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金曜 外為コーヒーブレイク 英国現地レポと当社社員による週末コラム

ECB金融政策理事会からの発表

更新日:2012年9月7日

木曜日に開催された9月の欧州中銀(ECB)金融政策理事会は、大袈裟な言い方をすれば「今後のユーロ継続の是非を決定する非常に重要な理事会」となりました。

7月末にロンドンで開催されたシンポジウムの講演で「ECBはユーロの存続のために必要ないかなる措置も取る用意がある。Believe me!」と発言し、市場の期待を膨らますだけ膨らませたドラギ総裁。しかし8月の理事会では、発言とは裏腹にスペインやイタリア国債の利回りを下げる具体策は何も発表されませんでした。そのせいもあってか、今月は理事会開催前から市場の期待は高まり、理事会前日に国債購入プログラムの内容が一部漏れてしまうというアクシデントもありました。

新しい言葉 : OMT

木曜日にドラギ総裁が発表した「国債購入計画」は英語で Outright Monetary Transactions と呼び、それぞれの頭文字を取ってOMT とこちらでは呼ばれています。このコラムでも今後変更がない限り、2010年5月より開始された「加盟国の国債買い支えプログラム」はSMP (Securities Market Programme)、昨日発表があった「国債購入プログラム」をOMT (Outright Monetary Transactions)とします。

待ちに待たれたOMTの登場

OMTは南欧州の中でも、特にスペインとイタリアの国債利回り低下を念頭に置いて作成されたものとなっています。どうしてOMTの発表がここまで遅れたのかというと、『財政』という加盟各国の政府が対応すべき問題に対し、金融政策の責任者であるECBが過度に関与することは、見方を変えればマネタイゼーション(財政支援)に繋がる懸念が高まり、ECBの独立性が著しく損なわれる恐れがありました。同時に、ECBが行う金融政策決定に政治的要因が関与することを避けたいという意思表示があったものとも思われます。

今までのユーロ圏ソブリン危機への対応策として、ECBはSMPと3年物LTROを使い分けてきました。SMPはECBが流通市場で加盟国の国債を買い支える直接介入という手段を取っていましたが、今年2月から停止しています。3年物LTROは2度に渡り総額1兆ユーロ規模の資金供給を行いましたが、欧州の金融機関がそこから得た資金で加盟国の国債購入に動くことを期待するに留まりました。

これは私の意見ですが、どうしてECBが追加の3年物LTROに動くことを躊躇したのかというと、LTROから得た資金で欧州の銀行が加盟国の国債を買ったとしても、その後国債価格が下落した場合、その国債を買った銀行が損失を計上し、銀行自体の健全性を損なう危険性に気が付いたのではないだろうか?と見ています。

つまりSMPもLTROも、市場が期待したほど加盟国の国債利回り低下に結びつかず、そうこうしているうちに、欧州ソブリン危機が経済規模ユーロ圏第3位であるスペインまで飛び掛ってきました。

その結果、スペインやイタリアは自国の国債利回りに乗せられたリスク・プレミアムに耐えられなくなり、早急な対応策をEUに対して求めましたが、決定的な解決策が見出せないまま時間は経ってしまいました。そうしているうちに、ユーロ圏の持続性にまで疑問符が付き、とうとうユーロ崩壊説まで出回ってきたのです。

SMPとOMTの違い

私は木曜日に行われたドラギ総裁の記者会見を、気合を入れて最初から最後まで聞きましたので、大体の概要は把握しました。その中でもSMPとは大きく違う部分があったので、ここに簡単に表にまとめてみます。

OMTの内容説明

上の表であまり聞きなれない言葉や説明があったと思いますので、何点か詳しく説明します。

支援条件

ドラギ総裁の記者会見を聞いた限り、支援要請国の財政事情がそれぞれ違うため、国別に条件を設定し、ケースバイケースで対応出来る余地を残すと考えられています。そしてこれはまだ最終決定ではないと私は理解していますが、条件内容の策定・条件順守のモニター役として、国際通貨基金(IMF)の関与があるようです。

不胎化/非不胎化

不胎化とは、介入などで市場にばらまいた資金を、吸収オペレーションなどの正反対の意味をもつ金融調節を使って資金を吸い上げること。それに対し非不胎化は、ばらまいた資金をそのまま市中にとどめておきマネーサプライ量を増加する方法です。

米英日各国中央銀行とは違い、ECBは紙幣の増発によりインフレ懸念が台頭することを回避する目的で、過去の国債購入は全て不胎化しています。

優先債権者待遇の有無

今年実施されたギリシャの債務再編の際に、ECBや中央銀行などは返済が優先され、ギリシャ債務再編に伴う損失を免れた経緯があります。損失を丸々かぶった民間の一般投資家達は、将来起こるかもしれない他の加盟国の債務減免による損失をECBは民間と共に分担する保証がない限り、デフォルト・リスクが伴うスペインやイタリアの国債を買う保証はないと主張していました。昨日のドラギ総裁の発言によると、ECBは優先的地位を放棄したようです。

不明点・疑問点

記者会見を聞きながら自分なりの疑問点や、説明が欲しいなと思った点がありましたので、ここに書き並べてみます。

国家尊厳放棄の必要性

もしスペインやイタリアがOMTに対し国債購入を要請した場合、ギリシャやポルトガルが金融支援を要請した際に義務付けられた四半期に一度の(EU/IMF/ECBからなる)トロイカ調査団の監査が義務付けられるのでしょうか?記者会見の席では、モニター役としてIMFの名前は挙がっていましたが、トロイカ調査団の名前は聞こえてきませんでした。

市場で囁かれている噂としては、スペインは自国の財政政策を他(トロイカ調査団)に預ける事から生じる国家尊厳の喪失に対し、強い拒否反応を示しているといわれています。もし定期的にトロイカ調査団の監査があり、彼らに自国の財政政策に対しいろいろ指示されるようであれば、OMT要請を思い留まる可能性もあり、今後の対応が注目されます。

当該国の約束を破った場合

ドラギ総裁の言葉を借りれば、OMTを通して支援要請を行う際に同意した条件を当該国の政府が履行しない場合、ECBが国債の購入を中止する可能性もあり得るそうです。もし本当に停止した場合、その国は市場の信頼を失い、一気に無秩序なデフォルトに陥る危険性が増します。

昨年8月、ECBはSMPを通じてスペインとイタリア国債買い支えに動きました。当然その代価として、両国は追加緊縮財政策の提出が義務付けられ、両国ともプランを提出しました。ここまでは良かったのですが、ECBによる国債買い支えにより自国の国債利回り低下を確認するや否や、当時のベルルスコーニ伊首相は閣僚との会合を開き、ECBに提出した追加緊縮財政策の内容変更 (「高額所得者に対する増税」の取りやめ等) を勝手に発表し、ECBだけでなく他の加盟各国の逆鱗に触れた経緯があります。現在でもこの事件を絶対に忘れない!と発言するECB理事がいるくらいですので、OMTによる国債購入要請に動いた国に対する約束の厳守は更に厳しくなると思います。

OMTの継続期間

ドラギ総裁は購入額は無制限であると語りましたが、どのくらいの期間継続するのかについては言及していません。ある一定期間に限定し加盟国の国債購入に動くのか?それとも、加盟国の国債利回りが(ECB内部でベンチマークとして設定されるかもしれない)一定レベルを越えた場合、何度も何度も購入に動くのか?その辺が定かではありません。

国債利回り低下の持続性

OMT発表を先取りした形で、ここ数週間スペインやイタリアの国債利回りは強い低下傾向にあります。果たしてOMT要請に動けば、長期に渡り財政政策遂行が可能となる低金利水準に維持されるのでしょうか?

ECBの独立性の問題

これは私が一番気にしている問題のひとつであり、前回のコラム記事でも書きましたが、過去に実施されたSMPで、ECBが国債市場で買い支え介入をすることから生じるモラルハザード懸念を払拭するため、OMTではEFSF/ESMという政治的決定に委ねられる機関の判断を仰ぐ形になります。つまりECBが国債介入に動くきっかけは、自分自身の判断ではなく、EFSF/ESM頼みになります。これは中央銀行の独立性の問題として、後々問題となる可能性は捨て切れません。

ESMの規模

一番気にしているのが、この問題です。ESMの支援枠は最大5,000億ユーロとされていますが、今夏に合意したスペインの銀行への資本注入枠として最大1,000億ユーロ使用済み、それに加えキプロスへの金融支援用に最大100億ユーロ使用済みとなっています。

ESM発足当初は、ユーロ加盟各国からの資本支払金に頼っているため、約1,000億ユーロ規模となる予定であり、スペイン支援をやっとカバー出来るに過ぎません。

無制限に国債購入に動けるECBとは違い、ESMが発行市場で国債購入に踏み切った場合、資金が枯渇してしまうのは時間の問題かもしれません。ESMの資金枠を拡大するには 1)加盟政府による拠出額の増加 2)ESMに銀行免許を付与する が考えられますが、いずれの方法も簡単に解決されるものでないことだけは確かです。

まとめ

ドラギ総裁が発表したOMTは、南欧州各国の国債利回り低下を促し、自力で財政政策遂行を可能にする期待策となりそうです。果たしてこれを「バズーカ砲」と呼ぶのが適切かは判断しかねますが、遅々として進まなかったソブリン危機に解決の兆しが見えてきたことは、嬉しい限りです。

ただし未決定点や不明点が多く残っていることも事実であるため、今後スムーズにOMT計画が実行に移されるか、課題も多いと思われます。

とりあえずOMTの外枠は固まりました。ここからはユーロ圏財務相会合やEUサミットの席で不足な部分の肉付け作業が始まることでしょう。しかし市場は待つ事に疲れているため、肉付け作業が長引けば、せっかく上昇しはじめたユーロの前途は多難にならざるを得ません。

松崎美子

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