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金曜 外為コーヒーブレイク 英国現地レポと当社社員による週末コラム

財政健全路線と成長・企業支援策両立へ

更新日:2012年3月23日

2010年5月総選挙以来一貫して超緊縮財政路線を断行してきた連立政権ですが、昨年第4四半期のマイナス成長を確認して以来、成長率向上/雇用確保を訴える声が日増しに高まってきていました。このような厳しい現状のなか、今週水曜日オズボーン財務相は2012年度英予算案を発表しました。結果は、中期的な赤字見通しを引き下げ2016年度の黒字化に向けた財政健全路線を維持しつつも、企業に優しい税制改革を導入し企業活動の活性化をベースとした景気浮揚対策も同時に打ち出しました。

センチメント、改善か?

過去記事でもご紹介しましたが、英国では伝統的に年に2回予算案が発表されます。ひとつは新財政年度が始まる4月の前月に発表される本予算、そして半年後に経済成長率や政府の歳入出見直しを発表する秋のミニ予算案です。日本人には聞きなれないこの‘ミニ予算案’ですが、政府が必要と考えれば追加増税が発表される場ともなっており、納税者である私達にとっては頭痛の種となっていただけでなく、インフレ増大の根源とも見られていました。しかし連立政権は秋のミニ予算案を撤廃し、代わりに「秋季財政報告」と名づけた財政報告の場を11月に設けました。

昨年11月末に発表された秋季財政報告を最初から最後まで聞いていた私は、あのときの恐怖心を今でもまざまざと覚えています。ギリシャのデフォルト懸念で市場だけでなく国民の心も冷え切っていたせいか、報告するオズボーン財務相の顔色は優れず出てくる言葉にも元気がありませんでした。

‘’恐怖‘’という言葉を使うほど私が驚いた事は経済成長率(GDP)の下方修正幅でした。この表にある『2011年度GDP予想の変化』を見てください。昨年3月の予想は+1.7% ⇒ それがたった半年後の11月には約半分まで落ち込んでいます。それに反してインフレ率予想は上昇しており、スタグフレーション危機が危ぶまれました。

次に『2012年の予想』に目を移すと、昨年3月時点で+2.5%だった予想が、半年後には3分の1以下のわずか+0.7%にまで下方修正されてしまいました。挙句の果てに失業率予想も8.1%から8.7%と悪化しており、この発表を聞いていた私達英国に住む人間は絶望的な気分に打ちひしがれたものです。

(出所:OBR 「Economic and fiscal outlook」(経済・財政展望))

昨年11月の下方修正幅が劇的に悪化したせいか、今週発表された予算案では‘’嫌なサプライズ‘’がなく、その意味からもセンチメントの改善が肌で感じられました。これはただ単に数字のトリックだけ…と言われるかもしれませんが、予算案内容が毎日の生活に直結する私達にしてみれば素直に喜ばしいことです。

改善されたのはセンチメントだけでなく、2012年のGDP予想が11月の+0.7%から0.8%となり0.1%上方修正となりました。ビール片手に乾杯!と言えるほどの修正幅ではありませんが、よい方向への修正が行われたのは2009年以来はじめての出来事!! 1%にも満たない低い成長率であることは認めますが、リーマン・ショック以降の景気のどん底はもう過ぎたのかもしれません。

(資料:FT紙)

まぁ、そうは言っても世界大恐慌以降、英国を襲った5回の景気後退期のなかでも、
今回は回復に最も時間がかかっています。英予算責任局(OBR)が描いた予想では2008年の経済レベルに戻るのは、早くても2013年末〜2014年のはじめとなるようです。もしこの予想が正しければ、英国の政策金利上げはまだまだ先の話しとなりそうですね。

法人税カット

今回の予算案の焦点となっていたのが法人税カット幅。現在26%の法人税を今年4月には25%にカットすると昨年語っていたオズボーン財務相ですが、水曜日の予算案では追加1%カットを発表し24%となります。法人税カットは今後も継続し、2014年度までに22%になると発表。

(資料:英オックスフォード大学)

注:EATR(%)とは、法人所得課税の実効税率のこと。これは法人所得に対する租税負担の一部が損金算入されることを調整した上で、それぞれの税率を合計したもの

これはG20各国の法人所得課税実効税率一覧表です。これを見る限り英国は先進諸国の中でカナダと並び一番『企業に優しい』税率を適用していることがわかります。計画通りにすすめば、2年後にはG20の中でも5本の指に入る低い法人税率となり企業の勧誘にも力が入ることでしょう。

今まで金融立国として頑張ってきたイギリスですが、今回の予算案ではアニメや映画・テレビドラマ作成の際にかかる税金の控除が発表され、映画制作各社が撮影場所にイギリスを選ぶ機会が増えるかもしれません。

富裕層への影響は?

富裕層に甘い保守党。それに対して中級/貧困層の味方であると自負する自民党。この2つの政党が一緒になって出来た連立政権ですので、予算案内容の決定には気の遠くなるような駆け引きが行われます。

今回の予算案のもうひとつの目玉は、ズバリ『富裕層の扱い方』。具体的には、“保守党が希望する最高所得税率50%の撤廃”対“自民党が選挙公約として揚げていた高額不動産を対象にしたマンション税の導入”。

まず保守党が希望していた“最高所得税率50%撤廃”は実現し45%へ下げられました。自民党が押していたマンション税は適用対象に不公平が生じることがわかり撤回。その代わりとして高額不動産取得時への重税課税が決定されました。 ”。

具体的な内容としては、200万ポンド(約2億7000万円)以上の不動産所得の際に支払う印紙税率が従来の5%から7%へ上がるだけでなく、住宅取得の際に架空または実在の会社名義を使用しそれを個人の居住目的で使用したことがばれてしまった際には、印紙税率が一気に15%へ跳ね上がるというもの。

果たして200万ポンド以上の物件って、どのくらいあるのでしょうか?デイリー・メイル紙によると英国全体で約8万件だそうです。イングランドだけに特定すると、昨年購入された不動産物件61万件のうち、1600件が200万ポンド以上だったと言われています。そしてその1600件の8割がロンドン市内の物件でした。ちなみにロンドンの最高級住宅街:ケンジントン/チェルシー地区の平均住宅価格はナント200万ポンド(ロンドン市内の平均住宅価格は455,159ポンド(約6150万円)、そして英国全域では236,939ポンド(約3200万円)となっているので、この地域で平均的な物件を購入する人は印紙税だけでも14万ポンド(約1,900万円)用意しなければならない計算になります。

予算案を見ての感想

社会の弱い者、特に低金利で生活水準を大幅に落とさざるを得なくなった年金受給者への配慮に欠けた内容となったのが気になりました。しかし全体の印象としては、財政健全路線を維持しつつも、企業の活性化を通して景気浮揚対策も同時に打ち出した点は評価してもよいと思います。

予算案発表後のマーケットですが、ロンドンの代表的な株価指数:FTSE100は前日比+0.01%とほぼ横ばい状態。ポンドの実効レートも前日とほぼ同じレベルで引けました。英10年物国債の利回り(イールド)終値は2.37%となり、前日より0.05%下落(価格上昇)しました。この背景には英債務管理庁(DMO)による国債発行総額が2011年度の1794億ポンドから今年度は1677億ポンドとなり、予定されていた総額を110億ポンド下回ったためとされています。

今後唯一英国株やポンドを下げる要因となり得るものとして、格付け会社の動きが考えられます。今年に入り、格付け会社大手3社のうち2社が英格付け見通しをネガティブに引き下げるなか、唯一英国の格付け及び見通しの変更していないのが米S&P社です。もしここが英財政再建の努力が足りないと判断して一気に格下げに動いた場合、ポンドは1.52の安値を試しに行く局面が想定されますので、お気をつけ下さい。


松崎 美子

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