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金曜 外為コーヒーブレイク 英国現地レポと当社社員による週末コラム

フランス格下げ後のシナリオ

更新日:2011年10月21日

ユーロ圏債務危機問題を巡り憶測も含めた各種報道に振り回されてから、そろそろ2年が経とうとしています。当初は周辺国への飛び火を食い止めることが最優先され、PIGS各国の赤字削減計画の履行に焦点が当たっていました。しかしPIGS債務危機はソブリン危機、そして2008年リーマン・ショックを越える規模の金融危機へと拡大。既に長期に渡り欧州委員会・ユーロ圏中核国/周辺国・欧州中央銀行(ECB)の間で政策決定に於いて一致した見解に辿り着けない状態が続いており、ユーロ圏債務危機は安定に向かう兆しを見せた途端、再燃するというパターンを繰り返しています。

欧州統合開始以来のメンバーである中核国の中でも特にドイツとフランスが主導権を握り危機拡大回避に動いていますが、今週に入り米格付け会社:ムーディーズが発表した年次報告は世界を震いあがらせました。それはフランスの長期国債の格付け見通しについて「(引き下げの)圧力がかかっている」という内容だったからです。現在同社のフランス格付けは「最上位のAaa、安定的」とされていますが、今後3ヶ月以内に財政状態が飛躍的に改善されなければ、フランスは格下げのリスクを負うことになる可能性を指摘しています。

フランスの格下げ観測の背景

  • フランスはトリプルA格の国の中でも財政/公的債務残高が比較的高いため、今までも格付け見直し観測は何度か浮上していた。 
  • ギリシャ・デフォルトの可能性や同国債のヘアーカット率が最大50%にも及ぶ可能性が出てきた ⇒ ギリシャ国債を大量に保有する仏系銀行に対し資本増強が必要 ⇒ フランス政府による国内金融システムに対する救済策/追加支援の必要性 ⇒ 財政負担の増加
  • 財政赤字削減目標達成が困難になった ⇒ フランス政府は財政赤字対GDP比目標を2011年度5.7%、2012年度4.6%、2013年度3%と設定 ⇒ この目標達成に必要な2012年度GDPを+1.75%に設定 ⇒ 今週火曜日にバロワン仏財務相が2012年度GDP予想は高すぎることを認めた ⇒ 赤字削減遅延の可能性
  • 欧州金融安定ファシリティー(EFSF)への保証上限引き上げ ⇒ フランス議会はEFSFの融資能力を4400億ユーロに拡大するため、同国の保証上限を1590億ユーロに引き上げることを承認 ⇒ この額はフランスの国内総生産の8.5%に相当 ⇒ 更なる財政負担

などが挙げられます。ムーディーズ年次報告書発表直後、フランス国債とドイツ国債との利回り差(イールド・スプレッド格差)は約1%に達し、1999年単一通貨ユーロ導入以来の高水準へと拡大しました。同様にフランス国債をデフォルトから保証するコストの指標となるクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)5年物のスプレッドは1.85%レベルまで上昇 ⇒ これは中国(約1.3%)やブラジル(約1.6%)よりもデフォルトする可能性が高いことを意味しています。ちなみに両国の格付けは中国Aa3、そしてブラジルBaa2となっており、CDSだけを取ってみればフランスが最高格付けを維持出来る環境ではありません。

フランス格下げが現実に起きたら

真っ先に私の頭に浮かんだのは、欧州金融安定ファシリティー(EFSF)の権限強化や規模拡大に支障が出てくる可能性です。

以前このコラムの過去記事で書きましたが、フランスが格下げとなると、この記事で予測したことが現実に起きることになります。

(EFSF)保証枠の大幅増額により、ユーロ圏優等国が保証枠増額割り当て分の財源確保に動く ⇒ それらの優等国が多大の財政負担を強いられる可能性が出て優等国の赤字増大のきっかけとなり得る  ⇒ 最悪の場合はユーロ加盟国全部がトリプルA格を失う危険性に繋がる  ⇒ トリプルA格付けの国がなくなれば、当然EFSFもトリプルA格付けを失う  ⇒ 救済メカニズムが機能しなくなる  ⇒ ユーロ崩壊 という負の連鎖になりかねません。

上記リンク記事でも書きましたが、当初 EFSFは最大融資総額を4,400 億ユーロでスタート。しかし保証を行うユーロ加盟国のうち AAA 格保有国は6カ国だけとなったため、融資可能額は2,554 億ユーロへと減少*1。2011 年 6 月に欧州理事会は融資可能額を4400億ユーロとするため、最大融資総額を7,800 億ユーロへ増額しました。同時にEFSF 債発行時の保証率についても、当初の 120%から165%へ改定されることになりました。少し難しい話になってしまいますが、保証率を120%から165%へ上げたことは「糊しろ」を増やしたことと同じ意味を持ちます。例を挙げて説明しますと、ギリシャに対して金融支援をするためにEFSFは5年物債券を発行し、その資金をギリシャへ融資します。5年が過ぎ本来ならギリシャは融資返済をすべきなのですが、財政状態が改善せず返済出来ないと仮定します。ギリシャの財政状態がどうであれ、EFSF債の保証人となったユーロ加盟国には、債券購入者に対して元本と利子を支払う義務が残ります。しかし運が悪い事に、この5年の間にEFSF債の保証人となったユーロ加盟国の中に自国の財務状態が極度に悪化した国が出てしまい、その国は債券の元利保証が出来なくなりました。そういう状況になった時、余裕のある加盟国がその国の分も含め保証を履行せざるを得ません。そういう最悪の状況が起こる可能性を想定し、加盟国が保証する限度額は165%の「糊しろ」をつけてEFSF債購入者を保護しようという仕組みになっているのです。

  • *1 EFSFが発行した「EFSFについて」という手引き)によれば、(A11⇒)EFSFの保証主体となるユーロ加盟国の格付けが下がったからと言って、自動的にEFSFが最高位トリプルA格を失うことにはならないと断定しています。

EFSF融資保証規模がドイツに次いで2番目に高いフランスがトリプルA格を失ってしまった場合、現在の融資可能額4400億ユーロが更に減少してしまう事は避けられません。そのため今月に入ってからのユーロ圏加盟国での話題はEFSFに対するレバレッジ活用へと移って行きました。

EFSFのレバレッジ活用の是非

現在の時点で協議されているものとして、EFSFを保険会社として扱うドイツ案と、EFSFに銀行免許を与えるフランス案が有力となっています。特にフランス案はEFSFがECBから資金を借り入れ、それに大きくレバレッジをかけ、その一部を「EFSF債の保証のりしろ分」に充てる内容です。もしこれが現実に起これば、EFSFの融資可能額を増加した場合でもユーロ加盟国による保証限度額は増えないため、加盟各国に余計な財政負担がかからずに済み、その国の格付け維持が可能となります。

しかし一部のユーロ加盟国とECBはこの案に反対しており、10月23日のEU首脳会議(サミット)でのレバレッジ活用に関する最終決定は怪しくなってきました。そもそもEFSFのレバレッジ活用に対する加盟各国の意見調節のため、当初10月17〜18日に予定されていたEUサミットは23日へ延期されました。そして現在のところ、もし23日に決定が無理であれば、10月26日までに2回目のサミット開催となる予定のようです。それに加え、今週金曜日に予定されていた独メルケル首相によるEFSF権限強化に関するドイツ議会演説も急遽中止の運びとなっています。

フランス格下げ後のシナリオ

  • EFSFの格下げ
    フランスの格下げにともない、EFSFも格下げ ⇒ 当然今後発行されるEFSF債の利回りは上昇 ⇒ 金融支援を受ける国への融資金利も上昇します。  
  • EFSFはトリプルA格を維持
    EFSF融資保証規模第2位のフランスが格下げされても、EFSFは何の影響も受けない。EFSF債利回りも現状維持  
  • EFSF融資可能額の削減
    トリプルA格の加盟国による融資保証規模が減少するため、EFSF融資可能額も当然減る  
  • ECBによる加盟国の国債買い入れプログラム(SMP)の増強
    トリプルA格の加盟国による融資保証規模が減少 ⇒ EFSF融資可能額も当然減る⇒ EFSFによる流通市場に於ける加盟国の国債買い入れ額が減少 ⇒ その不足分をECBに補ってもらう  
  • トリプルA格の加盟国の保証割り当て増加
    EFSFの融資保証規模とトリプルA格両方を維持するため、残りのトリプルA格の加盟国がそれぞれ割り当てを増やす  
  • ユーロ圏中核国による周辺国援助の中止
    トリプルA格の中核国は自国の格付け維持を優先し、財政負担増となる周辺国への保証を断念 ⇒ 当然これが現実となった場合は、ユーロ崩壊は避けられない  

ここに挙げた6つのシナリオは、どれも現実性に乏しく感じます。しかし今まで「絶対に起きる筈がない」ことが現実に起きてしまっているのが、今回の債務危機の恐いところです。ユーロ圏債務危機が起こるまでは絶対に考えられなかったフランスの格下げが現実のものとなれば、残りのユーロ加盟国の中にはいきなり守りの姿勢に入ってしまう国が出ないとは限りません。最後に残ったトリプルA格の国がドイツともう1〜2ヶ国だけになってしまったら、現状での単一通貨:ユーロの継続は不可能になると言っても過言ではないでしょう。

最後になりましたが、市場参加者である私達はムーディーズによるフランスの格下げを心配していますが、S&Pやフィッチがいきなり格下げに動く可能性はありますので、そちらも注意して下さい。

【欧州各国の格付け表】


松崎 美子

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