

前回執筆した「ユーロ安の再来!?」では、スペインへの危機飛び火懸念により、
ユーロ安が再来した。
スペインについては5/7(月)にスペインの首相が公的資金を銀行救済に活用することを示唆したことで、一応の落ち着きを取り戻した。その後、4/23(月)にオランダの内閣総辞職、ゴールデンウィーク後のギリシャ議会選挙、フランスの大統領決選投票の結果により、ユーロ安が継続している。それぞれ、状況を簡単にまとめてみる。
オランダは、4/23にルッテ・オランダ首相がベアトリクス女王に内閣総辞職を表明した。同国は、そもそも比較的財政が健全な国であるが、そのような国においても財政規律を重視する方向に反対の声があることが予想外であったと受け止められている。
短期的にオランダが財政破綻となる可能性は低く、総選挙も9月となっており大きな問題とはならないと考えられる。
フランスの大統領選では、事前の予想通り現職のサルコジ大統領は敗北し、オランド氏が勝利した。オランド氏は、4/25に欧州で締結しようとしている財政規律条約の現状見直しや、ドイツが反対するユーロ共同債の発行を主張しており、蜜月状態となっていたドイツとフランスの共同歩調関係が崩れ、財政健全化への議論が振り出しに戻る懸念が浮上している。今後のポイントはオランド氏が財政健全化のペースをどの程度緩め、政府支出による経済対策をどれくらいの規模で行うのかが注目される。
今後も、オランダやフランスで発生した財政緊縮に対する反対世論が欧州各国で発生してくることは十分考えられる。財政の健全化とマクロ経済成長(あるいは雇用の創出)との落とし所をどこに定めていくのか、昨年来のギリシャ財政破綻危機以来、財政緊縮健全化の方向に行き過ぎた調整が入っているものと考えられる。
ギリシャ総選挙の結果は、どこの政党も単独過半数を占めることが出来なかったため、今後どのように連立政権が樹立されていくのかがポイントとなっている。具体的には、新民主主義(選挙結果では第1党、108議席)とPASOK(同第3党、41議席)だけでは過半数に達せず、民主左派(19議席獲得)の動向が注目されている。同政党はPASOKらとの連立を否定しており、混沌とした状態が続いている。連立政権への模索は、第1党による組閣→第2党による組閣→第3党による組閣→大統領の呼びかけによる組閣、という手順となっており、この過程で過半数に達する政権が樹立できない場合には再選挙となる。 報道では、再選挙は6月の中旬となっている。
急進的な財政緊縮反対派の連立政権が樹立された場合、考えられるリスクとしてIMFおよびEUと、再交渉となりギリシャとの見直し合意が難航し、ギリシャの次のファイナンスに必要な金額を調達できなくなることが考えられる。またその過程でギリシャのユーロ脱退のリスクも考えられる。
ドイツが年内発効を目指す「財政規律条約」にはユーロ圏17カ国のうち12カ国の批准が必要となっている。その条約について5/31(木)にアイルランドで国民投票が行われる。フランス、オランダ、ギリシャに続き、アイルランドでも同条約の見直しを迫るようであると、さらなるユーロ安材料となる可能性があり、注目材料となるであろう。
セントラル短資FX株式会社
牧野 伸康
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