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マーケットビュー

火曜 和田仁志が斬る、相場のセンチメント 相場の今の"空気"を読み解く

ドル安政策宣言

更新日:2012年1月31日

先週は、大イベントの終了した26日のアジア市場を、参加者が寝不足で「全く動意のない凪相場」とならしめたほど、世界中の注目を集めることになりました。東京勢のインターバンク勢も、FOMCの金利見通しが早朝4時に発表されるとあって、いつもよりかなり早めに起きていたり、さもなければ、深夜に帰宅して「数時間の仮眠」だけで眠れない夜を過ごした向きもいたりしたようですが、FOMCは今回新たな試みとして市場へのメッセージを出来る限り透明化。FOMC声明文、FOMC経済金利見通し、FOMC長期目標および政策戦略が公表され、最後はバーナンキFRB議長の定例記者会見で一大イベントは締めくくられました。

市場のサプライズは、異例の低金利を継続する期間を2013年半ばから2014年末まで延長したこと。
「the Committee expects to maintain a highly accommodative stance for monetary policy. In particular, the Committee decided today to keep the target range for the federal funds rate at 0 to 1/4 percent and currently anticipates that economic conditions--including low rates of resource utilization and a subdued outlook for inflation over the medium run--are likely to warrant exceptionally low levels for the federal funds rate at least through late 2014.」

さらに、FOMCメンバーの見通しでは、ゼロ金利解除の時期を2012年、2013年に予測しているメンバーがそれぞれ3人もいたこと。また同じく2015年以降を予測しているメンバーがあわせて6人もいたことでしたね。

ところで、それぞれに市場は素直に反応しましたが、バーナンキFRB議長の会見も含めて、一番注目に値するのは実は「インフレターゲット」を設定したことにありました。

正式にコミットしたわけではありませんが、FOMCの長期的責務を果たすためには「インフレ率(PCE)の2%」を明確に示すことが一番適していることを声明文で表明した
「The inflation rate over the longer run is primarily determined by monetary policy, and hence the Committee has the ability to specify a longer-run goal for inflation. The Committee judges that inflation at the rate of 2 percent, as measured by the annual change in the price index for personal consumption expenditures, is most consistent over the longer run with the Federal Reserve‘s statutory mandate. 」
一方で、もうひとつの責務である「雇用の最大化」については、金融政策として数値を設定するのは適切ではなく、その他の政策もあわせて失業率の低下を目指していくことを明らかにしました。
「The maximum level of employment is largely determined by nonmonetary factors that affect the structure and dynamics of the labor market. These factors may change over time and may not be directly measurable. Consequently, it would not be appropriate to specify a fixed goal for employment;」

たとえ雇用統計が強い数字となろうとも、米国の実質ゼロ金利政策は「インフレ率2%」を超えてこない限りは継続されることを意味しています。市場では、「米国のジャブジャブ政策」、つまり「ドル安政策」がはっきりしたとの声も多く聞かれており、今後の市場への影響も大きなものとなりそうです。オバマ米大統領も「輸出倍増計画」を前倒しして実施することを表明しているわけで、米国の国策としての「ドル安政策」に対する決意は、予想以上に強いものがありそうです。

先週の「注目通貨ペア!」の振り返り

先週の「注目通貨ペア!」

ドル円

先週は、ドル円は荒い値動きとなりました。24日の欧州市場から「モデル系ファンドが買い上げた」ことをきっかけに動意付く相場となりました。6日の高値77.342円を上抜けて目先のストップロスをつけるかたちで買いが強まる展開に。WSJが「日本の貿易赤字がこのままま続けば債権国から純債務国に転落する可能性」を指摘する特集記事を報じたことを受けて上値を試す展開となり、一時78.288円の高値まで値を上げています。ただ、FOMCが「異例の低金利を継続」する時期を2013年半ばから2014年末まで時間軸を引き延ばしたことなどから一転売りが加速。週末には一時76.65円の安値まで値を下げています。市場では、「目先海外勢のロングポジションを投げさせられる動き」となってしまったようです。

ユーロドルは、FOMCを受けて買いが強まる展開となったほか、ギリシャ債務スワップ交渉に楽観的な見通しが台頭したこともあり、週末には一時1.3235ドルの高値まで値を上げています。

今週のワタシの「注目通貨ペア!」※チャートはクリックで拡大できます

今週の「注目通貨ペア!」

ドル円

週明けのNY市場では、ドル円は売られる展開となりました。欧州時間は76.70円を挟んだもみ合いが続きましたが、クロス円の売りにつれたほか、米長期金利が急低下したことなどを受けて売りが強まる動きとなりました。目先の目処とされていた17日の安値76.55円を下抜けるとストップロスを巻き込んで下げ足を速めて下落。2日早朝につけていた76.30円も下抜けると一時76.21円の安値まで売り込まれています。市場参加者からは「海外勢のロングが一斉に投げさせられたばかりか、一部ではドテン売りしている」との声も聞かれました。

今週は、1月米雇用統計が控えていますが、米金融政策がインフレターゲットに絞られた後とあって、市場の注目度が通常より薄れています。米長期金利の動向などに敏感に反応する動きとなりそうです。既に17日の安値76.55円が戻りの目処として意識される展開となっており、戻りを丁寧に売っていきたいところです。下値では、30日安値の76.21円がとりあえずの目処となっていますが、10月31日インターバンク間でシドニー時間につけた史上最安値75.311円が視野に入ってきており、下サイドのケアが必要です。

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