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金曜 外為コーヒーブレイク 英国現地レポと当社社員による週末コラム

ギリシャ債務危機問題、一難去ってまた一難?

更新日:2011年7月29日

先週開催されたEU首脳会議で「1,590億ユーロ規模の第2次ギリシャ支援策と4,400億ユーロ規模の欧州金融安定ファシリティー (EFSF)の権限強化」が合意されました。市場参加者はこの材料に飛びつきユーロは独歩高の展開を繰り広げています。
私の印象は、下記3点でした。

(1) 危機対応に対して明確なビジョンを示せずいつも後手に廻っていた欧州関係者が、今回初めて先手を打ったことを好感
(2) 過去1年以上ユーロ圏を悩ませていたソブリン債危機が果たしてこの合意だけで簡単に収束に向かうのか?
(3) EFSFの権限強化を可能とする機能拡充に対する具体的な財源と法的処置に目処が立っているのか?

今年に入ってからの市場の心配事は欧州発金融システム危機でした。これはギリシャ国債を大量に保有している欧州系銀行が同国のデフォルト・リスクにより多額の損失を被り、リーマン・ショック以上の世界的金融/経済危機へと発展する恐れです。もちろんこれが完全に消滅した訳ではありませんが、今回の合意内容発表後のメディア報道では新たに発生した「もうひとつの心配事」に焦点をあわせていたのが印象的です。

ユーロ圏債務危機は終焉していない

私が住む英国では今回の支援策合意に対し「今後数ヶ月は時間稼ぎ出来るであろう。しかし中長期的な問題解決とは言えない」という論調で統一されていたのが印象的です。各紙アプローチの仕方に多少の違いがあるものの、債務危機は終焉していないとする理由付けとして共通に挙げていたのが「EFSFの機能拡充」に関する部分でした。

EFSFとは?

今更ですが、改めてEFSFとは何か?をおさらいしてみましょう。
この記事↓

でも書きましたが、昨年欧州委員会はユーロ加盟国の財政危機の感染を防ぐための金融支援措置として"欧州金融安定化基金" (総額7,500億ユーロ) を設立しました。
内訳は下記の通りです。

(1) EFSF ⇒ 4,400億ユーロに及ぶユーロ圏政府保証付き欧州金融安定ファシリティー
(2) EFSM ⇒ 600億ユーロの融資を可能とする欧州金融安定メカニズム
(3) IMF支援  2,500億ユーロ

今回スポットライトが当たったEFSFは、「ユーロ加盟国が保証主体となりEFSF債発行を通して支援資金を調達」します。
具体的な内容を書きます。

  • ユーロ加盟国のみを対象とした金融支援枠
  • 格付け: Moody's Aaa / S&P AAA / Fitch AAA
  • 最大支援可能総額:4,400億ユーロ

    ※最上級格付けが維持されている限り、総額の120% (5,280億ユーロ) まで保証可
    ⇒但し、支援対象国による万が一の返済遅延を考慮し、一部の金額をキャッシュバッファーとして積み立てる義務がある
    ⇒キャッシュバッファー積み立てにより最高級格付け維持が可能となる
    ⇒4,400億ユーロを超える保証となった場合、ドイツに限り 連邦議会による承認が必要となる

  • 金融支援決定手段:ユーロ圏加盟国財務相による全会一致
  • 融資申請期限:原則として2013年6月30日迄

    ⇒但し、ユーロ圏加盟国全会一致であれば延長が可能

  • 融資期間:5〜7年の予定
  • 融資資金調達手段:EFSF債券発行
  • 債券発行主体:EFSF
  • 債券保証主体:ECB拠出割合に応じ、ユーロ加盟国による保証
  • 調達通貨:ユーロとなる予定であるが特に規定/制約はない

4,400億ユーロという融資保証規模はギリシャ、アイルランド、ポルトガル・スペイン (PIGS) 4カ国が2013年までに必要な資金調達額合計に匹敵する金額と言われており、加盟各国の保証割り当て額は欧州中銀 (ECB) への出資比率に比例して決定されました。しかし残念なことに金融支援を受け取った加盟国 (ギリシャ、アイルランド、ポルトガル) の保証資格は無効となるので、支援枠は4,097億ユーロまで減少 (表の赤丸の部分)。

そしてEFSFがトリプルA格付けを維持するにはトリプルA格付けのユーロ加盟国のみが保証適格国となるのが当然だ!という見解が今年に入ると一般化されてきました。現在ユーロ加盟17ヶ国の中でトリプルA格付けの加盟国は6ヶ国のみとなり、合計保証規模は2,500億ユーロ規模にまで縮小しています。今春以来EUサミットやユーロ圏財務相会合の席でEFSF増額の話し合いが何度も繰り返されましたが未だに増額決定されていません。

今回の合意策で決定されたEFSF権限強化のひとつとして、EFSFが財政悪化国の国債を流通市場から買い取る権限が付与されました。これによりギリシャ以外の加盟国がクレジット市場から締め出され財政破綻に至るような局面では、EFSFが救済も含めた介入に動ける仕組みとなったわけです。

EFSF規模拡大に絡む問題点

EFSF保証規模拡大の際、ドイツに限り連邦議会による承認が必要となります。この点に関しては、今回の第2次ギリシャ支援策にドイツが切望していた「民間投資家の関与」が盛り込まれたことと引き換えに、独連邦議会はEFSF増額を承認するに違いないというのが一般的見解です。

しかし本当の問題点は、ユーロ加盟国の大物:イタリアやスペインをEFSFが救済する場合、EFSF保証額の大幅増額は避けて通れません。増額幅にもよりますが、保証枠の大幅増額により、ユーロ圏優等国が保証枠増額割り当て分の財源確保に動く ⇒ それらの優等国が多大の財政負担を強いられる可能性が出て優等国の赤字増大のきっかけとなり得る  ⇒ 最悪の場合はユーロ加盟国全部がトリプルA格を失う危険性に繋がる  ⇒ トリプルA格付けの国がなくなれば、当然EFSFもトリプルA格付けを失う  ⇒ 救済メカニズムが機能しなくなる  ⇒ ユーロ崩壊 という負の連鎖になりかねません。

ここではイタリアを例にして話しをすすめますが、ある投資銀行の計算によると2012〜2013年の2年間に於ける伊国債償還/クーポン支払い額 (資金需要) は合計5,000億ユーロに達するため、現在のEFSF規模では到底間に合いません。5,000億ユーロという額はどれほどの負担となるのでしょうか?ユーロ加盟国の優等国であるドイツとフランス2ヶ国のGDP合計は約4兆3,000億ユーロ ⇒ 5000億ユーロは独仏2ヶ国GDP合計のナント11.6%に匹敵。もしこれが現実に起きた場合、フランスだけでなくドイツまでもがトリプルA格を失う可能性が高まってしまうのです。

一部の金融機関では、EFSFがイタリアやスペインに対する債務危機対応に備えるのであれば、 (現在の4,400億ユーロから) 一気に1.5〜2兆ユーロという規模にまで拡大する必要性が出てくると計算しています。この数字はフランスの経済規模とほぼ同じ額。もっと恐いことに、ドイツの出資比率27.1%をEFSF2兆ユーロに当てはめてみると、ドイツは自国の経済規模の約23%をEFSF保証に当てなければならない計算となり、この計画が不可能となるのは明らかです。
この点に関し、仏バロワン財務相は「フランスの財政赤字に影響を及ぼさない」、フィヨン首相は「2013年までには財政赤字対GDP日を3%以下の水準まで引き下げる」とコメントしていますが、誰もこのコメントを言葉通りに受け止めてはいないでしょう。

つまり、財政不安がPIGS各国からイタリア、スペインへと拡大して、経済規模の大きい国が本格的に財政危機に至る前に防止策を強化する必要が出てきたことにより、ユーロ圏加盟国がクレジット市場から締め出され財政破綻に至るような局面では、EFSFが救済も含めた介入に動ける権限強化を組み込んだがために、今回の合意は新たな問題点を生んでしまったことになります。この問題の深刻化を防ぐため、ショイブレ独財務相は水曜日の午後に「EFSFが流通市場で財政困難国の国債を購入する権限強化に関しては、異例な状況とECBが判断した場合に限定するなど、今後極めて厳格な条件を課する必要がある」としっかり釘を刺しています。

為替市場への影響

避難通貨のスイスと円、そして資源通貨のNZD、CAD、AUDや金の押し目買いは継続。ユーロに関しては、今後数ヶ月の間にイタリアやスペインへの飛び火懸念が後退し、EFSF増額が為替市場のトピックにならない限り、少なくとも夏の間はユーロ買い継続を予想する人達が多いようです。一部の予想ではアメリカの結果次第では、来月中にユーロ/ドルが1.55台まで高騰するというものもあるようです。

松崎 美子

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