月曜 野村雅道の今週注目!の経済指標 マーケットが注目する指標を大胆解析

北朝鮮問題、トルコ国民投票、G20、日米経済対話、中:GDP、日:貿易統計、豪:RBA議事録、NZ・南ア:CPI、ユーロ圏:PMI、米:ベージュブック、仏:大統領選挙

更新日:2017年4月17日

4月17日(月)-4月21日(金)

今週の予想:
ドル円=105-110、ユーロドル=1.04-1.09、ユーロ円=113-118

盛りだくさんである。様々なトピック、イベントがあるが、為替相場の基調を決めるのは貿易収支である。G7、G20のみならず、米国の為替政策も貿易収支を基にして決定する。そうであるからして、米国は1ドル360円から100円を割ってもドルは強い、円は安いと主張する。北朝鮮、シリア問題、欧州の選挙、トルコ国民投票、南ア格下げなど派手で大きく見える問題もあるが、それらが為替相場に与える影響は一時的である。今週は日本の貿易統計の発表がある。

米ドル「ドル安・株安はFOMCやトランプ大統領の思惑通り。金融市場の公約は果たしている」

米国の思惑通りの相場展開である。1月のFOMCではドル高は景気の下振れ要因とあり、3月は株高に懸念を示した。トランプ大統領は「ドルは強すぎる」、「金利が引き続き低水準にあることを望む」とした。トランプ大統領は公約を殆ど実現できず、支持率も低下しているが、為替や金利は発言通り動いている。株価はFOMCが示唆するように下落した。イエレン議長は経済を過熱させることなく健全な成長を維持するため、緩やかなペースで利上げすることを計画しているとの見解を示した。3月の消費者物価指数(CPI)は、▲0.3%と前月比0.4%低下し、2016年2月以来、13カ月ぶりのマイナスとなった。ガソリンや携帯電話サービスの値下がりが、賃貸や食品価格の上昇を相殺した。変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアCPIは、▲0.1%と前月比0.3%低下し、2010年1月以来のマイナスとなった。利上げを急ぐ必要がないと市場も理解し、米金利は低下した。
さてサマーズ元米財務長官は、相場のピークを予想するのは難しいとしながらも、市場のバリュエーションは最近数カ月の間に経済実態を上回る水準に達した、との見方を示した。「ここ数カ月に見られた度合いの市場動向を、経済の何が正当化するのか、私には不明だ。人々が振り返って、バリュエーションの一部が少しばかりシュガーハイ(糖分による興奮状態)だったと認識しても私は驚かない」と発言した。
サマーズ氏は、市場では現在、上振れの可能性より下振れのリスクが大きいと分析。欧州の政治やアジアの不確実性、米国での法整備を進める上での問題点を踏まえると、「一定の懸念」があるとし、「現時点では私には、ダウンサイドのサプライズの余地が大きくなっているように見える」と話している。
さて、これもトランプ大統領の「アメリカファースト」ではない動きだが、シリア空爆と北朝鮮への空母派遣を行った。「世界の警察」へ戻らざるを得ない状況となっていたことによるものだが、これも公約違反と批判されたり、財政悪化の一因となったりするだろう。また中国を為替操作国と認定するとしていたが、北朝鮮問題で中国の協力を要することもあったのか、認定を見送った。ある意味では普通の大統領になってきている。
今週はベージュブックに注目したい。ドル相場への言及があるかもしれないからである。

ユーロ「仏大統領選挙へ。出口戦略論争続く。経済指標は改善」

仏大統領選に関する最新の世論調査(オピニオンウェイ、14日付け)によると、第1回投票の支持率は、極右政党・国民戦線(FN)のルペン党首が24%、中道系独立候補のマクロン前経済相が23%、共和党のフィヨン氏は20%、急進左派のメランション氏が18%となった。また決選投票では、マクロン氏対ルペン氏の場合、62%対38%でマクロン氏勝利、フィヨン氏対ルペン氏の場合、58%対42%でフィヨン氏勝利となる見込み。
さて、独5大経済研究所は、成長率見通しを上方修正。今年の成長率を従来予想の1.4%から1.5%に、2018年を同1.6%から1.8%にそれぞれ引き上げた。また、独経済省は1Qの経済は好調な工業部門と雇用増により成長スピードが加速したとの認識を示した。独4月ZEW景況感調査は19.5と、前月の12.8から大幅上昇し、2015年8月以来の高水準を記録した。
現在ECBではドラギ総裁らの超金融緩和派と、出口戦略を求める独勢とで意見が分かれている。ドラギ総裁は、ユーロ圏の物価の基調は引き続き弱いなどとして、今の金融政策を見直す必要はないとした。ただ最近の指標からは、徐々に出口へ向かわざるを得ないようだ。
またギリシャに対する追加支援の条件となる改革について、同国政府とユーロ圏債権団が大枠合意した。
今週はユーロ圏の製造業購買担当者景気指数(PMI)、サービス部門購買担当者景気指数(PMI)の発表がある。

英ポンド「悲観的な見通しが多いが、実際はそれほど弱くもない」

成長率、インフレ指標も若干想定以上である。ただ賃金の伸びは鈍いと言われている。12月-2月の英賃金は前年比2.3%上昇し、予想の2.2%上昇を上回ったが、インフレ率を考慮した賃金の伸びは0.2%にとどまった。12月-2月の英失業率(ILO方式)は4.7%で、予想と一致した。英のEU離脱により、今後EUとの関係がどのようになるかが明確になるまで企業は採用を控えると見られていて、今年失業率は上昇すると予想されている。3月の失業保険申請件数は2万5,500件に増加。2011年7月以来の大幅な伸びを記録した。
英中銀も楽観的ではなく、カーニー総裁はインフレ加速に伴い消費者の需要が減退するか、注視する姿勢を示した。英経済の強さに関して、消費者の需要の強さが重要との認識を示し、「それが緩やかに減速する兆しが出ている。それはわれわれが予想していることだが、今後注視していく」と述べた。EU離脱決定時より悲観的な予想が多く、今も続いている。ただ実際は、成長率などは力強さも出ている。株価も弱くはない。意外と上手く回っていくのではないかと思う。

人民元「北朝鮮を抑制できるか。為替操作国とならず。今週はGDPの発表」

米中首脳会談では「両首脳は米国の対中貿易赤字の是正に向け、100日計画を策定する」、「外交・安全保障、経済、サイバー安全保障、人的交流の四つの分野でのハイレベル対話協力メカニズムを新たに立ち上げる」ことで合意した。大きな波乱はなかった。米財務省は14日、主要貿易相手国・地域の為替政策に関する半期の報告書を発表した。対米貿易黒字が多い中国や日本などの6カ国・地域を監視対象に指定し、過度の円安やユーロ安を牽制した。中国を制裁対象の「為替操作国」と認定するのは見送った。米国は北朝鮮問題での中国の協力への配慮もあったのだろう。中国外務省は「中国が元々、為替操作国でないことは客観的事実だ。我々は元を切り下げて輸出を刺激するつもりはない」と述べ、通貨安競争はしないと強調した。
3月貿易統計は、輸出と輸入ともに予想を超える伸びを示し、貿易黒字も予想を大きく上回った。ドル建て輸出は前年同月比16.4%増。ドル建て輸入は前年比20.3%増。貿易収支は239億2,500万ドルの黒字。予想は125億ドルの黒字だった。3月CPIは予想の前年同月比1.0%を下回る0.9%で、目標の3%には遠く、住宅価格高騰を抑制したいが、金融引き締めも出来ないだろう。今週はGDP、鉱工業生産、小売売上高の発表がある。
GDP予想は6.8%。年間目標が6.5%なので予想通りなら申し分ないところだ。
米韓両軍によると、北朝鮮が16日午前6時21分に東部・新浦付近から弾道ミサイル1発の発射を試みたが、失敗した。中国の王毅外相は、朝鮮半島情勢が取り返しのつかない事態に陥るのを防ぐ必要がある、との見解を示しているが、何か行動にでるのだろうか。

豪ドル「3月雇用統計はまずまず。鉄鉱石価格が下落、今週はRBA議事要旨」

詳細は後述致します。

NZドル「今週の注目はCPI、NZドルは対円で弱いが、米ドルより強い」

今週の焦点は4月20日のCPI。予想は前年比で2.0%。予想通りとなればインフレターゲットの1-3%のちょうど真ん中となり中銀としても心地よい水準となる。中銀は2月にNZドルの下落を望む声明を出したが、そこから約4%、NZドルが対ドルで下落している。ただ中銀の介入はなし。輸出の増加、インフレ上昇を望む中銀の思惑通りとなっている。乳製品価格も下げ止まった。NZ経済に大きな影響を与える中国との関係は、李首相のNZ訪問でさらに経済関係が強化されることとなった。懸念は住宅価格の高騰であり、IMFはNZの家計債務増大を警告した。中国資本の不動産購入や中国からの移民の住宅購入も価格上昇の要因で、中銀は投機的な購入を抑制する政策を打ち出しているが、まだ大きな抑制効果はない。
2月からの通貨下落の要因には、4QGDPや失業率の悪化もあった。財政赤字は税収増で縮小傾向にあり、S&PはAA格付を維持(ムーディーズはAaa)。観光業が活況を呈し、GDPへの貢献度では乳製品輸出を上回るようになったという良い材料もある。年初来では対円で約6%下落しているが、対ドルでは約1%の上昇となっている。通貨については大きな問題はなくなってきている。

南アランド「先週は最強通貨。格下げ対策、大統領不信任案投票延期で通貨・株価が急反発。今週はCPI」

格下げ対策に新財務相が動き出した。元々財務相更迭によるジャンク級への格下げで通貨は下落したが、長期金利は小動き、株価は上昇で、格下げが悲惨な結果には至らなかった。新財務相のこれ以上の格下げ回避のための行動(財政緊縮策は堅持など)で、為替市場は落ち着きを取り戻し、株価は急騰した。また18日の大統領不信任案の決議は無記名投票にするか、最高裁の判断を待つために延期されたが、無記名投票となればズマ大統領の辞任に繋がると思惑され、ランドが買い戻された。ズマ大統領の辞任観測は好感される状況となっている。最大の労組COSATUはズマ大統領へ辞任要求を突きつけている。
今週はCPIの発表がある。4Q経常収支は改善、2016年は南アへの投資は流入超で南アランドを支えている。中銀の2017年成長率予想は1.1%、インフレ予想は5.8%。次期大統領候補の一人はズマ大統領の元妻である。今年は12月に与党ANCの党首選がある。

トルコリラ「大統領権限強化の憲法改正が、国民投票で僅差の可決。反対派の反発あり。通貨は最下位、株価は首位」

トルコの憲法改正の是非を問う国民投票が16日に実施され、開票率98.95%で、賛成票51.34%、反対票48.66%。賛成が反対を上回った。改憲を推進してきた与党・公正発展党(AKP)のユルドゥルム首相は、反対が賛成を上回ることはないと判断し、16日夜、勝利宣言をした。一方、改憲に反対してきた野党側は「投票に不正があった」として票の数え直しを求めていて、今後の混乱も予想される。
AKPは「改憲で安定した政治を実現する」と主張。一方、反対派の最大野党などは「独裁につながる」と訴えてきた。現行憲法では、大統領は国家の象徴的存在として政治的中立を求められ、政党を離党しなければならない。行政権も首相に比べると限定的だ。改憲が実現すれば、エルドアン氏は長年党首を務めたAKPに復党でき、国会への影響力も増大すると見られる。さらに裁判官と検察官の人事を決める組織の委員の任命権を通じて、司法も実質的な支配下に置くことが可能と指摘されている。
先週はトルコ南東部のディヤルバクルの警察署で、3人が死亡する爆発が起き、トルコ政府は警察署の地下までトンネルが掘られ、爆発物が仕掛けられたテロだったことを明らかにした。これについてトルコからの分離独立を目指すクルド人武装組織が犯行を主張する声明を出した。国民投票で大統領権限が強化されても反対派も多数いて、テロ不安も消えないだろう。
シムシェキ副首相は、大統領権限の強化を目指す憲法改正の是非を問う国民投票が「否決」されれば、トルコのリスクプレミアムは高い状態が続くとの見解を示していた。「改革が拒否されれば、中長期の機会が失われ、高リスクプレミアムが持続することを意味する。改憲案が承認されれば、市場に優しい改革が加速する」とも述べた。本日は失業率の発表もある。

【今週の注目経済指標】

4/17(月) (中)小売売上高、鉱工業生産、GDP
(トルコ)失業率
(米)NY連銀製造業景況指数、NAHB住宅市場指数、対米証券投資
4/18(火) (豪)RBA議事要旨公表
(加)対カナダ証券投資額
(米)住宅着工件数、建設許可件数、鉱工業生産、設備稼働率
4/19(水) (南ア)消費者物価指数(CPI)
(ユーロ圏)貿易収支
(米)ベージュブック
(その他)石油在庫統計
4/20(木) (NZ)消費者物価指数(CPI)
(日)貿易統計
(独)生産者物価指数(PPI)
(ユーロ圏)建設支出、消費者信頼感
(米)新規失業保険申請件数、フィラデルフィア連銀製造業景気指数
4/21(金) (日)第三次産業活動指数
(仏)製造業購買担当者景気指数(PMI)、サービス部門購買担当者景気指数(PMI)
(独)製造業購買担当者景気指数(PMI)、サービス部門購買担当者景気指数(PMI)
(ユーロ圏)製造業購買担当者景気指数(PMI)、サービス部門購買担当者景気指数(PMI)
(英)小売売上高指数
(加)消費者物価指数(CPI)
(米)中古住宅販売件数
4/23(日) (仏)大統領選の第1回投開票

先週の「注目通貨ペア!」の振り返り

先週の「注目通貨ペア!」

ドル円 NZドル円

【ドル円】予想レンジ:108-113、貿易黒字がやや減少。家計消費は12カ月連続減少。日経弱い。米国との貿易交渉は?

イエレン議長の「利上げは急がない」、トランプ大統領の「ドルは強すぎる。低金利を望む」などの発言に加えてCPIの低下もあり、ドル円は110円割れ。108.54まで値を下げた。

先週の予想は以下の通り

今朝は休み明けゴトビなので仲値でのドル買い需要が強く、ややドル円は戻している。
ついに円が今年の通貨番付の首位に立った。一方、日経平均は15カ国中14位と下落し、年初来では数少ないマイナス圏の市場となっている。さて米海軍の原子力空母カール・ビンソンがシンガポールから朝鮮半島近海へ向かうと報じられた。弾道ミサイル発射の挑発行為を繰り返す北朝鮮を牽制する狙いがあるという。日本と北朝鮮とは、ほぼ貿易取引はないが、万が一、衝突の被害が日本に及ぶとしたら、株価は下落し、円買いにも繋がる恐れがある。円相場は3カ月連続円高推移している。4月新年度は少々機関投資家の外貨買いが出てもいいのだが、ドル円は小康状態。ただ、3月上中旬貿易統計は、前年比で黒字が縮小したことには注意したい。輸出5.4%の伸びに対し、輸入が10.8%伸びている。黒字の縮小傾向で、円高推移も穏やかなものになる。
個人消費では、2月家計調査で2人以上の世帯が使ったお金は26万644円で、前年同月より3.8%減った。減少は12カ月連続。外食や魚介類など食料品への支出が減り、自動車の購入や外国パック旅行なども減った。マイナス金利に加え、年金受取額の減少、年金払込額の増加などで可処分所得の減少があり、消費低迷が長期化すれば、輸入も増えず、円高へ繋がる。
米国は貿易不均衡解消へ要求を突き付けてくるだろうが、数量ベースで輸入増加の対応が出来なければ、円高を要求されることとなる。 今週は日銀支店長会議やさくらレポート(地域経済報告)の公表がある。

テクニカル

「110.50以下の下ヒゲで抵抗」

日足は、3月14日からの8日連続陰線の後、下げ止まる。3月15日-31日の下降ラインを上抜ける。110.50以下で何度も下ヒゲが出る。3月10日-14日の下降ラインが上値抵抗。5日線下向き。ボリバン下位。
週足は、2月27日週-3月6日週、16年11月7日週-17年2月27日週の上昇ラインを下抜く。3月13日週-20日週の下降ラインは上抜く。16年9月26日週-11月7日週の上昇ラインがサポート。上値抵抗は3月6日週-3月13日週の下降ライン。
月足は、3カ月連続陰線。今月も陰線スタートだが、3月同様のところで下ヒゲで抵抗。16年11月-12月の上昇ラインは下抜く。16年6月-11月、12年9月-16年6月の上昇ラインがサポート。17年1月-3月の下降ラインが上値抵抗。2012年10月-2014年8月のアベノミクス上昇ラインを下抜けている。
年足は、12年-13年の上昇ラインを下抜く。ただ2016年は終盤にきて下ヒゲが大きく伸びた。17年は陰線スタート。15年-16年の下降ラインに沿う。13年-16年の上昇ラインがサポート。

【NZドル円】 予想レンジ:75-80、企業信頼感が悪化する一方、インフレ圧力が高まる。中銀は通貨下落を歓迎

シリア、北朝鮮問題での地政学的リスクもあり、円上昇がNZドル上昇を上回り、NZドル円は下落した。

先週の予想は以下の通り

ポイント

企業信頼感が悪化する一方、インフレ圧力が高まる
暫く重要指標の公表はないが、次の焦点は4月20日の1QCPI
対円での下落は8週連続で止まるが、先週は再び陰線と弱い
中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は政府版が上昇、財新版が低下
2月住宅建設許可件数は堅調
3月NBNZ企業信頼感は悪化
NZドルは下落したが中銀の介入はなし。ただ中銀は下落を歓迎とのコメント
李首相訪問で、対中国で経済関係強化
2月貿易収支は予想の赤字より改善した
4QGDPは予想を下回った
NZ中銀の通貨高牽制、失業率の悪化、乳製品価格の下落などで弱い
IMFはNZの家計債務に警告した
4QはCPIもPPIも上昇
4Q失業率は悪化。ただ労働参加率は過去最高となった
財政赤字は税収増で縮小傾向にある
S&P はAA格付を維持(ムーディーズはAaa)
観光業が活況を呈し、GDPへの貢献度では乳製品輸出を上回るようになった

市況

対円での下落は8週連続を数えていたが、9週連続は阻止した。しかし先週は再び陰線と弱い。
2月住宅建設許可件数は堅調であったが、3月NBNZ企業信頼感は悪化。乳製品価格(オークション)は3回ぶりに上昇、2月貿易収支は前回の赤字より改善、4QGDPは予想を下回った、4QはCPIもPPIも上昇、4Q失業率は悪化などとマチマチの経済指標が続く。NZドルは下落したが中銀の介入はなかった。ただ中銀は下落を歓迎とのコメントを出した。どこの国も通貨安を望んでいる。
住宅価格については、IMFはNZの家計債務に警告した。李首相のNZ訪問で経済関係が強化されることとなった。李首相は「国際情勢における不安定性や不確実性の高まりによって、中国とNZが諸課題をチャンスに変える取り組みで協力することがより重要になっている」と強調した。中国は豪とNZの双方にとって最大の貿易相手国。NZ経済に影響を与える中国の3月製造業PMIは政府版は改善、財新版は悪化した。

企業信頼感が悪化する一方、インフレ圧力が高まる

NZ経済研究所の、2017年1Qの企業信頼感が悪化する一方、インフレ圧力が高まったことが明らかになった。
調査では、景況全般が良くなると回答した企業はネットで17%と、前四半期に記録した2年ぶり高水準の28%から低下した。
一方、設備稼働率は93.6%と前四半期の92.7%から上昇し、過去最高となった。1Qに値上げしたと答えた企業もネットで15%と、前四半期の7%から上昇。建設業を中心に伸びた。設備稼働率と価格に関する調査結果は、インフレ率の一段の上昇を示唆している。ただ、政策金利は2018年半ばまで過去最低の1.75%に据え置かれると予想する向きが多い。特に世界情勢を巡り不透明感が漂う中、中銀は利上げにかなり慎重になるだろう。

中国とFTA拡大。李首相がNZ訪問

3月全国住宅価格指数は、前年同月比12.9%上昇した。2月は13.5%上昇だった。同指数は、2007年の前回ピークを52.4%上回っている。
住宅価格上昇の元凶となっていたオークランドの住宅価格は前年同月比12.3%上昇で、引き続き上昇ペースが鈍化した。1Qは、担保資産価値に対する貸出額の比率である「ローン・トゥ・バリュー(LTV)」比率を中銀が制限したことから投資が抑制された。

日本へのキウイフルーツ輸出好調

日本の2017年度のキウイフルーツ輸入量が過去最高となる見通しだ。独占的に輸入するゼスプリインターナショナルジャパン、販売量を2,448万トレー(1トレーは3.6キロ)とする計画を示した。新品種人気を背景に、過去最高だった16年度の0.3%増を見込む。

テクニカル

「9週連続陰線を阻んだが、再び下落」

日足は、3月28日-30日の上昇を下抜けて下落。先週後半は下げ止まる。3月31日-4月3日の下降ラインを上抜けるかどうか。その上は3月21日-31日の下降ラインが上値抵抗。5日線下向き。ボリバン下位。
週足は、9週連続陰線を阻んだものの、先週も陰線。1月30日週-2月13日週の下降ラインが上値抵抗。1月16日週-23日週の上昇ラインを下抜いて下落が始まった。16年6月20日週-10月10日週の上昇ラインも下抜き、ボリバン下限到達。
月足は、16年6月-10月の上昇ラインがサポートを下抜けた。16年は一目均衡表の雲の上に出られず。17年も同様。ボリバン上限から16年11月-17年1月の上昇ラインを下抜いて下落してきた。
年足は、15年年足は大陰線。16年も下げていたが、トランプ氏の米大統領選挙勝利後は急速に下ヒゲを伸ばすも、陰線に終わった。13年-14年、12年-13年の上昇ラインを下抜き今年は陽線スタートしたが、3月に陰転している。

今週の「注目通貨ペア!

今週の「注目通貨ペア!」

ドル円 豪ドル円

【ドル円】 予想レンジ:105-110、年初から4か月連続陰線なるか。有事の日経売りと円買い。1ドル90円割れが適正=米国外国為替報告書

円は今年の最強通貨の地位を維持。安全資産での円買いといわれるが、同じ日本の株はまったく買われない。世界で今年数少ないマイナス圏にある相場だ。円買いが起きるのも貿易黒字という需給の下にあるからだ。今週は相場の基調を作る貿易統計(3月)に注目したい。
さて米財務省は、半期に一度の外国為替報告書を公表。為替操作国の指定はなかったが、引き続き中国、日本、韓国、台湾、ドイツ、スイスを為替の「監視リスト」に指定した。
日本については「あらゆる政策手段」を動員して内需を拡大し、貿易不均衡の是正につなげるよう求めた。財政出動や構造改革に加えて金融緩和の必要性にも触れていて、日銀の政策運営を「円安誘導」とみなさない立場を明確にした。ただ「円が過大評価されているという証拠はほとんどない。過去20年間の平均に比べ、実質的に20%低い水準にある」と強調し、一段の円安を牽制した。現在より20%高い相場なら、1ドル90円割れとなる。日本は介入していないが、GPIFが肩代わりしているとも言える(効果は薄いが)。
マイナス金利政策の思惑とは異なり、預金残高は積み上がり、消費が減退している。方や海外は金利も高く、株も高く、海外の投資家が羨ましい。日本から投資をしても短期なら為替差損が出て総合でマイナスとなってしまう。ユーロ圏の投資家なら域内のギリシャの6%から独の0.2%まで好みによって為替リスクゼロで投資ができる。マイナス金利とは国富を減少させるものだろう。他国と差がつく日本の金融政策だ。

テクニカル

「年初から4か月連続陰線なるか」

日足は、拡大するボリバン下限に沿い下落。先週末はボリバン下限を下抜く。4月10日-11日の下降ラインが上値抵抗。5日線下向き。
週足は、2月27日週-3月6日週、16年11月7日週-17年2月27日週の上昇ラインを下抜く。3月13日週-20日週の下降ラインは上抜く。16年9月26日週-11月7日週の上昇ラインがサポート。上値抵抗は3月13日週-4月10日週の下降ライン。
月足は、3か月連続陰線。今月もここまで陰線。16年11月-12月の上昇ラインは下抜く。16年6月-11月、12年9月-16年6月の上昇ラインがサポート。17年1月-3月の下降ラインが上値抵抗。2012年10月-2014年8月のアベノミクス上昇ラインを下抜けている。
年足は、12年-13年の上昇ラインを下抜く。ただ2016年は終盤にきて下ヒゲが大きく伸びた。17年は陰線スタート。15年-16年の下降ラインに沿う。13年-16年の上昇ラインがサポート。

【豪ドル円】 予想レンジ:80-85、鉄鉱石価格が下落、雇用統計はまずまず。今週はRBA議事要旨。対円で弱く、対ドルでは強い

ポイント

3月雇用統計はまずまずの結果となった
政策金利は予想通り据え置かれた
住宅価格高騰の懸念がある
IMFも住宅価格急騰により家計債務の拡大を警告
大手民間銀行は住宅ローン金利を引き上げ
貿易収支は改善、1Qは経常収支が初の黒字となる可能性がある
直近は鉄鉱石価格の下落で豪ドルも下落
アンザックデーではトルコでテロ懸念あり
通貨番付首位の座を円に譲る
2月小売売上高は不冴え
RBAは豪ドル高に神経質
4QGDPは予想通り改善した
設備投資、賃金はまだ弱い。企業利益は好調
2月企業景況感指数は弱い
州議会選挙では与党が敗退した。野党支持率が与党を上回る
首相支持率は低下継続

トピックス

概況

3月雇用統計は改善した。フルタイム雇用が大幅増となった。さてRBAは政策金利を過去最低の1.5%に据え置いた。中銀は軟調な雇用統計への懸念を表明した。ただ、住宅価格の急騰が追加刺激策への強い反対につながっている。大手民間銀行では住宅ローンの金利引き上げが相次いだ。為替については、豪ドル高が経済の動きを複雑化するという従来の文言を繰り返し、ソフトな通貨高牽制を行った。2月の小売売上高は予想に反して減少、2月貿易収支は黒字幅が予想より拡大、住宅建設許可件数はマイナス予想から大幅プラスとなった。
最近の豪ドル下落は、鉄鉱石価格の下落も影響した。中国の鉄鋼先物が4月7日、5%下落し、2カ月ぶりの大幅な下落率を記録した。鉄鋼の供給増や需要の伸び悩みを巡る懸念が広がり、鉄鉱石や原料炭も連れ安した。
ただ、豪ドル円の下落はドル円の下落によるところが大きく、豪ドルドルについては、先週後半は持ち直している。今週はRBA議事要旨の公表がある。

ロウRBA総裁の住宅価格高騰に関する発言

ロウ総裁は、住宅価格高騰への追加対策を講じる意向を示した。一方、供給サイドの問題解決が市場沈静化に役立つとも述べた。ロウ総裁は、不動産投資家への融資を制限する最近の方策は、制度全体を「より持続可能な状態へ戻す」助けとなるだろうと述べた。
豪州の住宅市場は過熱していて、不動産コンサルタント会社コアロジックによると、シドニーでは年間約20%上昇。2008年の2倍以上となった。メルボルンでは15%超上昇した。
金融当局は最近数週間、住宅ローン規制を強化していて、大手民間銀行では住宅ローンの金利引き上げが相次いだ。

3月中旬よりの鉄鉱石価格の下落

3月雇用統計は改善

3月の就業者数が1,200万人に達し、過去最高となったことが分かった。新規雇用者数は前月より6万900人の増加と、予想の3倍となった。フルタイム求人が7万4,500件増加した一方、パートタイム求人が1万3,600件減少と一部相殺した。
失業率は5.9%と横ばいで、1年以上で最高水準を維持している。RBAは3月のデータに心強く感じているかもしれないが、先月に続き失業率が“固定”されていることが懸念される。労働党のヒューシック議員は、失業率5.9%は2008年-2009年にかけての世界金融危機の際、最低水準を記録したのと同様に悪い数字との見解を示し、連邦政府は法人減税や休日手当の引き下げよりも、雇用計画への取り組みが必要だと指摘した。

2月貿易収支は改善、経常収支は初の黒字となるか

2月貿易収支は35億7,400万豪ドルの黒字で、1月から黒字幅が倍以上に拡大。予想の19億豪ドルも大幅に上回った。輸出が増加する一方、輸入が急減したことが要因。輸入は5.3%減。消費財の輸入は10%減少した。輸出は1.5%増。金、鉄鉱石、石炭の輸出がすべて増加した。
中国による非効率な製鉄所の閉鎖が、質の高い鉄鉱石の需要を支え、中国向け輸出は78億豪ドルと前年比56%増加した。鉄鉱石価格は過去数週間に下落したものの、1年前の水準を依然として大幅に上回っている。
貿易黒字は1-2月では50億豪ドルに上り、3月も大幅な黒字となれば、1Qには経常収支が1970年代半ば以降初めて黒字に転換する可能性がある。4Qの経常収支は赤字額が39億豪ドルと、すでに15年ぶりの低水準に縮小している。

テクニカル

「鉄鉱石価格下落とともにボリバン下限へ沈む」

日足は、4月11日-12日の下降ラインを上抜く。3月31日-4月14日の下降ラインが上値抵抗。4月12日-13日の上昇ラインがサポート。ボリバン下位。5日線下向き。
週足は、小刻みに陽線を出していたが、3月6日週-13日週の上昇ラインを下抜く。ボリバン下限を下抜き。16年6月20日週-11月7日週の上昇ラインがサポート。
月足は、16年11月-17年2月の上昇ラインを下抜く。16年6月-11月の上昇ラインがサポート。
年足は、2009年-12年の上昇ラインを下抜いている。8年-9年の上昇ラインがサポート。14年-15年の下降ラインが上値抵抗。16年は陰線だが、下ヒゲが大きく伸びた。今年は陽線スタートも円に抜かれ陰転。