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金曜 外為コーヒーブレイク 英国現地レポと当社社員による週末コラム

英国にも格下げリスクが訪れるのか?

更新日:2011年8月12日

今年は例年になく暑い夏になるという気象庁の予想とは裏腹に、不安定な天気が続いているロンドン。眩しい日差しが照りつけ洗濯物を外に干して出かけた途端、大粒の雨が降るというパターンが続いています。私が1988年に渡英した頃は霧雨のような細かい雨が延々とシトシト降り、イギリスの雨粒の小ささに驚きました。ここ数年はスコールのような土砂降りの雨が降りつけ、まるでイギリスは亜熱帯地方にあるのかしら?と思わせます。

イギリスの気象庁の予想は外れましたが、市場は連日暑い展開を繰り広げています。ユーロ圏と米国両方が共倒れしかねない今、私が住む英国の通貨:ポンドは注目度ゼロ。しかし今年後半くらいには、市場の関心がポンドに戻ってくる可能性を捨てていない私です。そのポンドの将来を占ううえで欠かせないのが、英中銀が四半期ごとに発行しているインフレーション・レポート。水曜日に8月分のレポートが発表されましたので、私なりの見方を書いてみたいと思います。

今回のレポートの見所

普通なら市場の関心は「将来のインフレ予想」に集中しますが、今回のレポートに限っては、「将来の経済成長率予想」の下方修正幅に注目していました。その理由は2つです。

(1) 危2010年Q4から2011年Q1の半年間はゼロ成長、そして2010年Q4から2011年Q2の9ヶ月間ではたったの+0.2%しか経済成長を遂げていない英国に、ダブル・リセッション懸念が浮上してきた
(2) GDPが下方修正されれば政府が断行している超緊縮財政政策の中断や内容変更が視野に入ってくる可能性が出てくる

昨年5月に新連立内閣が発足して以来、英中銀は2011年GDP予想を合計5回下方修正していますが、今年に入ってからは年初予想が+2.0% ⇒ 前回5月のレポートで+1.8% ⇒ 今回の8月レポートでは+1.4%と、インフレ・レポートが発表される度に下方修正しています。

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これは前回5月のインフレ・レポートと今回8月のレポートそれぞれに載っているGDP予想ファン・チャートです。黄色く囲んだ部分は2011年の予想ですが、5月と比較すると8月のチャート上の濃い緑色部分が若干下方修正されているのが分かります。

インフレ予想に関しては、5月同様今後数ヶ月でインフレ率は5%に達する可能性を残しながらも、2年後には+1.8%まで下がるという予想を出しています。

※クリックで拡大できます

GDP下方修正の根拠

キング総裁は記者会見冒頭で「英国を取り巻く環境は著しく悪化している。特に英国民の可処分所得はインフレ加速と賃金伸び悩みの影響を受け、引き続き圧迫される。」との見解を真っ先に披露。これは英国民の購買力の低下を意味し、それが経済成長率の伸び悩みを助長するという見方を示しました。

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このチャートは8月分インフレ・レポートに載っているものですが、可処分所得と貯蓄率が共に低下しており、貯蓄をくずして毎月の生活費に充てているのがわかります。この状態は今後も継続すると見られており、消費者による購買力低下 ⇒ 成長率低下傾向が強まるとされています。

政策金利予想

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私はこのチャートを見たとき、思わず声を上げて驚いてしまいました。5月のレポートでの予想(紫線)と今回の予想(黄色線)を比較すると、著しく利上げ期待が後退したのが見て取れます。具体的な数字を挙げますと、

<2012年末政策金利予想>

  • 5月レポートでは   +1.7% ⇒ 3ヶ月ごとに0.25%の利上げを6回実施
  • 回8月レポートでは +0.8% ⇒ 来年後半0.25%の利上げを1回だけ実施

となっており、年内利上げの可能性が吹き飛んだだけでなく、もしかしたら来年中も利上げしない可能性が高まってきました。火曜日に米連邦準備理事会(FRB)が連邦公開市場委員会(FOMC)声明で事実上のゼロ金利政策を「少なくとも13年半ばまで継続する」と長期化する方針を打ち出したのに続き、英国も同様の措置を取る可能性が高まった事は間違いありません。

戦々恐々のキャメロン内閣

英連立内閣は発足と同時に予算責任局(OBR)という独立機関を設立しました。OBRの仕事内容は、経済成長率予想と見通し/政府の財政予想/政府に対して予算編成に関する勧告/赤字削減執行-達成状況の監視と報告/予算編成に向けての各省庁の(赤字削減に対する協力度の)監査などを担当します。OBRが設定した2011年度GDP予想は+1.7%。英国がこの+1.7%の経済成長率を今年達成するには、2011年Q3とQ4それぞれ前期比+1.0%以上の成長率を達成しなければなりません。つまり言い換えれば奇跡が起こらない限りOBRが予想する+1.7%のGDPは達成不可能な数字となった訳です。

経済成長率が下がるということは、政府にとっては頭の痛いことです。税収は減る一方、失業手当の支出は増加します。キャメロン内閣は選挙公約で約束した「歳出削減」を最優先事項とし、ポンド安の恩恵を受けられる輸出主導の景気回復を念頭に置いてスタートしました。しかし英国の2大輸出先である欧州と米国はそれぞれ深刻な問題を抱えており、今更英国からの輸入が大幅に拡大する傾向は全く見えず、英景気は牽引役不在の状態が続いています。そしてこれだけゼロ成長が続くと、野党だけでなく与党内部からも「経済成長の向上と雇用創出」への政策転換を迫る議員が出てくるようになりました。

米国債が格下げされたにもかかわらず、英国がトリプルA格付けを維持している理由は、キャメロン内閣の歳出削減姿勢を格付け会社が非常に好感しているからに他なりません。ここで英国が景気回復に主軸を移し赤字削減の手綱を緩めた場合、イタリアやスペイン同様国債売り浴びせが起こるのは火を見るよりも明らかでしょう。もっと悪い事に英国はユーロ圏に加盟していませんので、いざという時はIMF以外頼るところはありません。それもあって、英政府は何がなんでも格下げの危機を避けなければならないのです。

GDP下方修正とポンド動向

本来であればGDPが下方修正されれば悲観色が強まり、その国の通貨は売られます。しかし水曜日のインフレ・レポート発表後は若干売られたもの、その後上昇を見せました。最終的にその数時間後ポンドは大きく売られましたが、これはGDP下方修正が理由ではなく、世界同時株安を嫌った動きでした。

現在英国が直面している問題は、ユーロ存続自体が危ぶまれるまで悪化してしまったユーロ圏債務危機や格下げで自信を失ってしまった米国と比較すると、まだ“まし”です。このような「他の主要国と比較したらまだ“まし”」な状態が続く限り、ポンドという通貨が独歩安になるとは私は考えていません。今後キャメロン政権が財政政策の転換をはかり赤字削減より景気回復に矛先を向けそれが原因で格下げが起こる場合を除いて、ここからのポンドはある程度堅調推移すると思っています。

最後に、8月のインフレ・レポートは、最近市場をかく乱しているイタリアやスペインをも巻き込んだユーロ圏債務問題や米国の格下げが起きる以前に作成されています。つまり私がここに貼ったチャートなども、世界的株価/原油価格暴落、はたまた金価格高騰などのかく乱要因の影響を織り込んでいません。もしレポート作成が1週間遅れていたら、英国のGDP予想は更に下方修正されていたかもしれません。次回の四半期インフレ・レポート発表は11月になります。その時までに世界がどのように変化しているのか想像もつきませんが、11月のレポート内容、特に成長率と将来の金利予想は注目に値するでしょう。

松崎 美子

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