設許可件数、
鉱工業生産、設備稼働率

8/18
(水)

(豪)2Q賃金コスト指数、WESTPAC景気先行指数
(日)景気動向調査・改訂値
(ユーロ圏)建設支出
(南ア)実質小売売上高
(英)BOE議事録
(米)エネルギー省の石油在庫統計、住宅ローン・借換え申請指数

8/19
(木)

(NZ)生産者物価、ANZ消費者信頼感指数、カード消費
(日)全産業活動指数、対外・対内証券売買契約、全国百貨店売上高
(独)生産者物価指数
(スイス)貿易収支
(英)小売売上高、マネーサプライM4
(加)景気先行指標指数、卸売売上高
(米)新規失業保険申請件数、フィラデルフィア連銀景況指数 、
北米半導体製造装置BBレシオ

8/20
(金)

(NZ)移民数
(日)全国粗鋼生産、コンビニエンスストア売上高
(香港)消費者物価指数
(加)消費者物価指数

先週の「注目通貨ペア!」の振り返り※チャートはクリックで拡大できます

前回の「注目通貨ペア!」

ドル円
豪ドル円

【ドル円】 予想レンジ:83-88
円高対策で漸く政府が動き出し84円台から86円まで戻る。

(先週の予想は以下の通り)
米国は雇用統計を始め住宅、消費などの指標が弱くなってきている。一方欧州はギリシアなどの財政問題が改善し景気指標も良くなっている。2QGDPでは1Q比縮小した米国に対し英国は拡大した。欧州通貨高が対ドルで強含むなか、円も追随して強くなっている。日本は物価下落も加わっているが政府は対策を打ち出せない。円売り介入も中国に通貨高を迫っている以上、なかなか実行は難しい。火曜日に菅首相の会見があるかここで何か為替相場に言及するかどうか。もともとデフレ阻止のために円安誘導を示唆していた人である。 また外部要因に左右される週でもある。FOMC、中国の数多くの指標、、欧州2QGDPなどだ。7月上中旬貿易統計では前年同期から若干減少したことは黒字拡大基調に異変があったかもう少し見守りたい。年足は陰線のままである。月足は8月陰線スタート。09年11月-10年3月の上昇ラインを下に切った。5月-6月の下降ラインに沿って下落中でドル下げトレンドは変わっていない。日足では7月28日-29日の下降ラインを一旦上抜いたが、そのラインに引き寄せられように下落している。移動平均5日線は7月30日から下向いている。7月22日-27日の上昇ラインが上値抵抗となろう。

【豪ドル円】 予想レンジ:76-81
ユーロの下落で豪ドル円も86割れまで下げるも、政府が円高対策で動き出したことで87へ戻した。

(先週の予想は以下の通り)
豪ドル円は豪ドルの上昇とドル円の下落が相殺し合って78円台中心の揉み合いとなった。RBAは予想通りに金利据え置きとし、発表された6月の小売売上高と建設許可件数がともに予想を下回り週初は豪ドル軟調局面もあった。しかし相場の焦点は米景気不安と米ドル金利の低下にあり、RBAの四半期金融政策報告は景気に対するそこそこ明るい見通しが示された。7月米雇用統計もその他多くの指標同様に予想を下回る結果となり、豪ドル91セント台後半、豪ドル円78円台半ばでの越週となった。 ただ79円近辺は売りも厚い。今週の焦点は雇用統計であり予想は就業者数+20千人(前回+45.9千人)、失業率5.1%(前回5.1%)となっている。また8月21日の総選挙も焦点であり、現在若干野党保守党がリードしている。野党が政権を奪取すれば資源税は御破算となる。年足はまだ陰線、年始値は83.48。7月月足は陽線、5月、6月の下降ラインは上抜く。8月もかろうじて陽線で始まっている。 7月6日-19日の上昇ライン@が生きている。これを破れば下は雲下限、ボリバン下限となる。7月22日-26日の上昇ラインAは下抜く。先ずは@とAの間で推移しよう。5日移動平均線は上向いている。一目均衡表の雲は76.64-79.94で雲中にとどまっている。ボリンジャーバンドは74.54-80.35である。雇用統計で波乱なければジリ高か。

来週のワタシの「注目通貨ペア!」※チャートはクリックで拡大できます

来週の「注目通貨ペア!」

ドル円
ポンド円

【ドル円】 予想レンジ:83-88
ドル円の年足は陰線。月足8月は陰線スタート。09年11月-10年3月の上昇ラインを下に切った。5月-6月の下降ラインに沿って下落中。ただ8月の始値は86.42であり陽線の可能性は残っている。過去10年の8月後半相場を見たが意外と落ち着いている。ドル円が下がった年は少ない。8月12日-13日のやや急な上昇ライン、11日-12日の緩やかな上昇ラインが出来ている。7月28日からの下降ラインも上抜いている。一旦はボリンジャーバンド下限を下抜いたがバンド内へ戻した。現在は84.84-88.72のレンジである。一目均衡表の雲はまだかなり上で89.05-90.97。移動平均5日線は7月30日から下向いていたが8月12日に上向きになっている。7月22日-27日の上昇ラインが上値抵抗となるが、それはボリンジャーバンド上限、雲下限でもある。88-89あたりとなる。焦点は第2四半期GDP一次速報である。菅首相と白川日銀総裁、円高対応について来週にも会談へとの一部報道があるがポイントは実弾介入をやるかどうかである。

【ポンド円】 予想レンジ:132-137
年足は陰線。月足、7月は短いが陽線、8月は先週陰転した。日足では7月22日-27日の上昇ラインを下抜き横ばい、団子天井から下げとなった。 ただ円高懸念の動きで一目均衡表の雲の中にはとどまる。雲のレンジは133.25-135.92。ボリンジャーバンドでは中位にある。バンドのレンジは131.63-136.54。5日移動平均線は下向きだ。8月11日-12日の上昇ラインを保てるかどうか。

英国2QGDPは強かったのだが他の指標は弱く、キング英中銀総裁も「バランスシート正常化に数年かかる」「景気は不安定となる公算大」「GDP見通しを引下げる」「12年のインフレ率は2%下回る」「成長は下振れリスクあり」などと発言して弱含んだが、ユーロがギリシア問題で、日本が円高懸念で対策をとりそうなことで、ユーロ売り、円売りが進み、ポンドはそれぞれ対価として買われ週後半やや強含んだ。今週も円高対策への思惑で円が売られやすく、その分はポンド円が強くなる要因となる。

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