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マーケットビュー

月曜 野村雅道の今週注目!の経済指標 マーケットが注目する指標を大胆解析

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G20影響、トランプ大統領支持率37%、日:貿易統計、イエレン議長講演、英:CPI、NZ:政策金利など

更新日:2017年3月21日

3月20日(月)−3月24日(金)

今週の予想:
ドル円=109-114、ユーロドル=1.05-1.10、ユーロ円=119-124

「G20声明:二つの大きな変化」
*通貨安競争を避ける為替文言は従来通りであったが、為替については通常、声明の第二、第三、いや第五段落に書かれていたものが、第一段落に取り上げられていたことは、為替相場の重要性を示したのだろう。
*事前に草案が出回っていた通り「あらゆる形態の保護主義に対抗する」という文言は削除されたが、「貿易不均衡縮小」という言葉が入った(「貿易不均衡是正」と聞けば思い出すのは、ドル安政策を掲げたプラザ合意)。

さて昨日はFBI長官の公聴会が開催された。ポイントは2つ。

  • 共和党候補だったトランプ大統領の陣営とロシア側との間に結託があった可能性について調査している(ロシアは結託を否定するだろう)。
  • 選挙中にオバマ前政権に電話を盗聴されたとするトランプ大統領の主張については「主張を裏付ける情報はない」と否定。

また公聴会前のトランプ大統領支持率は37%であった。37%の低さは異常であり、通常は政権後半のレームダック状態であらわれるようだ(ただCNN調査なので、大統領はおそらく「FAKE調査」と批判するだろう)。

米ドル
「FOMCとG20で下落。予算や政策がスムーズに執行されない不安、低い大統領支持率」

FOMC後のドルは下落。先々週の通貨番付7位から先週は10位に下落した。FOMCは予想通り利上げしたが、今後の利上げ見通しは市場が想定していたよりペースが速くないとの見方が広がり、米国債金利が低下してドルが売られた。また週末のミシガン大消費者態度指数はインフレ期待の低下を示し、FRBが年内の利上げペースを幾分減速させる可能性があることを示唆したことから、さらにドルが下落。利上げしても弱い原油価格が、さらなる利上げ観測を後退させる可能性も出てきている。
トランプ大統領のやり方は意外と時間がかかる。様々なトラブルを政府内、対民主党、対マスコミに抱えている。ロシアの選挙介入問題で上述のように衝撃的発言があった。大統領令では、入国禁止令がいくつかの州で反対され差し止めされている。予算教書では、ほぼ全ての連邦省庁の予算を大幅削減する大胆な方針を提示しているが、議会がこの方針の大部分を受け入れる可能性はほとんどない。上院軍事委員会のマケイン委員長は、「今日提示された予算方針が上院を通過できないのは明白だ」と述べた。下院歳出委員会のロジャース前委員長はトランプ大統領の大幅予算削減案を非難し、「大統領の骨と皮ばかりの予算教書に示された削減の多くは過酷で慎重さを欠き、望ましくない結果を生む」と述べた。トランプ政権の予算教書はインフレ調整前で予算を平均10%強削減する内容で、非国防予算にこれほどの緊縮を提案した大統領は近年いない。トランプ大統領は国務省や環境保護局などの省庁予算を約30%削減する意向であるほか、医療や教育、科学研究、住宅、エネルギー、運輸に関連する予算も大幅に減らす。議会の反応からすると、トランプ大統領は予算方針の実現で大きな困難に直面しそうだ。
対外関係でも、対中国、対ドイツで米国側が当初打ち上げた政策よりも譲歩しないと、前に進まないことがわかってきて軟化してきている。

ユーロ
「オランダ選挙は極右を退ける。次は仏大統領選挙、英のEU離脱」

オランダ下院選挙でルッテ首相率いる与党・自由民主党(VVD)が第1党を維持したことで政治リスクが後退。ユーロは上昇したが、週末、仏大統領選挙の第1回投票で極右政党・国民戦線(FN)のルペン党首が、中道系のマクロン前経済相に対するリードを拡大させている、との世論調査の結果を受け小幅下落。先週は対円で下落、対ドルで上昇。政治的なリスクが解消すればECBは超緩和的な金融政策の縮小に着手する観測もある。 さて、ドイツ経済省は月報で、1QGDP伸び率が16年4Qから拡大するとの見方を示した。4QGDPは0.4%増だった。月報は「今年は好調な滑り出しとなっていて、1Qの伸び率は加速するだろう」と指摘した。
世界の状況や国内指標は輸出の緩やかな伸びを示し、建設のファンダメンタルズも底堅いとした。信頼感に関する指標も経済見通しの改善を示唆していて、消費者心理や小売業者の景況感は引き続き総じて堅調とした。
ドイツのメルケル首相と米国のトランプ大統領はワシントンで会談。貿易赤字の解消を求めるトランプ氏に対し、メルケル氏は自由貿易の重要性を強調。難民・移民政策でも意見の違いが鮮明になった。
トランプ氏は、自国の貿易赤字について「米国は多くの国によって長年、不公平に扱われてきた」と主張。巨額の貿易黒字を抱えるドイツとの関係について、「これまでドイツの方が米国よりもずっと良い仕事をしてきたが、望むらくはこれを均衡させたい。私が望むのは公平さだ」と語った。メルケル氏は「公平さ」という言葉に理解を示しつつも、「グローバリゼーションは、開かれた方法でなされなければならない」と述べ、輸入業者の税負担を増す案などを検討している米国の対応を牽制した。一方で、EUと米国との間の自由貿易交渉の再開に意欲を示した。

英ポンド
「EU離脱宣言は3月29日。政策金利は据え置きとなったが1名が反対。今週は消費者物価指数」

引き続き通貨は弱いが株価は強い。通貨の弱さのおかげで経済指標もまずまず、インフレも上昇している。ただ賃金の伸びが弱い。さて英中銀は政策金利を0.25%に据え置いた。議事要旨によると、決定は8-1で、フォーブス委員が0.25%の利上げを主張。今後、一段と大きく票が割れる可能性があることが示唆された。金融政策委員会で票が割れたのは昨年7月以来初めてとなる。予想では9人の委員全員が金利据え置きであった。フォーブス委員はこれまでも金利据え置きに違和感を感じていると表明。議事要旨からは、同委員が物価はポンド安による圧力だけでなく、国内要因によっても顕著に上昇していて、EU離脱決定を受け、予想されている景気減速は現実化していないとの見方を示したことが分かった。今回の会合で票が割れたことを受け、週後半はポンドが対ドルで上昇した。
また英議会でEUからの離脱通告の権限をメイ首相に与える法案が3月13日に可決。メイ首相は3月29日にEUに離脱を正式に通告する。交渉は貿易や金融、移民など多岐にわたり、難航は必至。加盟国に離脱の連鎖が広がることを懸念するEUと英国の間で、メンツと国益をかけ、歴史上例を見ない交渉が始まる。
スコットランドで再度独立の動きが出ていることも不安材料だが、スコットランドの有権者の過半数が独立に反対であることが明らかになった。調査では回答者の53%が独立に反対で、賛成は47%だった。住民投票の時期については、41%がEU離脱以前の実施を支持したのに対し、不支持は46%だった。スコットランド行政府のスタージョン首相は、離脱手続き完了前の投票実施を呼びかけている。

人民元
「世界混迷の中でマイペースの中国、米中会談は4月、17年成長目標は6.5%」

全人代が閉幕した。李克強首相は、中国経済は依然、内外のリスクに見舞われていて、今年の経済成長目標6.5%の達成は容易ではないが、ハードランディングを予想すべきではないと述べた。
同首相は「毎年のようにハードランディング説が出るが、過去数年の中国経済の実績を振り返れば、そうしたハードランディング説には完全に終止符を打てるはずだ」と発言。
今年の経済成長目標については「中国政府がGDP伸び率を緩やかに下方調整したという海外メディアの記事を読んだが、6.5%は低くなく、達成は容易でない」と述べた。
首相は「国内のリスク、特に金融セクターのリスクを真剣に受け止める必要がある。リスクのさらなる波及を防ぐため、迅速かつ的を絞った対策を講じる。中国の金融システムは、総じて安定していて、システミックリスクはない。まだ多くの政策手段がある」と述べた。
さて、習近平国家主席が約1年半ぶりに訪米する見通しとなった。米中間の懸案をめぐって具体的な成果を得るのは難しい状況だが、それでも会談実現を急いだのは最高指導部メンバーが大幅に入れ替わる今秋の共産党大会を控え、対米関係の安定を優先させたいためだ。トランプ米大統領が2月に「一つの中国」政策を尊重する考えを示した。トランプ氏の貿易問題への懸念に中国側は耳を傾け、米側は会談実現に前向きな姿勢をみせている。

豪ドル
「本日RBA議事録、雇用統計は悪くもない」

注目の2月雇用統計では失業率は5.9%と前月や予想の5.7%を上回った。就業者数は前月比6,400人減少と予想の1.60万人増を下回ったが、フルタイム就業者数は2.71万人増と強かったので、豪ドルは売られなかった。一方、失業率が13カ月ぶりの高水準となったことで今後の賃金やインフレ動向次第では、RBAが追加利下げを検討する可能性があるとの見方も一部出てきた。
ただ、住宅価格の上昇は続いている。ウエストパック銀行やナショナル・オーストラリア銀行は3月16日に住宅ローン金利を引き上げたこともあり、利下げへの道は遠い。
また、ナショナル・オーストラリア銀行が発表した2月企業景況感指数はプラス9となり、前月比で7ポイント低下した。売上高指数がプラス13と、前月比10ポイント低下したことが響いた。雇用指数はプラス5で、前月比2ポイント低下したものの、堅調な水準にとどまった。企業信頼感指数はプラス7と、前月比3ポイント低下したが、長期的にはなお高い水準を維持した。経済が当面、堅調なペースで成長する見通しだ。さらには、2月はやや軟調だったものの、年明け以降、雇用指数が顕著に改善。公式統計より実際の労働市場が良好であることを示唆しているようだ。
RBAロウ総裁は、コモディティー価格の上昇と世界経済の回復を背景に、豪経済に対する楽観的な見方を維持した。豪経済が鉱業投資ブームからの移行を図る中、2016年の成長率は2.4%とまずまずであったと述べた。

NZドル
「4QGDP弱く、今週は政策金利決定」

詳細は後述致します

南アランド
「今年ここまで最強通貨。今週はCPI、経常収支。来週は政策金利」

4QGDPに続き、1月小売売上高も弱かったが、資源価格の上昇もあり通貨番付の首位に返り咲いた。次の焦点は政策金利決定(3月30日)。低成長の景気を刺激したいところだが、インフレ上昇の不安もあり据え置きと見られる。2017年の経済成長率見通しは1.3%。観光業が好調である。今週は消費者物価指数(CPI)と経常収支の発表。2016年は南アへの海外からの投資は流入超となり、ランドを押し上げた。2月企業信頼感は悪化したが、2月PMIは低下するも依然50を超えている。4QGDP不冴えで格下げ懸念が高まっている。ただ富裕層の増税策が打ち出され、財政赤字削減を狙って格下げを食い止めようとしている。外部要因では南ア経済に影響を与える中国のGDP、貿易収支も改善している。今年は12月に与党ANCの党首選がある。

トルコリラ
「対EU関係悪化、対露、英は改善、近々米国務長官が訪問」

トルコ中銀は3月16日、事実上の上限金利として機能している後期流動性貸出金利を0.75%引き上げ、11.75%とした。非伝統的な手段を活用しての引き締めを継続したが、主要政策金利に関しては据え置きを決定した。主要政策金利である翌日物貸出金利は9.25%、1週間物のレポ金利は8%、翌日物借入金利は7.25%で、それぞれ据え置かれた。2月のインフレ率が5年ぶりに10%超えとなったことの対応。インフレ上昇は原油、食品価格によるものだが、リラ安も大きく影響しているので、政府、中銀にとってもリラを上昇させたいところである。
トルコ閣僚のオランダ入国拒否をめぐり、両国関係や対EUとの関係が悪化しているが、リラ相場には大きな影響はなかった。EUとの関係が悪化している中で、ロシア、英国、イスラエルなどとの関係は改善しつつある。またチャブシオール外相は米国のティラーソン国務長官が今月30日にトルコを訪問すると明らかにした。米国とトルコの関係は、昨年7月にトルコで起きたクーデター未遂事件後に悪化。トルコは米国在住のイスラム教指導者ギュレン師を同事件の首謀者とみなしていて、米国に同師の引き渡しを求めている。トルコ政府はまた、シリアでの過激派組織「イスラム国」(IS)掃討作戦で米国が少数民族クルド人民兵組織「人民防衛隊」(YPG)を支援していることに不満を示している。
政局不安もあり、ムーディーズは17日、トルコの格付「Ba1」の見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げた。
良い材料としては、1-2月の自動車生産台数が前年同期比22%増の26万6,490台と過去最高を記録。輸出向けモデルの増産が相次ぎ、乗用車単独の生産台数は46%増となった。

【今週の注目経済指標】

3/20
(月)

(独)生産者物価指数(PPI)
(加)卸売売上高

3/21
(火)

(豪)RBA議事要旨公表
(スイス)貿易収支
(英)消費者物価指数(CPI)、小売物価指数(RPI)、卸売物価指数(コアPPI)
(加)小売売上高
(米)経常収支

3/22
(水)

(日)日銀金融政策決定会合議事要旨(1月30・31日開催分)、貿易統計
(南ア)経常収支、消費者物価指数(CPI)
(米)住宅価格指数、中古住宅販売件数

3/23
(木)

(NZ)政策金利
(仏)企業景況感指数
(英)小売売上高指数
(ユーロ圏)消費者信頼感・速報値
(米)イエレン議長講演、新規失業保険申請件数、新築住宅販売件数

3/24
(金)

(仏)GDP・確報値、製造業購買担当者景気指数(PMI)、サービス部門購買担当者景気指数(PMI)
(独)製造業購買担当者景気指数(PMI)、サービス部門購買担当者景気指数(PMI)
(ユーロ圏)製造業購買担当者景気指数(PMI)、サービス部門購買担当者景気指数(PMI)
(加)消費者物価指数(CPI)
(米)耐久財受注

 

先週の「注目通貨ペア!」の振り返り ※チャートはクリックで拡大できます

前回の「注目通貨ペア!」

ドル円
南アランド円

【ドル円】 予想レンジ:111-116、G20次第
FOMCでは利上げのペースが速くならなかったことで、米国債金利が低下しドル安が進行。ドル円も115円台から112円台へ下落した。G20声明では従来の通貨安競争を避けるべきという文言が維持された。

---先週の予想は以下の通り---

今週はコロンビア大のスティグリッツ教授が経済諮問会議で意見を述べる。日本の経済政策は米国大学教授のお墨付きがほしいようだ。日本には短期的にはそれほど大きな問題はない。株価は小幅高、ドル円は年初来では円高だが、市場ではそれほど問題視していないレベルで推移している。マイナス金利での消費減退、地銀中心の収益減少も大きな問題にしていない。日銀の政策決定会合でもその流れで現実とは違った楽観的な見通しとなろう。需給面では1月は例年通りの貿易赤字となったが、2月は中旬までで貿易黒字に転換している。輸出が16.1%伸びて、輸入が4.6%減少。昨年と同じ傾向となっている。消費が盛り上がらなければ輸入も伸びず、貿易黒字が続く。
やはり焦点は週末のドイツでのG20である。トランプ政権初めてのG20財務相・中央銀行総裁会議である。トランプ大統領が目指すところは、米国の貿易赤字削減、貿易黒字化である。それを為替政策でやろうしている。1985年のプラザ合意以降でドル円は240円から70円台へ下落したが、貿易不均衡は是正されなかった。ただ為替をドル安にする目標は達成された。需給による素直で自然な形なので達成されたのだろう。
日本と同じく膨大な黒字を計上するドイツや中国との交渉で、どのようなG20文言ができるのか。プラザ合意では声明にも「ドル売り介入」が挿入されたが、今回は米国の味方となる国はいない。プラザ合意では日本が賛成、他のドイツ、英国、フランスなども渋々了承したが、今回はそうはいかない。ただ、G20が揉めれば、米国の輸入制限や関税増税という世界の混乱要因となり、リスク回避の円買いとなるだろう。

(テクニカル)
「ボリバン上限を上抜いて反落。3月8日-9日の上昇ラインを下抜く」

日足は、3月3日-6日の下降ラインを上抜いて上昇。ボリバン上限上抜いた後は陰線。3月8日-9日の上昇ラインを下抜く。2月28日-3月8日の上昇ラインがサポート。5日線上向き。ボリバン上位。一目均衡表の雲の中。
週足は、7週連続陽線を達成せず、その後は4週連続陰線も含め弱かったが、1月2日週-2月13日週の下降ラインは上抜けた。2月27日週-3月6日週、16年11月7日週-17年2月27日週、16年9月26日週-11月7日週の上昇ラインがサポート。上値抵抗は15年6月1日週-15年11月30日週の下降ライン。
月足は、10月からの3か月連続陽線は崩れる。16年11月-12月の上昇ラインは下抜く。16年6月-11月、12年9月-16年6月の上昇ラインがサポート。15年8月-15年12月の下降ラインが上値抵抗。2012年10月-2014年8月のアベノミクス上昇ラインを下抜けている。
年足は、2012年-13年の上昇ラインに沿い2015年まで4年連続陽線。13年-14年の上昇ラインを15年中は下抜かなかったが、16年は下抜いて始まりそのままかい離し下落。12年-13年の上昇ラインも下抜く。2016年は終盤にきて下ヒゲが大きく伸びたが、5年連続陽線は達成できなかった。17年は陰線スタート。

【南アランド円】 予想レンジ:8.2-9.2、4QGDPは予想下回る、今週は小売売上
再び通貨番付首位に復活。1月小売売上高は弱かったが、FOMC後の米国債金利の低下で米ドル安が進み、資源価格が上昇。

---先週の予想は以下の通り---

(ポイント)
*先々週は通貨番付首位に立ったが、先週は2位の豪ドルに抜かれた
*16年4QGDPは予想より悪化しマイナス成長となった
*4QGDP不冴えで格下げ懸念が高まった
*今週は1月小売売上高の発表あり
*2月企業信頼感は悪化
*2月PMIは低下も依然50を超えている
*16年は6年ぶりの貿易黒字となったが17年1月は貿易赤字となった
*1月CPIに続き、PPIも鈍化
*富裕層の増税策が打ち出され財政赤字削減を狙う
*2017年の経済成長率見通しは1.3%
*観光業が好調
*ズマ大統領への不信は大きくなっている
*次期大統領候補の一人はズマ大統領の元妻である
*今年も資源価格が強いが、政局不安が南アランド上昇にブレーキをかけている
*南ア経済に影響を与える中国のGDP、貿易収支も改善した
*今年は12月に与党ANCの党首選がある

(トピックス)

(4QGDP)
2016年4Qは前期比年率0.3%減少し、3Q改定値の0.4%増からマイナスに転じた。前年同期比では0.7%増となった。3Qも0.7%増だった。予想は、前期比0.5%増、前年同期比0.6%増。2016年の成長率は0.3%で、2015年の1.3%から減速した。4Qは鉱業の生産が11.5%、製造業が3.1%、それぞれ減少したことがマイナス成長の主因となった。

(格下げ懸念残る)
マイナス成長により税収が圧迫されており、南アの格付はジャンク級に引き下げられるリスクが出てきた。S&Pとフィッチの格付はジャンク級の1段階上で、ムーディーズは2段階上となっている。資源価格の上昇で6年ぶりの貿易黒字を達成したが、今後の景気拡大のけん引役が何かに迷うところだ。財政再建は今後も難しいかもしれない。
S&Pは既に南ア経済が不況やドルベースで資産を減らすようなことがあれば、ソブリン格付の格下げの可能性を再度警告した。一方で、南アのエコノミスト達は、経済は緩やかに回復するだろうと予測し、6月の格下げの可能性は五分五分であるとの見方を示した。

(3月資源価格下落)
*年初来では南アが豊富に産出する金、銀、白金、パラジウムなどの価格は上昇しているが、3月はここまでマイナス圏となっている

(2月企業信頼感指数)
南アフリカ商工会議所(SACCI)の2月企業信頼感指数は95.5で、1月の97.7から低下した。貿易量の減少や小売り販売が不振だった。輸出入数量の顕著な減少、新車販売や小売売上高の減少が悪影響を及ぼした。一方、インフレ鈍化、コモディティー価格上昇、通貨ランドの小幅上昇は指数を支援した。

(テクニカル)
「2月28日-3月1日の上昇ラインを下抜くも、3月8日-9日の下降ラインを上抜き、切り返す」

日足は、2月28日-3月1日の上昇ラインを下抜くも、3月8日-9日の下降ラインを上抜き、切り返す。ボリバン中位。5日線下向き。2月8日-3月10日の上昇ラインがサポート。3月7日-10日、2月16日-3月7日の下降ラインが上値抵抗。
週足は、先週は5週ぶりに陰線。2月6日週-27日週、16年6月20日週-11月7日週の上昇ラインがサポート。上値抵抗は14年12月1日週-15年5月18日週の下降ラインであったが上抜いた。
月足は、16年6月-9月の上昇ラインがサポートで小刻みに上昇。ボリバン下限から上限に迫っている。
年足は、2008年-2011年の下降ラインを上抜いた。16年は最強通貨で陽線。06年-15年の下降ラインが上値抵抗だが近い。今年も陽転。

今週のワタシの「注目通貨ペア!」※チャートはクリックで拡大できます

今週の「注目通貨ペア!」

ドル円
NZドル円

【ドル円】 予想レンジ:109-114、今週は貿易統計。貯蓄率上がれば円高、G20もドル安円高の流れへ

今週は日本の2月貿易統計の発表がある。1月は季節的要因もあり、例年通り赤字となった。何か月ぶりと驚くべきことではない。2月は中旬までで輸出が前年比16.1%増加、輸入が4.6%減少と黒字拡大を示している。家計の貯蓄率が伸びていることも円高要因だろう。家計調査によると、貯蓄率を示す2016年の「黒字率」は27.8%と前年より1.6ポイント上がった。水準は01年以来15年ぶりの高さとなった。雇用改善で所得は緩やかに増えたが、高い年齢層の世帯を中心に節約志向が根強いことが浮き彫りになった。貯蓄率は高齢化に伴い1998年をピークに低下傾向にあったが、消費税率を8%に引き上げた2014年を底に反転した。貯蓄率の上昇は消費の減少となり、貿易黒字の増大から円高に繋がる(ISバランス論)。
最近は円高になっても株が下がらないという声もよく聞くが、円は年間通貨番付で11通貨中3位、株価は15市場中12位であることを見れば、やはり円高株安の相関関係はある。通貨が最弱のトルコは株価はダントツの首位、通貨10位の米国はナスダックが株価2位、ダウが同4位と強い。やはり通貨が安い方が経済成長に有利である。上述したように、G20が為替や貿易不均衡縮小をトップの課題としたことはドル安円高要因だろう。

(テクニカル)
「5連続陰線、ボリバン下限近い」

日足は、3月10日のボリバン上限を上抜いた後は陰線が多い。3月8日-9日、2月28日-3月8日の上昇ラインを下抜く。5日線下向き。ボリバン下位。3月15日-17日、3月14日-15日の下降ラインが上値抵抗。サポートはボリバン下限。
週足は、1月2日週-2月13日週の下降ラインは上抜けたが、2月27日週-3月6日週、16年11月7日週-17年2月27日週の上昇ラインは下抜く。16年9月26日週-11月7日週の上昇ラインがサポート。上値抵抗は15年6月1日週-15年11月30日週の下降ライン。
月足は、10月からの3か月連続陽線は崩れる。16年11月-12月の上昇ラインは下抜く。16年6月-11月、12年9月-16年6月の上昇ラインがサポート。15年8月-15年12月の下降ラインが上値抵抗。2012年10月-2014年8月のアベノミクス上昇ラインを下抜けている。
年足は、13年-14年の上昇ラインを15年中は下抜かなかったが、16年は下抜いて始まりそのままかい離し下落。12年-13年の上昇ラインも下抜く。2016年は終盤にきて下ヒゲが大きく伸びた。17年は陰線スタート。

【NZドル円】 予想レンジ:77-82、4QGDP弱く、今週は政策金利決定。本日は乳製品オークション

(ポイント)
*4QGDPは予想を下回った
*今週の政策金利決定は据え置きか
*年金受給年齢が67歳に引き上げられる予定
*3月末には2月の介入実績が報告される
*住宅価格は上昇も、オークランドでは下落
*NZ中銀の通貨高牽制、失業率の悪化、乳製品価格の下落などでNZドルが弱い
*IMFはNZの家計債務に警告した
*1月貿易収支は赤字
*4QはCPIもPPIも上昇
*4Q失業率は悪化。ただ労働参加率は過去最高となった
*財政赤字は税収増で縮小傾向にある
*S&PはAA格付を維持(ムーディーズはAaa)
*中国とのFTA拡大を協議中
*観光業が活況を呈し、GDPへの貢献度では乳製品輸出を上回るようになった
*政府は移民制限を開始
*財政健全で2年連続黒字
*先進国では高金利の部類、財政黒字で海外資金が流入

(市況)
NZドル円は7週連続陰線と弱い。4QGDPは予想を下回った。さらにNZ中銀の通貨高牽制、失業率の悪化、乳製品価格の下落などでNZドルが売られた。ただ、4Q失業率は悪化したものの、労働参加率は過去最高に。今週は政策金利の決定があるが、まだ住宅価格の上昇も続いていることから据え置きか。4QはCPIもPPIも上昇、IMFはNZの住宅ローンなどの家計債務に警告した。弱い指標が続くのは最近のことであり、もう少し様子見が中銀には必要だろう。最近はNZドルが下落しているので、利下げの必要もない。最近のNZドル下落に中銀が絡んでいるかは3月末の2月の介入実績を見たい。良い点は観光業が活況を呈し、GDPへの貢献度では乳製品輸出を上回るようになったことである。

(今週は政策金利)
CPIが漸くインフレターゲットのレンジ内に戻ったこと、住宅価格急騰やIMFなどの住宅バブル警戒論で利上げ観測があったが、4QGDPが予想を下回ったこと、失業率の悪化、乳製品価格の下落などもあり、今週の政策金利決定は据え置きになると予想する。

(年間通貨番付7位)
同じオセアニア通貨でも南アランドと首位争いをしている豪ドルと比べ、11通貨中7位と弱い。中銀の通貨高牽制発言と最近の弱い指標によるものだ。

(NZ中銀介入動向)
3月末に2月分の介入実績が公表される。

(住宅価格上昇、オークランドは下落)
不動産協会(REINZ)の2月住宅価格は前月比0.3%上昇した。前年同月比では14.1%の上昇となった。オークランドの住宅価格は前月比1.7%下落したが、前年比では11%上昇。オークランドを除くNZ住宅価格は前年比7.2%上昇。融資比率規制の効果が表れつつあり、銀行は融資を減らし、誰に貸すかや対象の不動産、融資条件について、より慎重に選別するようになっている。

(テクニカル)「7週連続陰線」

日足は、3月9日-15日の上昇ラインを下抜いて下落。3月10日の長い上ヒゲの高値にも届かなかった。サポートはボリバン下限。上値抵抗は3月2日-16日、3月10日-15日の下降ライン。5日線下向き。ボリバン下位。
週足は、7週連続陰線。1月30日週-2月13日週の下降ラインが上値抵抗。1月16日週-23日週の上昇ラインを下抜く。16年6月20日週-10月10日週の上昇ラインがサポート。
月足は、上値抵抗の15年12月-16年1月の下降ラインを上抜いた。16年6月-10月の上昇ラインがサポート。16年は月足の一目均衡表の雲の上に出られず。17年も同様。ボリバン上限から16年11月-17年1月の上昇ラインを下抜いて下落。
年足は、15年年足が大陰線。16年も下げていたが、トランプ氏の米大統領選挙勝利後に急速に下ヒゲを伸ばすも、陰線に終わった。13年-14年、12年-13年の上昇ラインを下抜き今年は陽線スタートしたが、3月に陰転している。

 

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