月曜 野村雅道の今週注目!の経済指標 マーケットが注目する指標を大胆解析

上半期(4-9月)のドル円下落は今年も健在。月末輸出勢にも注意。今年の米ドルは弱い。利上げと米ドル相場は関係がない

更新日:2017年5月22日

5月22日(月)-5月26日(金)

今週の予想:
ドル円=108-113、ユーロドル=1.10-1.15、ユーロ円=122-127

米ドル 「しっぺ返しに合うトランプ大統領。内憂ある中での外遊。ただ重要なのは経済指標と貿易需給」

良きも悪しきも大胆な政策、大胆な振る舞いのトランプ大統領だが、他人や他国に恨みを買うものも多く、そのしっぺ返しに遭うことで政策の遂行が滞る。トランプリスクは長く続きそうだ。“FAKE NEWS”とされたCNNは四六時中トランプ大統領関連ニュースを流している。解任されたコミー前FBI長官は議会で証言する予定。
トランプリスクで一時的に大きく相場が動くが、冷静に経済指標を見ると、時に弱いものが出るものの、総じてはまずまずのものが続き、FRBの年内2回程度の利上げを予想するものが多い。ただ貿易収支は大幅赤字なので、利上げ観測が高まっても、利上げしても、米ドルは上昇しないだろう。実際利上げで米ドルが買われるという予想が多い中、今年の通貨番付では8位前後で推移している。利上げのニュースが出ても影響は一時的で、米ドル安の傾向に変化はないようだ。
今週は初のトランプ大統領の外遊。中東、欧州を回り、NATOの会議、G7首脳会議に参加する。一対一外交ではそれほど異端なことは述べない大統領だと思う。内憂を外交の成果で相殺することもできないだろう。
我々は一つ一つの経済指標をチェックし続けて、それ以外のスキャンダラスな出来事は省き、米国の成長力の持続性や今後の貿易動向を確認したい。保護主義貿易では世界のモノ・カネの流れが変わり、大きな波乱があることは目に見えている(細かいことだが今朝は休み明けゴトビでドル需要あり、午前中は下落しにくい。後場は月末の輸出が出始める)。

ユーロ 「6月ECB理事会で出口戦略示唆か。膨大な貿易黒字でユーロは下がらない」

ドラギ総裁は、ECBがユーロ圏のインフレ押し上げへの取り組みで成功したと勝利宣言するのは時期尚早としながらも、テールリスクの後退を受けて、政策メッセージを変更する可能性を示唆した。
クーレECB専務理事は、インフレ率が目標である2%近くで安定すれば、雇用支援のために景気を過熱させるリスクをとることはできないとの見解を示した。バシリアウスカス・リトアニア中銀総裁は、インフレが回復軌道に乗ったと経済データから確認できれば、超緩和政策を続けるという現在の方針を見直すべきだとの考えを示した。ドイツ財務省のスパーン政務次官は、超緩和的な金融政策について、悪影響をもたらす副作用を回避したければ、早期に解除を開始すべきだとの見解を示した。徐々に超金融緩和策の変更の可能性が高まっている。
1QGDPは前年比1.7%増とまずまず。ユーロ圏5月ZEW景況感調査は改善した。ただ3月建設支出は弱かった。小売売上高も年初から増加傾向である。6月8日のECB理事会で政策変更が示唆される可能性は高い(6月8日は英国総選挙の投票日でもある)。
今週は製造業・サービス部門の5月分購買担当者景気指数(PMI)の発表がある。ユーロは常に膨大な貿易黒字を抱えている。そう簡単には下がらない通貨である。

英ポンド 「賃金の伸び悩みが利上げを妨げる要因(日本も同じ)。インフレ加速、財政は健全化へ進む」

4月消費者物価指数(CPI)は前年比2.7%上昇し、2013年9月以来の大幅上昇となった。昨年のEU離脱決定以降のポンド安や、原油価格の上昇を背景に、英国でのインフレは最近数カ月加速している。英中銀は、「賃金の上昇が物価のそれに追いつかず、所得の実質の伸びはマイナスとなるなど、家計にとっては一段と厳しさが増すだろう」との見方を示した。ただ、国内経済が過熱化していることを示唆するものは多くなく、政策金利を0.25%に据え置くことを決定した。石油など振れの大きい品目を除いたコアCPIは2.4%上昇と、13年3月以来の大幅な伸びとなった。また4月小売売上高指数は前月比2.3%上昇し、予想の1.0%上昇を上回った。1.4%低下だった3月からプラスに転じた。
さて保守党は、6月8日の総選挙に向けた政権公約を発表。2020年代半ばまでに英国の財政赤字を解消するとした。公約では「信頼できる財政と健全な通貨は、一国の経済を成功させるためには必要不可欠な土台だ」とし、総選挙後も、保守党はハモンド財務相が昨年末に発表した財政ルールを引き続き順守する方針で「2020年代半ばまでに財政を健全な状態にもっていく」とした。ハモンド財務相は2016年11月の初めての予算演説で、21/22年度までに財政赤字をGDP比で0.7%まで縮小し、その後は可能な限り速やかに赤字をなくすことを目指すとしていた。
3月末で終了した年度は、財政赤字がGDP比で2.6%だった。保守党が政権の座に就いた2010年の10%から大きく低下している。税金では、これまでの計画通り、付加価値税(VAT)は引き上げることなく、法人税率を20年までに17%に引き下げるとした。

人民元 「株価の伸び悩みが気がかり。一帯一路で保護主義否定。鉱工業生産伸びず、小売売上高はまずまず」

4月鉱工業生産は前年比6.5%の伸びとなり前月から減速。1-4月の固定資産投資は前年比8.9%増。また、4月小売売上高は前年比10.7%増となったが、3月の10.9%から減速。いずれも予想を下回った。
中国当局の2017年の目標は、固定資産投資で9%前後、小売売上高で10%程度としている。中国国家統計局は、1-4月は都市部で465万の新規雇用が創出され、4月の中国経済についてより多くの明るい要因が見られた、とする一方で、構造問題はなお残る、中国経済は妥当なレンジ内で成長している、と指摘した。
中国が掲げる現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」に関する国際協力サミットフォーラムで、習近平国家主席は冒頭、「開放的な協力を堅持し、排他的にならず保護主義に反対しなければならない」と強調した。トランプ米政権を意識した発言と見られる。習氏は「この構想は私の世界情勢に対する考察から生まれた。世界が直面する問題を国家が単独で解決することはできない」と述べた。
首脳会合にはロシアのプーチン大統領やフィリピンのドゥテルテ大統領ら中国国外から29カ国の首脳が参加。ただG7の内、首脳が参加したのはイタリアだけで、新興5カ国(BRICS)も中露2カ国の参加にとどまった。
住宅価格の高騰や、やや上昇しているCPIもあり、金融引き締め感から、最近の株式市場は上昇を抑えられている。また、今年のドル・人民元相場は安定し、6.8台を中心に動いている。

豪ドル 「利上げに踏み切れず、さりとて利下げもできない。今年は比較的安定推移する豪ドル」

依然、豪ドルは安定している。対円では弱いが、対ドルでは強い。4月雇用統計では、就業者数は前月比3万7,400人増加し、予想の5,000人増を大きく上回った。失業率は5.7%と、4カ月ぶりの低水準。予想は5.9%。ただ、フルタイム就業者数は前月比1万1,600人減少。一方、パートタイム就業者数は4万9,000人の増加となった。5月RBA議事要旨では、パートタイム就業者数の増加は、賃金の伸びが過去最低となっている一因と見られており、国内消費の鈍化につながっているとされた。
RBAは追加利下げによって不動産バブルが加速するとの懸念から、昨年8月の利下げ以降、政策金利を据え置いている。RBAは来年初めまでにコア・インフレ率が上昇することに自信を示す一方で、高水準の家計債務と軟調な労働市場を巡る懸念から、金利を据え置いたことが明らかになった。いつものように豪ドルの上昇は見通しを複雑にするとも表明した。
時折豪ドルが弱含み推移する要因としては、鉄鉱石価格の下落がある。今年は90ドルから60ドル台へ下落し、先週は下げ止まった。
S&Pは豪の格付を「AAA」で据え置いた。財政収支を黒字に転換できるかどうかは引き続き不透明だが、政府債務が少なく、「豊かで底堅い経済」としている。政府は先週、2020/21年度の財政収支が、約10年ぶりに小幅な黒字になるとの見通しを示したが、S&Pは「与信・住宅価格の急激な伸びが続いた場合に、経済・財政・金融安定の見通しに生じるリスクと、政府の財政健全化計画のリスクを踏まえ、格付見通しは引き続きネガティブとする」と表明した。

NZドル 「ファンダメンタルズより通貨が弱い。小売売上好調、乳製品価格上昇も、ロシアゲートやブラジル政局でリスクオフ」

詳細は後述致します。

南アランド 「財務相更迭、格下げあっても打たれ強い。今週はCPIと政策金利」

3月小売売上高は3カ月ぶりに前年比プラスとなり、1Qのリセッションを回避する可能性も出てきた。昨年4Qは、前年比マイナス0.3%の成長率だった。今週は4月消費者物価指数(CPI)と政策金利の発表がある。南アCPIは16年2月の7.0%上昇からは次第に低下している。昨年後半からは干ばつの影響もあり、6%半ばもあったが、干ばつも収束し、インフレターゲットの上限の6.0%近くまで低下。今週の4月CPI予想は5.6%であり、実現すれば16年8月の5.9%以来の3%-6%のターゲット内に収まることとなる。2017年の成長率については1.1%、18年は1.7%と低く、景気刺激には利下げが望まれるが、中銀はややタカ派であり、賃金の上昇具合を見ながら慎重な姿勢を示すだろう。
ゴーダン財務相の突然の解任騒ぎで一時ランドは急落。格下げもあったが、資源高と貿易黒字でランドを支えている。今後の焦点は、1Qがリセッションを回避できるかどうか、ムーディーズの格付判断、ズマ大統領の不信任案決議が記名式・無記名式のどちらに決定するかなどがある。注意すべき外部要因としては、同じ新興国ブラジルの大統領の汚職問題でのレアル下落の影響など。

トルコリラ 「元祖剛腕。トランプ大統領より強気のエルドアン大統領(米との首脳会談)。指標は改善。問題はテロ、治安問題」

トルコの2月失業率は13.0%から12.6%へ改善した。経済指標では製造業、消費者信頼感指数、小売売上も強い。政府の17年成長見通しは4%と高い。昨年のテロで落ち込んだ観光業も回復の兆しが出始めている。やはりその回復の動きを妨げるとしたら「治安の悪化」となる。大統領の権限強化で反政権とみなす勢力への大規模弾圧を続ければ、再びテロが発生する可能性も高まってくるだろう。
さて、エルドアン大統領が先週トランプ米大統領と会談した。シリアで活動するクルド人民防衛隊(YPG)から攻撃を受けた場合、独自に行動する方針を示したと伝えた。エルドアン大統領の訪米前、トランプ大統領はシリアで過激派組織「イスラム国」(IS)と戦っているYPGに武器を供与することを承認。YPGを国内で反政府活動をしているクルド労働党(PKK)傘下のテロ組織とみなすトルコは反発していた。
先週下げる場面もあったが、同じ新興国ブラジルの大統領の汚職問題でレアルが下落したことからであった。

【今週の注目経済指標】

5/22(月) (日)4月貿易統計
5/23(火) (スイス)4月貿易収支 (独)1-3月期GDP・確報値、5月製造業購買担当者景気指数(PMI)、5月サービス部門購買担当者景気指数(PMI)、5月IFO景況感指数
(仏)5月企業景況感指数、5月製造業購買担当者景気指数(PMI)、サービス部門購買担当者景気指数(PMI)
(ユーロ圏)5月製造業購買担当者景気指数(PMI)、5月サービス部門購買担当者景気指数(PMI)
(英)4月財政収支
(加)3月卸売売上高
(米)4月新築住宅販売件数、5月リッチモンド連銀製造業指数
5/24(水) (NZ)4月貿易収支
(スイス)1-3月期鉱工業生産
(南ア)4月消費者物価指数(CPI)
(加)政策金利
(米)3月住宅価格指数、4月中古住宅販売件数、FOMC議事要旨
5/25(木) (南ア)政策金利、4月卸売物価指数(PPI)
(英)1-3月期GDP・改定値
(米)新規失業保険申請件数、4月卸売在庫
5/26(金) (日)4月全国消費者物価指数(CPI)、5月東京都区部消費者物価指数(CPI)
(米)4月耐久財受注、個人消費・改定値、1-3月期GDP・改定値、1-3月期GDPデフレーター・改定値、1-3月期コアPCEデフレーター・改定値、5月ミシガン大学消費者態度指数・確報値

先週の「注目通貨ペア!」の振り返り

先週の「注目通貨ペア!」

ドル円 南アランド円

【ドル円】予想レンジ:111-116、GDPは5四半期連続のプラス成長か。貿易統計にやや異変、G7やロス商務長官の貿易不均衡是正発言、北朝鮮は?

トランプ大統領政権とロシアとの不適切な関係を指摘する報道があり、米国の今後の不透明感が強まった。同大統領の弾劾を求める民主党議員も出てきた。大統領経済政策の実行も危ぶまれ、ドル円は5週間ぶりに大きく下落した。

先週の予想は以下の通り

14日、北朝鮮が再びミサイルの実験を行った。予測不能な国なので一触即発の危険はある。ただ開戦すれば北朝鮮の終わりの始まりである。
今週は日本の1-3月期国内総生産(GDP)1次速報が発表される。予想は前期比+0.4%、年率+1.8%。民間最終消費支出や外需の寄与を支えに、5四半期連続のプラス成長となる見通し。上振れれば、日本株を後押しする材料になる。
国内企業の決算発表は一巡。決算内容を評価した長期投資家の買いが入るか注目される。週末のニュースではコンビニエンスストア各社による日用品の値下げが相次いでいるとの報道があった。最大手のセブン-イレブン・ジャパンが4月中旬に61品目の価格を引き下げたのに続き、ローソンが今月8日から、ファミリーマートとミニストップが15日からそれぞれ30品目近い日用品の値下げを実施する。消費者の節約志向を踏まえて他業態より割高感の強かった商品を中心に価格を下げ、値引き販売などによる買い得感で顧客を引きつけるスーパーやドラッグストアに対抗する。消費者の節約志向は強く、物価を押し上げるのは難しい。
週末のG7では通貨安や貿易不均衡にクギをさされた形だ。3月のG20、今回と、貿易・為替問題が声明の第一段落に取り上げられることは、米国の意欲の表れか。
今年は年初来円高が進んでいるが、4月以降はやや巻き戻されている。輸入が増えていることも一因。今年も貿易収支は黒字だが縮小している。今年になってからは輸入の伸びが輸出を大きく上回っている。昨年のOPEC諸国などの減産合意で原油価格が30ドル台から50ドル台へ上昇したのが、輸入増加に影響している。最近は原油価格がやや下落しているが、実際の貿易収支に反映するまでは時間がかかる。
米商務省は、3月の貿易統計で対日貿易赤字が前月比33%増えたことで「米国はこの膨張した貿易赤字にもはや耐えられない」とするロス商務長官の声明を発表。自由貿易協定(FTA)を含めた日本との2国間協議を促す異例のけん制だといえる。米商務省の「耐えがたい水準に達したメキシコや日本との貿易赤字」と題した声明では、対日貿易赤字は2月から3月にかけて「16億ドル増えた」と指摘した。3月の対日貿易赤字は64億9,200万ドルで、2月の48億8,000万ドルから33%増え、国別では中国、メキシコに次ぐ3番目の大きさだった。

テクニカル

「久々の連続陰線。4月19日-21日の上昇ラインも下抜きそうだ」

日足は、5月8日-9日の上昇ライン、4月19日-21日の上昇ラインも下抜きそうだ。5月11日-12日の下降ラインが上値抵抗。5日線上向き。ボリバン上位。久々の連続陰線。
週足は、3月13日週-4月10日週の下降ラインは上抜く。4月17日週-24日週の上昇ラインがサポートだが、今週下抜くか。1月2日週-3月6日週の下降ラインを上抜いた。3月6日週-5月8日週の下降ラインが上値抵抗。
月足は、4カ月連続陰線ならず。4月は下ヒゲを伸ばし、僅かの値幅だが陽線となった。5月はそれに呼応して上昇スタート。16年6月-11月、12年9月-16年6月の上昇ラインがサポート。17年1月-3月の下降ラインを上抜いた。2012年10月-2014年8月のアベノミクス上昇ラインを下抜けている。15年12月-17年1月の下降ラインが上値抵抗。
年足は、2012年-2013年の上昇ラインを下抜く。ただ2016年は終盤にきて下ヒゲが大きく伸びた。2017年は陰線スタート。2015年-2016年の下降ラインに沿う。2013年-2016年の上昇ラインがサポート。

【南アランド円】 予想レンジ:8.0-9.0、格下げの影響は大きくない

堅調だった3月小売売上高など良い材料もあったが、同じ新興国のブラジルで大統領汚職問題が出てブラジルレアルが急落し、南アランドも連れ安となった。

先週の予想は以下の通り

ポイント

今週は3月小売売上高の発表がある
格下げあるも、資源高と貿易黒字でランドを支える
貿易収支は、16年は6年ぶりに黒字、17年も1-3月で黒字
2016年は南アへの投資は流入超で南アランドを支えている
今年は資源価格もプラス圏内で推移している
CPIは干ばつが収束し低下するも、まだインフレターゲットの上限を超えているので金融緩和はない
S&Pとフィッチが南アの格付を投機的水準に引き下げ
ムーディーズの格付判断はなされていない
ズマ大統領の不信任案決議は先送りされている
4月PMIは低下
自動車販売は冴えない
COSATUがズマ大統領へ辞任要求
ズマ大統領は内閣改造を発表。財政路線で対立するゴーダン財務相を更迭
4Q経常収支は改善
中銀の2017年成長率予想は1.1%、インフレ予想は5.8%
次期大統領候補の一人はズマ大統領の元妻である。対抗はラマポーサ副大統領
今年は12月に与党ANCの党首選がある

トピックス

CPI

CPIは低下するも、まだインフレターゲットの上限を超えているので金融緩和はない。夏の干ばつが終わり、食料品価格の低下が起きている。

格付問題

S&Pとフィッチが南アの格付を投機的水準に引き下げたが、ムーディーズの格付判断はなされていない。

ズマ大統領不信任案問題

4月18日に採決される予定だったズマ大統領の不信任案決議は先送りされている。最大労組のCOSATUはズマ大統領へ辞任を要求している。投票方式が、無記名か記名かで議論されている。無記名となると、ANC内部から造反者が出て、ズマ大統領不信任案が可決される恐れを与党ANCは恐れている。

成長率、インフレ

中銀の2017年成長率予想は1.1%、インフレ予想は5.8%。4月PMIは低下し、自動車販売は冴えない。

ANC党首選挙

2017年12月にANC党首選が行われ、党首は大統領へ選任される。次期大統領候補の一人はズマ大統領の元妻である。対抗は現副大統領のラマポーサ氏。

貿易収支

貿易収支は、16年は6年ぶりに黒字、17年も1-3月で黒字となり、財務相更迭騒ぎで下落したランドを支えている。今年は資源価格もプラス圏内で推移している。2016年は南アへの投資は流入超で南アランドを支えていた。

南アの資源、生産量と埋蔵量

出典:在南アフリカ共和国日本大使館

テクニカル

「上窓開けは埋めるも再びボリバン上限へ」

日足は、4月24日に上窓開けるも、その後埋める。5月2日-3日の上昇ラインを下抜いて下げるも、逆に5月2日-3日の下降ラインを上抜いて戻す。ボリバン上限で小反落。5日線上向き。5月5日-5月9日の上昇ラインがサポート。5月11日-12日の下降ラインが上値抵抗。
週足は、ボリバン上限に近づいた後、2月6日週-27日週の上昇ラインを下抜いた。連続陰線で一気にボリバン下限へ。4月10日週-4月17日週の下降ラインを下抜くが2週連続陽線で戻す。
月足は、ボリバン下限から上限に迫っていたが、3月は上ヒゲの長い陰線で終える。4月は16年6月-9月の上昇ラインを下抜くも長い下ヒゲで、そのラインまで巻き返し。5月は3月-4月の下降ラインを上抜けてのスタート。
年足は、2008年-2011年の下降ラインを上抜いた。2016年は最強通貨で陽線。2006年-2015年の下降ラインが上値抵抗だが近い。今年陽転スタートも、ゴーダン財務相更迭で陰転。

今週の「注目通貨ペア!

今週の「注目通貨ペア!」

ドル円 NZドル円

【ドル円】 予想レンジ:108-113、貿易統計にやや異変あり、ただ消費減退政策は円高要因

5月14日に続き、5月21日も北朝鮮がミサイルの実験を行った。予測不能な国なので一触即発の危険はある。ただ開戦すれば、北朝鮮の終わりの始まりである。
円については本日の4月貿易統計を見たい*。昨年同様、今年もここまで貿易黒字になっていて円高が続いているが、その円高のスピードが去年より鈍いのは、輸入が少しずつ伸びているからだろう。昨年30ドル台から50ドル台まで上昇した原油価格の影響が輸入の増加となり、貿易黒字幅を縮小させている。また逆に少しずつ原発が再稼働されていることも気をつけたい。原発再稼働は後に輸入の減少で円高に繋がる。(* 結果:4,817億円/予想:5,207億円)
日本の企業決算は良いようだ。ただこれと為替相場は関係がない。あくまでも輸出と輸入の差額が重要で、景気の良し悪しと為替相場は関係がない。また、企業の想定為替レートがよく話題になるが、これも相場とは関係のない話題だ。
今週はCPIが発表される。CPIの上昇は原油高や増税や社会負担増によるもので、日銀の政策とは関係がない。スーパーやコンビニはまだ価格を引き下げる計画を策定している。
トランプ大統領が新しい駐日大使に指名したハガティ氏は、貿易赤字を削減するため、日本の市場開放に意欲を示すと発言した。農産物の関税の引き下げや、自動車市場の非関税障壁の見直しなどを取り上げた。農産物の関税が下がれば、米国からの輸入品が増え、物価は下落する。今年の夏のボーナスは減少する見込みである。賃金は伸び悩み、社会負担が増え、老後の不安でお金を使わなくなり消費が減退している。マイナス金利ではお金は使わないというか、使えないのは、これまで述べた通りである。マイナス金利で貯蓄が増える日本。消費が盛り上がらなければ、円安はないのは経済理論である(ISバランス論)。

テクニカル

「想定通り4月19日-21日の上昇ラインを下抜き、さらに下値模索中」

日足は、5月17日の大陰線の戻しも僅か。5月16日-17日の下降ラインが上値抵抗。4月17日-5月18日の上昇ラインがサポート。ボリバン下位、5日線下向き。
週足は、想定通り4月17日週-24日週の上昇ラインを下抜いた。3月6日週-5月8日週の下降ラインが上値抵抗。16年11月7日週-17年4月17日週の上昇ラインがサポート。
月足は、4カ月連続陰線ならず。4月は下ヒゲを伸ばし、僅かの値幅だが陽線となった。5月はそれに呼応して上昇スタートであったが再び売り圧力がかかっている。2016年6月-11月、2012年9月-2016年6月の上昇ラインがサポート。2017年1月-3月の下降ラインを一時上抜いたが、再び下抜く。2012年10月-2014年8月のアベノミクス上昇ラインを下抜けている。2015年12月-2017年1月の下降ラインが上値抵抗。
年足は、2012年-2013年の上昇ラインを下抜く。ただ2016年は終盤にきて下ヒゲが大きく伸びた。2017年は陰線スタート。2015年-2016年の下降ラインに沿う。2013年-2016年の上昇ラインがサポート。

【NZドル円】 予想レンジ:74-79、ファンダメンタルズより通貨が弱い。小売売上好調、乳製品価格上昇も、ロシアゲートやブラジル政局でリスクオフ

ポイント

小売売上好調、乳製品価格上昇も世界的リスクオフで弱い
中銀総裁補は「極めて強い不確実性」が金融政策の軌道の想定を困難にしているとした
CPIの公表を四半期ごとから月ごとに変更する案がある
TPP参加11カ国が米国抜きで協定を推進していく
政策金利は予想通り据え置かれた
中銀は今後のインフレの低下見通しを発表
中銀は緩和政策の長期化を示唆
1Q雇用統計はまずまず
1QCPIは5年ぶりの高水準となった
李首相訪問により対中で経済関係強化
4QGDPは予想を下回った
IMFはNZの家計債務に警告した
財政赤字は税収増で縮小傾向にある
S&PはAA格付を維持(ムーディーズはAaa)
観光業が活況を呈し、GDPへの貢献度では乳製品輸出を上回るようになった

市況

政策金利は予想通り据え置かれたが、NZドルは下落した。中銀が今後のインフレの低下見通しを発表し、緩和政策の長期化を示唆したからだ。1Q雇用統計はまずまずで、1Q消費者物価指数は5年ぶりの高水準となったこと、乳製品オークションは5回連続で価格上昇していたので、中銀のコメントは意外感があり、NZドルの下落を誘った。ただ4QGDPは予想を下回った。米国がカナダの木材や乳製品に高関税をかけたことで、輸出品目が似通っているNZも連想で売られることとなった。今週はイングリッシュNZ首相が来日している。

マクダーモットNZ中銀総裁補、CPIの発表について

マクダーモットNZ中銀総裁補は「極めて強い不確実性」が金融政策の軌道の想定を困難にしているとの考えを示し、インフレ統計をより頻繁に検証することができれば、同中銀の任務は達成しやすくなると述べた。
中銀は、政策金利を過去最低の1.75%に据え置くとともに、予想に反して中立的なスタンスを維持した。国内の好調な経済指標が、中銀による一段とタカ派的な姿勢を正当化すると見ており、見解の相違が目立ってきている。
中銀の引き締め開始時期について、調査対象のエコノミスト16人の内、およそ半数が2018年半ばを予想していたが、中銀の政策金利見通しは、次の一手が19年終盤の利上げであることを示している。
マクダーモット総裁補は「不透明感は依然強いものの、17年5月現在、政策金利が当分は安定的に推移するというのが、最も有力なシナリオ」とした上で、中銀のアプローチは柔軟で、新たな情報が公表され次第、素早く動くことができると述べた。ただ、主な先進国のように、消費者物価指数(CPI)が月次で発表されれば、中銀の予測能力が著しく改善するとも指摘した。NZでは、CPIは四半期ごとに発表されている。
総裁補は「見通しの改善を限定している1つの大きな要因が経済指標だ。われわれがインフレ目標に使用しているマクロ経済統計は、30年以上にわたり、基本的に変わっていない」と述べた。

今週の指標

1Q小売売上は前期の+0.9%の改定値、予想の+0.9%を上回る+1.5%となった。1QPPIは前期の+1.5%とほぼ同じの+1.4%で、依然低水準にある。またANZの5月消費者信頼感指数は123.9となり、前月の121.7から上昇した。低失業率と住宅価格の上昇で人々の楽観度が高まったと見られている。指数は100を上回ると楽観、下回ると悲観を示す。今後2年間の期待インフレ率は3.6%で、前回調査の4%から低下した。

TPPは

マクレー貿易相は、TPP参加11カ国が米国抜きで協定を推進していくことについて、楽観的な見方を強めていることを示唆した。11カ国は今週末、アジア太平洋経済協力会議(APEC)貿易相会合に合わせて会合を開き、協定の推進方法を協議する予定。マクレー貿易相は「会合で重大な決定が下るとは予想していないが、推進方法に関しては、非常に明確な方向性が出ることを期待している」と述べた。
貿易相は、当初見通しの来年3月までの発効は引き続き妥当だと指摘。現時点では日本とNZしか批准していないが、他国も続くだろうと予想し、「多くの参加国と話をし、訪問もした。いずれも現段階で協定に関心があると話しており、これを継続していきたい」と述べた。最も課題が大きいのはベトナムとマレーシアと見られている。両国は米国市場へのアクセスが拡大することにメリットを見出していたが、米国の離脱により恩恵が薄れた。
マクレー貿易相は最近両国を訪問したといい、「両国の関心が2カ月前より高まっているのは確実だと感じる」と述べた。

自由貿易網の拡大戦略

NZは自由貿易網の拡大戦略を加速している。米国抜きの11カ国による早期発効を目指すTPPだけでなく、中国との2国間の自由貿易協定(FTA)改定交渉も推進。アジア太平洋の貿易ルール作りを主導し、自国に有利な条件を得る狙いと見られる。TPP参加国の内、日本などとは2国間のFTAがないが、米国抜きでもTPPが発効すれば、牛肉や乳製品の輸出競争力が高まり、商機が広がると見ている。
3月末には、2030年までにモノの輸出額に占めるFTA締結国との貿易額割合を53%から90%に引き上げる目標を打ち出した。ASEANとの協定改定なども含めて全方位でFTAを強化し、貿易立国を目指す戦略を推進している。
中国にも接近している。3月下旬に牛肉や羊肉などの対中輸出拡大で合意。中国主導の広域経済圏構想「一帯一路」の協力覚書に主要先進国で初めて署名した。4月にはFTAの深化に向けた交渉も始めた。

乳製品価格が5回連続上昇支

乳製品大手のフォンテラ社のオークションで価格は5回連続上昇した。

テクニカル

「先週末は連続下ヒゲ」

日足は、他のクロス円と異なり4月24日の上窓空けはすぐ埋める弱さ。その後上昇するも、5月10日のボリバン上限上抜きから下落し、ボリバン下限近くまで下落。ただ先週末は連続で下ヒゲは残す。5月10日-16日の下降ラインが上値抵抗。5月18日-5月19日の上昇ラインがサポート。5日線下向き。
週足は、1月30日週-2月13日週の下降ラインは上抜いた。5月8日週の長い上ヒゲで先週は下落。4月10日週-17日週の上昇ラインがサポート。
月足は、3カ月連続陰線。2016年6月-10月の上昇ラインを下抜けた。2016年は月の一目の雲の上に出られず。2017年も同様。ボリバン上限から2016年11月-2017年1月の上昇ラインを下抜いて下落してきた。今月はここまで長い上ヒゲ。
年足は、2015年年足は大陰線。2016年も下げていたが、トランプ氏の米大統領選挙勝利後、急速に下ヒゲを伸ばすも、陰線に終わった。2013年-2014年、2012年-2013年の上昇ラインを下抜き今年は陽線スタートしたが、3月から陰転している。