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金曜 外為コーヒーブレイク 英国現地レポと当社社員による週末コラム

スペインとOMTを取り巻く不確定要素

更新日:2012年10月5日

先月の欧州中銀(ECB)金融政策理事会後の定例記者会見の席で、ドラギ総裁は国債購入プログラム:OMTを発表しました。

この発表から既に1ヶ月が過ぎ、その間にスペイン長期金利は低下し、借り入れコストがどんどん有利になっています。それを好感した為替市場では、ユーロが1.30台に乗せただけでなく、避難通貨として買われ続けたスイス・フランやポンドの下落が目立つようになってきました。

しかしリスクオン相場で賑わう市場とは裏腹に、スペインのラホイ首相は「OMT要請を早急に行うという訳ではない。」と早期要請期待に水を差すような発言を繰り返しています。それでもリスクオン相場が継続しているのは、市場参加者が「遅かれ早かれ、スペインは絶対にOMTに支援要請するに違いない。」という確信を持っているからに他ならないでしょう。

昨日のドラギ総裁記者会見でも、会場に参加した記者団からの質問は「OMTの条件」「スペインによる要請」など、OMTとスペインに関連する質問が中心となっていたのが特徴でした。記者会見の席で発表されたOMTに関する新しい内容、そして過去1ヶ月の間に浮上してきたOMTやスペインを取り巻く疑問点などをここでご紹介したいと思います。

1) OMTの合法/合憲性

先週から今週にかけ、ドイツに基盤を置くビルト紙とシュピーゲル誌がともに『OMTの合憲性』に対し疑問を投げつける記事を発表しています。

ビルト紙ではECBとドイツの中央銀行である連銀それぞれの弁護士が、OMTの合法/合憲性について、欧州連合の「最高裁判所」に値する欧州司法裁判所の審判を仰ぐ可能性が出てきたと報道。シュピーゲル誌では、ドイツ憲法裁でのOMTに関する審議は、その後欧州司法裁判所での判決に繋がる可能性が出てきているとしています。

いずれにせよ、OMTを通して実施される加盟国の国債買取プログラムが、ECBの『責務の範囲内』とみなされるかどうかに疑問を投げかけており、特にドイツ連銀はリスボン条約第123条*1に反していないか?に注意を払っている、ともされています。

*1 リスボン条約第123条とは?

リスボン条約第123条とは、『政府債務の直接的な取得の禁止』となっており、ECBや加盟国の中央銀行が加盟国の財政赤字の補填のために信用供与をしたり、国債を「直接購入」する事を禁止しているという内容です。

私自身の考え方では、「国債の直接購入」の意味しているところは『発行市場での買い取り』をさしており、ECBがOMTを通じてやろうとしている『流通市場での買い取り』には違法性はないと勝手に解釈しておりましたが、未だにこの点についてはっきりした見解は発表されていません。

この案件が欧州司法裁判所による判決をあおぐこととなるのか?については何とも言えませんが、これが解決されない限り解釈を巡り数々の憶測が何度となく繰り返されるリスクが残ったままとなるかもしれません。

2) OMT適用対象国

木曜日の記者会見の席で、ドラギ総裁は「既に金融支援を受けている国(ギリシャ、アイルランド、ポルトガル)にはOMTによる国債購入措置が適用されない。これらの国は、支援条件を順守し、晴れて国債市場で入札を実施し資金調達が可能となった時点で、OMTによる国債購入対象国と見なされる。」と発言。この発言を受け、「スペインよりも先にポルトガル政府がOMT要請に動く可能性がある」という見方をしていた一部の米系銀行の見解は、完全に否定される結果となりました。

3) ESMの役割を巡る見解の相違

先週ヘルシンキではユーロ圏加盟国のトリプルA格付け国:ドイツ・オランダ・フィンランドの財務相が集まり、ESM(欧州安定メカニズム)による銀行への直接資本注入について協議しました。その後発表された声明では、6月のEUサミットでの合意事項と矛盾するような見解が示され、一時的にスペインやアイルランドの国債利回り上昇の原因となりました。

ヘルシンキ会合での声明文では

  • ESMが新たな監督機関として発足してから新たに発生する加盟国の銀行問題が対象となる
  • 過去に既に発生している(スペイン・ギリシャ・アイルランド・ポルトガル)銀行支援とは、完全に区別される。これら4ヶ国の銀行に関する問題については、各国政府が責任を負うこととなる

それに対し、6月のEUサミットでの合意内容は

  • ESMが正式発足後、アイルランドやスペインの銀行に直接資本を注入することが可能となり、政府の負担が軽減される

ヘルシンキ会合での発表を受け、オーストリアのフェクター財務相も「過去に起きたユーロ圏加盟国の問題には、新規に発足するESMによる救済は適用すべきではない。過去の問題は当該国政府の責任とすべきである。」と発言しました。

現在のところ、欧州委員会は「ESMの役割に関しての最終合意は、なされていない」と火消し役に廻っていますが、ユーロ圏内部での見解の相違/北欧州対南欧州の対立・分裂が表面化してしまった形となっています。

もしヘルシンキでの声明内容が公式見解となってしまうと、既に金融支援要請に動いたギリシャ・アイルランド・ポルトガル、そして6月に銀行支援要請に動いたスペインが、過去の救済内容に関してESMの救済対象から外れることになるため、政府の負担は雪だるま式に増え、財政均衡目標達成が相当遅れるリスクが出てきます。

4) ドイツの反発

総選挙実施まで1年を切ったドイツ。最近になって、ショイブレ独財務相が「スペインが6月の1,000億ユーロ規模にのぼる銀行救済策に続き、次はOMTによる救済を要請するのであれば、それら全ての支援に対しドイツ議会の承認がおりるか定かではない。」 と発言。メルケル首相は総選挙を控え、加盟国の救済要請に関わるドイツからの今まで以上の支出増を議会や有権者に対してお願いしたくないという話しも流れてきました。これと並行して、スペインが救済要請した場合、ドイツ議会は救済承認に対し『救済条件』を課す可能性まで指摘されています。

1)で紹介したOMTの合法性に関する報道も全てドイツからとなっているため、今後万が一スペインが救済支援要請に動いた場合、ドイツ議会による承認がスムーズに運ぶかどうか、不安定要素が増えてきたとも言えるでしょう。

5) カタルーニャ州前倒し総選挙

スペインのカタルーニャ州は、お隣ポルトガルとほぼ同じ経済規模を持ち、スペイン全体のGDPの20%をはじき出す最大の経済規模を持つ州。毎年、州内総生産に対し約9%の金額を中央政府に払い込む義務があるようですが、数年に渡るリセッションと高失業率による税収不足も手伝い、同州は8月に中央政府へ50億ユーロの金融支援要請に動くという皮肉な結果となりました。自分達が中央政府に税収の一部を払い込みながら、今度はその中央政府に対し支援要請に動くという矛盾した行為を是正するため、マス州首相はラホイ首相と会談をし、カタルーニャ州から中央政府に払い込む税収の一部を同州に再配分・課税権の拡大を含む新法案を提出する運びとなりました。

このカタルーニャ州が提案した『財政の自治権』に対し、ラホイ首相は「憲法違反」と一蹴。それからわずか1週間以内に、マス州首相は「11月25日に前倒し総選挙を実施する」と発表しました。

カタルーニャ州ではカタラン語で教育を受け、スペイン語は第2外国語の位置を占めているくらいですから、独立意識は相当強くて当たり前。同じく独立運動が高まっているバスク州では、10月21日に自治州選挙が実施されます。

この記事でも書きましたが、

10月21日にはラホイ首相のお膝元:ガルシア州でも自治州選挙が行われます。この選挙は「ラホイ首相と、ここ数年国民を苦しめている緊縮財政政策」に対する国民投票と言っても過言ではありません。バスク州とカタルーニャ州での独立に対する国民投票的な選挙も重なり、ラホイ首相にとっては国内問題でも悩みが絶えません。

まとめ

先ほども書きましたが、ここ1ヶ月の相場は「スペインによるOMT支援要請」を先取りした形で、スペインの長期金利が低下し、それを好感した形でユーロは買われているだけでなく、リスクオン相場到来となり避難通貨であるスイス・フランやポンドなどが売られる形となっています。

今まで私が認識していたリスクオン相場とオフ相場を説明しますと

【リスクオン】
市場の不安定要素が解消されたり、発表された経済指標が良好なので楽観論が台頭し、投資家がリスク投資に積極的になる ⇒ 株買い、投機色が強い商品買い ⇒ 通貨では一般的にユーロや資源国通貨代表の豪ドル・NZドルやカナダドル・ノルウェークローネ、そして新興国通貨が買われる ⇒ 調達通貨(ファンディング通貨)として扱われていたドルや円が売られやすい

【リスクオフ】
リスクオンの反対 ⇒ どれか一つのリスク資産の価値が下がると連鎖的に他のリスク資産を売却する動き ⇒ 相対的に安全と思われる資産に資金を移すこと ⇒ 資金は株から安全性の高い国債へ移動 (国債利回り低下) ⇒ リスクオンで買われていた通貨は下がりやすく、調達通貨として売られていたドルや円の買い戻しが入りやすい


こういう理解でおりました。しかしここに来て、リスクオン/オフ時の各通貨動向が不揃いになってきたように感じています。

私自身がここからの主要通貨を見る際に注意している点は

米ドル

リスクオン相場となり、債券売りが活発になると、米長期金利は上昇し、本来ならドル買いとなって当然であるが、無制限・無期限のQE3実施が重石となり、ドル安になびきやすい。

ユーロ

OMTやLTROなどの非標準的手段の導入は、ユーロ崩壊の危機を遠ざけるだけでなく、加盟国のデフォルト・リスクを減少するため、ユーロに対してポジティブな評価を受ける。

ポンド

英中銀の資産買い入れプログラム(QE2)枠の増額は、今までずっとポンド安の要因として数えられてきた。しかしユーロ危機の今後の伸展如何では、ポンドの避難通貨としての役割が高まるのか?それともスペイン救済がうまく行かず、あらためてポンドが注目されるのか?など、外的要因に左右されやすい。ポンドに対してはニュートラル。

総合すると、ユーロはスペインのOMT要請期待が途切れない限り、1.32/35台くらいまで上がっても不思議ではないでしょう。ただしユーロ圏を取り巻く環境や米国の財政政策など、問題は次から次へと出てくるため、無期限にユーロ買いが継続するとも思えません。年末までは1.25-1.35のレンジ内での動きを想定しています。

松崎美子

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