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金曜 外為コーヒーブレイク 英国現地レポと当社社員による週末コラム

ギリシャ、ユーロ離脱の可能性

更新日:2012年5月18日

昨年秋にデフォルト懸念が発覚したギリシャ。同国の無秩序なデフォルトが他のユーロ加盟国に波及する可能性や、欧州系金融機関の格下げに直結することなどが懸念され、一刻も早い解決が望まれていました。今年に入るとすぐに民間投資家と同国政府の間で債務削減を目的とした債務交換交渉が開始され、3月20日の大型償還日直前に債務交渉合意と1,300億ユーロ規模の第2次金融支援が決定され足元の市場には安心感が漂いました。

ただし市場では、これを持って3年目に突入したユーロ圏債務危機が根本的に解決されると信じていた人間はおらず、『ギリシャ危機』再燃は時間の問題と割り切っていたものです。そしてその危惧が5月6日の総選挙後に早々と現実の事となりました。

本日のコラムでは、過去に何度もテーマにのぼってきた『ギリシャのユーロ離脱の可能性』について私なりの考えを書いてみたいと思います。

5月6日総選挙

過去2年以上に渡り、悪化する経済環境を横目に赤字削減を最優先とした追加緊縮財政策を導入し続けたギリシャ。そのお陰で失業したり年金の手取り金額が極端に減り不満が高まっていた有権者達は、5月6日に実施された総選挙で残酷な結果を出しました。それは反緊縮政策を掲げている小党の躍進です。

これは総選挙での各党の得票率を実際の議席数で表したものですが、反緊縮財政政策を掲げたSYRIZA党の議席数は前回選挙時の9議席から一気に52議席まで増加。結果として、伝統的な2大政党のひとつであったPASOK党を上回り第2党へと躍り出ました。

(資料:英BBCテレビ)

このSYRIZA党の党首は選挙後のインタビューで「ギリシャに対する第2次金融支援に対する交換条件は違法であり、順守するつもりはない。」と発言したことがきっかけとなり、ギリシャ危機は一気に悪化。そしてそれはみるみるうちに他の加盟国へと飛び火し、スペインやイタリアの10年物国債利回りは6%台に乗ってしまい‘’金融支援要請のベンチマーク‘’とされている7%まであと少しのところまで迫ってきました。

同国の金融支援に携わっていたIMFはこの発言を受け「支援条件を順守出来ないのであれば、支援金支払いは出来ない。」と断言。同様の発言は他のユーロ加盟国関係者からも飛び出し、救済資金が底をつき次第、ギリシャはユーロ離脱する可能性が浮上してきたのです。

更に悪いことに、総選挙後約9日間に渡り行われた上位3党の党首による連立工作は全て失敗に終わり、とうとう6月17日に2回目の投票を実施、その間は暫定政権が設定されるという結果となってしまいました。

ギリシャ人による預金引き落とし

過去に何度か市場のテーマとして語られてきた『ギリシャのユーロ離脱の可能性』。しかし今回はその可能性がかなり高いと裏付けられる事態が発生しています。それは国民による預金引き落とし高の急上昇です。

(資料:ロイター、欧州中銀(ECB))

これはEU/IMFに金融支援を要請したギリシャ(水色線)、アイルランド(緑線)、ポルトガル(紫線)の銀行預金残高を表したチャートです。これを見ると、ポルトガルを除くギリシャとアイルランドでは2010年以降、預金引き出しが顕著になっています。特にギリシャでは昨年からの引き落としが劇的に膨らんでいるのが分かります。

総選挙後に何度も行われた大統領官邸での党首会談。そこでの会話内容が報道されたのですが、そこには驚くべき事実が隠されていたのです。それは「5月6日総選挙から1週間たった時点で、ギリシャの銀行から引き出された個人預金額は50億ユーロに上る。これは毎日平均7億ユーロに値する金額」であることです(英FT紙)。

ちなみに今年3月末時点での預金残高総額は1,700億ユーロ弱となっており、2010年のピーク時の2,400億ユーロよりも700億ユーロ強減少していることになります。2年かけて700億ユーロ減少ということは、毎月平均29億ユーロの現金引き落としがあったという計算になります。そうすると、『選挙後1週間で50億ユーロの現金引き落とし』があったということは、今までの約2か月分をたった1週間で引き落としてしまった訳ですね。

この件に関して、同国中央銀行のプロボポラス総裁は「国民が銀行の前に長蛇の列を作って預金引き出しの順番を待つという訳ではないが、パニックに発展する可能性は否定出来ない。」と大統領に伝えたようです。

危機管理システムの不在

3年目に突入したユーロ圏債務危機を語る上で避けて通れない問題点として 『ユーロ圏内には危機管理システムが不在している』という事が指摘出来ると思います。私がここで繰り返すまでもなく、金融政策を共有しながらも財政政策は加盟各国政府が受け持つという形でスタートしたユーロですので、もし加盟国の中に財政援助が必要となった国が出た場合、それを要請する権利も援助する義務も加盟国間には存在しないはずです。しかしそのまま放置しておくと危機が他の加盟国へどんどん拡大してしまうので、EFSF(European Financial Stability Facility 欧州金融安定ファシリティ)に代表される救済機関が設立されました。そして恒久的な金融支援制度であるESM(欧州安定化メカニズム)を1年前倒しして今年7月から稼動することになりました。

しかしギリシャの総選挙の結果を受け、債務危機問題は大物であるスペインやイタリアを直撃し始めており、これら経済大国が金融支援を要請することにでもなれば、現在の支援制度ではとても賄いきれないことは火を見るより明らかです。

果たしてギリシャはユーロを離脱するのか?

これはあくまでも私個人の意見ですので、決して欧州全体での世論であると勘違いされないよう、くれぐれもご注意下さい。

結論から言ってしまえば、6月17日の第2回目の投票で有権者が反緊縮財政策を支持する政党を第1党として選び、その政党が政権を取った時に『ギリシャに対する金融支援条件の違法/無効を訴える』という結果になれば、ギリシャはユーロ圏から離脱せざるを得ないと私は考えています。

これは私の想像ですが、今回の総選挙の投票結果は深刻化する緊縮財政政策に対する抗議票だったと思います。しかし彼らが本気でユーロ圏に留まることを望むのであれば、2回目の投票ではユーロ圏に残留する政策を志向している政党へ票を投じるべきでしょう。今回の選挙結果が出た時からずっと私を悩ませているのは「果たしてギリシャの有権者は反緊縮政策を支持する政党へ票を入れる事が、ユーロ圏からの離脱に繋がる点をちゃんと理解しているのか?」という点です。今後も彼らが「支援金は欲しい、でも厳しい交換条件は嫌だ、助けてもらって当然」という態度を貫く限り、救済側に廻る他のユーロ加盟国だけでなく、IMFを通じて融資の一部に加担している国々も首を縦に振らないでしょう。

ただし、私が敢えてここに書くまでもなく、ギリシャがユーロから離脱したら、他の加盟国への飛び火だけでなく、欧州発金融システム危機から端を発した世界的金融システムのメルトダウンが心配されます。それを考えると、ギリシャには出て行って貰っても構わないが、それが原因で欧州の銀行の破綻/倒産が相次ぐリスクを考えれば、欧州政府高官達は今回も譲歩しギリシャと新しい救済条件を話し合うことを選択することは十分に考えられると思います。ギリシャのユーロ離脱、それが引き金となってのユーロ崩壊がどれだけ世界経済に打撃を与えるかについて英民間調査機関「経済ビジネスリサーチセンター(Centre for Economics and Business Research、CEBR)がレポートを出しました。その内容の一部が5月17日付け英ガーディアン紙一面に載りましたが、タイトルはセンセーショナルに「$1,000,000,000,000」。この数字の意味ですが、ギリシャのユーロ離脱が秩序だって行われれば世界経済に与える損失は約3,000億ドル、しかし離脱や崩壊のタイミングが意外であったり、予想外の問題が発生した場合は、最悪1兆ドルの損失を与えると計算しています。この1兆ドルという金額は世界経済の5%に値する金額。もはや小国ギリシャの問題はここまで肥大してしまったのです。そして注意すべき点は、CEBRの考えでは現状の17ヶ国でのユーロの継続は無理としており、今後3〜5年の間にユーロそのものが崩壊する可能性が高いとしている点でしょう。

唯一ギリシャがユーロに残れる可能性としては、財政均衡を達成する目標年の延期が挙げられます。第2次金融支援の交換条件となっている公務員賃金のカット幅や財政赤字カットの目標幅の緩和を通し、一時的に財政規律優先から成長重視への現実的な路線へと変更するやり方です。今年の同国の経済成長率予想はマイナス6〜7%となっていますので、景気後退の深刻化を軽減するためにも、目標幅緩和に必要な資金は加盟各国政府からの負担に頼る形になってしまうかもしれません。当然この解決法の弊害は、ユーロ加盟各国がギリシャの将来に自国の国運を賭けた形になった状態が継続してしまい、これが長続きするとも思えません。それに加え、いつまでもギリシャが‘’特別扱い‘’され続けているうちは、金融支援を受けている他の加盟国も「自分達も条件緩和を受ける権利がある」という錯覚に陥ることも考えられます。

最後になりますが、ギリシャでの現金引き落としが今後も加速した場合、他の加盟国特にスペインやイタリアでも同様のことが起きてしまうと、ユーロ圏での流動性問題へと発展しかねません。昨日木曜日には最近一部国有化が決定されたスペインのバンキア銀行からここ数日の間に個人・企業の預金の約1%に相当する10億ユーロが引き出されたと報道され、同行の株価は午前中だけで26%下落するという異常事態が発生しました。今までのユーロ危機に私達が経験した『欧州系金融機関の問題点』は加盟各国の国債保有による損失計上や不動産投資から生じた不良債権問題でした。しかし預金引き出しの増加による資金不足となると、不足分を欧州中央銀行(ECB)から借りる際に必要な担保不足にも繋がる問題です。新たな問題点が重なる以上、ECBが追加緩和策などを前倒しで実施することにもなり、それがユーロ安を引き起こしかねませんので、十分ご注意下さい。


松崎 美子

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